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記事一覧 (10/04)【小倉正男の経済コラム】米雇用統計は大幅減 10月追加利上げは大きく後退 米中会談は中間選挙票集めという実利獲得に終始
記事一覧 (09/13)【小倉正男の経済コラム】市場はFOMCの利上げはほぼ確定と認定 中東混迷で原油は一時104ドル、戦争長期化睨む
記事一覧 (08/31)【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領 中間選挙まであと8週間 ウォーシュFRB議長の利上げ示唆は致命傷になりかねない
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記事一覧 (05/04)【小倉正男の経済コラム】米国大手テックの26年AI設備投資は7250億ドル(114兆円) AIトップ企業目指し先陣争い
記事一覧 (04/20)【小倉正男の経済コラム】ホルムズ海峡「兵器化」による非対称戦=インフレという爆弾を米国に投下 焦るトランプ大統領に停戦圧力
記事一覧 (04/03)【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領 「重要演説」で「出口なし」露呈 原油は110ドル突破、ダメージコントロール不作動
記事一覧 (03/23)【小倉正男の経済コラム】いまさらTACOれないトランプ大統領 原油狂騰、「戦略」の誤りは「戦術」で取り返せない
記事一覧 (03/09)【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領 「出口なし」戦争で原油狂騰 インフレと雇用後退のスタグフレーションに突入
記事一覧 (02/16)【小倉正男の経済コラム】米国経済 消費・雇用・物価(インフレ)はいずれも問題含み 景気後退に突入寸前のリスク抱える
記事一覧 (02/06)【小倉正男の経済コラム】FRB議長にウォーシュ氏指名 ウォーシュ氏は「隠れハト」(金融緩和派)という見方強まる
記事一覧 (01/21)【小倉正男の経済コラム】グリーンランド領有に反対する欧州同盟国に追加関税 NATO終焉危機 トリプル安の様相
記事一覧 (01/15)【小倉正男の経済コラム】識学・安藤広大社長 5つの仕組みで造る「高い成果を上げる組織」 参政党の組織造り支援で「24年衆院選の奇跡」を演出
記事一覧 (12/19)【小倉正男の経済コラム】識学・安藤広大社長 「責任・権限、そして結果を明確化」すれば企業は成長を最大化できる 組織コンサルは整体師という理論
記事一覧 (12/12)【小倉正男の経済コラム】FOMCは3会合連続0.25%利下げ、インフレ懸念は後回し トランプ大統領は大幅利下げ要求し次期FRB議長選定
記事一覧 (11/19)【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領 物価高で支持率低下 輸入食料品200品目以上で突然の関税除外措置、政策に不本意なブレ発生
2026年10月04日

【小倉正男の経済コラム】米雇用統計は大幅減 10月追加利上げは大きく後退 米中会談は中間選挙票集めという実利獲得に終始

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■非農業部門雇用者数が大幅減、追加利上げ後退で株式は急上昇

 前週末に発表された米国雇用統計は、9月の非農業部門雇用者数が2万9000人増と市場予想を大幅に下回る結果になった(10月2日)。失業率は4.2%(前月4.1%)と増加、平均時給も0.1%(同0.3%)と伸び悩んでいる。

 前日に開示されたADP雇用統計では民間雇用者数は9万人増。事前の市場予想では、非農業部門雇用者数は9万人増前後という認識がメディアなどに共有化されていた。米国景気の底堅さを示すいわば“安心指標”とみられていた状態だった。しかし、出てきた数字は案外にも前月比で大幅減少、驚きを伴うものになった。

 この雇用低迷で10月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)による2カ月連続の追加利上げの可能性は、大きく後退したという空気感に一変。10月14日の消費者物価指数(CPI)発表を待つ必要があるが、それでも中間選挙直前の2カ月連続利上げ実施は何とか回避される雲行き模様である。

 前週末のNY株価は250ドル高、ナスダックは319ポイント高を記録した。株式市場は、非農業部門雇用者数の事前予想から堅調を見込んでいた。だが、思いも寄らない雇用の大幅低迷という結果から株式市場は10月末追加利上げがほぼ消滅したとみて一転急上昇となっている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:55 | 小倉正男の経済コラム
2026年09月13日

【小倉正男の経済コラム】市場はFOMCの利上げはほぼ確定と認定 中東混迷で原油は一時104ドル、戦争長期化睨む

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■“FOMCは利上げに踏み込む”とマーケットは判定

 米連邦準備制度理事会(FRB)は、今週の15,16日に政策金利を決定する連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。その金利決定を左右する物価に関するデータが相次いで発表されている。

 8月卸売物価指数(PPI)は、前年同月比5.4%(前月比では0.4%)と大幅な上昇となっている。7月も4.8%と上昇率は高かったが、8月はさらに上昇が加速されている。ガソリン、ディーゼルなどエネルギー価格高騰が生産者取引価格を押し上げている。

 卸売物価指数に次いで翌日(11日)に発表された消費者物価指数(CPI)も同様のトレンドとなっている。8月消費者物価指数は前年同月比3.4%(前月比0.4%)。ガソリン価格などの高騰が止まらない。インフレが昂進しており、利上げに進む可能性を高めている。

 ところで意外なことに前週末(11日)のNYダウは509ドル高、ナスダックは251ポイント高となった。利上げが控えているのに株価は上がった。

 利上げは本来的には株価には悪材料である。だが、ほぼ利上げ機運が確定したことから当面の「悪材料出尽くし」とマーケットは判断した模様。霧(不確実性)で前が見えないのは悪材料だが、霧が晴れて利上げ確定が見えたのならそれは受け入れる、という“短期判断”ということである。

■市場は原油先物一時100ドル台乗せ、戦争長期化で利上げほぼ確定と判断

 ウォーシュFRB議長がFOMCで利上げを断行するのは、簡単ではないのではないかという見方がないではない。しかし、マーケットはきわめてシンプルに利上げがほぼ確定的と判断している。これは「イラン戦争」が長期化するとみているためだ。

 原油先物価格は、前週末に1バレル104〜102ドルの大台乗せを記録している。「イラン戦争」の混迷、最近ではイエメンの親イラン勢力・フーシ派が紅海バーブルマンデブ海峡で“攻勢”“脅威”を強めている。原油高の長期化は、多くの製品価格上昇への波及が避けられない。インフレは収まるどころか昂進の裾野を広げる可能性を強めている。

 米国の連邦債務は8月に40兆ドル(6160兆円)を超えた。利払いは年間1兆ドル(154兆円)規模に迫っている。米国の国防費は9000億ドル(139兆円)規模だから、利払い費が国防費を超えることになる。それに「イラン戦争」継続による財政悪化も追加される。財政懸念から金利が上昇、金利上昇から利払い費が膨張という悪循環に陥りかねない。

 米国債10年物利回りは4.972%と5%に接近するという事態になっている。ベッセント財務長官の判断・懸念はいつも的確である。戦争などやっているどころではないのだが、すでに戦争は6カ月を超えて継続しているのだからこれはどうにもならない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:34 | 小倉正男の経済コラム
2026年08月31日

【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領 中間選挙まであと8週間 ウォーシュFRB議長の利上げ示唆は致命傷になりかねない

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■ウォーシュ議長は「やるべき仕事がある」と利上げ断行を示唆

 米連邦準備制度理事会(FRB)のウォーシュ議長は、米国のインフレについて「高過ぎるまま」という認識を明らかにしている。雇用は一応安定した動きをみせている。だが、FRBが目標としているインフレ率2%に明確に低下するという確信がないなら、FRBとしては「やるべき仕事がある」と語っている。(8月28日・ジャクソンホール会議)

 この発言は、トランプ大統領には致命的、あるいは致命傷のダメ押しに近いものといってよいように思える。

 「やるべき仕事」というのは、すなわち利上げにほかならない。ウォーシュ議長は、利上げを行うと明言したのに等しい。政策金利を決める連邦公開市場委員会(FOMC)は9月、10月、12月に開催される。

 ウォーシュ議長はいつ利上げに踏み込むとは明確にしていない。だが、早ければ9月に利上げを行うという可能性が取り沙汰されるのは間違いない。

 ウォーシュ議長を任命したトランプ大統領としては、利上げは絶対に反対である。中間選挙は11月、利上げを行うならせめて中間選挙後の12月に遅らせろと舌打ちしているに違いない。

■ウォーシュ議長の利上げはトランプ大統領としては想定外の事態

 トランプ大統領は、ウォーシュ議長就任時に「(金利の)判断は任せる」と発言している。これはあくまで利下げを期待しての発言である。利上げを行うという状況はまったく想定していない。

 トランプ大統領はその想定していない事態、すなわち自分が任命したウォーシュ議長が利上げを行うという局面に立たされている。

 米連邦政府の総債務は40兆ドルをすでに超えている。米国債10年利回りは4.722%と高止まりしている。財政危機への懸念から国債が売られ、長期金利の上昇が止まらない。

 これには並行して進行しているインフレが絡んでいる。26年7月消費者物価指数は前年同月比3.4%、物価を引き上げている主因はガソリンなどエネルギー価格上昇である。インフレがさらに深まるとなれば、国債が売られ、金利是正=金利上昇が進行するということになる。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:20 | 小倉正男の経済コラム
2026年07月24日

【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領 「フーバーにはならない」を忘却 「終わっている」のは暫定合意、それとも??

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■イランとの暫定合意は「終わった」、ないし「終わっている」

 トランプ大統領のイランとの停戦・暫定合意覚書についてはメディア、あるいはトランプ大統領にとって与党である共和党強硬派からも「過去数十年で最悪な外交上の失敗」といった批判が上がった。

 イランとの「戦闘」は行うべきものではなかった。しかも結果は「敗北」、ないし「惨敗」に近いという批判である。

 対空ミサイル「パトリオット」の在庫払底にみられるように戦費は贅沢に費やした。財政は悪化し、金利は上昇。おまけに原油価格暴騰でインフレをやたら加速した。

 トランプ大統領としては、暫定合意は「オバマ核合意」(2015年)より優れていると主張するしかない。だが、メディア、共和党強硬派は「イランへの譲歩が著しく大きい」とにべもない。

 しかも現在は評価以前というか、暫定合意自体が「終わった」あるいは「終わっている」(It ‘s over)状態。これでは「敗北」の上塗りということになりかねない。

■6月17日夜、ヴェルサイユ宮殿で和平覚書に署名

 トランプ大統領は、仏で開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席した。それはたかだか6月15〜17日のことだ。1カ月ちょっと前の話でしかない。

 最終日の17日にはトランプ大統領は朝のセッションに1時間遅れて出席。悪びれるどころかすでに着席している各国首脳の前で「Iam the boss(私がボスだ)」とひと言。傍若無人、自分が不在ではG7など何も意味はないと言いたげな威圧を漂わせた。

 本題はその日の夜、トランプ大統領は仏・マクロン大統領のヴェルサイユ宮殿で夕食会に臨んでいる。トランプ大統領はそのヴェルサイユ宮殿の夕食会でイランとの「戦争」終結に向けての和平協定覚書におもむろに署名している。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:46 | 小倉正男の経済コラム
2026年06月26日

【小倉正男の経済コラム】マイクロンテクノロジー 市場予想越える最高決算 需要に供給が追い付かない「スーパーサイクル」突入

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■注目のマイクロン決算は発表後に時間外で大賑わい

 マイクロンテクノロジー(本社・米国アイダホ州)はサムスン電子、SKハイニックスと並ぶメモリ半導体の雄といえる企業である。この3社はともにDARM、NANDフラッシュのメモリ半導体を兼営している。

 この3社では、サムスン電子がいち早く時価総額1兆ドル台という「1兆ドルクラブ」入りを果たしている。しかし、この5月にはマイクロン、そしてSKハイニックスがそろって急激で大幅な市場人気上昇で相次いで時価総額1兆ドルを実現している。

 そのマイクロンの26年第3四半期(3〜5月期)が24日(日本時間25日早朝)の米国株式取引終了後に発表された。

 発表後、相当な好決算でも“織り込み済み”ということで時間外取引が賑わうことはレアケース。ただ、マイクロンの場合は通常と異なって時間外取引は15%超上昇と大きな賑わいをみせた。

■第3四半期(3〜5月期)は「スーパーサイクル」入りを証明

 マイクロンは、たった1年前にはメモリ半導体がコモディティ化(価値を低下させ汎用品化)して業績低迷に喘いでいた。サムスン電子、SKハイニックスなどもほとんど同様の動きをたどっていた。

 だが、いまは降ってわいたようなAI需要の盛り上がりでデータセンター向け広帯域幅メモリ「HBM3E」など高性能・高単価品が受注大幅増となっている。需要に供給が追い付かず、引き合いは引きも切らない。

 大手テックなどのデータセンター設備投資競争・同資金調達が過大過ぎるという「AIバブル」警戒論がくすぶっている。だが、旺盛なAI需要に供給が間に合わないというのも事実だ。価格も大きく上昇、「戦略的顧客契約」という価格を固定化した取引が奏功している。

 マイクロンは、前四半期(第2四半期=12〜2月期)あたりから需要が長期的に供給を上回る「スーパーサイクル」に入ったとほのめかしている。

 「シリコンサイクル」ではなく、「スーパーサイクル」(メガサイクル)――、以前の低迷期を何度も目の当たりにしているだけに半信半疑で見られている面がある。だが、「スーパーサイクル」突入を証明=裏書きしたのがこの第3四半期といってよいようにみえる。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:22 | 小倉正男の経済コラム
2026年06月21日

【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領 ホルムズ海峡封鎖解除を優先 核問題は最終交渉で決着 オバマ合意より譲歩という結末

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■G7サミット=トランプ大統領は全3日間出席

 トランプ大統領はフランス・エビアンで開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)に全3日間出席した。

 前回のG7サミット(カナダ)ではトランプ大統領は初日に帰国している。前回のように早々帰国では、G7といっても結束面で「分裂」「亀裂」を印象付けることになる。今回のG7では、トランプ大統領を途中帰国させないというのが“至上命題”だったとみられる。

 最終日の17日にはトランプ大統領は最初のセッションに1時間遅れて出席。悪びれるどころかすでに着席している各国首脳の前で「私がボスだ」とひと言。相変わらずのトランプ流に揺らぎはまったくないように見受けられた。

 フランスのマクロン大統領は、G7閉会後にパリ郊外・ヴェルサイユ宮殿でトランプ大統領一人だけを招待して夕食会を開催している。G7の途中で帰らせないというマクロン大統領の企てとみられる。

■「もう一人のフーヴァーになりたくない」と発言

 ところが、トランプ大統領はそのヴェルサイユ宮殿でイランとの「戦争」終結に向けての和平協定覚書に署名している。その後の記者会見のやり取りは興味深い。

 「簡単ではなかった」「経済大参事を何よりも避けたい」「もう一人のハーバート・フーヴァーにはなりたくない」――。傍若無人のトランプ大統領とは思えない、いわば腑に落ちる発言を行っている。

 「フーヴァー」とは1929年世界大恐慌時の31代米国大統領である。トランプ大統領としては、イランのホルムズ海峡封鎖による原油高騰といった世界的なインフレ昂進を深刻に考えていたことを認めた発言にほかならない。

 無用と思えるイランとの「戦争」が終結するのは多くの人々を安堵させるのは間違いない。世界経済から原油高騰=インフレ昂進という要因を消去・後退させるとすれば、とりあえず誰もが歓迎する事態であるのは間違いない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:59 | 小倉正男の経済コラム
2026年06月06日

【小倉正男の経済コラム】週末のNY株式市場は大荒れ 雇用好調で利下げ観測後退 スペースX空前の大型株式公開が接近

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■前週末のNY市場は大幅下落

 前週末(6月5日)NYダウは695ドル安(1.35%低下)、ナスダックは1121ドル安(4.17%低下)の大幅安となった。25年4月3日のトランプ大統領による「相互関税」発表直後の下落幅に匹敵、あるいはそれを上回る大幅下落となっている。

 事の発端は、5月非農業部門雇用者数が17万2000人増加と発表されたことによる(雇用統計・米国労働省)。市場予想は一般に10万人に届かないという想定だったから、これは驚きをもたらしている。

 おまけに4月の非農業部門雇用者数は11万5000人から17万9000人に大幅上方修正された。(ちなみに5月失業率は4.3%と横ばい。平均時給は前月比0.3%、前年同期比3.4%。)

■雇用好調で「利下げ観測」は後退

 株式市場は、トランプ大統領の「イラン戦争」の影響などを織り込み、雇用の好調は見込んでいなかった面がある。むしろ雇用が軟調に陥り、利下げに進む方向を観測していたということになる。

 ところがイラン戦争の混迷にもかかわらず雇用は好調だった。市場の「利下げ観測」は後退、金利は据え置き、あるいは年内に利上げ実施という予測に変化している。連邦準備制度理事会(FRB)は、雇用に問題がないならインフレが唯一のターゲットになる。米連邦公開市場委員会(FOMC)内のタカ派(インフレ警戒派)が多数を占める。

 ホルムズ海峡封鎖で原油高騰が継続しているのだからインフレ警戒は当然といえる動きにみえる。しかし、株式市場(トランプ大統領も待ち望んでいるのだが)は、希望している利下げが後退したと大幅な株式下落を演じている。

 だが、これは株式市場にありがちな極論といった面がないとはいえない。雇用者増加の一因となっているのは、FIFAワールドカップ・サッカー開催に伴う“特需”という事情が垣間見られる。レストラン、バーなどレジャー・接客業が急増している。

 本質的に雇用が強いという可能性も否定できない。ただそれなら金利云々以前に米国にとって良いファクターである。このあたりはもう少し様子を見る必要がある。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 19:34 | 小倉正男の経済コラム
2026年05月23日

【小倉正男の経済コラム】エヌビディア AIデータセンターは「人類史上最大のインフラ投資」(フアンCEO) 需要旺盛で最高決算更新

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■売り上げ・純利益とも過去最高を更新

 米国半導体トップ企業のエヌビディアは、21日早朝(米国時間20日夕)に26年2〜4月決算を発表した。結果はAI関連の旺盛な需要を受けて売り上げ、利益とも過去最高を大幅更新している。

 売り上げは816億ドル(約13兆円・前年同期比85%増)、純益は583億ドル(9兆2700億円・同3.1倍)。1株当たり利益は1.87ドル(同2.4倍)。いずれも市場予想を大きく上回っている。配当は1セントから25セントに増配(超少額配当を継続)。

 決算と同時に800億ドル(12兆7200億円)という超巨額の自社株買いを発表している。凄まじい超大型の株主還元策というしかない。

 対売上純利益率は71%超、そして売上高総利益率は75%ということである。売り上げ即利益という状態。「AIファクトリーは人類史上最大規模のインフラ投資であり、きわめて速いスピードで進んでいる」(ジェンスン・フアンCEO)。

■データセンター売り上げが全体の92%を占める

 AIファクトリーとは、大規模GPUデータセンターなどAIインフラを指しているとみられる。エヌビディアの2〜4月決算の好調は、データセンターのAIサーバー用半導体の旺盛な需要をほぼ独占する格好で供給していることによる。

 エヌビディアが強みを持っている人間の指示なく自律的に仕事をする「AIエージェント」用半導体の需要増が大きく貢献している。

 データセンター向け半導体売り上げは752億ドル(前年同期比92%増)。全売り上げの約92%を占めている。AIデータセンター需要がいかに爆発的なものであるかを示している。

 しかし、フアンCEOは5〜7月決算ではデータセンター以外の成長基盤確保にも着手すると示唆している模様。自動運転、ロボティクス関連などに注力する見込みだ。確かにAIデータセンター需要の爆発は恩恵そのものだが、 “偏重”というか集中していることはどこまで続くのか、という不安を生じさせる。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:42 | 小倉正男の経済コラム
2026年05月04日

【小倉正男の経済コラム】米国大手テックの26年AI設備投資は7250億ドル(114兆円) AIトップ企業目指し先陣争い

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■米国大手テックは超巨額AI設備投資競争に突入

 米国大手テックの26年AI関連設備投資は膨大な金額である。アマゾン、グーグル親会社アルファベット、マイクロソフト、メタの4社の自社データセンター網構築などAI関連設備投資は、早くも合計7250億ドル(113.8兆円)に上方修正されている。

 これらの大手4社は25年も巨額のAI関連投資を行っている。26年はさらに設備投資競争が拡大・加速されている。人類史上かつてない超巨額の設備投資が行われている。その設備投資競争が巻き起こす需要・経済効果は凄まじいものになっている。

 例えばグーグルなど26年AI関連設備投資は、最大で1850億ドル(29兆円)としていたのだが、1900億ドル(29.8兆円)に上方修正。巨額投資は技術革新と追い掛けっこであり長期で行われる見込みである。30年代前半には累計1兆ドル(157兆円)投資に達するトレンドになっている。

 これらテック4社は、米国スケールでは「大手4社」だが、日本レベルでいえば売り上げ・営業利益など収益額では「巨大大手4社」といったほうが実感に合っている。巨額の設備投資に耐えられる収益基盤を一応備えている。

■AIでトップ企業を目指し世界市場制覇を狙う

 巨額のAI関連設備投資については、利益リターンは生み出されるのか、大丈夫なのか、という「AIバブル」警戒論が時々ぶり返されている。確かにそれも分からないではない。大手4社以外の収益基盤が弱い先進テック企業などでは、設備投資過剰という問題が取り沙汰されている。

 株式市場などでは、重宝にこの警戒論を使っている。AIで相場を盛り上げて、それと反対に相場を崩したいときにはこの警戒論を持ち出して低迷を演出している。

 それはともかく、大手テック4社のAI関連への巨額設備投資は、4社それぞれ自社がAIでトップ企業になることを目指しての戦略行動である。手をこまねいて遅れをとれば、敗北でしかない。トップ企業となってAIの世界市場を制覇するという戦略で巨額設備投資に資金を投下している。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:48 | 小倉正男の経済コラム
2026年04月20日

【小倉正男の経済コラム】ホルムズ海峡「兵器化」による非対称戦=インフレという爆弾を米国に投下 焦るトランプ大統領に停戦圧力

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 「大国を治めるは小鮮を煮るがごとし」。紀元前6世紀、諸氏百家のうち道教の始祖・老子の教えである。老子は孔子と同時代の人であり、深い考察力で知られる。「大国を治める者は小鮮を煮るがごとし」と「者」を入れて語られることもある。

 国を治めるには、内政、外交とも小魚を煮るように鍋のなかを掻きましてはならない。思い付きで掻きまわせば民が惑い、国は動揺して衰退する。老子がいまのトランプ大統領の所業を見たら、どう語るだろうか。

■トランプ大統領の後光付き宗教画風画像には支持層からも批判

 「イランは差し迫った脅威ではなかった」。米国家テロ対策センター所長の任にあったジョー・ケント氏は辞表でそう語っている。ケント前所長は、「イラン戦争」をイスラエル・ネタニヤフ首相、同国ロビー活動に踊らされたものと断定している。

 「イラン戦争」については、国民の支持が高まらないばかりか、ケント氏のように身内から離反が表面化している。トランプ大統領は「ちょっとした気晴らし」(AFP=時事)だったと顰蹙ものの発言をしている。思い付きのようなことで戦争を始めたとしたら何とも救いのない話である。

 トランプ大統領の後光付きでキリストのような衣を着て病棟に横たわる患者に光が出ている両手を差し伸べているAI画像投稿(「冒涜」の批判から削除)も波紋は収まらない。

 トランプ大統領を熱心に支持しているキリスト教・福音派の一部にも「冒涜」という動揺があったと報道されている。福音派はキリスト教保守派とされている。もとよりプロテスタントであり、宗教画のような“偶像崇拝”は否定している。

 福音派はイスラエル寄りで、トランプ大統領の「イラン戦争」を支持してきている。だが、トランプ大統領のカトリックにみられる宗教画風は福音派を根本的に理解していない行為と映っている模様。これではほかならぬ福音派の支持は揺らぎかねない。

 カトリック総本山のローマ教皇レオ14世との「イラン戦争」をめぐる対立も激化するばかりだ。「世界は一握りの暴君によって荒廃が進んでいる」。レオ14世は、名指しこそ避けているがトランプ大統領をそう酷評している。あらゆるところで軋轢が生み出されている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:06 | 小倉正男の経済コラム
2026年04月03日

【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領 「重要演説」で「出口なし」露呈 原油は110ドル突破、ダメージコントロール不作動

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■「重要演説」途中から原油先物高騰、1バレル110ドル突破

 トランプ大統領は、「重要演説」と銘打ってイラン情勢について米国民に話すというので視聴した。“プライムタイム”の4月1日・米国東部夏時間午後9時、日本では2日午前10時。

 少なくともイランとの戦争の停戦・終結について何らかの道筋が語られると思っていたが、それはまったくなかった。中身は何もなし。マーケットは“戦争終結”を祝う気十分だったが、お通夜になってしまった。

 演説の途中、戦争終結期待で1バレル100ドルを割り込んでいたWTI原油先物価格は上昇、最終的には110ドル台に急高騰している。2日午前の日経平均株価は1000円以上の下落、NY株式先物も大幅下落となった。

 トランプ大統領は、イランに対して「圧倒的な勝利」と自画自賛、いわば自慢を繰り返し述べている。ベトナム戦争、イラクとの戦争などを持ち出して「32日間」の短期のものと強調している。「戦略的目標はまもなく完遂する」「2〜3週間激しく攻撃して石器時代に戻す」と。

 これでは戦争終結どころか、終結の「出口戦略」は何も持っていないと受け止められたのも仕方ない。「重要演説」は噴飯もの演説になった感が否定できない。

■「出口戦略なし」ペルシャ湾をぐちゃぐちゃにして投げ出す

 3月末にトランプ大統領の波紋を呼んだ発言、NATO(北大西洋条約機構)からの離脱、湾岸諸国への戦費要求はさすがに触れられることはなかった。

 やはり3月末に発信された「イランとの合意は必要ない。ホルムズ海峡封鎖解除なしでも今後2〜3週間で撤退する。石油はアメリカから買うか、自分で取りに行け」については演説で語っている。

 「ホルムズ海峡は戦闘が終われば、自然に開放される。アメリカは関与しない」

 米国・イスラエルはイランとの核協議交渉中に不意打ち的に開戦。しかし、「出口戦略」は考えていなかったどころか、ぐちゃぐちゃにして投げ出したようなものである。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:45 | 小倉正男の経済コラム
2026年03月23日

【小倉正男の経済コラム】いまさらTACOれないトランプ大統領 原油狂騰、「戦略」の誤りは「戦術」で取り返せない

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■2月は生産者物価高騰、インフレが顕在化

 米国の2月生産者物価指数(PPI)は前月比0.7%上昇。事前予想は0.2%程度が見込まれていたが、大幅に上回る結果になっている。2月生産者物価は前年同月比では3.4%、これも異常といえる上昇ぶりである。(米国労働省・3月18日発表)

 生産者物価とは、日本でいう卸売物価であり、インフレの先行きを占う先行指標にほかならない。この2月PPIは、25年7月の前月比0.9%アップ(前年同月比3.3%上昇)以来の高騰である。

 前年7月はいよいよトランプ関税による物価上昇発現かといわれたものである。しかし、その後は小康を得ていたが、ここにきてPPIが上昇に転じている。

 ホテル、モーテルなど宿泊サービスが上昇している。とりわけ、富裕層の旅行需要で高級ホテル宿泊費が値上がりしている。富裕層の需要は大幅減税政策延長が寄与している。人件費、光熱費高も見逃せない。食品価格の上昇が止まらない。野菜卸売価格の大幅高騰が続いている。天候不順に加えてガソリンなど燃料費、輸送費高騰などが直撃している。

■原油90〜100ドルに狂騰、インフレ極大化で利下げ期待は吹き飛ぶ

 2月PPIは、それでも米国・イスラエルのイランに対する戦争開始以前のデータである。WTI原油先物価格90〜100ドルという狂騰価格によるインフレはまだ反映されていない。3〜4月の消費者物価(CPI)には90〜100ドルの原油価格の影響が織り込まれる事態となる。3〜4月は悪夢のような物価高騰を覚悟する必要がある。

 3月17〜18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、金利(FF金利誘導目標3.50〜3.75%)据え置きが決定されている。FOMCメンバー12人のうち11人が金利据え置きに賛成。唯一反対したのはトランプ大統領が送り込んだミラン理事、相変わらず利下げを主張している。

 雇用低調が定着している。だが、世界的に不評で米国内でも支持が高まらないイランへの戦争でインフレは凄まじいものになりかねない。トランプ大統領が言葉を選ばず要求している利下げなどインフレ狂騰リスクからあり得ない状況となっている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:47 | 小倉正男の経済コラム
2026年03月09日

【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領 「出口なし」戦争で原油狂騰 インフレと雇用後退のスタグフレーションに突入

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■原油価格1バレル100ドル突破は目前に迫る

 米国、イスラエルがイランに空爆を開始したのは2月28日。米国、イスラエルがイラン全土3000カ所以上を空爆というのだから、やり口が無茶苦茶というしかない。(3月8日、テヘランに黒い雨。石油施設への攻撃で油混じりの雨、“ヒロシマの黒い雨”を想起させられる。)

 トランプ大統領は戦況を「10点満点で15点。これからも上手くやる」(3月4日)。「無条件降伏しかイランとは取引しない」(3月6日)。

 しかし、「戦略」ではそう簡単ではない。3月6日にWTI原油先物価は1バレル92ドル台を記録している。空爆による開戦以前に原油価格は動き出していたが60ドル台中〜低位の価格だった。1週間で40%に迫る大幅上昇となっている。

 日を追って高騰というか、データを確認するたびに価格がハネ騰がっている。1バレル100ドル突破は目前、あるいは150ドルという超高値接近も近いとみなければならない。

 ホルムズ海峡が事実上封鎖されている。多数のタンカーが洋上に留まって身動きがつかない。産油国の貯蔵施設はすでに余地がなく、減産に追い込まれている。

 近代資本主義の大量生産=大量消費は、大量物流が機能しなければ成立しない。イランの「非対称戦」は、ヒトもおカネも徹底して省いて結果を出している。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:55 | 小倉正男の経済コラム
2026年02月16日

【小倉正男の経済コラム】米国経済 消費・雇用・物価(インフレ)はいずれも問題含み 景気後退に突入寸前のリスク抱える

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■年末商戦は不発、個人消費は低迷

 米国のGDP(国内総生産)の70%近くを占めているのが個人消費である。消費は景気を端的に表す指標ということになる。25年12月の小売売上高は7350億ドル(前月比0.0%)と発表されている。(商務省・2月10日)

 年末商戦真っ只中の12月の消費が横ばいというのは予想外の出来事だった。良い兆候とはいえない。しかも中身が良くない。自動車・同部品、家具、電子機器・家電、衣料などに加え飲食・飲酒サービスがマイナスになっている。

 インフレの昂進が止まないわけだから、放っておいても消費は名目ではプラスになる。しかし、節約志向の浸透ということなのか――。消費の横ばいは実質的にはマイナスを意味する。景気は後退している。株式市場などからは利下げ期待が一気に高まる事態となった。

■1月雇用は上振れ、ただ25年通年雇用は大幅減少

 その翌日、雇用統計が発表されることになっていた。個人消費が伸び悩んだ経緯・筋合いから雇用も悪化するという悲観論がにわかに台頭−−。個人消費に続き雇用悪化ともなれば、景気後退(リセッション)入りとなる。「米国売り」(ドル・国債・株式のトリプル安)懸念が取り沙汰された。

 しかし、案に相違して、開示された雇用統計は1月の非農業部門雇用者数が前月比13万人(事前予想7万人・25年12月5万人)と大幅上振れだった。(労働省・2月11日)

 失業率は4.3%(事前予想4.4%)。25年12月の失業率4.4%から改善となっている。平均時給は前月比0.4%増、前年比3.7%増と上昇している。短期的には雇用低迷に歯止めが掛かっているというデータであり、前日湧きあがった利下げ期待は吹き飛んでしまった。

 ただし、年ベースで見ると雇用の低迷は明らかである。25年・月平均雇用者は1・5万人増、24年・月平均雇用者12・2万人増に比べ大幅減少となっている。

 バイデン大統領からトランプ大統領に変わった途端に労働需給は悪化が定着している。これは先行き悪いシグナルというしかない。こちらのほうがむしろ重要指標、米国は景気後退に突入する寸前にあることを示している。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:31 | 小倉正男の経済コラム
2026年02月06日

【小倉正男の経済コラム】FRB議長にウォーシュ氏指名 ウォーシュ氏は「隠れハト」(金融緩和派)という見方強まる

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■「タカ派」イメージのウォーシュ氏を次期FRB議長に指名

 トランプ大統領は、連邦準備制度理事会(FRB)パウエル議長の後任人事として元FRB理事(2006〜2011年)のケビン・ウォーシュ氏を指名している。

 ウォーシュ氏は最年少の35歳でFRB理事に就任した経歴を持っている。リーマン・ショック後の世界金融危機時(2008年)に量的金融緩和政策(QE)継続はインフレ・リスクが伴うと指摘している。

 金融危機に対応したFRBの国債、証券購入継続は、市場に大量の資金を供給しインフレを惹起すると懸念を表明したわけである。

 そうしたことからウォーシュ氏は、一般に「タカ派」とみられていた。つまり、インフレ重視で金融引き締め派に分類されていたわけである。ウォーシュ氏が、トランプ大統領とホワイトハウスで対面したというニュースが流れただけで株式市場は動揺する――。そのぐらい「タカ派」のイメージを持たれていた。

■ウォーシュ氏指名でマーケットは動揺

 1月30日、トランプ大統領が次期FRB議長にウォーシュ氏を指名すると、NY株式市場は案の定暴落となった。株式市場は、ウォーシュ氏指名は願望している金融緩和(利下げ)が遠のいたという反応を示している。

 しかし、トランプ大統領のグリーンランド領有問題などから、欧州などの“米国離れ“で売られていたドルは買い直された。ウォーシュ氏の次期議長への指名は、FRBは大幅な金融緩和を要求するトランプ政権に対して「中立性」「独立性」を保持できる人事と認識されたためである。

 一方、グリーンランド問題などトランプ大統領の地政学リスクで過去最高値にあった金・銀は歴史的な下落を演じている。米国債など債券は大きな騒ぎにはならなかったが、売られて利回りが上昇している。

 これだけ株式、ドル、金・銀、国債とマーケットを動かしているのだから、FRB議長という職責は大変重いという証明にほかならない。しかし、マーケットも瞬発力で動くため、(あるいはほかならぬ人間が仕切っているわけで)誤解と錯覚にとらわれることがないとはいえない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:37 | 小倉正男の経済コラム
2026年01月21日

【小倉正男の経済コラム】グリーンランド領有に反対する欧州同盟国に追加関税 NATO終焉危機 トリプル安の様相

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■トランプ大統領の暴走で米国はトリプル安の展開

 20日のNY株式市場は870ドルの大幅安となった。米国債、通貨ドルも売られ、トリプル安(米国売り)の展開となっている。トランプ大統領の常軌を逸したグリーンランド領有といった“暴走”が再び世界をパニックに陥れている。

 トランプ大統領は、グリーンランド領有に反対する欧州8カ国に追加関税を課すと発表している。NATO(北大西洋条約機構)分裂の危機が懸念される事態になっている。

■トランプ大統領の頭の中はグリーンランド領有で一杯

 「もはや純粋に平和のみを考える義務を感じない」
 トランプ大統領は、ノルウェー・ストーレ首相に充てたメッセージでそう伝えていたと報じられている。

 昨年のノーベル平和賞を受賞できなかったので“平和のみを考える”ことはしない。仮にノーベル平和賞というレガシーを得ていたら、“平和のみを考え続けていた”ということになる――。

 トランプ大統領はストーレ首相にこう続けている。
 「今後はアメリカ合衆国にとって何が善であり、何が適切かを考えることができる」
 これからは米国の国益に沿って動くということになる。

 そのうえでトランプ大統領はメッセージのなかでグリーンランドについて言及している。
 「グリーンランドを米国が完全に掌握しなければ世界の安全は保証されない」

 結局、いちばん言いたいところは米国によるグリーンランド領有という部分にほかならない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:12 | 小倉正男の経済コラム
2026年01月15日

【小倉正男の経済コラム】識学・安藤広大社長 5つの仕組みで造る「高い成果を上げる組織」 参政党の組織造り支援で「24年衆院選の奇跡」を演出

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■誤解、錯覚の集合体である組織の歪みを正していく仕組みを造る

 識学<7049>(東証グロース)は、1月13日に「組織の造り方・変え方」をアジェンダにセミナーを開催している。

 企業経営者層を対象としたもので、登壇者は安藤広大社長。「自動で高い成果を上げる組織を造る」という独自の組織運営メソッドである「識学」理論のレクチャーを実施している。

 識学は組織コンサルティングを主力事業とする新進企業(2019年上場)。しかし、すでに5000社の組織コンサル実績を持っている。

 「人は意識構造にある誤解、錯覚を持ちながら行動している。その人特有の思考の癖を持っている。組織にルールがあっても、思考の癖からそれぞれ事実に対する認識で誤解、錯覚が生まれる。そうした誤解、錯覚の集合体である組織の歪みを正していく仕組みを造っていく」
 安藤社長は、識学の組織コンサルをそのように表現している。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:26 | 小倉正男の経済コラム
2025年12月19日

【小倉正男の経済コラム】識学・安藤広大社長 「責任・権限、そして結果を明確化」すれば企業は成長を最大化できる 組織コンサルは整体師という理論

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■「勝つ組織とは・・・」とは

 「どんな組織が強いのか」、あるいは「勝つ組織とは・・・」、企業経営者ならそうしたアジェンダを考える瞬間があると思われる。

 識学(7049・東証グロース)という会社がある。組織コンサルティングを生業としている新進企業、率いるのは安藤広大社長(46歳)である。独自の組織運営理論「識学」で4800社を超えるコンサル実績をこなしている。

 「勝てる仕組みをつくれば勝てる。要らんことはしない。シンプルに成果を出すことに集中する。そうした仕組み、環境をつくる。それを最短距離でやればよい」
 安藤社長は、「識学の組織コンサルとは何か」という質問に即座にそう答えている。

■新生識学ファンド1号=識学理論で見違えるような企業再生を実現

 識学は26年2月期第1四半期決算発表直前というタイミングで増額修正を行っている。期初の業績計画は売り上げ61.7億円、営業利益4億円−−。これが売り上げ71億円、営業利益9.5億円に大幅な上振れとなると発表している。

 識学は組織コンサルが主力事業だが、「新生識学ファンド」というベンチャーファンド部門を持っている。この新生識学ファンド1号(非上場株式1銘柄)の売却が増額修正要因である。第2四半期に売り上げ10.2億円、営業利益8.2億円の計上を果たしている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:15 | 小倉正男の経済コラム
2025年12月12日

【小倉正男の経済コラム】FOMCは3会合連続0.25%利下げ、インフレ懸念は後回し トランプ大統領は大幅利下げ要求し次期FRB議長選定

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■雇用下振れに重点、インフレ懸念は後回し

 米連邦準備制度理事会(FRB)は、12月10日の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを決定した。9月、10月のFOMCに続いて3会合連続で0.25%の利下げを実施したことになる。

 「雇用の伸びは鈍化し、失業率は9月までやや上昇した。インフレ率は今年初めから上昇し、依然やや高止まりしている」(FOMC声明)。パウエルFRB議長、あるいは同氏が委員長であるFOMCは、雇用の下振れ、インフレ(物価)の上振れリスクを抱えている。

 パウエル議長は10月FOMC直後の会見で「12月の次回会合での追加利下げは既定路線ではない。そのような状況とは程遠い」と発言。3会合連続の利下げにきわめて否定的な立ち位置を表明している。“12月に利下げはない”と断言したに等しい。

 つまり、雇用下振れリスクには9月、10月の利下げで対応した。12月は金利据え置きでインフレ上振れリスクに重点を移行する――。ところが、その後には3会合連続利下げを行うという見方が大勢を占めるように状況が変化している。この経過が12月FOMCの事前予想を複雑にした面がある。

 結果として12月FOMCでは、9月〜10月と同様に雇用低迷に重点を置いたことになる。政策金利は3.50〜3.75%に引き下げられている。インフレ懸念は“後回し”にされた。同時に二つは叩けないが、インフレ後回しは禍根が残るのは間違いない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:14 | 小倉正男の経済コラム
2025年11月19日

【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領 物価高で支持率低下 輸入食料品200品目以上で突然の関税除外措置、政策に不本意なブレ発生

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■突然、輸入食料品200品目以上を関税除外

 トランプ大統領は、輸入食料品を中心に「相互関税」対象から除外する大統領令に署名した(11月14日)。コーヒー、紅茶、緑茶、アボカド、トマト、バナナ、牛肉、コンビーフなど牛肉製品、各種香辛料など――。突然、200品目を越える規模で関税除外を行っている。

 相互関税を発表した4月2日には、「解放の日」と名付けて喜色満面だった。関税除外では、不本意なのかほとんど無口で「私はいくつかの食品の価格を下げたいだけだ」と語るのみだった。

 トランプ大統領の言動だが、変化がみられる。これまでは大幅な金利低下を要求し、「インフレなど起きていない」「食料品の価格は下がっている」と発言してきている。今回の輸入食料品の関税除外は、「トランプ関税」が物価上昇(インフレ)を押し上げていると事実上認めたということにほかならない。

■人気低迷に歯止めをかける意図で関税除外を行った

 NY市長選挙、ニュージャージー州・バージニア州知事選挙――、共和党は連敗となっている。トランプ大統領は、「政府機関の一部閉鎖のため」と敗因を語っている。

 政府機関閉鎖は、民主党が公的医療保険料補助を要求し、つなぎ予算成立を妨げたためと非難。選挙での連敗は関税政策・物価上昇によるものという見方を否定してきている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:28 | 小倉正男の経済コラム