[小倉正男の経済コラム]の記事一覧
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記事一覧 (10/02)【小倉正男の経済コラム】岸田新総理:長期政権か短期で終わるかの分岐点
記事一覧 (09/18)【小倉正男の経済コラム】自民党総裁選:政治は怨恨・感情(ルサンチマン)で決まるのか
記事一覧 (09/05)【小倉正男の経済コラム】総裁選:「ガバナンス改革」が序盤戦の趨勢を決めた
記事一覧 (08/23)【小倉正男の経済コラム】「菅首相は1日でも長く続いて欲しい」という戦術
記事一覧 (08/10)【小倉正男の経済コラム】「説明責任」=ガバナンスを果たさない日本の政治
記事一覧 (07/13)【小倉正男の経済コラム】機械受注:先行指標・設備投資に回復の兆し
記事一覧 (07/04)【小倉正男の経済コラム】米国経済:雇用者数は85万人増に回復加速
記事一覧 (06/13)【小倉正男の経済コラム】米国CPIは5%上昇、インフレは「一時的」か否か
記事一覧 (06/06)【小倉正男の経済コラム】米国雇用統計:緩やかな回復、日本はまだ混迷
記事一覧 (05/22)【小倉正男の経済コラム】「コロナ敗戦」「ワクチン難民」発生という混迷
記事一覧 (05/05)【小倉正男の経済コラム】「半導体製造装置を中国に売っている」という短絡的批判の危うさ
記事一覧 (04/10)【小倉正男の経済コラム】『見えない化』――「企業内失業238万人」を含む失業問題の実体
記事一覧 (04/06)【小倉正男の経済コラム】コロナ禍:支援・助成手続きが煩雑過ぎるという困難
記事一覧 (03/21)【小倉正男の経済コラム】「コロナ後」〜米国はインフレ懸念、日本はデフレ懸念という対照
記事一覧 (03/07)【小倉正男の経済コラム】米国経済復活の兆しとその背景=1.9兆ドルの新型コロナ対策法、家計・個人に現金給付
記事一覧 (02/08)【小倉正男の経済コラム】米国はコロナ禍で起業ラッシュ、日本は?
記事一覧 (02/04)【小倉正男の経済コラム】米国ゲームストップ株事件:個人投資家VSファンド
記事一覧 (01/22)【小倉正男の経済コラム】新型コロナ不況:電通本社ビル売却というニュース
記事一覧 (01/13)【小倉正男の経済コラム】緊急事態宣言「クライシスマネジメント」の失敗
記事一覧 (12/24)【小倉正男の経済コラム】2021年・「覇権」を巡る米中激突が本格化
2021年10月02日

【小倉正男の経済コラム】岸田新総理:長期政権か短期で終わるかの分岐点

■TV局は総裁選=「権力闘争」をライブ中継

kk1.jpg 自民党総裁選だが、岸田文雄新総裁という結果となった。100代目の総理大臣が決まったわけである。

 「総裁選」は、3週間にわたりワイドショーを筆頭に報道・情報番組を席巻した格好である。TV局各社は、ほとんどコストをかけることなく視聴率を稼げるコンテンツを得たことになる。

 「総裁選は学級委員の選挙とは訳が違う。総裁選という名を借りた権力闘争であることを腹に収めてほしい」

 これは麻生太郎前財務相の言である。総裁選に臨む麻生派緊急総会での発言である。

 いわば、総理大臣を選ぶという「権力闘争」を擬似的ながらライブで視聴できるのだから、これ以上面白いコンテンツはなかなかない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:25 | 小倉正男の経済コラム
2021年09月18日

【小倉正男の経済コラム】自民党総裁選:政治は怨恨・感情(ルサンチマン)で決まるのか

■派閥の親分のルサンチマン

kk1.jpg 政治は政策が基本というか、政策で決まるものと思いたいが、そうともいえない模様だ。自民党の総裁選でみていると、「感情」が無視できない要因となっている。感情というか、会社などでいえば、「人間関係」ということになるかもしれない。

 石破茂氏(元幹事長)が、安倍晋三前首相、麻生太郎財務相に極端に嫌われているのは過去のいきさつにある模様だ。

 安倍前首相の場合は「モリカケ問題」、麻生財務相の場合は麻生内閣末期、ともに窮地にある時に石破氏から「鉄砲を撃たれた」、といわれる問題があったとされている。そんないきさつから石破氏は不倶戴天の敵、許しがたい存在になっているとされている。

 哲学用語の「ルサンチマン」(怨恨・怨念)が近いのか、あるいは仏語の「ル・サンチマン」(感情)のほうなのか。派閥の親分が過去のいきさつから、あいつと手を組むなら許さないとタガをはめたり排除したりということになっている。

 何ともそういうもので総裁が決まり、結果として日本の総理大臣が決まっていくという現実が少なからずある。“自主投票”とはいうものの水面下で派閥の強烈な締め付けが強まる気配が強い。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:09 | 小倉正男の経済コラム
2021年09月05日

【小倉正男の経済コラム】総裁選:「ガバナンス改革」が序盤戦の趨勢を決めた

■権力にはチェック・アンド・バランスが必要

kk1.jpg 菅義偉首相が、総裁選へ出馬を断念した。総理を退陣することになったことになる。新型コロナ感染症対策、経済政策で混迷をみせ、支持率は低迷に低迷を重ねた。追い詰められた菅首相は、二階俊博幹事長など党役員の総取り替えという人事に走った。だが、この人事が悪手となり自滅した格好である。

 総裁選の序盤戦で決定的だったのが岸田文夫氏(前政調会長)の「自民党のガバナンス改革」にほかならない。

 岸田氏は総裁選出馬会見で、「総裁を除く党役員は1期1年連続3年までとする」という党改革案を明らかにした。「権力の集中や惰性を防ぐ」と発言して、「チェック・アンド・バランスを考えれば、任期に制限を付けるのはあっていい」と。

 これは「ガバナンス」の本質を突いている表明だった。権力にはチェック・アンド・バランスがないと危険だというのが、「ガバナンス」の基本的な考え方だ。
 
 「三権分立」「医薬分業」、――なんでもそうだが権力が集中し過ぎるとロクなことがない。権力の分立=チェック・アンド・バランスは、中世から近代に至る人類の知恵のようなものである。

 提示された「ガバナンス改革」では、権力の集中と惰性を自らの手で縛るというわけである。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:44 | 小倉正男の経済コラム
2021年08月23日

【小倉正男の経済コラム】「菅首相は1日でも長く続いて欲しい」という戦術

■野党側は「菅首相は選挙の相手には持ってこい」と踏んでいる

kk1.jpg 横浜市長選だが、野党側が推薦する山中竹春氏が圧勝した。選挙開票のかなり前というか、投票が締め切られると同時に「当確」が報道された。

 敗北した与党側候補の小此木八郎氏(前国家公安委員長)は、政界から「引退」を表明した。菅義偉首相としては、お膝元の事態であり衝撃は小さくない。

 ところで野党側は、「菅首相は1日も早く辞めて欲しい」ではなく、「管首相は1日も長く続いて欲しい」に戦術を変えてきている。野党にとっては、菅首相が総裁選を勝って、総選挙となるのが理想的とみている。

 野党は、菅首相が相手のほうが絶対に有利と踏んでいる。野党にとって「ガースーの風は選挙に持ってこい」ということになる。

 菅首相は、長崎市の原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に遅刻した。野党側は「トイレは仕方ない」といつになく大人の態度を示した。「コロナ感染を最優先」という菅首相の言い違いも問題にされずスルーされている。菅首相を支持しているのは、(何も与党だけではなく)野党であることになる?
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:14 | 小倉正男の経済コラム
2021年08月10日

【小倉正男の経済コラム】「説明責任」=ガバナンスを果たさない日本の政治

■金メダルの高揚感があっても支持率は低下

kk1.jpg 「東京2020」、オリンピック・パラリンピックということだが、オリンピックが終わった。

 その途端に朝日新聞社の世論調査が発表された。同調査では、菅義偉内閣の支持率は28%と昨年9月の発足以来はじめて30%を割り込んだということである。

 新型コロナ感染は増えるばかりであり、酸素投与が必要な患者も入院がままならない状態にあるのが現実だ。相当に危機的な状態である。

 ところが、「説明責任」が果たされていない。菅首相が「重症患者以外は自宅療養」と唐突に方針を表明したわけだが、曖昧な結論だけ語ったにすぎない。どうしてそのような結論なのかといった説明はまったくない。これでは危機感など伝わるわけがない。

 「説明責任」を果たすのが基本だが、スピーチも原稿棒読みどころか、原稿読み飛ばしと、こちらも基本はないがしろである。金メダルの高揚感があっても支持率は28%というのだから、普通にいえば総裁選、総選挙のメドは立たないのではないか。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:47 | 小倉正男の経済コラム
2021年07月13日

【小倉正男の経済コラム】機械受注:先行指標・設備投資に回復の兆し

■機械受注は回復に好転

kk1.jpg 機械受注の動向だが、5月は総額ベースで2兆7547億円(前月比9・8%増)となった。4月の18・2%増に続いて回復傾向となっている。政府の新型コロナ感染対策の混迷や失態が経済の足を引っ張っているが、設備投資の状況を示す機械受注では低迷から回復に転じている。

 内訳でいうと、外需が1兆3563億円(前月比11・4%増)と牽引している。経済再開が早かった中国などからの半導体関連製造装置、工作機械などへの旺盛な需要が続いている。民需が9965億円(同8・5%増)、官公需は2652億円(同3・1%増)となっている。

 景気の先行指標である民間需要(規模が大きく不規則な船舶・電力を除く)では、5月は8657億円(同7・8%増)、4月の0・6%増から大きく好転している。市場予想は2・4%増だったから、民間需要は市場予想を大きく上回る伸長をみせている。

 製造業は3901億円(同2・8%増)だが、4月は10・9%増だったわけだから高い水準を維持しているといってよい。非製造業は4532億円(同10・0%増)で、4月の11・0%減から反転している。新型コロナ禍で低迷に直撃されていた非製造業に復活の動きがみられるようになったことは前向きな変化だ。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:54 | 小倉正男の経済コラム
2021年07月04日

【小倉正男の経済コラム】米国経済:雇用者数は85万人増に回復加速

■雇用は順調に回復

kk1.jpg 米国の非農業部門雇用者数は、6月は前月比85万人増と事前予想(70万人増)を上廻るものだった。5月の非農業部門雇用者数は55万9000人増だったが、雇用回復はさらに着実に加速されている。米国の雇用は、順調に回復している。

 ただし、失業率は5・9%(事前予想5・7%)と前月の5・8%から悪化をみせている。僅かとはいえ失業は増加していることになる。人種間、すなわちマイノリティ、あるいは女性の失業問題などは、ほとんど解決していないという見方もなされている。

 現状は新型コロナ感染の発生以前に比べて、670万人分の雇用がまだ埋められていない。接客、レジャー産業が雇用回復を引っ張っているが、依然としてまだ人手不足の状態となっている。新型コロナ感染の懸念が残存しており、飲食など接客業は回避される傾向が解消できていない。

 週300ドル(3万3000円)の失業給付上乗せ措置が、失業者には心地よすぎて“就労意欲”を後退させているということも争点となっている。共和党知事の州では、9月上旬の期限前に失業給付上乗せ措置を打ち切る動きが表面化している。

 失業給付上乗せは、もともとトランプ前大統領が採った政策だが、いまやバイデン大統領の政策に成り代わっている。バイデンVSトランプというか、民主党と共和党のバトルはここでも続いている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:44 | 小倉正男の経済コラム
2021年06月13日

【小倉正男の経済コラム】米国CPIは5%上昇、インフレは「一時的」か否か

■消費者物価は4月4・2%、5月5・0%上昇

kk1.jpg 10日に発表された5月の米国消費者物価指数(CPI)だが、前年同月比5・0%上昇というものだった。4月は前年同月比4・2%増だったから、2カ月連続で上昇率は異例の高さを示している。

 前年の同時期は、新型コロナ蔓延で経済がドン底期にあったわけで、当然ながらその反動もある。しかも、この4,5月は、バイデン大統領の直接給付追加など大型景気浮揚策に加えて、ワクチン接種の広がりもあって経済再開が加速されている。

 消費者物価の上昇から、「インフレ懸念」が騒がれるのも無理はないところである。

 半導体不足の影響で新車供給に問題が発生して、中古車価格が30%上昇したなどという報道もされている。旅行需要の急回復でレンタカーが不足している、新型コロナ禍から一般の人々が電車など公共交通機関を使うのを嫌って、クルマを購入しようとしているなどの需要が沸き起こっている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:33 | 小倉正男の経済コラム
2021年06月06日

【小倉正男の経済コラム】米国雇用統計:緩やかな回復、日本はまだ混迷

■米国の5月就業者数は55万9000人増

kk1.jpg 米国の雇用だが、新型コロナに対するワクチン接種の浸透もあって、事前には好調な回復が予想されていた。消費者物価などのインフレ懸念も強まっており、雇用回復が顕著になれば、テーパリング(金融緩和策の縮小)が促進される可能性があるとされていたわけである。ドルが買われ、米国債金利が上昇する気配が強まっていた。

 4日に米国雇用統計が発表され、5月の非農業部門の就業者数は前月比55万9000人増という結果だった。4月の就業者数は27万8000人増だったから、4月に比べると大幅な回復にみえる。

 ただ、事前の市場予想は65万人増であり、雇用統計発表の直前にはそれを大きく上廻るかとみられていただけに回復トレンドは緩やかと受け止められている。発表後はドルが売られ、米国債金利が下げに転じた。NY株式、ナスダックとも金融緩和策の縮小は当面ないとみて上昇している。

 宿泊、飲食などが就業者増を引っ張っているが、それでも接客関連などには十分に戻りきれていない状況である。需給のミスマッチが起こっているということだ。失業給付の手厚い上乗せ補償も就業意欲を後退させており、就業を躊躇させているとみられる。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:13 | 小倉正男の経済コラム
2021年05月22日

【小倉正男の経済コラム】「コロナ敗戦」「ワクチン難民」発生という混迷

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■「ワクチン難民」発生の混迷

 新型コロナワクチン接種券というものが届いたが、現状はそれだけのことであり配られただけである。

 予約センターには電話、メールともつながらず、接種の予約はまったくできていない。地域の掛かり付けの病院に連絡したら、受け付けているのだが「反響が大きすぎて、順番は10月頃になる」という話である。

 気長に待つしかないというわけだ。国、自治体はいかにもワクチン接種が大規模に進んでいるような発言をしている。接種が進んでいる一部自治体もあるのだろうが、「ワクチン難民」も相当出ているのではないか。

 コロナも怖いが、国、自治体の手際の悪さもかなりのものだ。「ワクチン難民」問題もおそらく3カ月程度はかかるだろうから、落ち着くのはかなり先の話になる。

 しかも、今回のワクチン接種は1回目であり、2回目の接種が必要である。となるとワクチン接種の完了は、下手をすると年内一杯程度はかかるとみられる。もちろん、予想外に接種が進む可能性もあるが、「自助」で頑張るとしても限界がありそうだ。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:39 | 小倉正男の経済コラム
2021年05月05日

【小倉正男の経済コラム】「半導体製造装置を中国に売っている」という短絡的批判の危うさ

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■米中軋轢は「半導体戦争」に進化

 米中貿易戦争が開始される1年前の2017年、この時も半導体不足が騒がれていた。中国が「中国製造2025」をスタートさせ、半導体製造装置、半導体など電子部品の輸入を活発化させていた。日本国内では、「半導体をつくれといわれても、半導体製造装置用の半導体が足りない」(商社筋)といわれていた。半導体不足で半導体製造装置がつくれない、という皮肉めいたユーモアが電子部品業界で語られていたわけである。

 2017年当時では、日本からの半導体製造装置は、中国、韓国、台湾企業に売られていた。もう少し詳細にいうと、中国、韓国、台湾の中国工場向けに輸出されていた。中国は、先行きを睨んで遅れていた半導体製造の自国化を進め、次世代通信5Gなどでも世界の先頭を目指すという野心を明らかにしていた。

 2018年にトランプ前大統領による米中貿易戦争が始まり、米国は中国製品に高関税を課すようになった。さらには米国を中心にデカップリング(切り離し)も行われ、ファーウェイ(華為技術)などへの半導体輸出に規制がかけられることになった。

 米中貿易戦争は、もともと中国の米国への過剰な鉄鋼輸出から始まったものである。トランプ前大統領は、米国の鉄鋼産業衰退による失業者増加を問題にしたわけである。だが、いまや米中軋轢は半導体をめぐる闘いに変わっている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:15 | 小倉正男の経済コラム
2021年04月10日

【小倉正男の経済コラム】『見えない化』――「企業内失業238万人」を含む失業問題の実体

■企業内失業者238万人という凄さ

kk1.jpg 『日本経済2020〜2021』(内閣府―感染症の危機から立ち上がる日本経済−)、ミニ経済白書といわれる文書だが、そこに「企業内失業者」の推移が分析・表示されている。

 企業内失業者とは、企業が社員の雇用を継続しているのだが、仕事を与えられていない状態を指している。同白書では、企業の「雇用保蔵」という言葉が使われている。これは雇用しているが、社員に仕事を与えられず、保蔵している状態のことである。

 同白書によると2020年の企業内失業者は、4〜6月646万人、7〜9月379万人、10〜12月238万人になっている。新型コロナ禍の直撃がそのまま現れているわけだが、何とも半端ない数字だ。製造業もそうだが、今回はサービス産業で企業内失業者が増加している。

 企業による雇用維持の背景には、雇用調整助成金、持続化給付金、家賃支援給付金などに加えて、無利子・無担保融資などの企業支援策の取り組みがあると書かれている。とりわけ、雇用調整助成金の上限を1日当たり1万5000円に引き上げたことが奏功しているとしている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:53 | 小倉正男の経済コラム
2021年04月06日

【小倉正男の経済コラム】コロナ禍:支援・助成手続きが煩雑過ぎるという困難

■支援・助成手続きを断念する店舗

kk1.jpg 新型コロナ禍への支援金、助成金だが、「手続きが煩雑過ぎて諦めた」といった声が少なくない。

 時々、音楽ソフトのお店に伺うのだが、「持続化支援金はもらえませんでした」とご主人は嘆いている。そのお店は売り上げが大きく減らなかったが、利益が大きく低下した。しかし、持続化支援金は売り上げの大幅減が基準なので、支援の対象外になったというのである。

 お店のご主人は、家賃などの助成金も面倒すぎて「断念した」としている。スマホ、パソコンなどを使いこなすデジタル技術力が相当ないと対応できない。用意する書類などが多い。結局、支援は何も得られない。それでもご主人はお店を何とか継続させている。

 あまり政治などに意見、あるいは文句などを言わない人たちまで苛立ったり、怒ったりすることが表面化してきている。これは取材というより、街で感じる“空気”である。支持率については、「一喜一憂しない」というのが政府・与党のお決まりだが、「一喜一憂しない」と大変なことになりかねない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:07 | 小倉正男の経済コラム
2021年03月21日

【小倉正男の経済コラム】「コロナ後」〜米国はインフレ懸念、日本はデフレ懸念という対照

■米国は1・9兆ドルの経済対策でインフレ懸念

kk1.jpg バイデン大統領の1・9兆ドルの経済対策(アメリカン・レスキュー・プラン)だが、さすがにインフレ懸念を惹起して10年物国債利回りは1・7%台に急上昇している。

 バイデン大統領は、「アメリカン・レスキュー・プラン」で新型コロナ禍への景気テコ入れ策に覚悟を示したといえる。半端ない巨額の財政出動である。金利は上昇気配になるとしても、大枠で米国は景気回復に一歩を踏み出したようにみえる。
 
 中途半端なことではデフレ懸念になる。デフレよりはインフレ懸念のほうが格段にましだ。「アメリカン・レスキュー・プラン」のメッセージはそうしたものにほかならない。
 
 米国の長期金利が上昇傾向をみせてドル高に転じると、新興国などは通貨安の不安から利上げでこれに歯止めをかけようとしている。根底には新興国の債務問題などがある。だが、米国としても景気回復が最優先であり、長期金利上昇をある程度容認するしかない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:43 | 小倉正男の経済コラム
2021年03月07日

【小倉正男の経済コラム】米国経済復活の兆しとその背景=1.9兆ドルの新型コロナ対策法、家計・個人に現金給付

■2月の雇用者数は37万9000人の急増

kk1.jpg 米国経済の復活がみえてきた。発表された米国雇用統計で2月の非農業部門雇用者数は37万9000人増(1月=4万9000人増)。事前予想は18万2000人増というものだった。雇用は予想を超える大幅な好転となっている。

 失業率は6.2%、前月比0.1ポイントの改善にとどまった。最悪時は20年4月の14.7%だったが、失業率はまだ高止まりしている段階にみえる。

 ただし、雇用者急増の現象をみると、米国経済はようやく立ち直りの機運を掴んだようにみえる。米国は新型コロナ感染に苦しんだが、ようやく収束のトレンドに入ってきている。ワクチン接種もスタートしている。新型コロナ感染の抑え込みが経済復活の背景にみえる。

 雇用統計を受けてNYダウ、ナスダックはともに大きく上昇した。雇用者急増となったが、長期金利の指標となる10年物国債利回りは1.56近辺にとどまった。

 事前には、雇用者増は米国経済にはプラスだが、長期金利が上昇して株式市場には必ずしもプラスではないと懸念されていた。蓋を開けると10年物国債利回りは極端な上昇を示さなかった。ともあれ米国は景気回復に踏み出している。

■バイデン大統領の1.9兆ドル新型コロナ対策

 バイデン大統領の1.9兆ドル(205兆円)の新型コロナ対策法案だが、下院を通過し上院に送付されている。米国の新型コロナ禍に対する経済対策では、一貫して「家計支援」というか、「個人支援」を基本としている。

 バイデン大統領の新型コロナ対策法案では、4000億ドル相当が家計支援、あるいは個人支援に当られている。家計への支援の中身だが、1人当たり1400ドル(15万1200円)の現金給付が行われることになる。

 失業給付では、失業保険に上乗せして週400ドルを21年8月末まで追加支給する。従来は失業者に失業保険にプラスして週300ドルの支給だったが、100ドル増の週400ドルを支援するとしている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:23 | 小倉正男の経済コラム
2021年02月08日

【小倉正男の経済コラム】米国はコロナ禍で起業ラッシュ、日本は?

■適切な医療への接続サービス

kk1.jpg 緊急事態宣言が延長されたが、「健康経営」といったテーマで勉強会があるというので出席した。東京都心部は、緊急事態宣言下というのに人出はほとんど少なくなっていない。そんなことを確認しながら向かったわけだが、ともあれ果たして健康経営とは何か――。

 勉強会の中身は、モバイル通信のNTTドコモ(株式保有51%)と医師など医療従事者向けWebメディアのエムスリー(同49%)の合弁による新企業エンフィール(empheal)の勉強会だった。

 エンフィールは、企業を顧客として、従業員やその家族に適切な医療への接続サービスを行うのがビジネスモデルということだ。

 エンフィールの創業は、2019年4月。新型コロナ感染症が勃発する以前のスタートだが、ともあれホヤホヤというか、ピカピカの新企業である。確かに、ビジネスモデルから勉強しないと企業のコンセプト、将来の成長性などなかなか理解できない。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:05 | 小倉正男の経済コラム
2021年02月04日

【小倉正男の経済コラム】米国ゲームストップ株事件:個人投資家VSファンド

■個人投資家がファンド打倒を呼びかける

kk1.jpg 米国株式市場で「ゲームストップ株事件」が勃発、この事件はNY株価を乱高下させた。個人投資家とファンドの対立が表面化した事件ということである。

 個人投資家たちがマイクを握って抗議の集会を行っている映像が日本のニュースでも報道された。

 個人投資家は、「空売りしているファンドを倒そう」とSNSで呼びかけて株価を上昇させた。ファンドなど空売り勢は損失を出した。それが「株価操作」に当るとして問題になっている模様だ。

 個人投資家サイドの言い分は、「ファンドは日常的に市場を制圧してきている。それに対して規制当局は何もしてこなかった。しかし、個人投資家に対しては共謀、株価操作としている」。これではアンフェアだと怒っている。

 ファンドは、機関投資家ではないが準ずる存在であり、巨大な資金力で市場制圧力は強力である。確かに、ファンドなどはやりたい放題であり、規制当局は目をつぶっている面がある。個人投資家の怒りは理解できないことではない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:24 | 小倉正男の経済コラム
2021年01月22日

【小倉正男の経済コラム】新型コロナ不況:電通本社ビル売却というニュース

■電通が本社ビル売却を検討

kk1.jpg 今週もTVのワイドショーなどは新型コロナ感染症のニュースばかりだった。仮にコロナに感染してもPCR検査も入院もままならず、自宅療養しかないところに至っているのだからどうにもならない。

 そうだろうなと納得して、これはコロナに感染したらヤバいなと。いまはコロナ感染だけは避けなければならないと改めて思っている次第である。しかし、現状はそれどころではない。コロナのみならずいまは心不全など他の病気にかかっても入院は容易ではないということである。

 週後半になってバイデン新大統領の就任式関連がニュースになったが、これもそうだろうなと。

 結局、いちばん驚いたのは電通が本社ビル売却を検討というニュースだった。おそらく、多くの人がそうだったのではないか。新型コロナ不況は、そこまで来たのかと思わざるをえなかった。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:05 | 小倉正男の経済コラム
2021年01月13日

【小倉正男の経済コラム】緊急事態宣言「クライシスマネジメント」の失敗

■人々に響かない「緊急事態宣言」

kk1.jpg 1月8日、東京都そして神奈川県、千葉県、埼玉県の首都圏に「緊急事態宣言」が再発令された。しかし、東京の盛り場などの人出だが、前回の緊急事態宣言時に比べると大きくは減っていない模様だ。郊外の地域商店街などはむしろ人出が増えている印象もある。

 ちょっと以前までは、国や地方自治体は「GoToトラベル」「GoToイート」と旅行や外食など需要を奨励していたわけである。手のひらを返して「外に出るな」、「飲食店は時短営業をしろ」、と命じてもどうやら人々の気持ちには響いていない。

 首都圏の1都3県に続いて、関西圏の大阪府、京都府、兵庫県の3府県にも緊急事態宣言が発令される。さらには、中部圏の愛知県、岐阜県、そして福岡県、栃木県にも発令が追加される見込みだ。

 国は、経済に軸足を置いて、緊急事態宣言には消極的だった。菅義偉首相の緊急事態宣言の会見時の表明も国民の心を打つようなものではなかった。国民も敏感であり、決意といったものの熱量をくみ取れなかった。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:18 | 小倉正男の経済コラム
2020年12月24日

【小倉正男の経済コラム】2021年・「覇権」を巡る米中激突が本格化

■4月8日・武漢市の「都市封鎖」解除

kk1.jpg 2020年の世界は、新型コロナウイルス感染症に襲われた1年となった。1月後半に奇妙な話を聞いたのが始まりだった。

 取材先によると、中国・上海の旧工場から建設済みの新工場に移転するのだが、経済が止まっていて引っ越しの予定が立てられないというのである。生産計画が立てられず、売り上げや収益の見込みがつかない。

 そんな事態は、これまで聞いたことがないものだった。その時は、まだ「新型肺炎」という病名だった。新型コロナは、2月〜4月にはあっという間に日本にも波及してきた。

 ちょうどその時、中国は湖北省・武漢市の「都市封鎖」を実行していた。武漢市の「都市封鎖」は、1月23日から4月7日までという長期に及んだものだった。武漢市は、新型コロナが世界で最初に発生した都市であり、住民には強権的なほど徹底した検査が行われた。

 4月8日午前0時に武漢市の「都市封鎖」解除が行われた。武漢市は、中国における自動車・同部品、半導体関連のサプライチェーンの拠点都市である。中国は、なり振り構わず新型コロナを抑え込みに踏み出して、そのうえでサプライチェーンの再開を強行した。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:22 | 小倉正男の経済コラム