<銘柄の見所>
アートネイチャー<7823>(JQS)は、寄付後に133円安の2220円と売られた後、反発に転じている。前日18日、同社は東京証券取引所から上場市場を12月9日付で東証1部または2部へ市場変更すると発表。公募増資と売り出しを実施することから、需給が悪化するとの見方が強まり売り込まれる場面もあったが、上昇に転じている。
14日に年初来の高値2490円と買われていたこともあり、目先の売りが膨らみ、短期的には2200円処が下値として確認した感がある。業績好調で業績上ブレ期待があることから、ここからの押し目は注目されよう。
株式の分布状況の改善および流動性の向上を図るため、45万株の公募増資と77万8000株の売り出しを実施する。公募増資などで約12億円調達する。調達する資金は同社グループの毛髪製品の生産力拡大のほか、カンボジア王国での新工場建設、顧客満足向上の為の店舗の移転やリニューアルなどに充てられる。公募・売り出し価格が決まる26日から29日までに1部か2部への上場を発表する。
足元の業績、10月30日に今3月期第2四半期決算に発表済み。男性・女性共にオーダーメードかつらの売上高が当初計画を上回り好調。
販売費及び一般管理費について、経費の抑制的使用を推進したほか、販促費を中心に第3四半期累計期間に使用する予定が、第3四半期以降に一部繰り越しとなったため、売上高は従来予想の184億7500万円(前年同期比13.3%増)から187億0300万円(同14.7%増)、営業利益は同21億0600万円(同4.8%増)から28億0300万円(同39.5%増)、経常利益は21億3400万円(同5.1%増)から28億3300万円(同39.5%増)、純利益は同12億1100万円(同1.1%増)から16億1800万円(同35.0%増)と中間期計画を上回り好調。
毛髪業界を取り巻く環境が依然として先行き不透明であることや、費用の一部繰越であることから、通期純利益25億0600万円(前期比8.5%増)予想を据え置いているが、松坂屋静岡店で「無料増毛体験会」を開催、スカルプアロマシャンプー 『ラボモ(LABOMO)』のCМキャラクターに及川光博さんを起用するなど、広告宣伝の効果もあり通期業績予想は上ブレする可能性が高い。
株価は、週足では26週移動平均線、月足では9カ月移動平均線をサポートラインに上昇トレンドを継続している。07年2月上場時の高値2333円を突破した後の初押し完了と捉えることが出来る。カンボジアでの新工場建設と店舗の移転やリニューアルで高い成長が期待される。配当利回り2.0%と利回り妙味もソコソコあり、ここからの押し目は注目されよう。(株式評論家・信濃川)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:09
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株式評論家の視点