[小倉正男の経済コラム]の記事一覧
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記事一覧 (06/06)【小倉正男の経済コラム】米国雇用統計:緩やかな回復、日本はまだ混迷
記事一覧 (05/22)【小倉正男の経済コラム】「コロナ敗戦」「ワクチン難民」発生という混迷
記事一覧 (05/05)【小倉正男の経済コラム】「半導体製造装置を中国に売っている」という短絡的批判の危うさ
記事一覧 (04/10)【小倉正男の経済コラム】『見えない化』――「企業内失業238万人」を含む失業問題の実体
記事一覧 (04/06)【小倉正男の経済コラム】コロナ禍:支援・助成手続きが煩雑過ぎるという困難
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記事一覧 (03/07)【小倉正男の経済コラム】米国経済復活の兆しとその背景=1.9兆ドルの新型コロナ対策法、家計・個人に現金給付
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記事一覧 (02/04)【小倉正男の経済コラム】米国ゲームストップ株事件:個人投資家VSファンド
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記事一覧 (12/15)【小倉正男の経済コラム】危機管理(クライシスマネジメント)下手を露呈〜GoTo年末年始停止〜
記事一覧 (11/16)【小倉正男の経済コラム】アメリカ:「米中摩擦」一本槍だけでは中国に勝てない
記事一覧 (10/29)【小倉正男の経済コラム】世界経済の先行き不透明でNY乱高下 そんななか日本は・・・
記事一覧 (10/21)【小倉正男の経済コラム】中国=サプライチェーン分散・多様化の攻防
記事一覧 (10/03)【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領のコロナ感染というカオス
記事一覧 (09/16)【小倉正男の経済コラム】菅義偉政権が抱える日本経済の難題
記事一覧 (09/07)【小倉正男の経済コラム】コロナ不況「最悪の想定」で生き残る企業経営
記事一覧 (08/22)【小倉正男の経済コラム】新型コロナ禍(withコロナ)と経済 長期低迷が不可避
2021年06月06日

【小倉正男の経済コラム】米国雇用統計:緩やかな回復、日本はまだ混迷

■米国の5月就業者数は55万9000人増

kk1.jpg 米国の雇用だが、新型コロナに対するワクチン接種の浸透もあって、事前には好調な回復が予想されていた。消費者物価などのインフレ懸念も強まっており、雇用回復が顕著になれば、テーパリング(金融緩和策の縮小)が促進される可能性があるとされていたわけである。ドルが買われ、米国債金利が上昇する気配が強まっていた。

 4日に米国雇用統計が発表され、5月の非農業部門の就業者数は前月比55万9000人増という結果だった。4月の就業者数は27万8000人増だったから、4月に比べると大幅な回復にみえる。

 ただ、事前の市場予想は65万人増であり、雇用統計発表の直前にはそれを大きく上廻るかとみられていただけに回復トレンドは緩やかと受け止められている。発表後はドルが売られ、米国債金利が下げに転じた。NY株式、ナスダックとも金融緩和策の縮小は当面ないとみて上昇している。

 宿泊、飲食などが就業者増を引っ張っているが、それでも接客関連などには十分に戻りきれていない状況である。需給のミスマッチが起こっているということだ。失業給付の手厚い上乗せ補償も就業意欲を後退させており、就業を躊躇させているとみられる。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:13 | 小倉正男の経済コラム
2021年05月22日

【小倉正男の経済コラム】「コロナ敗戦」「ワクチン難民」発生という混迷

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■「ワクチン難民」発生の混迷

 新型コロナワクチン接種券というものが届いたが、現状はそれだけのことであり配られただけである。

 予約センターには電話、メールともつながらず、接種の予約はまったくできていない。地域の掛かり付けの病院に連絡したら、受け付けているのだが「反響が大きすぎて、順番は10月頃になる」という話である。

 気長に待つしかないというわけだ。国、自治体はいかにもワクチン接種が大規模に進んでいるような発言をしている。接種が進んでいる一部自治体もあるのだろうが、「ワクチン難民」も相当出ているのではないか。

 コロナも怖いが、国、自治体の手際の悪さもかなりのものだ。「ワクチン難民」問題もおそらく3カ月程度はかかるだろうから、落ち着くのはかなり先の話になる。

 しかも、今回のワクチン接種は1回目であり、2回目の接種が必要である。となるとワクチン接種の完了は、下手をすると年内一杯程度はかかるとみられる。もちろん、予想外に接種が進む可能性もあるが、「自助」で頑張るとしても限界がありそうだ。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:39 | 小倉正男の経済コラム
2021年05月05日

【小倉正男の経済コラム】「半導体製造装置を中国に売っている」という短絡的批判の危うさ

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■米中軋轢は「半導体戦争」に進化

 米中貿易戦争が開始される1年前の2017年、この時も半導体不足が騒がれていた。中国が「中国製造2025」をスタートさせ、半導体製造装置、半導体など電子部品の輸入を活発化させていた。日本国内では、「半導体をつくれといわれても、半導体製造装置用の半導体が足りない」(商社筋)といわれていた。半導体不足で半導体製造装置がつくれない、という皮肉めいたユーモアが電子部品業界で語られていたわけである。

 2017年当時では、日本からの半導体製造装置は、中国、韓国、台湾企業に売られていた。もう少し詳細にいうと、中国、韓国、台湾の中国工場向けに輸出されていた。中国は、先行きを睨んで遅れていた半導体製造の自国化を進め、次世代通信5Gなどでも世界の先頭を目指すという野心を明らかにしていた。

 2018年にトランプ前大統領による米中貿易戦争が始まり、米国は中国製品に高関税を課すようになった。さらには米国を中心にデカップリング(切り離し)も行われ、ファーウェイ(華為技術)などへの半導体輸出に規制がかけられることになった。

 米中貿易戦争は、もともと中国の米国への過剰な鉄鋼輸出から始まったものである。トランプ前大統領は、米国の鉄鋼産業衰退による失業者増加を問題にしたわけである。だが、いまや米中軋轢は半導体をめぐる闘いに変わっている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:15 | 小倉正男の経済コラム
2021年04月10日

【小倉正男の経済コラム】『見えない化』――「企業内失業238万人」を含む失業問題の実体

■企業内失業者238万人という凄さ

kk1.jpg 『日本経済2020〜2021』(内閣府―感染症の危機から立ち上がる日本経済−)、ミニ経済白書といわれる文書だが、そこに「企業内失業者」の推移が分析・表示されている。

 企業内失業者とは、企業が社員の雇用を継続しているのだが、仕事を与えられていない状態を指している。同白書では、企業の「雇用保蔵」という言葉が使われている。これは雇用しているが、社員に仕事を与えられず、保蔵している状態のことである。

 同白書によると2020年の企業内失業者は、4〜6月646万人、7〜9月379万人、10〜12月238万人になっている。新型コロナ禍の直撃がそのまま現れているわけだが、何とも半端ない数字だ。製造業もそうだが、今回はサービス産業で企業内失業者が増加している。

 企業による雇用維持の背景には、雇用調整助成金、持続化給付金、家賃支援給付金などに加えて、無利子・無担保融資などの企業支援策の取り組みがあると書かれている。とりわけ、雇用調整助成金の上限を1日当たり1万5000円に引き上げたことが奏功しているとしている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:53 | 小倉正男の経済コラム
2021年04月06日

【小倉正男の経済コラム】コロナ禍:支援・助成手続きが煩雑過ぎるという困難

■支援・助成手続きを断念する店舗

kk1.jpg 新型コロナ禍への支援金、助成金だが、「手続きが煩雑過ぎて諦めた」といった声が少なくない。

 時々、音楽ソフトのお店に伺うのだが、「持続化支援金はもらえませんでした」とご主人は嘆いている。そのお店は売り上げが大きく減らなかったが、利益が大きく低下した。しかし、持続化支援金は売り上げの大幅減が基準なので、支援の対象外になったというのである。

 お店のご主人は、家賃などの助成金も面倒すぎて「断念した」としている。スマホ、パソコンなどを使いこなすデジタル技術力が相当ないと対応できない。用意する書類などが多い。結局、支援は何も得られない。それでもご主人はお店を何とか継続させている。

 あまり政治などに意見、あるいは文句などを言わない人たちまで苛立ったり、怒ったりすることが表面化してきている。これは取材というより、街で感じる“空気”である。支持率については、「一喜一憂しない」というのが政府・与党のお決まりだが、「一喜一憂しない」と大変なことになりかねない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:07 | 小倉正男の経済コラム
2021年03月21日

【小倉正男の経済コラム】「コロナ後」〜米国はインフレ懸念、日本はデフレ懸念という対照

■米国は1・9兆ドルの経済対策でインフレ懸念

kk1.jpg バイデン大統領の1・9兆ドルの経済対策(アメリカン・レスキュー・プラン)だが、さすがにインフレ懸念を惹起して10年物国債利回りは1・7%台に急上昇している。

 バイデン大統領は、「アメリカン・レスキュー・プラン」で新型コロナ禍への景気テコ入れ策に覚悟を示したといえる。半端ない巨額の財政出動である。金利は上昇気配になるとしても、大枠で米国は景気回復に一歩を踏み出したようにみえる。
 
 中途半端なことではデフレ懸念になる。デフレよりはインフレ懸念のほうが格段にましだ。「アメリカン・レスキュー・プラン」のメッセージはそうしたものにほかならない。
 
 米国の長期金利が上昇傾向をみせてドル高に転じると、新興国などは通貨安の不安から利上げでこれに歯止めをかけようとしている。根底には新興国の債務問題などがある。だが、米国としても景気回復が最優先であり、長期金利上昇をある程度容認するしかない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:43 | 小倉正男の経済コラム
2021年03月07日

【小倉正男の経済コラム】米国経済復活の兆しとその背景=1.9兆ドルの新型コロナ対策法、家計・個人に現金給付

■2月の雇用者数は37万9000人の急増

kk1.jpg 米国経済の復活がみえてきた。発表された米国雇用統計で2月の非農業部門雇用者数は37万9000人増(1月=4万9000人増)。事前予想は18万2000人増というものだった。雇用は予想を超える大幅な好転となっている。

 失業率は6.2%、前月比0.1ポイントの改善にとどまった。最悪時は20年4月の14.7%だったが、失業率はまだ高止まりしている段階にみえる。

 ただし、雇用者急増の現象をみると、米国経済はようやく立ち直りの機運を掴んだようにみえる。米国は新型コロナ感染に苦しんだが、ようやく収束のトレンドに入ってきている。ワクチン接種もスタートしている。新型コロナ感染の抑え込みが経済復活の背景にみえる。

 雇用統計を受けてNYダウ、ナスダックはともに大きく上昇した。雇用者急増となったが、長期金利の指標となる10年物国債利回りは1.56近辺にとどまった。

 事前には、雇用者増は米国経済にはプラスだが、長期金利が上昇して株式市場には必ずしもプラスではないと懸念されていた。蓋を開けると10年物国債利回りは極端な上昇を示さなかった。ともあれ米国は景気回復に踏み出している。

■バイデン大統領の1.9兆ドル新型コロナ対策

 バイデン大統領の1.9兆ドル(205兆円)の新型コロナ対策法案だが、下院を通過し上院に送付されている。米国の新型コロナ禍に対する経済対策では、一貫して「家計支援」というか、「個人支援」を基本としている。

 バイデン大統領の新型コロナ対策法案では、4000億ドル相当が家計支援、あるいは個人支援に当られている。家計への支援の中身だが、1人当たり1400ドル(15万1200円)の現金給付が行われることになる。

 失業給付では、失業保険に上乗せして週400ドルを21年8月末まで追加支給する。従来は失業者に失業保険にプラスして週300ドルの支給だったが、100ドル増の週400ドルを支援するとしている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:23 | 小倉正男の経済コラム
2021年02月08日

【小倉正男の経済コラム】米国はコロナ禍で起業ラッシュ、日本は?

■適切な医療への接続サービス

kk1.jpg 緊急事態宣言が延長されたが、「健康経営」といったテーマで勉強会があるというので出席した。東京都心部は、緊急事態宣言下というのに人出はほとんど少なくなっていない。そんなことを確認しながら向かったわけだが、ともあれ果たして健康経営とは何か――。

 勉強会の中身は、モバイル通信のNTTドコモ(株式保有51%)と医師など医療従事者向けWebメディアのエムスリー(同49%)の合弁による新企業エンフィール(empheal)の勉強会だった。

 エンフィールは、企業を顧客として、従業員やその家族に適切な医療への接続サービスを行うのがビジネスモデルということだ。

 エンフィールの創業は、2019年4月。新型コロナ感染症が勃発する以前のスタートだが、ともあれホヤホヤというか、ピカピカの新企業である。確かに、ビジネスモデルから勉強しないと企業のコンセプト、将来の成長性などなかなか理解できない。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:05 | 小倉正男の経済コラム
2021年02月04日

【小倉正男の経済コラム】米国ゲームストップ株事件:個人投資家VSファンド

■個人投資家がファンド打倒を呼びかける

kk1.jpg 米国株式市場で「ゲームストップ株事件」が勃発、この事件はNY株価を乱高下させた。個人投資家とファンドの対立が表面化した事件ということである。

 個人投資家たちがマイクを握って抗議の集会を行っている映像が日本のニュースでも報道された。

 個人投資家は、「空売りしているファンドを倒そう」とSNSで呼びかけて株価を上昇させた。ファンドなど空売り勢は損失を出した。それが「株価操作」に当るとして問題になっている模様だ。

 個人投資家サイドの言い分は、「ファンドは日常的に市場を制圧してきている。それに対して規制当局は何もしてこなかった。しかし、個人投資家に対しては共謀、株価操作としている」。これではアンフェアだと怒っている。

 ファンドは、機関投資家ではないが準ずる存在であり、巨大な資金力で市場制圧力は強力である。確かに、ファンドなどはやりたい放題であり、規制当局は目をつぶっている面がある。個人投資家の怒りは理解できないことではない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:24 | 小倉正男の経済コラム
2021年01月22日

【小倉正男の経済コラム】新型コロナ不況:電通本社ビル売却というニュース

■電通が本社ビル売却を検討

kk1.jpg 今週もTVのワイドショーなどは新型コロナ感染症のニュースばかりだった。仮にコロナに感染してもPCR検査も入院もままならず、自宅療養しかないところに至っているのだからどうにもならない。

 そうだろうなと納得して、これはコロナに感染したらヤバいなと。いまはコロナ感染だけは避けなければならないと改めて思っている次第である。しかし、現状はそれどころではない。コロナのみならずいまは心不全など他の病気にかかっても入院は容易ではないということである。

 週後半になってバイデン新大統領の就任式関連がニュースになったが、これもそうだろうなと。

 結局、いちばん驚いたのは電通が本社ビル売却を検討というニュースだった。おそらく、多くの人がそうだったのではないか。新型コロナ不況は、そこまで来たのかと思わざるをえなかった。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:05 | 小倉正男の経済コラム
2021年01月13日

【小倉正男の経済コラム】緊急事態宣言「クライシスマネジメント」の失敗

■人々に響かない「緊急事態宣言」

kk1.jpg 1月8日、東京都そして神奈川県、千葉県、埼玉県の首都圏に「緊急事態宣言」が再発令された。しかし、東京の盛り場などの人出だが、前回の緊急事態宣言時に比べると大きくは減っていない模様だ。郊外の地域商店街などはむしろ人出が増えている印象もある。

 ちょっと以前までは、国や地方自治体は「GoToトラベル」「GoToイート」と旅行や外食など需要を奨励していたわけである。手のひらを返して「外に出るな」、「飲食店は時短営業をしろ」、と命じてもどうやら人々の気持ちには響いていない。

 首都圏の1都3県に続いて、関西圏の大阪府、京都府、兵庫県の3府県にも緊急事態宣言が発令される。さらには、中部圏の愛知県、岐阜県、そして福岡県、栃木県にも発令が追加される見込みだ。

 国は、経済に軸足を置いて、緊急事態宣言には消極的だった。菅義偉首相の緊急事態宣言の会見時の表明も国民の心を打つようなものではなかった。国民も敏感であり、決意といったものの熱量をくみ取れなかった。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:18 | 小倉正男の経済コラム
2020年12月24日

【小倉正男の経済コラム】2021年・「覇権」を巡る米中激突が本格化

■4月8日・武漢市の「都市封鎖」解除

kk1.jpg 2020年の世界は、新型コロナウイルス感染症に襲われた1年となった。1月後半に奇妙な話を聞いたのが始まりだった。

 取材先によると、中国・上海の旧工場から建設済みの新工場に移転するのだが、経済が止まっていて引っ越しの予定が立てられないというのである。生産計画が立てられず、売り上げや収益の見込みがつかない。

 そんな事態は、これまで聞いたことがないものだった。その時は、まだ「新型肺炎」という病名だった。新型コロナは、2月〜4月にはあっという間に日本にも波及してきた。

 ちょうどその時、中国は湖北省・武漢市の「都市封鎖」を実行していた。武漢市の「都市封鎖」は、1月23日から4月7日までという長期に及んだものだった。武漢市は、新型コロナが世界で最初に発生した都市であり、住民には強権的なほど徹底した検査が行われた。

 4月8日午前0時に武漢市の「都市封鎖」解除が行われた。武漢市は、中国における自動車・同部品、半導体関連のサプライチェーンの拠点都市である。中国は、なり振り構わず新型コロナを抑え込みに踏み出して、そのうえでサプライチェーンの再開を強行した。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:22 | 小倉正男の経済コラム
2020年12月15日

【小倉正男の経済コラム】危機管理(クライシスマネジメント)下手を露呈〜GoTo年末年始停止〜

■脆弱だった「勝負の3週間」の説得力

kk1.jpg  「勝負の3週間」(西村康稔経済再生相)という呼びかけだが、街やレストラン(外食・飲食)などは人で一杯。「勝負の3週間」と言葉は仰々しいが、説得力はほとんど乏しかった。政府の決断や行動に真剣さが伴っていないことが説得力を脆弱にしている。

 西村経済再生相の目論見は、人々に「勝負の3週間」を我慢させて新型コロナを抑制し、「勝負の3週間」後の年末年始に弾けてくれということだったのではないか。だが、一方ではGoToなど需要奨励策を継続しているのだから整合性はとれていない。人々も新型コロナ慣れなのか、警戒感を少し緩めている。これでは新型コロナ感染の拡大が止まらない。
 
 インターネット生中継番組で菅義偉首相は、「皆さん、こんにちは、ガースーです」と発言した。親しみやすさや受けを演出したというのだが、コロナ禍蔓延の状況では緊張感を欠くものになった。

 トップのメッセージ発信は大きい。コロナへの緊張感を全体に欠いているわけだから、全国の繁華街、観光地も一般に人出は賑わった。「勝負の3週間」の最後の週末が終わったが、むしろ年末年始に酷い結末にならないかという心配が残る事態となっている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:41 | 小倉正男の経済コラム
2020年11月16日

【小倉正男の経済コラム】アメリカ:「米中摩擦」一本槍だけでは中国に勝てない

■ラストベルトが大統領選の帰趨を決めた

kk1.jpg 全州確定というのだが、いまだ揉めているともいえる。ただし、暫定的とはいえアメリカ大統領選の帰趨が決まったといってよいだろう。

 と言うと日本でもトランプ大統領のサポーターが多くて、「まだ決まっていない」とクレーム、指摘が飛んでくる。アメリカだけではなく、大統領選の混乱は日本も巻き込んでいる。

 今回の大統領選でも、メディアや識者たちの見方、それに世論調査まで、「民主党のバイデン氏が圧倒的に優勢」を伝えていた。日本の識者もほとんど同じような発言に終始し、これはかなり異常な偏向現象だった。ところが、結果はまったくの大接戦。

 前回(2016年)の大統領選では、ラストベルト(錆びた工業地帯)がトランプ大統領を実現させたというのが定説である。はたしてそのラストベルトだが、今回の大統領選ではどの州もきわめて僅差だがバイデン氏への支持が上廻った。

 トランプ大統領は、開票の当初は大きくリードしていたが、郵便投票分が開票されると逆転された。トランプ大統領としては、この現実は受け入れられないということで訴訟を起こしている。一方、バイデン氏は、勝利宣言をして閣僚人事を進めるといった動きを採っている。混迷は収まるどころか、まだ続いているといった状況である。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:59 | 小倉正男の経済コラム
2020年10月29日

【小倉正男の経済コラム】世界経済の先行き不透明でNY乱高下 そんななか日本は・・・

■NYダウ948ドル安

kk1.jpg このところNY株価が乱高下している。10月28日にはNYダウが948ドル安の大暴落となった。ハイテク株を代表するNASDAQは426ポイント安とこれも大幅な暴落である。

 新型コロナ感染が収まるどころか拡大をみせている。アメリカ、欧州で再びコロナ感染が大幅に増加しており、これが世界経済にとって先行きの大きな阻害要因になるといった見方からの乱高下である。

 しかも、11月3日に迫ったアメリカ大統領選挙だが、トランプ大統領の再選となるのか、バイデン氏が新大統領になるのか不透明だ。選挙の混迷にとどまらず、選挙後の混迷も予想されている。勝敗が最終的に決まるのは年内いっぱいかかるといわれている。これもNYダウ、NASDAQの乱高下の要因とされている。

 先行きは明日のことでもなかなかわからないのが常だ。コロナ感染の拡大にしても、大統領選挙の先行きにしても、人々の生命や仕事・収入に係わるマターであり、十分に不安を呼び起こすファクターなのは間違いない。11月3日前後にはNYダウなどが乱高下するとみられていたが、その前触れがいま起こっている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:21 | 小倉正男の経済コラム
2020年10月21日

【小倉正男の経済コラム】中国=サプライチェーン分散・多様化の攻防

■経済を順調にリスタートさせた中国

kk1.jpg 中国の7〜9月期のGDP(国内総生産)は4.9%増と発表された。5%超増の事前予想よりは低かったが、これは輸入が増加したためとされている。機械、部品など生産財の輸入が増加しているとすれば、確かに中国経済にとってはよい兆候である。

 中国のGDPは、1〜3月期は6.8%減と大幅にダウンした。しかし、4〜6月期に3.2%増と回復に転じた。7〜9月期はさらに回復幅を上乗せしたことになる。
 
 新型コロナ感染の発生源である中国は、経済回復を着実に加速させているようにみえる。皮肉なことだが、中国は「武漢封鎖」など強権的にいち早く新型コロナ抑え込みを図り、それに成功している。
 
 アメリカのトランプ大統領は、新型コロナ感染拡大による経済損失は中国に賠償させるとしている。「中国に責任を負わせる方法はたくさんある」、と。中国サイドは、トランプ大統領は新型コロナ政策の失敗を責任転嫁していると反論、自らに責任はないと賠償を否定している。
 
 ともあれ中国はアメリカなどの経済混迷を尻目に経済をリスタートさせている。並行して南シナ海、東シナ海などで現状変更の動きを活発化させている。新型コロナ感染のどさくさに覇権国を目指す戦略を進めているわけである。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:39 | 小倉正男の経済コラム
2020年10月03日

【小倉正男の経済コラム】トランプ大統領のコロナ感染というカオス

■東証ダウンで終日取引停止

kk1.jpg 10月1日、東京証券取引所の売買が終日停止となった。システムに障害が発生しダウン、バックアップも役に立たないという事態となった。

 翌日の10月2日には、東証は復旧した。その日の後場、アメリカのトランプ大統領が新型コロナに感染して陽性と報道された。日経ダウは急落した。2日のNY株式、ナスダックはともに下落した。

 東証がダウンしていた10月1日にトランプ大統領のコロナ感染報道が重なっていたら問題はもっと重大になっていたに違いない。世界の株価が動いているのに日本の株価は停止していた。

 麻生太郎・財務相兼金融相が「きわめて遺憾」という談話を出した(10月2日)。売りたいときに売ることができる、買いたいときに買えるというのが証券市場なのだが、その機能が止まった。

 「きわめて遺憾」はお定まりのフレーズだが、下手したら外資系機関投資家などから訴訟など起こされかねない事態だった。株式市場は、リスクというものが内在しているわけであり、「きわめて遺憾」では済まない。

■トランプ大統領のコロナ感染で政局混迷

 トランプ大統領のコロナ感染でいえば、コロナを軽視してきた咎めといえる面があるのではないか。

 症状は当初軽いといわれていたが、入院したものの高熱で抗ウイルス薬「レムデシビル」を投与したということである。おそらく大統領選挙に与える影響は少なくない。

 大統領選挙のTV討論会も第2回目は予定通りに開催されるのか、トランプ大統領の病状回復次第ということになる。

 第1回目は、お互いの誹謗中傷で「ひどい討論だった」「最もカオス(混沌)な討論会」と酷評された。第2回目はもっとひどいことになりかねないわけだが、開催にこぎ着けられるのかどうかもわからなくなった。政局混迷というか、一気に不透明感が漂っている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:12 | 小倉正男の経済コラム
2020年09月16日

【小倉正男の経済コラム】菅義偉政権が抱える日本経済の難題

■新型コロナ禍でデフレ再燃か

kk1.jpg 阿倍晋三首相から菅義偉首相に代わった。ともあれ、国民の多くに支持される政策を行って、その結果として長期政権となってほしいものだ。

 安倍政権は2012年から2020年まで続いたのだから、長いといえば長い政権だった。しかし、逆にあっという間だったという感もある。この「経済コラム」も2012年からのスタートである。先代編集長の犬丸正寛氏(経済・株式評論家)からの依頼・指示だった。長いといえば長いが、実感ではあっという間というしかない。
 
 安倍政権が長期で続いたのは、「失われた10年」「失われた20年」といわれた日本経済の長期低迷の打開に必死で取り組んだことが大きいのではないか。2012年当時の民主党時代は、日経ダウ7000〜8000円で株式市場は死んでいた。経済が死んでいたわけであり、金融の「異次元緩和」でデフレ打開を目指した。
 
 新型コロナ禍もあって、いまは克服どころかデフレが再燃しかねない状態だ。菅首相の前には新型コロナ、経済再生と難しいハードルが並んでいる。新型コロナを乗り越える、新型コロナの終息を図るというのが大変な難事だ。これを何とか果たしたとしても、経済再生にはデフレという解決されていない難事が控えている。これらと闘って克服していかなければ長期政権にはならない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:36 | 小倉正男の経済コラム
2020年09月07日

【小倉正男の経済コラム】コロナ不況「最悪の想定」で生き残る企業経営

■いまは非常時というしかない

kk1.jpg 7月〜8月は、企業経営者たちの集まりが再開された。東京駅八重洲、銀座、日比谷などでミーティングがあり、座談会やインタビューの機会があった。

 緊急事態宣言を経て、7月〜8月は新型コロナが下火になるだろうという想定で座談会、インタビューなどが設定されたわけである。しかし、折悪しく新型コロナが再燃し、経営者のなかには大事を取って急遽欠席する人も少なくなかった。都心部の人々の動きもまばらだった。

 「withコロナ」といっても、再燃しているなかでは人々の動きは抑えられる。ホテル、ビルなどの催し事会場も閑散としている。開催されても、一部出席者がリモート出演ということも一般化している。出席者が一同に会するのは困難になっている。

 よほどのことがないと都心部でミーティングを行うといっても、経営者などを簡単に集めることは無理となっている。私自身が前日まで開催されるのか心配していたぐらいだから、やはりいまは「非常時」というしかない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:51 | 小倉正男の経済コラム
2020年08月22日

【小倉正男の経済コラム】新型コロナ禍(withコロナ)と経済 長期低迷が不可避

■GDPは戦後最悪の落ち込み

kk1.jpg 4〜6月のGDPが27・8%減(年率換算)、戦後最悪ということだ。リーマンショック時(09年1〜3月=17・8%減)を超えており、空前の落ち込みである。新型コロナ禍は、「リーマン級」を超えている。

 企業経営者の方々と話すと、「今年はサバイバル(生き残り)戦。ともあれ生き残りを果たして、来年にはなんとか業績の回復に取り組みたい」と。いまはこれまでやっていなかったオンライン営業、VR使用のバーチャル展示会、社内のウェブミーティングなどの定着を進めているということだ。

 確かに4月、5月は「緊急事態宣言」などもあって、都心部から人影が消えた。6月には事業再開となったが、7月、8月には新型コロナ感染の強烈なぶり返しが起こった。都心の百貨店などは休業から再開に転換しているが、客足の戻りはよいとはいえない状況だ。

 企業各社も大変である。内部留保を蓄えているとしても売り上げが伸びないと不安で仕方がない。「どうなるのですかね、日本経済――」。知り合いの企業経営者からは、そんなメールが届いている。

 都心部にお店を構える飲食店などもお客が戻ってこないのだから、高い家賃など固定費を抱えてどこまで体力が持つのかといった事態だ。厳しいことになっている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:50 | 小倉正男の経済コラム