
1月11日の高値299円を起点とする調整相場は4月2日の247円で大底入れを果たした。そこから反転相場に転じてきたが、4月23日に324円とマドを開けて急騰、3ヶ月にわたるもみ合いを放れ、今後、上昇エンジンがパワーアップに向かう可能性が強そう。同社は東北地方に強力な地盤を持ち、復興需要の取り込みに期待が大きく、選別買いのポイントになっている
工事の採算悪化で建設各社の前2013年3月期の業績は決して芳しいものではない。同社の場合も、海外土木工事と国内建築工事の一部で採算が悪化したため前3月期は営業利益150億円と、前々期比49%の大幅減益に見舞われた模様だ。
復興工事の発注が遅れる傾向にあるなか、同社は宮城県女川町においてコンストラクション・マネジメント(CM)方式による工事受注を獲得した。CM方式は、被災地における公共工事の発注や調整、施工管理などをゼネコンなどに一括で委託する方式。宮城県、岩手県で複数の工事が既に発注済みで、この新方式では工期短縮やコストの圧縮が可能になるほか、ゼネコン側にとっても調査から設計・施工管理、発注などを一括で行えることで、コストを抑制することができる。
海外の好調も加わり、今2014年3月期は営業利益320億円と前期の150億円から急回復する見通しにある。今期の1部当たり利益は20円がらみが予想され、復興需要がロングランで寄与してくることを考えると、PERの出遅れが意識されるところだ。(株式評論家・隆盛)