■“FOMCは利上げに踏み込む”とマーケットは判定
米連邦準備制度理事会(FRB)は、今週の15,16日に政策金利を決定する連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。その金利決定を左右する物価に関するデータが相次いで発表されている。
8月卸売物価指数(PPI)は、前年同月比5.4%(前月比では0.4%)と大幅な上昇となっている。7月も4.8%と上昇率は高かったが、8月はさらに上昇が加速されている。ガソリン、ディーゼルなどエネルギー価格高騰が生産者取引価格を押し上げている。
卸売物価指数に次いで翌日(11日)に発表された消費者物価指数(CPI)も同様のトレンドとなっている。8月消費者物価指数は前年同月比3.4%(前月比0.4%)。ガソリン価格などの高騰が止まらない。インフレが昂進しており、利上げに進む可能性を高めている。
ところで意外なことに前週末(11日)のNYダウは509ドル高、ナスダックは251ポイント高となった。利上げが控えているのに株価は上がった。
利上げは本来的には株価には悪材料である。だが、ほぼ利上げ機運が確定したことから当面の「悪材料出尽くし」とマーケットは判断した模様。霧(不確実性)で前が見えないのは悪材料だが、霧が晴れて利上げ確定が見えたのならそれは受け入れる、という“短期判断”ということである。
■市場は原油先物一時100ドル台乗せ、戦争長期化で利上げほぼ確定と判断
ウォーシュFRB議長がFOMCで利上げを断行するのは、簡単ではないのではないかという見方がないではない。しかし、マーケットはきわめてシンプルに利上げがほぼ確定的と判断している。これは「イラン戦争」が長期化するとみているためだ。
原油先物価格は、前週末に1バレル104〜102ドルの大台乗せを記録している。「イラン戦争」の混迷、最近ではイエメンの親イラン勢力・フーシ派が紅海バーブルマンデブ海峡で“攻勢”“脅威”を強めている。原油高の長期化は、多くの製品価格上昇への波及が避けられない。インフレは収まるどころか昂進の裾野を広げる可能性を強めている。
米国の連邦債務は8月に40兆ドル(6160兆円)を超えた。利払いは年間1兆ドル(154兆円)規模に迫っている。米国の国防費は9000億ドル(139兆円)規模だから、利払い費が国防費を超えることになる。それに「イラン戦争」継続による財政悪化も追加される。財政懸念から金利が上昇、金利上昇から利払い費が膨張という悪循環に陥りかねない。
米国債10年物利回りは4.972%と5%に接近するという事態になっている。ベッセント財務長官の判断・懸念はいつも的確である。戦争などやっているどころではないのだが、すでに戦争は6カ月を超えて継続しているのだからこれはどうにもならない。
>>>記事の全文を読む
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:34
|
小倉正男の経済コラム