大成建設<1801>(東1)は高値整理持ち込みが有力になってきた。東京オリンピック開催決定後の9月10日に535円の高値を示現した後の整理局面にあるが、その後、民間建築工事の需要停滞懸念から証券会社のレーティング引き下げの動きが相次いだ。しかし、投資家の押し目買い機運は強く、信用買い残はどんどん増えている状態だ。今2014年3月期の第1四半期決算は営業利益が36億3000万円と、前年同期比33%の減益を余儀なくされた。これは人件費、資材費の高騰などで、完成工事の利益率が大幅にダウンしたことによるもの。しかし、同社は他の大手ゼネコンに比べて相対的に高い完工粗利益率を維持しており、これまで進めてきた選別受注のスタンスが機能している、来期、来々期以降へと増益路線が見えている。
復興に関わる工事の需要が継続的に増加するほか、オリンピック関連建設工事なども含めた首都圏のインフラ再整備などの工事が増加するほか、リニアモーターカーの土木工事も予定されている。現在の建設工事業界を取り巻く環境は、かなり良好である。
それにも関わらず1989年の史上最高値1990円に対し、現在の株価は400円台に過ぎない。過去の受注分の利益ダウンが足元の減益につながっているわけで、言わば現在の株価は過去の実績を投影したものに過ぎない。現在の選別受注が好業績につながる来期以降を見れば株価は明らかに買いゾーンに位置していると判断できる。(株式評論家・隆盛)
































