[小倉正男の経済コラム]の記事一覧
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記事一覧 (03/09)【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領 「出口なし」戦争で原油狂騰 インフレと雇用後退のスタグフレーションに突入
記事一覧 (02/16)【小倉正男の経済コラム】米国経済 消費・雇用・物価(インフレ)はいずれも問題含み 景気後退に突入寸前のリスク抱える
記事一覧 (02/06)【小倉正男の経済コラム】FRB議長にウォーシュ氏指名 ウォーシュ氏は「隠れハト」(金融緩和派)という見方強まる
記事一覧 (01/21)【小倉正男の経済コラム】グリーンランド領有に反対する欧州同盟国に追加関税 NATO終焉危機 トリプル安の様相
記事一覧 (01/15)【小倉正男の経済コラム】識学・安藤広大社長 5つの仕組みで造る「高い成果を上げる組織」 参政党の組織造り支援で「24年衆院選の奇跡」を演出
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記事一覧 (12/12)【小倉正男の経済コラム】FOMCは3会合連続0.25%利下げ、インフレ懸念は後回し トランプ大統領は大幅利下げ要求し次期FRB議長選定
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記事一覧 (11/04)【小倉正男の経済コラム】パウエルFRB議長「12月利下げは既定路線ではない」雇用低下で連続利下げ、だが12月FOMCはインフレ警戒に軸足
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記事一覧 (10/13)【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領「相互関税」発令から半年、中国に100%追加関税を表明、「米中貿易戦争」再燃
記事一覧 (09/23)【小倉正男の経済コラム】Stepjob 外国人採用支援サービスは成長期 若い人が振り向かない地方企業には命綱(ライフライン)
記事一覧 (09/08)【小倉正男の経済コラム】サラダクラブ キャベツ1玉1000円で「パッケージサラダ」初購入客増加、「100円の壁」というタブー消滅
記事一覧 (08/17)【小倉正男の経済コラム】トランプ関税 インフレ第1波到来、生産者物価が大幅上昇 8月消費者物価上昇を負担するのは米国民
記事一覧 (08/03)【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領には悪夢 雇用は5月から急悪化、関税の不透明感で景気後退 インフレも顕在化が接近
記事一覧 (07/15)【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領「たったの25%」関税を課すと通知、日本はスタグフレーションの奈落に直面
記事一覧 (07/06)【小倉正男の経済コラム】「7月利下げ」でトランプ大統領VSパウエル議長の激突再燃か、非農業雇用は予想外の大幅増
記事一覧 (06/22)【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領=極限の“支離滅裂” イランに軍事介入、財政赤字拡大で「米国売り」再燃か?
記事一覧 (06/09)【小倉正男の経済コラム】「米国売り」がイーロン・マスク氏に加勢!?「大きくて美しい財政法案」にNO
記事一覧 (05/15)【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領の関税狂時代 一幕芝居は終わった、ネタバレで二幕目は札止めにはならない
2026年03月09日

【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領 「出口なし」戦争で原油狂騰 インフレと雇用後退のスタグフレーションに突入

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■原油価格1バレル100ドル突破は目前に迫る

 米国、イスラエルがイランに空爆を開始したのは2月28日。米国、イスラエルがイラン全土3000カ所以上を空爆というのだから、やり口が無茶苦茶というしかない。(3月8日、テヘランに黒い雨。石油施設への攻撃で油混じりの雨、“ヒロシマの黒い雨”を想起させられる。)

 トランプ大統領は戦況を「10点満点で15点。これからも上手くやる」(3月4日)。「無条件降伏しかイランとは取引しない」(3月6日)。

 しかし、「戦略」ではそう簡単ではない。3月6日にWTI原油先物価は1バレル92ドル台を記録している。空爆による開戦以前に原油価格は動き出していたが60ドル台中〜低位の価格だった。1週間で40%に迫る大幅上昇となっている。

 日を追って高騰というか、データを確認するたびに価格がハネ騰がっている。1バレル100ドル突破は目前、あるいは150ドルという超高値接近も近いとみなければならない。

 ホルムズ海峡が事実上封鎖されている。多数のタンカーが洋上に留まって身動きがつかない。産油国の貯蔵施設はすでに余地がなく、減産に追い込まれている。

 近代資本主義の大量生産=大量消費は、大量物流が機能しなければ成立しない。イランの「非対称戦」は、ヒトもおカネも徹底して省いて結果を出している。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:55 | 小倉正男の経済コラム
2026年02月16日

【小倉正男の経済コラム】米国経済 消費・雇用・物価(インフレ)はいずれも問題含み 景気後退に突入寸前のリスク抱える

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■年末商戦は不発、個人消費は低迷

 米国のGDP(国内総生産)の70%近くを占めているのが個人消費である。消費は景気を端的に表す指標ということになる。25年12月の小売売上高は7350億ドル(前月比0.0%)と発表されている。(商務省・2月10日)

 年末商戦真っ只中の12月の消費が横ばいというのは予想外の出来事だった。良い兆候とはいえない。しかも中身が良くない。自動車・同部品、家具、電子機器・家電、衣料などに加え飲食・飲酒サービスがマイナスになっている。

 インフレの昂進が止まないわけだから、放っておいても消費は名目ではプラスになる。しかし、節約志向の浸透ということなのか――。消費の横ばいは実質的にはマイナスを意味する。景気は後退している。株式市場などからは利下げ期待が一気に高まる事態となった。

■1月雇用は上振れ、ただ25年通年雇用は大幅減少

 その翌日、雇用統計が発表されることになっていた。個人消費が伸び悩んだ経緯・筋合いから雇用も悪化するという悲観論がにわかに台頭−−。個人消費に続き雇用悪化ともなれば、景気後退(リセッション)入りとなる。「米国売り」(ドル・国債・株式のトリプル安)懸念が取り沙汰された。

 しかし、案に相違して、開示された雇用統計は1月の非農業部門雇用者数が前月比13万人(事前予想7万人・25年12月5万人)と大幅上振れだった。(労働省・2月11日)

 失業率は4.3%(事前予想4.4%)。25年12月の失業率4.4%から改善となっている。平均時給は前月比0.4%増、前年比3.7%増と上昇している。短期的には雇用低迷に歯止めが掛かっているというデータであり、前日湧きあがった利下げ期待は吹き飛んでしまった。

 ただし、年ベースで見ると雇用の低迷は明らかである。25年・月平均雇用者は1・5万人増、24年・月平均雇用者12・2万人増に比べ大幅減少となっている。

 バイデン大統領からトランプ大統領に変わった途端に労働需給は悪化が定着している。これは先行き悪いシグナルというしかない。こちらのほうがむしろ重要指標、米国は景気後退に突入する寸前にあることを示している。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:31 | 小倉正男の経済コラム
2026年02月06日

【小倉正男の経済コラム】FRB議長にウォーシュ氏指名 ウォーシュ氏は「隠れハト」(金融緩和派)という見方強まる

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■「タカ派」イメージのウォーシュ氏を次期FRB議長に指名

 トランプ大統領は、連邦準備制度理事会(FRB)パウエル議長の後任人事として元FRB理事(2006〜2011年)のケビン・ウォーシュ氏を指名している。

 ウォーシュ氏は最年少の35歳でFRB理事に就任した経歴を持っている。リーマン・ショック後の世界金融危機時(2008年)に量的金融緩和政策(QE)継続はインフレ・リスクが伴うと指摘している。

 金融危機に対応したFRBの国債、証券購入継続は、市場に大量の資金を供給しインフレを惹起すると懸念を表明したわけである。

 そうしたことからウォーシュ氏は、一般に「タカ派」とみられていた。つまり、インフレ重視で金融引き締め派に分類されていたわけである。ウォーシュ氏が、トランプ大統領とホワイトハウスで対面したというニュースが流れただけで株式市場は動揺する――。そのぐらい「タカ派」のイメージを持たれていた。

■ウォーシュ氏指名でマーケットは動揺

 1月30日、トランプ大統領が次期FRB議長にウォーシュ氏を指名すると、NY株式市場は案の定暴落となった。株式市場は、ウォーシュ氏指名は願望している金融緩和(利下げ)が遠のいたという反応を示している。

 しかし、トランプ大統領のグリーンランド領有問題などから、欧州などの“米国離れ“で売られていたドルは買い直された。ウォーシュ氏の次期議長への指名は、FRBは大幅な金融緩和を要求するトランプ政権に対して「中立性」「独立性」を保持できる人事と認識されたためである。

 一方、グリーンランド問題などトランプ大統領の地政学リスクで過去最高値にあった金・銀は歴史的な下落を演じている。米国債など債券は大きな騒ぎにはならなかったが、売られて利回りが上昇している。

 これだけ株式、ドル、金・銀、国債とマーケットを動かしているのだから、FRB議長という職責は大変重いという証明にほかならない。しかし、マーケットも瞬発力で動くため、(あるいはほかならぬ人間が仕切っているわけで)誤解と錯覚にとらわれることがないとはいえない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:37 | 小倉正男の経済コラム
2026年01月21日

【小倉正男の経済コラム】グリーンランド領有に反対する欧州同盟国に追加関税 NATO終焉危機 トリプル安の様相

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■トランプ大統領の暴走で米国はトリプル安の展開

 20日のNY株式市場は870ドルの大幅安となった。米国債、通貨ドルも売られ、トリプル安(米国売り)の展開となっている。トランプ大統領の常軌を逸したグリーンランド領有といった“暴走”が再び世界をパニックに陥れている。

 トランプ大統領は、グリーンランド領有に反対する欧州8カ国に追加関税を課すと発表している。NATO(北大西洋条約機構)分裂の危機が懸念される事態になっている。

■トランプ大統領の頭の中はグリーンランド領有で一杯

 「もはや純粋に平和のみを考える義務を感じない」
 トランプ大統領は、ノルウェー・ストーレ首相に充てたメッセージでそう伝えていたと報じられている。

 昨年のノーベル平和賞を受賞できなかったので“平和のみを考える”ことはしない。仮にノーベル平和賞というレガシーを得ていたら、“平和のみを考え続けていた”ということになる――。

 トランプ大統領はストーレ首相にこう続けている。
 「今後はアメリカ合衆国にとって何が善であり、何が適切かを考えることができる」
 これからは米国の国益に沿って動くということになる。

 そのうえでトランプ大統領はメッセージのなかでグリーンランドについて言及している。
 「グリーンランドを米国が完全に掌握しなければ世界の安全は保証されない」

 結局、いちばん言いたいところは米国によるグリーンランド領有という部分にほかならない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:12 | 小倉正男の経済コラム
2026年01月15日

【小倉正男の経済コラム】識学・安藤広大社長 5つの仕組みで造る「高い成果を上げる組織」 参政党の組織造り支援で「24年衆院選の奇跡」を演出

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■誤解、錯覚の集合体である組織の歪みを正していく仕組みを造る

 識学<7049>(東証グロース)は、1月13日に「組織の造り方・変え方」をアジェンダにセミナーを開催している。

 企業経営者層を対象としたもので、登壇者は安藤広大社長。「自動で高い成果を上げる組織を造る」という独自の組織運営メソッドである「識学」理論のレクチャーを実施している。

 識学は組織コンサルティングを主力事業とする新進企業(2019年上場)。しかし、すでに5000社の組織コンサル実績を持っている。

 「人は意識構造にある誤解、錯覚を持ちながら行動している。その人特有の思考の癖を持っている。組織にルールがあっても、思考の癖からそれぞれ事実に対する認識で誤解、錯覚が生まれる。そうした誤解、錯覚の集合体である組織の歪みを正していく仕組みを造っていく」
 安藤社長は、識学の組織コンサルをそのように表現している。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:26 | 小倉正男の経済コラム
2025年12月19日

【小倉正男の経済コラム】識学・安藤広大社長 「責任・権限、そして結果を明確化」すれば企業は成長を最大化できる 組織コンサルは整体師という理論

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■「勝つ組織とは・・・」とは

 「どんな組織が強いのか」、あるいは「勝つ組織とは・・・」、企業経営者ならそうしたアジェンダを考える瞬間があると思われる。

 識学(7049・東証グロース)という会社がある。組織コンサルティングを生業としている新進企業、率いるのは安藤広大社長(46歳)である。独自の組織運営理論「識学」で4800社を超えるコンサル実績をこなしている。

 「勝てる仕組みをつくれば勝てる。要らんことはしない。シンプルに成果を出すことに集中する。そうした仕組み、環境をつくる。それを最短距離でやればよい」
 安藤社長は、「識学の組織コンサルとは何か」という質問に即座にそう答えている。

■新生識学ファンド1号=識学理論で見違えるような企業再生を実現

 識学は26年2月期第1四半期決算発表直前というタイミングで増額修正を行っている。期初の業績計画は売り上げ61.7億円、営業利益4億円−−。これが売り上げ71億円、営業利益9.5億円に大幅な上振れとなると発表している。

 識学は組織コンサルが主力事業だが、「新生識学ファンド」というベンチャーファンド部門を持っている。この新生識学ファンド1号(非上場株式1銘柄)の売却が増額修正要因である。第2四半期に売り上げ10.2億円、営業利益8.2億円の計上を果たしている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:15 | 小倉正男の経済コラム
2025年12月12日

【小倉正男の経済コラム】FOMCは3会合連続0.25%利下げ、インフレ懸念は後回し トランプ大統領は大幅利下げ要求し次期FRB議長選定

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■雇用下振れに重点、インフレ懸念は後回し

 米連邦準備制度理事会(FRB)は、12月10日の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを決定した。9月、10月のFOMCに続いて3会合連続で0.25%の利下げを実施したことになる。

 「雇用の伸びは鈍化し、失業率は9月までやや上昇した。インフレ率は今年初めから上昇し、依然やや高止まりしている」(FOMC声明)。パウエルFRB議長、あるいは同氏が委員長であるFOMCは、雇用の下振れ、インフレ(物価)の上振れリスクを抱えている。

 パウエル議長は10月FOMC直後の会見で「12月の次回会合での追加利下げは既定路線ではない。そのような状況とは程遠い」と発言。3会合連続の利下げにきわめて否定的な立ち位置を表明している。“12月に利下げはない”と断言したに等しい。

 つまり、雇用下振れリスクには9月、10月の利下げで対応した。12月は金利据え置きでインフレ上振れリスクに重点を移行する――。ところが、その後には3会合連続利下げを行うという見方が大勢を占めるように状況が変化している。この経過が12月FOMCの事前予想を複雑にした面がある。

 結果として12月FOMCでは、9月〜10月と同様に雇用低迷に重点を置いたことになる。政策金利は3.50〜3.75%に引き下げられている。インフレ懸念は“後回し”にされた。同時に二つは叩けないが、インフレ後回しは禍根が残るのは間違いない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:14 | 小倉正男の経済コラム
2025年11月19日

【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領 物価高で支持率低下 輸入食料品200品目以上で突然の関税除外措置、政策に不本意なブレ発生

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■突然、輸入食料品200品目以上を関税除外

 トランプ大統領は、輸入食料品を中心に「相互関税」対象から除外する大統領令に署名した(11月14日)。コーヒー、紅茶、緑茶、アボカド、トマト、バナナ、牛肉、コンビーフなど牛肉製品、各種香辛料など――。突然、200品目を越える規模で関税除外を行っている。

 相互関税を発表した4月2日には、「解放の日」と名付けて喜色満面だった。関税除外では、不本意なのかほとんど無口で「私はいくつかの食品の価格を下げたいだけだ」と語るのみだった。

 トランプ大統領の言動だが、変化がみられる。これまでは大幅な金利低下を要求し、「インフレなど起きていない」「食料品の価格は下がっている」と発言してきている。今回の輸入食料品の関税除外は、「トランプ関税」が物価上昇(インフレ)を押し上げていると事実上認めたということにほかならない。

■人気低迷に歯止めをかける意図で関税除外を行った

 NY市長選挙、ニュージャージー州・バージニア州知事選挙――、共和党は連敗となっている。トランプ大統領は、「政府機関の一部閉鎖のため」と敗因を語っている。

 政府機関閉鎖は、民主党が公的医療保険料補助を要求し、つなぎ予算成立を妨げたためと非難。選挙での連敗は関税政策・物価上昇によるものという見方を否定してきている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:28 | 小倉正男の経済コラム
2025年11月04日

【小倉正男の経済コラム】パウエルFRB議長「12月利下げは既定路線ではない」雇用低下で連続利下げ、だが12月FOMCはインフレ警戒に軸足

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■2会合連続利下げ、対極的立場から2名が反対

 米連邦準備制度理事会(FRB)は、10月末の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを決定した。9月FOMC(0.25%利下げ実施)に続いて2会合連続利下げを行ったことになる。政策金利は3.75%〜4.00%に引き下げられている。

 10月FOMCでは10名の当局者が賛成、2名が反対している。反対を表明した一人は、大統領経済諮問委員会委員長から転身したスティーブン・ミラン理事だ。8月に欠員を利用してトランプ大統領がFRB理事に押し込んでいる。ミラン理事は「トランプ関税」の推進筆頭格だが、住宅不況=景気後退を理由に連続して0.5%利下げを主張している。

 反対したもう一人は、カンザスシティ連銀のシュミッド総裁である。9月0.25%利下げには賛成したが、今回はインフレ警戒に重点を置き利下げに反対している。いまの雇用低下は景気に関連したものでなく、利下げを行っても改善効果はない。インフレはFRB目標(2%)を長期間上回っており、その現実は連続利下げを正当化できない――。

■マーケットに近いサイドはインフレ警戒を発信

 関心はすでに12月9〜10日の次期FOMCのほうに移っている。パウエルFRB議長は、「12月会合での追加利下げは既定路線ではない」と発言。しかも、「そのような状況とは程遠い」と3会合連続の利下げにむしろ否定的な立ち位置を表明している。

 パウエル議長は10月FOMC直前には「失業率が上昇に転じる地点に近づいている」と雇用悪化=景気後退のリスクを強調する発言をしている。大方は3会合連続の利下げ予想に傾いていたのだが、パウエル議長はそれを少なくとも「白紙」に戻したわけである。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:57 | 小倉正男の経済コラム
2025年10月18日

【小倉正男の経済コラム】パウエルFRB議長 経済データ不開示の状況で追加利下げ 景気後退とインフレに挟撃される米国

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■重要経済データの開示が軒並み延期、データの精度も低下懸念

 異常事態が続いている。米国の経済データ開示(発表)は軒並みに止まっている。政府機関の一部が停止、しかも長期化している。経済データは人的集約による情報収集作業が伴うだけに開示へのメドはついていない模様だ。

 消費者物価指数(CPI)は、15日発表予定だったが延期となっている。ただし、重要指標ということで24日に開示するとしている。だが、24日に発表されるとしてもデータの精度は高いものではないのではないかという懸念が取り沙汰されている。

 10月3日に発表予定だった9月の雇用統計、同統計の非農業部門雇用動向は重要指標なのだがこれも延期されている。こちらのほうは開示のメドが見えていない。どうやら、9月の雇用はADP雇用統計で代替というか、参考指標として眺めている状況である。

 そのADP雇用統計(10月1日発表)では9月の非農業部門雇用者数は前月比3.2万人減少(市場予想5.1万人増)。ADP雇用統計では、雇用は大幅低迷、景気後退を示している。雇用、景気の後退局面というトレンドは大枠で間違いない。ただし、ADP雇用統計のみだけでは、精度でいえばやや心もとない事態というしかない。

■パウエル議長は雇用低迷=景気後退から0.25%追加利下げを示唆

 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、10月28〜29日の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の追加利下げを行う方向であると示唆している(10月14日)。

 経済データ開示が軒並みに遅れている。普通ならパウエル議長は金利を動かすには慎重になる局面である。しかし、それでもパウエル議長は「失業率が上昇に転じる地点に近づいている」と発言している。雇用悪化の局面がここまでとは質的に異なっている。雇用がさらに低迷する可能性、すなわち景気後退に陥る懸念のほうに明らかに軸足を移している。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:37 | 小倉正男の経済コラム
2025年10月13日

【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領「相互関税」発令から半年、中国に100%追加関税を表明、「米中貿易戦争」再燃

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■トランプ大統領が名付けた「解放の日」から半年・・・

 振り返って考えてみたら、ちょうど半年を越えたことになる。4月2日、トランプ大統領は、全ての貿易相手国に「相互関税」を課すと発表。「米国の巨額かつ恒常的な財貿易赤字をもたらしている貿易慣行を是正する」と大統領令で宣言している。

 トランプ大統領は、この4月2日を待ちに待った「解放の日」と名付けている。
 「米国の産業が生まれ変わった日、米国が宿命を取り戻した日、そして米国を再び裕福になるために我々が動き出した日として記憶される」

 関税の不利を回避したいなら、“米国に工場を作れ”というのが究極の狙いだ。工場を作れば、建設工事が始まり、製造機器・装置などを据え付ける設備投資が行われる。工場が建ち上がれば、製造などを担当する人々への雇用が生まれる。

■威信を捨てて「近隣窮乏化」=「失業の輸出」

 これは「近隣窮乏化」の極致であり、ついに米国はそんなことを始めたかということになる。

 貿易相手国のどこかが米国に工場を移せば、その国にとっては雇用が減少することを意味する。米国から失業を“輸出”されることに等しい。米国にとっては雇用の“輸入”にほかならない。

 失業=窮乏化を貿易相手国に押し付けるのだから、公正なやり方かどうかといえば公正なやり方とはいえない。「解放の日」とか身勝手に名付けて世界に堂々と発表するようなこととは、本来的に対極にあるアジェンダである。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:59 | 小倉正男の経済コラム
2025年09月23日

【小倉正男の経済コラム】Stepjob 外国人採用支援サービスは成長期 若い人が振り向かない地方企業には命綱(ライフライン)

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■日本企業への外国人採用支援サービスは成長期入り

 生産年齢人口(15歳〜64歳)の減少が止まらない。生産年齢人口のピークは1995年8716万人。しかし、現状は7170万人(95年比17.8%減)になっている。

 2050年には5000万人(同42.7%減)台を維持できているかどうか。最悪では生産年齢人口が5000万人を割り込むと予測されている。

 「いま日本企業への外国人採用支援サービスは倍々ゲーム、成長期を迎えている」
 そう語るのはポールトゥウィンホールディングス(PTW=東証プライム・3657)傘下で主力事業会社・ポールトゥウイン株式会社の行平澄子Stepjob事業部部長である。

 PTWはゲームなどデバッグ(不具合検出・調整)が主力事業で24年度売り上げ522億円という企業。2011年から外国人採用支援サービスを開始、企業へのマッチング、ビザ手続き、入職、職場への定着などをワンストップでサポートするシステムを構築・運営している。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:35 | 小倉正男の経済コラム
2025年09月08日

【小倉正男の経済コラム】サラダクラブ キャベツ1玉1000円で「パッケージサラダ」初購入客増加、「100円の壁」というタブー消滅

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■24年11月〜25年前半にキャベツ1玉800〜1000円

 つい最近のことでも、そんなことがあったかな、とすっかり忘れることが少なくない。

 「パッケージサラダ」のトップ企業であるサラダクラブは、毎年、『サラダ白書』を発表している。その発表会に出席したのだが、会場の入り口でこの2月に就任した新谷昭人社長と名刺交換をした。「原価は、いまは落ち着きましたが、就任した時期は大変でした」。最初にそんな話を伺った。

 サラダクラブは、「パッケージサラダ」の原材料として、キャベツ、レタスなどを日本でいちばん使っている企業である。「原価」とはキャベツ、レタスなど野菜類にほかならない。

 ところが、24年11月あたりからキャベツの卸価格が急高騰し12月にはピークを付けた。その後も25年2月あたりまで高値が続いている。当時は、「キャベツ1玉800〜1000円」と大きく騒がれたものである。

 「パッケージサラダ」企業の経営からしたら、「キャベツ1玉800〜1000円」という原価高騰は、経営の危機以外の何物でもない。キャベツの価格は、いまは落ち着いている。だが、昨年末〜今年初にはそうした異常な高値に見舞われていたわけである。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:52 | 小倉正男の経済コラム
2025年08月17日

【小倉正男の経済コラム】トランプ関税 インフレ第1波到来、生産者物価が大幅上昇 8月消費者物価上昇を負担するのは米国民

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■7月消費者物価指数にインフレの気配なし

 米国の消費者物価指数(CPI)が発表されたのは8月12日。7月のCPIは前月比0.2%(事前予想0.2%)とインフレの気配はまったく見られなかった。

 トランプ政権には朗報にほかならない。ベッセント財務長官は、すかさず9月米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて、「(政策金利を)0.5%引き下げる選択肢にオープンであるべきだ」と見解を表明している。

 7月雇用統計では、5月、6月の就業者数が大幅に下方修正されている。トランプ大統領は、7月雇用統計は「陰謀」であり、景気後退(リセッション)とは認めていない。しかし、7月雇用統計を素直に受け止めれば、米国は景気後退に近い局面にある。

 そのうえインフレの兆候がない。それなら通常の0.25%の利下げではなく、0.5%の大幅利下げを行うべきであるという見解だ。トランプ大統領の意を汲んでの発言である。

■インフレ第1波、生産者物価は関税コストの価格転嫁で大幅上昇

 ところが、その直後の14日に発表されたのが生産者物価指数(PPI)。7月のPPIは前月比0.9%(事前予想0.2%)、3年ぶりの大幅上昇となっている。

 特に大幅上昇を牽引したのは機械・機器卸しなどサービス部門の1.1%である。全体的にトランプ関税がPPIを引き上げている。とりわけ、機械・機器卸しなどサービス部門はもろに関税の影響を反映している。PPIは、前月(6月)は前月比0.0%=横ばいと落ち着いていたのだが、7月は突如としてインフレに突入している。インフレ第1波の到来である。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:31 | 小倉正男の経済コラム
2025年08月03日

【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領には悪夢 雇用は5月から急悪化、関税の不透明感で景気後退 インフレも顕在化が接近

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■景気動向を示す雇用は5月から急悪化に大幅下方修正

 トランプ大統領の政権下、米国の景気は堅調〜順調といわれてきた。しかし、8月1日に発表された雇用統計は景気後退(リセッション)のシグナルを点滅させるものとなっている。同日のNY株価は542ドルの大幅安となり、米国債が買われてドルは大きく売り込まれている。

 雇用統計によると7月の非農業部門雇用者数は、事前予想を大幅に下回って7万3000人増に鈍化。そのうえ5月、6月分の雇用者数を大幅に下方修正している。5月は12万5000人増から1万9000人増 6月は14万7000人増から1万4000人増に改訂された。景気動向を指し示す雇用者数は、5月から急悪化を遂げていたことになる。

 政府機関、各企業の事後報告・調査などの集計結果からの大幅修正である。7月の失業率は4・2%(6月4・1%)に悪化した。トランプ大統領は、減税原資捻出のために連邦政府職員を大量解雇している。関税政策の混迷で製造業各社などが先行き不透明感から雇用に慎重な姿勢をみせた。それらの影響が雇用の急悪化をもたらしている。

■トランプ大統領には悪夢、パウエル議長にとっても寝耳に水

 トランプ大統領にとっては悪夢に近いショックだったとみられる。SNSに雇用急悪化は「不正に操作された」、さらにエリカ・マッケンターファー労働省労働統計局長の解任を指示したと書き込んでいる。

 労働統計局長は事実に即して改訂したわけだが、トランプ大統領は怒りを表明している。一方、連邦準備制度理事会(FRB)パウエル議長には「引退させるべきだ」と書き込んでいる。雇用急悪化を機にパウエル議長へのこれまでの憤懣を再々度持ち出している。雇用急悪化を陰謀、パウエル議長のせいにして利下げを要求している。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:23 | 小倉正男の経済コラム
2025年07月15日

【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領「たったの25%」関税を課すと通知、日本はスタグフレーションの奈落に直面

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■「守るべきものは守る」「舐められてたまるか」と言っても

 参議院選挙(7月20日)は目前に迫っている。石破茂首相には最悪のタイミングにほかならない。トランプ大統領が送付してきた書簡には、8月1日から米国に輸入される日本製品には25%関税を課すと通知されていた。

 石破首相の最側近といわれる赤沢亮正経済再生担当相が7回に渡って「日米関税協議」を行ったとされている。その都度、「非常に突っ込んだやり取りがあった」「合意の可能性を探った」「真摯に対応していただいている」と報道されていた。だが、何を協議していたのか。結果は目を当てられないものになっている。

 「国益をかけた戦いだ。舐められてたまるか。同盟国であっても正々堂々言わなければならない。守るべきものは守る」。石破首相は、参院選挙の街頭演説でそのように発言している。「給付」VS「減税」ではなく、「反トランプ関税」に争点をシフトさせている。

 自民党は、選挙戦術を見直して「反トランプ関税」という感情論を持ち込んだという見方がある。給付、減税という損得から、「ナショナリズム」という感情・心情に訴える戦術に切り替える。参院選の手詰まり感が強いことから戦術を組み替えたとみられる。

 だが、「守るべきものは守る」といっても、4月に公表された24%の相互関税どころか、8月からはそれに1%上乗せの25%関税を課せられる。「舐められてたまるか」は感情移入の参院選用発言とみられる。協議の余地は僅かに残っているが、トランプ大統領からしたらすでに見限っている、あるいは結果として舐めているということになるのではないか。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:27 | 小倉正男の経済コラム
2025年07月06日

【小倉正男の経済コラム】「7月利下げ」でトランプ大統領VSパウエル議長の激突再燃か、非農業雇用は予想外の大幅増

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■非農業部門雇用者数は事前予想に反し大幅に増加

 米国の雇用だが、全体としては依然として強い。6月の非農業部門雇用者数は前月比14.7万人増、事前予想の11万〜11.4万人増を大幅に上回る結果となっている。失業率は4.1%(前月4.2%)と改善をみせている。

 雇用統計発表(7月3日)直前に開示されたADP雇用統計では6月の雇用は前月比マイナス3.3万人と2年ぶりのマイナスとなっていた。先行指標がマイナスだったため雇用統計も弱いデータになると懸念されていた。ところが、事前予想とは逆に非農業部門雇用者数は強いものとなった。

 だが、雇用の中身では製造業はマイナス、小売りなども冴えない。「トランプ関税」の影響を直接受ける民間ビジネス分野の雇用は低調となっている。トランプ大統領の関税政策による先行き不確実性からビジネス分野の雇用は軟調に転じている。

 政府の雇用では、連邦政府が政府効率化省(DOGE)を使って年初から7万人近い職員の大量解雇を行っている。だが、一方では州政府が医療ヘルスケア・社会支援分野で大幅に雇用を増やしている。6月の非農業部門雇用数増加を牽引したのは医療ヘルスケアということになる。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:28 | 小倉正男の経済コラム
2025年06月22日

【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領=極限の“支離滅裂” イランに軍事介入、財政赤字拡大で「米国売り」再燃か?

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■イラン中部のフォルドゥ爆撃、軍事介入という“支離滅裂”

 イスラエルによる先制攻撃で開始されたイランとの戦争だが、攻撃の応酬が止まらない。イスラエルは執拗な「ガザ戦争」に続いてイランとの戦端を開き、イランの政権交代=「レジーム・チェンジ」を目指しているとしている。

 トランプ大統領は、この戦争に関与しないとみられていた。しかし、「(イランへの攻撃は)やるかもしれないし、やらないかもしれない」と豹変。イラン攻撃への軍事介入は「2週間以内に判断する」と発言。6月21日夜にイラン中部のフォルドゥなど3か所の核施設を爆撃したと発表している。

 トランプ政権内では、ギャバード国家情報長官が「イランは核兵器製造をしていないと判断している」という分析を明らかにしていた。しかし、トランプ大統領は根拠を示さず、その分析は「間違っている」と否定。イランへの軍事介入に前のめりの姿勢が隠せない状況だったが、ついには後戻りができないフォルドゥ爆撃に踏み込んでいる。

 トランプ大統領は、「ウクライナ戦争」「ガザ戦争」の和平調停を行うとしていたわけだが、いずれも和平どころか混迷を深めている。ウクライナ、ガザの和平調停など投げ出し、そのうえイスラエルとイランの戦争に介入するというのは“支離滅裂”というしかない。

■軍事介入で財政赤字はなおさら拡大、減税法案どころではなくなる

 問題なのは、トランプ大統領の肝いりである「ひとつの大きくて美しい財政法案」との関係だ。同法案はいま上院で審議中なのだが、トランプ大統領がそう名付けたとされている。「メディケイド」など低所得層の福祉を削減してまで、富裕層〜中間層に減税をもたらすのが眼目である。

 減税による財政赤字はお得意の関税収入で穴埋めするというのだが、埋め切れるメドはまったくない。しかも「相互関税」交渉も進捗が見られず、トランプ大統領の関心も希薄化している。「大きくて美しい財政法案」がもたらすものは、“大きく増加する美しくない財政赤字”といえるかもしれない。

 そのうえイランに軍事介入では財政赤字はなおさら拡大するばかりになる。金利はどうなるかは「トランプ関税」の影響次第だったが、関税に加えてイランなど中東の混迷が長期化するとなればインフレが顕在化しないわけにはいかない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:54 | 小倉正男の経済コラム
2025年06月09日

【小倉正男の経済コラム】「米国売り」がイーロン・マスク氏に加勢!?「大きくて美しい財政法案」にNO

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■米国の制度に篭められた倫理、規律に一顧すらなし

 前週末発表の5月米国雇用統計はかなり厳しいものになると想定されていた。端的に言えば、トランプ大統領の高関税政策のマイナス面が雇用に影響を及ぼすのではないかと懸念されていた。非農業部門雇用者数は前月比13・9万人増(前月改定値14・7万人増)と事前予想の13万人増を僅かだが上回った。

 米国の雇用だが、高関税の不確実性からひと頃の勢いはなくなっている。連邦政府就業者が2・2万人の大幅減、製造業、小売業などが減少している。やはり、高関税に直撃される製造業、小売業に影響が及んできている。増加したのは病院などヘルスケア、レストランなどサービス産業――。失業率は4・2%と前月同様であり、横ばいとなっている。

 事前には“景気後退が顕著になるのではないか”という「雇用悪化」が想定されていただけに週末のNY株式は上昇し、通貨ドルは買い戻された。

 トランプ大統領は、事前予想が悲観的だったことから米連邦準備制度理事会(FRB)パウエル議長に「“遅過ぎ”パウエルは今すぐに金利を下げるべきだ」と利下げを要求していた。雇用統計発表後には「1%利下げ」を再要求、経済の「燃料になる」としている。

 大統領がFRBに圧力をかけるなどあってはならない、しかも「1%利下げ」というのは通常の利下げ(0・25%)の4回分に当たる。いわば度外れた圧力をかけている。トランプ大統領においては、米国の制度、その制度に篭められた倫理、規律、理念は一顧すらなされていない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:30 | 小倉正男の経済コラム
2025年05月15日

【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領の関税狂時代 一幕芝居は終わった、ネタバレで二幕目は札止めにはならない

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■トランプ大統領は腰砕け、米中がお互いに追加関税115%切り下げ

 「145%VS125%」という極限の関税戦争になっていた米中だが、急転直下でお互いに掛け合っていた追加関税を115%切り下げることで合意した。

 米国は中国に課していた追加関税145%を30%に下げる。中国も報復で行った125%の追加関税を10%にする。(米中ともに下げた関税の24%は90日間停止とする。その90日間の停止期間に米中は貿易関係について協議するという決着となっている。)

 強気一辺倒に大見得を切っていたトランプ大統領だが、ディールとしては腰砕けの格好だ。注目されたのはベッセント財務長官の発言である。

 「米中のデカップリング(切り離し)は望んでいない」。ベッセント長官はそう言い切っている。破綻が目立つトランプ大統領をベッセント長官が大人の判断で救っている構図に映る。

■スーパーの「店舗の棚はまもなく空になる」という恐怖

 4月後半、トランプ大統領はウォルマート、ターゲット、ホーム・デポなど小売り代表企業CEOとホワイトハウスで会談している。米国GDP(国内総生産)の70%は個人消費である。小売りは紛れもなく米国経済を左右するファクターである。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:31 | 小倉正男の経済コラム