<銘柄の見所>

人造肥料の草分けで化学肥料大手で、水処理薬剤や商業施設の賃貸なども手がける、
多木化学<4025>(東1)は、9月24日(火)4円安の(−0.56%)の715円と続落。高値からの値幅調整が進んでおり、ここからの押し目は注目されそうだ。株価は、今12月期第2四半期営業2ケタ増益着地を手がかりに、8月23日に年初来の高値920円と買われた後、9月9日安値705円と23%調整。その後、もみ合いとなっているが、9日安値に接近しており、値ごろ感が出つつある。
足元の業績、今12年12月期第2四半期決算は、肥料の販売数量が、6月からの値上がりを見越した駆け込み需要により増加。化学品では機能性材料が、高純度金属酸化物の販売数量が増加したことが寄与。売上高が172億1900万円(前年同期比1.8%増)、営業利益が14億2300万円(同11.1%増)、経常利益が15億1800万円(同13.7%増)、純利益が9億6900万円(同1.4%増)に着地。
■第2四半期の利益進捗率81%と高い
同社は昨年1月から「第10次中期3カ年経営計画」(ステージアップ2014)に基づいて、収益力の強化と経費削減を推進し、通期売上高330億円(前期比0.8%減)、営業利益17億5000万円(同10.6%減)、経常利益18億5000万円(同8.8%減)、純利益11億円(同16.5%減)を見込むが、第2四半期営業利益は年間計画に対する進捗率が81.3%と順調に推移しており、一転増益に転じる可能性が高い。
また、ポートアイランドに10月、新薬などを承認審査する医薬品医療機器総合機構(PMDA)の出張拠点が新設されると伝わっており、兵庫県加古川市に本社を構える同社にとって新薬開発の迅速化が図られるとの期待感が高まっている。
そのほか、同社がパソコンや携帯電話、スマートフォン、タブレットPCなど電子部品のコンデンサーに使うタンタルで米電子業界の行動規範推進グループ(EICC)が進めるプログラムに基づいて認証を取得していることも注目される。
米Appleは23日(現地時間)にスマートフォンの新製品「iPhone 5s」「iPhone 5c」の販売台数が発売(9月20日)から3日間で900万台を超えたと発表しており、スマートフォン関連として見直される可能性もある。PBR0.89倍と割り負け、日柄調整が進めば、水準訂正の動きは期待出来る。ここから押し目は待ち伏せで狙っていきたい。(株式評論家・信濃川)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:43
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株式評論家の視点