<銘柄の見所>
N・フィールド<6077>(東マ)は全般波乱の中で、11月5日に1万5220円の年初来高値に進み、市場での存在感を強めている。8月29日に東証マザーズに新規上場されたが、公募価格1500円に対し初値は3100円と好スタート、その後、10月1日に1万2060円まで直線的な上昇を見せた。そこから利食い売り吸収に一呼吸入れ、ここへきて人気再燃のパターン。
同社は、精神疾患を抱える患者に特化した訪問看護や訪問介護などの在宅サービスを手掛けており、業界で唯一の全国展開企業である。アベノミクスでは、医療分野は政策面で注力する重点的なフィールドと位置付けられており、政策関連として今後の成長への期待が株価のスケールの大きな上げにつながっている。
医療行政では、現在、「退院促進」と「在宅医療へのサポート充実」の方向性が打ち出されている。精神科医療については、2004年9月の「精神保健福祉政策の改革ビジョン」において2015年までに精神病床数7万床削減が目標になっている。しかし、受け皿となる訪問看護等の在宅サービスが未整備な状況で、そのスピードは非常に緩慢なものにとどまっている。
同社は、精神科に特化した訪問看護事業者で、業界で唯一全国展開している。訪問看護拠点数も2009年12月期の3カ所から、2010年度8カ所、2011年度17カ所、2012年12月期32カ所へ拡大、利用者数の増加から売上げは前2012年12月期までの5年で4倍以上に拡大した。その一方で拠点数、看護師数の増加により費用が膨らみ、前期まで赤字が続いていた。
しかし、今期の6月中間決算では訪問看護の拠点数が35店とやや騰勢が鈍化したこともあり、営業利益5800万円の黒字を計上した。業容は明らかに黒字体質へ転換したと推定される。従って、今期も営業利益2億500万円(前期は2億2400万円の損失)と好業績が見込まれているが、業績が飛躍するのはむしろ来期以降だ。(株式評論家・隆盛)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:56
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株式評論家の視点