<銘柄の見所>
ニチバン<4218>(東1)の人気復活場面が近付きつつある感触だ。4月24日に447円の年初来高値を示現したが、これは業績好調を先取りしたもの。実際、発表された、今2014年3月期の見通しは売上げ400億円(前期比3.9%増)、営業利益20億円(同12.8%増益)と好調なものであった。そうした好業績見通しが逆に、ひとまず利益確定の売りを誘うことになった。以後は手掛かり材料難の期間に入ったこともあり、やや調整色を引き継ぐ展開を続けていた。
しかし、今3月期の第1四半期の業績発表が9日に予定されている。アナリスト筋の間では今期の業績数字については増額の見方が強くなっており、実際の好業績発表が改めて見直し買いを誘うきっかけになりそう。
同社は、2018年に迎える創立100周年に向けた中長期経営計画「NB100」のもと、売上拡大と利益確保と併せてブランドの維持・向上を推進し、経営環境の変化に左右されない収益構造の強化を図る方針。
具体的には、メディカル事業本部のうち、ヘルスケアフィールドでは、高機能で付加価値の高い製品「ケアリーヴ」などについて、TVCMなどで消費者の認知度を高める。同時にドラッグストア店頭への製品投入を充実する。医療材フィールドでは、カテーテルの固定・創傷保護製品のフィルムドレッシング材「カテリープラス」を徹底的に育成する。
テープ事業本部のうち、オフィスホームフィールドでは、パーソナルユーザーのニーズを捉えたテープのり「tenori(てのり)」シリーズと「直線美」シリーズの新製品開発の重点化を進める。
中期計画のうち、今2014年3月期から2016年3月期までをステージ2と位置づけ、将来に向けた「成長追求」を進めていく計画だ。2016年3月期には売上げ437億円(前3月期385億円)、営業利益26億円(同17億7300万円)の確保を目指す。(株式評論家・隆盛)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:45
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株式評論家の視点