
射出成形機、プラスチックを金型に流し込んで成型加工する工作機械である。日用品、食品、自動車、スマホなど情報機器用などの製造に使われる。“最も納期が短い工作機械”である。射出成形機への需要は、端的に設備投資動向、もっといえば景気の良し悪しを示すといわれている。
日本の射出成形機は、長らく中国向け需要で潤ってきた。中国の製造業が増産投資、設備増強に明け暮れてきたためである。しかし、いまや中国の射出成形機需要はパッタリと止まっている。
工作機械業界に聞くと、22年後半には「ゼロコロナで低迷しているが、23年には需要が回復する」。現在は「需要回復の兆しがなく、底打ちが遅れている。24年前半には需要が戻ると期待している」と。要するに射出成形機への需要回復は遅れるばかりである。回復のメドがほとんど立っていない。
ちなみに、いま射出成形機需要が旺盛なのがインドである。インドのほうは好景気で設備投資が活発化している。中国からインド、ベトナムなどに工場を移転する動きがあるが、いまでは射出成形機などの工作機械の需要先はインドに移っている。
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