
同社は塩・コショーのイメージが強いが、売上高構成比を見ると1位たれ34.8%、2位スープ28.0%であり、第3位に塩・コショーの粉末調味料18.0%となる。福岡出身であることから、九州での売上比率が最も高く28.0%である。次いで関東圏の23.4%であるが、市場規模を比較すると関東圏が圧倒的に大きいので、今後は如何に関東での売上を伸ばすかが最重要課題のひとつである。競合相手には、モランボン、日本食研等があるが、幸いに6期連続で過去最高売上高を更新していることから窺えるように、同社製品は消費者に受け入れられている。今後大消費地である関東圏での市場開拓が進めば、大きく売上を伸ばす可能性も高い。
しかし、現在最も業界にとって頭の痛いことは、原材料であるコショーの高騰である。03年の価格を1とすると黒コショーの現在の価格は1.8倍、ごま油1.5倍になっている。天候の影響で不作が続いていることも原因の一つとして挙げられるが、もうひとつの理由はトウモロコシに転作していることである。商品価格は据え置きたいものの、この様な状況では価格改定は否めない状況となってきている。同社では3月1日に一部商品の価格改定を実施している。
主要顧客は、大手スーパー等の量販店である。販売方法は、肉、魚、野菜等の食材の横に手軽にできるメニューを紹介し、食材の横に同社の製品を並べて売る方法をとっている。時には社員が店内でプロモーション販売も行う。スーパーを訪れる主婦の80%がメニューを考えずに買物に来ているというデーターがあることから、同社の販売方法は、提案型営業といえる。
今期業績予想は、売上高147億5000万円(前期比3.5%増)、経常利益6億6000万円(同2.8%減)、純利益3億1600万円(同2.3%減)と原材料の高止まりを織り込んだ業績予想となっている。
新しい動きとして、今年7月4日に和風ダイニング形式の焼肉店「焼肉ダイニング俊輔」を麻布十番に出店する予定。黒毛和牛を中心に有機栽培の野菜を使用したサイドメニューを添える。
焼肉のたれを皮切りに、野菜ドレッシング、魚のたれ、青汁と次々に時代の流れに沿った商品を提供している。今度の外食産業への進出も40年の間に培ってきた調味料の知識、データーを元に店舗運営に乗り出すことから同社の実力が直に試されることになる。成功すれば多店舗化となる。
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