
■景気動向を示す雇用は5月から急悪化に大幅下方修正
トランプ大統領の政権下、米国の景気は堅調〜順調といわれてきた。しかし、8月1日に発表された雇用統計は景気後退(リセッション)のシグナルを点滅させるものとなっている。同日のNY株価は542ドルの大幅安となり、米国債が買われてドルは大きく売り込まれている。
雇用統計によると7月の非農業部門雇用者数は、事前予想を大幅に下回って7万3000人増に鈍化。そのうえ5月、6月分の雇用者数を大幅に下方修正している。5月は12万5000人増から1万9000人増 6月は14万7000人増から1万4000人増に改訂された。景気動向を指し示す雇用者数は、5月から急悪化を遂げていたことになる。
政府機関、各企業の事後報告・調査などの集計結果からの大幅修正である。7月の失業率は4・2%(6月4・1%)に悪化した。トランプ大統領は、減税原資捻出のために連邦政府職員を大量解雇している。関税政策の混迷で製造業各社などが先行き不透明感から雇用に慎重な姿勢をみせた。それらの影響が雇用の急悪化をもたらしている。
■トランプ大統領には悪夢、パウエル議長にとっても寝耳に水
トランプ大統領にとっては悪夢に近いショックだったとみられる。SNSに雇用急悪化は「不正に操作された」、さらにエリカ・マッケンターファー労働省労働統計局長の解任を指示したと書き込んでいる。
労働統計局長は事実に即して改訂したわけだが、トランプ大統領は怒りを表明している。一方、連邦準備制度理事会(FRB)パウエル議長には「引退させるべきだ」と書き込んでいる。雇用急悪化を機にパウエル議長へのこれまでの憤懣を再々度持ち出している。雇用急悪化を陰謀、パウエル議長のせいにして利下げを要求している。
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