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記事一覧 (12/05)【マーケットセンサー】AI株かバリュー株か、市場で高まる二極化の波
記事一覧 (12/03)【マーケットセンサー】師走相場は最終レースの様相、投資家心理が揺らす年末マーケット
記事一覧 (12/02)買い落城の安峠・売り落城の高峠=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (11/19)人生も相場も身を乗り出せば景色が変わってくる=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (11/16)【マーケットセンサー】拡大する「ブラックフライデー」経済圏、EC主導の消費行動変化
記事一覧 (11/14)【マーケットセンサー】AI株調整でバリュー株に資金移動、巨大テックの勢い一服
記事一覧 (11/14)大谷翔平3年連続4度目のMVP受賞、市場が捉えた“スポーツ経済”の新局面
記事一覧 (11/12)【市場羅針盤】野生と人間の境界が崩れる中、「クマ関連株」が新テーマに浮上
記事一覧 (11/11)【市場羅針盤】タマゴ高騰が続く、鳥インフルと猛暑が直撃し需給逼迫
記事一覧 (11/10)【市場羅針盤】おこめ券経済対策、農政転換と市場思惑が交錯する年末株式相場
記事一覧 (11/09)【マーケットセンサー】不動産株は眠れる資産か?セオリー逆転の市場を読む
記事一覧 (11/05)人の健康も株も複合的要因で動く=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (11/03)【マーケットセンサー】次世代型地熱発電が新たな成長市場に、政府が導入行程表、再エネ投資に追い風
記事一覧 (11/01)【米価高騰で注目】おこめ券政策、株式市場も反応、精米・農機・小売株に追い風
記事一覧 (10/31)【マーケットセンサー】トランプ米大統領が核実験再開を指示、中・ロ圧力の裏に「ビジネス戦略」か?
記事一覧 (10/31)ハロウィン、経済と市場を動かす――2025年は1350億円規模に拡大
記事一覧 (10/30)木は庭に植えず山に植えよ=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (10/30)【日米金融政策に温度差】FRBが0.25%利下げ、日銀は現状維持で慎重姿勢
記事一覧 (10/29)高市早苗政権、米国に80兆円投資枠、日米同盟の経済軸を再構築
記事一覧 (10/26)日銀会合目前、揺れる相場に高配当株が光る――10月決算株に資金集まる
2025年12月05日

【マーケットセンサー】AI株かバリュー株か、市場で高まる二極化の波

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■日米金融政策が映す投資マネーの行方

 株式市場では、AI株派とバリュー株派の主導権争いが一段と鮮明になっている。株式投資はギャンブルではなく、成長分野へのリスクマネー供給や老後資産形成に資する重要な経済行為である。ゆえに銘柄選定にはファンダメンタルズ分析や需給チェックが不可欠となるが、それでも強弱感や市場の“場味”によって評価が分かれる。不確実性が本質である市場では、こうした揺らぎこそが投資家心理を二分する要因となる。

 現在の市場で特に目立つのが、AI(人工知能)関連株とバリュー(割安)株の二極化である。背景には、日米の金融政策の方向性の違いがある。米国ではFRBが12月9日〜10日のFOMCで政策金利を引き下げる確率が80%に達すると分析され、金利低下は成長株に資金が流れやすく、AI株には追い風となる。一方、日本では日銀が12月18日〜19日の金融政策決定会合で政策金利を引き上げるとの見方が根強い。

 長期金利はすでに歴史的水準へ上昇し、利ザヤ拡大期待から銀行株を中心にバリュー株が買われている。米国は緩和、日本は引き締めという対照的な政策スタンスが、投資家の資金選別を一段と進める可能性がある。成長志向のAI株か、収益安定を見込むバリュー株か。二つの潮流が併走するいま、投資家は複眼的視点と冷静な分析が求められる局面にある。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:00 | コラム
2025年12月03日

【マーケットセンサー】師走相場は最終レースの様相、投資家心理が揺らす年末マーケット

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■高揚感が判断を鈍らせる年末、投資家は何を見誤るのか

 株式市場が一年の締めくくりを迎える師走は、投資家心理が独特の熱気を帯びる時期である。「終わりよければすべて良し」という空気が市場を覆い、勝ち組はさらなる利益の上積みを狙い、負け組は巻き返しに向けてアクセルを踏み込む。「掉尾の一振」への期待も強く、餅代やミルク代、越年資金の確保を意識する投資家の思惑が相場を揺らす。周囲の株高期待が煽りとなり、平時なら慎重な投資家でさえも、年末特有の高揚感に押し流されやすくなる。

 こうした空気のなかで、師走相場は自然とギャンブル色を帯びる。年初からの連敗が続けば、高オッズの大穴株に残る軍資金を託す一発逆転型の姿勢が強まる。反対に連勝を積み上げる投資家は、低リスクで確実性の高い銘柄にロットで勝負を掛ける。いずれも年内決着への焦りを背景に、短期の値幅を追う投機色が濃くなるのが師走相場の常である。

 この構図は、競輪や競馬の最終レースを連想させる。連敗続きの勝負師が最後の望みを高倍率の車券・馬券に託す姿と、連勝中の当たり屋が堅実な本命に大口投資する姿は、市場における投資家心理と重なる。結果がどう転ぶかは神のみぞ知る世界であり、ゼロ・サムの厳しさがむき出しになる局面でもある。師走相場に挑む投資家は、心理の揺れと年末特有の過熱感を冷静に見極めたい。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:00 | コラム
2025年12月02日

買い落城の安峠・売り落城の高峠=犬丸正寛の相場格言

【先人の教えを格言で解説!】
(犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に残した相場格言を定期的に紹介。)※最新の情報に修正を加えてあります

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■買い落城の安峠・売り落城の高峠

 買い方が力尽きて底値をつける局面が「安峠」、売り方が追い詰められ高値を形成する局面が「高峠」である。落城とは戦いに敗れて城を明け渡すことであり、峠は転機を意味する。安峠は底、高峠は天井の比喩だ。戦いには本来相手がいるが、株式投資では「銘柄を自分で選ぶのだから相手は存在しない。戦う相手は自分の欲だ」と考える人もいるだろう。しかし、最終的に欲との勝負になるにせよ、投資家は常にマーケットという戦場に立たされている。矢や砲弾こそ飛んでこないが、投資家の欲を揺さぶる心理戦が絶えず続いている。

 戦国時代に大小の戦が各地で展開されたように、株式市場でも小さな相場から大きな相場までさまざまな局面があり、「買い方」と「売り方」がぶつかり合う。市場参加者は外国人投資家、生損保、投信、郵貯、年金、企業、金融機関、団体、個人など幅広い。しかし厄介なのは、彼らが固定的に買い方・売り方に位置づけられるわけではない点である。株は買えば必ず売る局面が訪れ、昨日は味方でも今日は敵に回ることがある。そうした意味でも、株式市場は戦国時代以上に予測が難しい世界といえる。

 現在は外国人投資家が大規模な勝負を仕掛ける存在だが、10数年前までは仕手筋が相場を動かしていた。信用取引を武器に、買い方と売り方が激しく攻防を繰り広げた時代である。信用取引とは資金を借りて株を買う、あるいは株券を借りて売る行為で、当時の仕手筋は多くが買い方として空売りを仕掛ける売り方と戦った。三光汽船、グリコ、住友鉱山、帝国石油、不二家、中山製鋼など、昭和40年代には信用取引をめぐる熾烈な争いが相次いだ。信用取引には6ヶ月という期限があったため、勝敗は明確に決着した。

 買い方が敗れた場合は、借入金を返済するための投げ売りが底値を生み、「買い方落城」の安峠となる。売り方が敗れる場合は、損を覚悟した買い戻し、いわゆる踏み上げが発生し、相場は高値をつけて「売り方落城」の高峠を形成する。現在は往時のような仕手筋は少ないが、その構図を外国人投資家に置き換えれば理解できる場面は多い。彼らはM&Aで日本企業と戦い、最終的には個人投資家に自らの買い持ち株を引き受けさせるような展開すら見え隠れする。市場の波に飲まれないためにも、日本の投資家としての矜持を改めて問い直したいところである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:00 | コラム
2025年11月19日

人生も相場も身を乗り出せば景色が変わってくる=犬丸正寛の相場格言

【先人の教えを格言で解説!】
(犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に残した相場格言を定期的に紹介。)※最新の情報に修正を加えてあります

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■人生も相場も身を乗り出せば景色が変わってくる

 人生も相場も、一歩前に踏み出せば見える景色が変わる。学生時代、私は野球で遊撃手を務めていたが、かかと体重のままではゴロに追いつくことも、アウトを取ることもできなかった。素早く動くには、常にツマ先に重心を置き、前に倒れ込むくらいの意識が必要だ。多くのスポーツに通じる基本だと思う。

 これは人生にもそのまま当てはまる。主体的に動き、前へ重心を置かない限り、チャンスは目の前をすり抜けていく。ビジネスの場でも、椅子に深く腰掛けて受け身で構えているだけでは機会は訪れない。今の時代、『果報は寝て待て』という姿勢では間に合わない場面が増えている。

 株式市場も同じだ。最近は社名がカタカナで、事業内容が難しく見える銘柄が多いことは確かだが、「よく分からない」と身をそらせば可能性も逃すことになる。むしろ一歩踏み込み、前向きに調べてみることで見えるものがある。実際、『カタカナ銘柄ほどよく上がる』という局面も存在する。身を乗り出して相場に向き合えば、利益のチャンスに対する視界は大きく変わるはずだ。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:32 | コラム
2025年11月16日

【マーケットセンサー】拡大する「ブラックフライデー」経済圏、EC主導の消費行動変化

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■アメリカ発祥セールが国内で定着、購買ピークの再編が進行

 米国発祥の大規模セールイベント「ブラックフライデー」が、日本の年末商戦においても確固たる地位を築きつつある。もともと感謝祭翌日の金曜日に小売各社が大幅値引きを行う商習慣に端を発する同イベントは、1960年代にフィラデルフィアの警察が混雑を形容した呼称が由来とされ、後に「赤字から黒字へ転じる日」という意味が広がった。日本では2016年にイオンが大型販促として本格導入し、以降、総合スーパー、家電量販店、EC各社が参入した。現在ではイオンにとって年始商戦に次ぐ規模に成長し、毎年2桁増の売上を記録している。

■2024年は売上20%増が35%の企業に、デジタル消費が商戦を牽引

 2024年にはブラックフライデーを実施した小売企業の35%が売上20%増を達成し、期間の売上は前年比23%増、収益は26%増となった。衣料品は年間で最も消費が多い週となり、物価上昇局面では日用品のまとめ買いや家電買い替え需要の前倒しが顕著である。オンライン来訪者数は15%増、コンバージョン率は20%増と、デジタル化の追い風で存在感が一段と増している。この結果、11〜12月にかけての需要が前倒しされ、家計消費の季節パターン自体が変容しつつある。

■株式市場では小売・EC・物流・決済など広範囲が関連テーマに浮上

 株式市場ではブラックフライデーが重要テーマとして定着している。総合小売ではイオン、セブン&アイ・ホールディングス、イオンモールが販促の中心を担い、ECでは楽天グループやLYCORPがポイント還元策などと連動して流通総額拡大を狙う。家電量販ではヤマダホールディングス、ビックカメラ、エディオンが高単価商品の値引き戦略を展開し、月次売上・利益率が注目材料となる。物流はヤマトホールディングスやSGホールディングスが取扱増の恩恵を受ける一方、人件費増とのバランスが焦点である。決済関連ではGMOペイメントゲートウェイやPayPayを展開するソフトバンクグループがキャッシュレス拡大を追い風とする。

■AIによる販促最適化とOMO強化で新局面へ、投資家は成長ストーリーを注視

 今後はAIやデータ分析を活用した販促最適化、オンラインとオフラインを統合するOMO施策が加速する見込みだ。実施企業と未実施企業の間には月間売上成長率に明確な差が生じており、各社の戦略強化は不可避となっている。株式市場では短期指標にとどまらず、利益率との両立や、EC・物流・決済を含むエコシステム型の中長期成長シナリオをどう評価するかが重要である。ブラックフライデーは日本においても商戦期の一角として定着しており、小売・EC・サービス業の投資テーマとして今後も注目が続くとみられる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:18 | コラム
2025年11月14日

【マーケットセンサー】AI株調整でバリュー株に資金移動、巨大テックの勢い一服

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■日米市場で資金シフト鮮明、投資家心理はAI継続に揺れる

 AI関連株の高騰が一服し、東京市場では資金がバリュー(割安)株へ移行しつつある。日経平均株価を史上最高値に押し上げたソフトバンクグループやアドバンテストなどの巨大テック株が高値波乱に見舞われ、前週には相場全体を押し下げる要因となった。投資家の間では「AIの次はバリュー株」との見方が強まりつつあるが、その持続性には疑問も残る。

 米国市場では巨大テック企業による何兆円規模のAIインフラ投資が過熱気味とされ、採算懸念が浮上している。メガバンク幹部がAI株の20%調整を警告したとの報道もあり、投資家心理はやや冷え込んでいる。東京市場でもAI関連株の換金売りが進みやすい時期を迎え、需給悪化が懸念されている。

 一方で、高市内閣がAI・半導体・核融合などを成長戦略の柱とする「危機管理投資」を本格化させる構えを見せており、関連セクターの中長期的な成長期待は依然強い。決算シーズンを迎える中、業績上方修正にもかかわらず株価が急落する例も見られ、バリュー株投資の選別難も浮上している。市場では「AIの次はバリュー株」か、それとも「やっぱりAI」か、投資資金の行方をめぐる思惑が交錯している。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 20:53 | コラム

大谷翔平3年連続4度目のMVP受賞、市場が捉えた“スポーツ経済”の新局面

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■MVPが企業価値を押し上げる構造、経済効果1300億円時代

 米大リーグ・ドジャースの大谷翔平が3年連続となる4度目のナショナルリーグ最優秀選手(MVP)を受賞した。今回の受賞は、個人タイトルの枠を超えた経済・社会現象として受け止められている。OPS1.014、55本塁打、防御率2.87という二刀流の成績は前例のない水準にあり、その存在感が日米両市場のセンチメントを左右している。国内では「大谷関連」銘柄の物色が強まり、伊藤園、アシックス、大正製薬、コナミ、セイコーGなどスポンサー・商品提供企業が短期的に再注目されている。MVP受賞は販売促進や広告効果を直接押し上げ、波及はメディアや観光分野にも広がる。

■拡大する“MVP経済効果”、強まる大谷経済圏の存在感

 今回の受賞は、スポーツビジネスが持つ経済波及の大きさを改めて示す出来事となるだろう。2025年ポストシーズンにおけるドジャース所属の日本人3選手の経済効果は約1,328億円と算定され、そのうち606億円超が直接効果とされる。グッズ、飲料、広告、放映権、観光など多方面で需要が連鎖的に拡大し、スポンサー企業のブランド価値を押し上げる構図が明確になった。「大谷経済圏」と呼ぶべき領域の存在感が一段と強まっている。

■米国の盛り上がりから日本株へ、波及する投資マインド

 MVP受賞のニュースは、株式市場においてもリスク選好を促す要因として作用する見通しだ。ドジャース躍進を背景に米国で消費・広告需要が拡大し、日本市場にも投資心理の改善が波及した。円安基調の下では輸出企業の業績期待が高まりやすく、大谷関連銘柄が短期テーマ株として物色される場面が増えている。スポンサー強化やメディア露出の増加は中長期的な企業価値向上の要因となり得るため、投資家にとってMVPは単なる話題ではなく、明確な投資材料として扱われ始めている。

■スポンサーから連想銘柄まで拡大する“大谷経済圏”

 大谷選手はアシックス、伊藤園、コナミ、デサント、コーセー、セイコーGなど多様な企業と接点を持つ。契約ブランドはプロテイン、飲料、腕時計、スポーツ用品、衣料まで広がり、各社が商品展開・広告の両面で恩恵を受けている。とくにNew Balanceやデサントといったトレーニング領域の企業、ホットランドやファミリーマートのように消費者接点の強い企業は、売上や話題性に対する押し上げ効果が大きい。「大谷工業」のように実質無関係の銘柄まで連想買いが発生する現象は、MVP受賞が市場で“経済イベント”として捉えられていることを物語る。

■日本市場に広がる新たな投資テーマ

 4度目のMVP受賞は、日本市場における新たなテーマ株創出の契機ともいえる。スポンサー企業は広告投資を拡大し、メディア・スポーツビジネスや消費分野での需要拡大も見込まれる。大谷選手のブランド価値は世界的水準に達しており、企業業績や市場テーマの形成に直結する段階を迎えた。スポーツスターの評価が株価や消費行動に反映される構図は今後さらに定着する可能性が高く、今回の受賞はその流れを象徴する出来事だ。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:03 | コラム
2025年11月12日

【市場羅針盤】野生と人間の境界が崩れる中、「クマ関連株」が新テーマに浮上

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■森林開発と餌不足が背景、自治体はAIと防護策で対応強化

 日本各地でクマによる被害がかつてない規模で発生している。環境省の最新統計では4〜10月の死者が12人、負傷者が108人に達し、統計開始以来の最多水準となった。被害の約7割は山間部ではなく生活圏で起きており、住宅地や通学路にまで出没する事例も増えている。クマはもはや「山の動物」ではなく、人間社会の隣人となりつつある。

 被害増加の背景には、ドングリ類の不作や森林開発、メガソーラー建設による生息地の減少がある。餌を求めて人里に降り、容易に食料を得ることを学んだ個体が増えた結果、出没件数は全国で2万件を超えた。自治体や警察は駆除・捕獲体制を強化し、フェンスや撃退スプレーの普及、AI検知システムの導入など、多層的な対策を急いでいる。冬眠前のこの時期、被害拡大への警戒は「災害級」とも言われる。

 こうした社会的危機は、同時に株式市場でも注目を集めている。投資家の間では「クマ関連株」という独自テーマが浮上した。緊急猟銃の需要増でミロクが年初来高値を更新したほか、獣害防止ネットの日東製網、対策フェンスの日亜鋼業、撃退スプレー販売のモリトなども関心を集める。さらに、ライフル銃を扱う豊和工業、害獣監視システム「マタギっ娘」を手がけるマクセル、クマ検知AI「Face Bear」を開発したダイワ通信も物色対象となっている。自然と人間の境界が揺らぐ中で、安全技術や防災関連の銘柄が新たなテーマとして浮上している。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 20:30 | コラム
2025年11月11日

【市場羅針盤】タマゴ高騰が続く、鳥インフルと猛暑が直撃し需給逼迫

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■タマゴ関連株が年末相場の主役に?

 全国の鶏卵価格は依然として高値圏で推移している。東京市場のMサイズは1キロ当たり335円、名古屋345円、大阪340円、福岡345円と主要市場で高水準を維持。店頭平均価格も7月の197円から11月には216円へと約10%上昇した。背景には、高病原性鳥インフルエンザの再拡大や輸入飼料コストの上昇、猛暑による産卵率低下など複合的な要因がある。さらに「月見商戦」やクリスマスなど季節需要も重なり、需給の逼迫が続いている。

 鳥インフルエンザでは、北海道白老町や新潟県胎内市などで感染が確認され、計132万羽超の採卵鶏が殺処分された。昨年秋から今年2月にも840万羽規模の殺処分が行われており、供給体制の回復はなお遅れている。飼料輸入を巡ってもウクライナ情勢や円安、原油高が重くのしかかり、コスト上昇が続く。これらの要因が重なった結果、東京市場では1キロ=360円台と「エッグショック」時を上回る水準に達している。

 こうした動きを受け、株式市場では「タマゴ関連株」が年末相場の注目テーマとなっている。ホクリヨウは今期業績の上方修正と増配を発表し、上場来高値を更新。アクシーズも第1四半期のV字回復を材料にストップ高となった。両社のPERは12〜15倍と割安感が残り、秋川牧園、イフジ産業、日和産業など同業他社へ波及する可能性もある。高値が続く卵相場は、生活防衛と市場投資の両面で注視すべき年末の焦点となりつつある。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:37 | コラム
2025年11月10日

【市場羅針盤】おこめ券経済対策、農政転換と市場思惑が交錯する年末株式相場

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■農機・包装・外食関連にも波及、政策と投資が交わるコメ市場の行方

 政府は、物価高対策の一環として「おこめ券」配布を経済対策に盛り込む方針を固めた。コメ価格の高止まりによる家計負担を緩和する狙いで、国が自治体を通じて支援する仕組みとする。東京都台東区ではすでに全世帯へ4400円相当を配布し、子育て世帯には倍額支給するなど先行事例が生まれており、政府は今月下旬の総合経済対策に正式位置づけを行う見通しだ。国産コメの需給調整と家計支援を兼ねた新たな経済政策として、全国自治体への展開が注目されている。

 物価上昇が続くなか、コメ関連株にも思惑買いが広がっている。木徳神糧やヤマタネは業績上方修正にもかかわらず株価が調整しており、投資家の間では「リバウンド期待」が高まる。木徳神糧のPERは5倍と低水準、ヤマタネも11倍と割安で、実需と政策支援を背景に再評価の動きが浮上している。市場では一部で「令和の米騒動」との言葉も聞かれ、食料政策と市場心理が交錯する様相を呈している。

 今後の焦点は、鈴木農政による2026年産米の減産方針がどのように需給バランスへ作用するかである。肥料・農機関連は一時の追い風が弱まるものの、井関農機やクボタ、包装資材ののむら産業、保冷機器のムトー精工など、周辺銘柄は底堅さを保つ見込みだ。外食業界向けに米国産を扱う兼松なども輸入需要の恩恵を受ける可能性がある。生活支援策と株式市場の思惑が交錯する中、「おこめ券」は消費者と投資家双方にとって年末のキーワードとなりそうである。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 19:37 | コラム
2025年11月09日

【マーケットセンサー】不動産株は眠れる資産か?セオリー逆転の市場を読む

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■低金利でも動かぬ不動産株、市場心理のねじれ

 国内株式市場では、日本銀行の低金利政策が続いているにもかかわらず、不動産株の動きは総じて冴えない。一方で、本来は利ザヤ縮小が懸念される銀行株が上昇基調を強め、主要銀行を中心に株価が高値圏で推移するという逆転現象が鮮明になっている。投資理論上、不動産株は低金利環境で資金調達コストが抑えられ恩恵を受けやすい。しかし現実の市場では、資金はAI(人工知能)や半導体といった成長テーマに集中し、不動産株は割安のまま放置される展開が続く。この「セオリー通りに動かない相場」は、投資家心理に迷いをもたらし、資金循環の歪みを浮き彫りにしている。

■実物市場は堅調、海外マネーと富裕層が下支え

 とはいえ、不動産市場そのものは堅調だ。基準地価は全国的に上昇傾向を維持し、国内外の資金が都市圏を中心に流入している。特に海外投資家は、割安な価格と安定収益を背景に、日本の不動産へ長期資金を向けている。円安が進むことで海外から見た日本の物件価格はさらに低く映り、取得コストの優位性が高まっている。また、海外勢だけでなく国内富裕層の不動産需要も根強く、資産保全や相続対策としての投資が継続している。不動産株の株価が伸び悩む一方で、実物市場には確かな需要と資金の流れが存在する。

■次の主役となる条件、割安株に資金巡る兆し

 今後注目されるのは、割安・高配当・業績成長という三要素を併せ持つ不動産関連株の再評価である。PER10倍以下の銘柄、増配や業績上方修正を発表した企業、不動産流動化や不動産テックに関連する企業群など、素材は揃っている。銀行株が先に資金を集めたように、相場の潮目が変われば次の物色対象は不動産株になる可能性が高い。市場は今、成長株かバリュー株かという二極の間で揺れているが、埋もれた不動産株こそ「逆転のセオリー」を体現する存在となるかもしれない。安定した地価、海外マネー、割安感の三点が揃うなか、静かに資金が巡り始めている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:28 | コラム
2025年11月05日

人の健康も株も複合的要因で動く=犬丸正寛の相場格言

【先人の教えを格言で解説!】
(犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に残した相場格言を定期的に紹介。)※最新の情報に修正を加えてあります

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■人の健康も株も複合的要因で動く

 子どもが体調を崩したとき、親は「熱」「のどの腫れ」「顔色」などを見て状態を把握しようとする。これは株式に例えれば、「業績」と「チャート」だけで判断しようとする行為に近い。いずれも一面を見ているにすぎず、全体像を捉えているとはいえない。病気も株も単純ではない。

 成人なら誰しも一度や二度は病院で検査を受けたことがあるだろう。機会があれば、医師にお願いして検査データを見せてもらうとよい。そこには、英字や数字が並ぶ「生化学」検査の結果が詳細に記されている。

 たとえば「HbA1c」は血糖値の平均を示すデータである。昔は、野外で排尿した際に蟻が寄ってくると「糖が出ている」と判断されたといわれる。近所の医師に空腹時血糖値を調べてもらうこともあるが、それはその日限りの数値にすぎない。HbA1cは1か月間の平均値であり、より傾向を表す。株価にたとえれば、「当日の株価」と「30日移動平均値」の違いに近い。傾向を示すのがHbA1cである。「当日血糖値」は70〜110、「HbA1c」は4.3〜5.8が正常値とされる。仮に当日値が正常でも、1か月平均で基準を超えていることは多い。禁酒や節制をすれば一時的に数値は良くなるが、日常的に食べすぎ飲みすぎがあれば血中に糖が蓄積していく。

 株価も同様である。日々の値動きに一喜一憂してばかりでは、全体の傾向を見失い、防げたはずの大暴落(大病)に巻き込まれることがある。人にとって最も大切なのは命であり、次にお金だろう。いずれも過度に神経質になる必要はないが、大切にすれば必ず応えてくれるものである。

 年齢を重ねたら、健康も株も総合的に見る習慣を持ちたい。投資経験が豊富な人でも「業績さえ見ておけば安心」と考える傾向があるが、株価はそれだけでは決まらない。上昇率、下落率、日数の推移、信用残高、PER、利回り、テーマ性など、多様な要因が絡み合って動く。業績は重要な指標の一つだが、それのみで判断できないことを心に留めておくべきである。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:00 | コラム
2025年11月03日

【マーケットセンサー】次世代型地熱発電が新たな成長市場に、政府が導入行程表、再エネ投資に追い風

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■政府が次世代地熱の導入行程表を策定、2030年代初頭の商用運転実現を

 政府は、次世代型地熱発電の導入に向けた行程表を公表し、2026年から掘削準備と調査を開始し、2030年代初頭の商用運転開始を目標に掲げた。発電容量は2040年に1.4ギガワット、2050年には原子力発電所約7基分に相当する7.7ギガワットを目指す。未開拓地域での事業リスクが大きいことから、政府とJOGMECが資金支援や調査を担い、自然公園などでの開発加速やリードタイム短縮を図る。2025年2月には第7次エネルギー基本計画でも次世代地熱の早期実用化が明記されている。

■ローズドループや超臨界など、次世代型地熱の中核技術と実用化に向けた課題

 次世代型地熱の中心となるのは、熱水に依存せず地下熱を循環利用する「クローズドループ地熱」と、地下4〜5キロに存在する超高温層を利用する「超臨界地熱」である。前者は温泉地以外でも開発可能とされるが、商用化例がなく量産技術や採算性が課題である。後者は従来の数倍の発電効率が期待され、産業技術総合研究所、NEDO、JOGMECが研究開発を推進している。政府は2024年に「地熱開発加速化パッケージ」を策定し、法規制緩和や地域合意形成の支援も進めている。

■中部電力・三菱重工・鹿島建設など民間企業の参入と実証プロジェクトの動き

 民間企業の参入も加速している。中部電力<9502>(東証プライム)は、三井物産<8031>(東証プライム)やカナダのEavor社とともにクローズドループ型地熱発電の実証に取り組み、鹿島建設<1812>(東証プライム)は掘削技術の高度化に向けた実証を進める。三菱重工業<7011>(東証プライム)は超臨界地熱に対応したタービンを含む発電システムで世界的な実績を持ち、富士電機<6504>(東証プライム)は地熱タービン供給で世界最大シェアを維持している。また、Jパワー(電源開発)<9513>(東証プライム)は秋田県の山葵沢地熱発電所の運営を拡大し、三菱マテリアル<5711>(東証プライム)三菱ガス化学<4182>(東証プライム)アストマックス<7162>(東証スタンダード)なども地熱事業への出資や関連会社の設立を進めている。2025年からは「次世代型地熱推進官民協議会」に70社以上が参加し、技術標準化や事業モデルの構築が加速している。

■エネルギー安全保障・株式市場・産業成長への波及と、コスト・技術・競争の課題

 日本は世界第3位の地熱資源を持ち、脱炭素と電源安定化の両立を図る上で次世代地熱は重要な選択肢となる。再生可能エネルギー関連銘柄として株式市場の注目も高く、技術実証や政策支援の進展が株価材料となっている。一方で、掘削コストの高さ、技術開発の不確実性、国際競争の激化が課題として残る。政府は補助制度や規制緩和を通じて投資環境を整備する方針であり、中長期的にはエネルギー安全保障と経済成長を支える戦略産業として期待されている。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:40 | コラム
2025年11月01日

【米価高騰で注目】おこめ券政策、株式市場も反応、精米・農機・小売株に追い風

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■政府、備蓄米から「購入支援」へ舵、おこめ券を主軸に

 鈴木憲和農林水産大臣は10月31日の会見で、急騰するコメ価格への対策として「おこめ券」の活用強化を発表した。子供食堂や低所得世帯など、米の購入が困難となる家庭への支援として配布を進める方針である。政府はこれまで備蓄米の放出や無償提供を継続してきたが、品質や数量の面に限界があり、現物供給から家計支援へ軸足を移すとした。鈴木農水相は「価格を直接引き下げても安定にはつながらない」と述べ、JA全中もこの方針を支持している。

■福井・台東区など現場主導で拡大、自治体発の米支援モデル

 自治体では既におこめ券を用いた支援が広がっている。福井県福井市は高齢者のみの世帯約3万1200世帯に、県産米専用の5000円分のおこめ券を11月から発送する。利用店舗は市内154店舗、使用期限は2026年2月末である。東京都台東区でも全世帯に4400円分、子育て世帯や3人以上の世帯には8800円分を配布し、区内スーパーで利用が始まっている。ほかにも商品券や食品支援金を配布する自治体が相次ぎ、生活防衛策として定着しつつある。

■家計防衛と消費刺激の両面、米価への影響は限定的

 おこめ券は購買力の下支えとして一定の効果が見込まれるが、市場全体の米価を押し下げる効果は限定的とみられる。一方で消費の底上げや個人消費の維持につながるとの評価もある。外食産業・小売業では原材料価格の高止まりによる値上げ圧力が続くが、インバウンド需要の回復などプラス材料も見られる。コメや米券を株主優待に活用する企業も注目され、生活防衛志向の高まりとともに関心が高まっている。

■米関連銘柄に視線集中、精米・農機・小売まで裾野広く

 株式市場では、精米・流通、農業機械、農薬・肥料、食品・小売など幅広い銘柄に物色が広がっている。コメ卸大手の木徳神糧<2700>(東証スタンダード)ヤマタネ<9305>(東証プライム)は、おこめ券政策や家庭用需要の拡大による恩恵期待から注目されているほか、農業機械ではクボタ<6326>(東証プライム)井関農機<6310>(東証プライム)が需要増思惑で買いを集めている。農薬・肥料関連では、農業生産支援への期待感から住友化学<4005>(東証プライム)日産化学<4021>(東証プライム)などが物色対象となっている。小売大手のイオン<8267>(東証プライム)ライフコーポレーション<8194>(東証プライム)でも、米需要の高まりや来店客数の増加が期待されており、米券(おこめ券)を株主優待として採用する企業群にも投資家の視線が集まっている。おこめ券は生活支援と消費喚起を同時に実現する施策として存在感を強めており、関連銘柄全体のテーマ性を押し上げる要因となっている。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 19:30 | コラム
2025年10月31日

【マーケットセンサー】トランプ米大統領が核実験再開を指示、中・ロ圧力の裏に「ビジネス戦略」か?

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■33年ぶりの核実験再開指示

 10月30日、トランプ米大統領は国防総省に対し、核兵器実験の即時開始を指示したと明らかにした。実施されれば33年ぶりとなる。大統領は韓国・釜山での中国の習近平国家主席との会談を前に、大統領専用ヘリ「マリーン・ワン」搭乗中に交流サイト「トゥルース・ソーシャル」で突然の発表を行った。「他国の核実験プログラムを踏まえ、同等の核兵器実験を開始するよう戦争省に指示した」と投稿し、詳細説明や記者対応を拒んだ。実験内容が核爆発実験か、核搭載ミサイルの試験かも明確ではない。

■中ロ牽制と同時に経済的思惑も

 今回の指示は、中ロ両国への政治的圧力として受け止められている。特にロシアの戦術核配備、中国の核兵器近代化を牽制する狙いがあるとみられる。一方で、同氏が掲げる「アメリカ・ファースト」の経済原理に基づく商業的側面も無視できない。防衛産業は米国経済の中核的成長分野であり、地政学リスクの高まりが同分野への資金流入を加速させる。トランプ政権期には軍需関連株が常に恩恵を受けており、今回の核実験再開指示も経済政策の一環としての色彩が濃い。

■米防衛企業と日本関連銘柄に波及

 米国では、ロッキード・マーチン、ノースロップ・グラマン、レイセオン(現RTX)などの大手防衛企業が核運搬・制御・監視システムを手がけており、政府支出の拡大が企業収益を押し上げる構図ができている。原子力燃料や核部品を供給するBWXテクノロジーやセントラス・エナジーも恩恵を受ける見通しだ。日本市場でも、浜松ホトニクス<6965>(東証プライム)三菱電機<6503>(東証プライム)助川電気工業<7711>(東証スタンダード)東洋炭素<5310>(東証プライム)神島化学工業<4026>(東証スタンダード)などが、核融合・防衛分野の関連銘柄として注目を集めている。素材や冷却系部品を扱う企業にも思惑買いが広がっており、短期的な資金流入が予想されている。

■安全保障と市場の交錯

 トランプ氏は「安全保障の強化」を掲げる一方で、政策を市場戦略として活用する手腕を持つ。核実験の再開は国際的な非難を招く可能性があるが、同氏にとっては防衛需要の拡大を通じて米産業界と株式市場を活性化させる“取引”でもある。国家戦略と企業利益の境界が曖昧になる中、米国は再び「軍事と経済の融合国家」へ傾斜しつつある。中ロへの圧力であると同時に、トランプ流のビジネス型外交が世界の安全保障秩序を揺さぶっている。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:37 | コラム

ハロウィン、経済と市場を動かす――2025年は1350億円規模に拡大

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■若年層中心に消費イベントとして定着、地域経済にも波及

 日本では10月31日のハロウィンが、若者や家族層を中心に広く定着し、消費・観光・金融市場にまで波及する社会的イベントとなっている。2025年の市場規模は日本ハッピーハロウィン協会の推計で1,250億〜1,350億円と見込まれ、バレンタインデーを上回る規模に拡大している。主な消費分野はお菓子・スイーツ、仮装・装飾、飲食・ナイトエコノミー、イベント・観光であり、特に量販店やコンビニでの菓子売上は前年比105〜110%と堅調に推移している。週末と重なる年は、テーマパークやホテルでのパーティ需要が一段と高まり、地域経済の活性化にもつながっている。

■「ハロウィン効果」で株価も上昇傾向、投資家心理を刺激

 株式市場では、ハロウィンを起点とする「ハロウィン効果」と呼ばれる季節的アノマリーが知られている。これは10月末から翌年4月末にかけて株価が上昇しやすい傾向を指すもので、過去76回の統計では平均騰落率7.9%増、成功率約72%と高い水準を示す。ハロウィン投資法と呼ばれる手法では、10月末に買い付けて年末商戦や個人消費の活発化による株価上昇を狙う戦略が取られる。2025年は5月から10月にかけて日経平均株価が35%上昇しており、年末に向けて堅調な地合いが続くとの見方が強い。

■関連銘柄に注目、菓子・小売・外食企業が恩恵

 ハロウィン商戦の恩恵を受ける関連上場企業として、森永製菓<2201>(東証プライム)江崎グリコ<2206>(東証プライム)明治ホールディングス<2269>(東証プライム)などの菓子メーカーが挙げられる。お菓子・スイーツ分野では、ハロウィン需要を背景に量販店やコンビニでの販売が堅調に推移している。

 また、キャンドゥ<2698>(東証スタンダード)セリア<2782>(東証プライム)ヴィレッジヴァンガード<2769>(東証スタンダード)といった雑貨・小売各社でも、仮装グッズや装飾用品の需要拡大が見込まれている。さらに、くら寿司<2695>(東証プライム)パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>(東証プライム)など外食・流通関連企業も、季節イベントを通じた集客や販促を強化している。

 これらの企業は、ハロウィンを通じた需要増加を追い風に業績の押し上げが期待される。ハロウィンは今や単なる行事を超え、国内消費の拡大と市場活性化を支える重要な経済イベントとして定着している。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:28 | コラム
2025年10月30日

木は庭に植えず山に植えよ=犬丸正寛の相場格言

【先人の教えを格言で解説!】
(犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に残した相場格言を定期的に紹介。)※最新の情報に修正を加えてあります

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■木は庭に植えず山に植えよ(焦らず見守る投資姿勢)

 「木は庭に植えず山に植えよ」。気に入った苗木を買って身近な庭に植えると、毎日眺めて「まだ大きくならないのか」と気をもむばかりになる。ところが山に植えた場合、常に見ることはできないため、時折訪れてみると、いつの間にか大きく育っていることに気づく。大事なものを育てるには、ゆったりとした気持ちで臨むべきだという教えである。

 株式投資にも通じる言葉である。信念をもって選んだ銘柄なら、日々の株価に一喜一憂せず、山に植えた木のようにしばらく見守ることで、気づいたときには大きく値上がりしていることもある。

 筆者が子どもの頃、祖母から「モチは女に焼かせ、魚は旦那に焼かせよ」と教えられたことがある。理由を尋ねると、祖母は「モチは焦げないように頻繁にひっくり返す必要があり、魚はじっくり焼くものだから」と説明してくれた。腹をすかせて魚を何度もひっくり返していた筆者をたしなめる意味だったのだろう。男はどっしり構えるものだと子どもながらに感じた記憶がある。

 株式投資にも、モチを焼くような短期投資と、魚を焼くような長期投資がある。重要なのは、自分がどちらの投資をしているのかを明確に意識することだ。これを混同すると損をしかねない。情報が絶えず流れ、手数料が安くなったネット取引では、モチを焼くような機敏さが求められる。一方、長期投資では焦りは禁物である。

 かつては情報量も少なく、ネット取引もなく、手数料も高い時代であったため、長期投資が主流だった。相場の位置を見極め、景気や企業業績を先読みしたうえで投資するのが一般的で、まさに「木を庭に植えず山に植えよ」の姿勢だった。現在でも有効な考え方だが、昔の長期投資が10年規模であったのに対し、いまは2〜3年が目安になっている点には注意が必要である。

 経営の現場でも同様に、製品ライフサイクルの短縮によりスピード経営が求められている。社会資本の充実や耐久消費財の普及率上昇、多様化する消費者の嗜好などにより、ゆったりした経営では対応が難しい局面も増えている。モチを焼くような感性を持つ女性の活躍が今こそ必要であり、経営の意思決定層に女性を登用する意義は大きいといえる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:25 | コラム

【日米金融政策に温度差】FRBが0.25%利下げ、日銀は現状維持で慎重姿勢

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■日米の金融政策に明確な方向性の違い

 10月30日、日米の金融政策が明確な方向性の違いを示した。日銀は政策金利を0.5%程度で据え置き、FRBは0.25%の利下げを決定した。政策スタンスの差は為替、株式、債券市場に影響を及ぼしており、円安基調の継続と市場の不安定化が意識されている。

■日銀は政策金利据え置き、高市政権は物価安定を優先

 日銀は今年1月の利上げ以降、追加利上げを見送っている。米国の関税強化による世界経済の減速懸念と、高市政権が物価安定を優先する姿勢が背景にある。円安進行で輸入物価が上昇する中、日銀は為替を通じたインフレ圧力を警戒。長期金利は0.8%前後で安定し、国債買い入れの継続を見込む。為替市場では金利差を意識した円売り・ドル買いが強まり、円相場は140円台後半に接近する可能性がある。株式市場では輸出株が堅調に推移する一方、内需株や金融株は上値の重い展開となっている。

■FRBは利下げで景気下支え、追加緩和には慎重

 米国ではFRBが政策金利を3.75〜4.00%へ引き下げた。労働市場の減速や低所得層への影響拡大を踏まえ、緩和姿勢を維持しているが、12月以降の追加利下げには慎重だ。パウエル議長は「霧の中の運転」と表現し、景気と物価の両立を模索する姿勢を示した。米債券市場では長期金利が4%を下回り、株式市場では利下げ好感と景気懸念が交錯。トランプ政権の関税再強化策が短期的なインフレ要因となる一方、中長期的には沈静化が見込まれる。

■為替・市場動向、年内は円安安定も来年前半は調整局面へ

 ドル円相場は145〜150円のレンジで推移し、年内は円安基調の中で安定局面を保つ見通しである。2026年前半には米経済の減速に伴い、135〜140円台への円高調整が想定される。市場は日米金利差の動向、関税政策、賃金上昇の持続性に注目しており、両国の金融政策の温度差が世界市場の方向性を左右する見込みである。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:59 | コラム
2025年10月29日

高市早苗政権、米国に80兆円投資枠、日米同盟の経済軸を再構築

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■トランプ・高市会談、経済安全保障とサプライチェーン強化を確認

 10月28日、トランプ大統領と高市早苗総理大臣が会談し、日米同盟の強化と経済安全保障を中心とする包括的な協力方針を確認した。日本政府は米国向けの巨額投資として、総額80兆円(約5500億ドル)規模の支援枠組みを提示し、年内に第1号案件を決定する見通しを示した。両首脳は、半導体、エネルギー、医薬品、防衛、重要鉱物、AI・量子技術などの分野で供給網を強靭化し、共同成長を実現する構想を共有した。自動車の対米関税引き下げにも合意し、経済面での連携深化を象徴する結果となった。

■JBIC・NEXI通じた出資・保証、年内に第1号案件決定へ

 投資枠組みは、日本の国際協力銀行(JBIC)や日本貿易保険(NEXI)を通じて、日本企業の米国事業展開を後押しする仕組みである。投資、融資、保証を組み合わせ、米国の戦略分野に参画する日本企業を支援する。利益配分は日米1:9の割合で行われる予定で、投資候補は十数件に上る。両国協調の資金管理下で段階的に実施される見通しだ。国際金融を活用した経済安全保障の実装と、資本を通じた同盟強化が焦点となっている。

■三菱重工が第1号候補、AI、エネルギー、防衛など多層連携

 上場企業では、三菱重工業<7011>(東証プライム)が発電・防衛・造船分野で第1号案件の最有力候補とされている。さらに、東京エレクトロン<8035>(東証プライム)が半導体供給網強化の主要枠に位置づけられ、東芝<6502>(東証プライム)は次世代エネルギー領域での原子力・再エネ関連協力が検討されている。また、ソフトバンクグループ<9434>(東証プライム)はAI・量子技術分野で米企業との提携候補に挙がり、通信やデータ連携基盤の構築を進める方針だ。村田製作所<6981>(東証プライム)はAI・高機能部品の分野で電子・量子部品供給を強化し、米国の先端技術網に参画する見通しである。このほか、富士フイルムホールディングス<4901>(東証プライム)が医薬品・高機能材料分野での米国内投資を進め、パナソニックホールディングス<6752>(東証プライム)はエネルギー・EV関連の投資拡大を計画。さらに、三井E&Sホールディングス<7003>(東証プライム)が造船・海洋インフラ分野での連携を強化している。インフラや半導体を軸としたこれらの企業群の動向は、米国市場のみならず世界のサプライチェーン再編に影響を及ぼすとみられる。高市政権の経済外交は、資金・技術・安全保障を結合させる「戦略投資外交」への転換点を迎えたといえる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:37 | コラム
2025年10月26日

日銀会合目前、揺れる相場に高配当株が光る――10月決算株に資金集まる

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■日銀政策会合が投資戦略の転換点、安定配当がリスク回避策に

 日本銀行の金融政策決定会合が目前に迫るなか、相場の焦点は政策金利の行方と高配当株の投資妙味に移りつつある。10月29日、30日に開催される会合では、9月会合で2名の反対票を受けた金融緩和維持方針の是非が再び問われる。物価動向は依然として高止まり傾向であり、コメや野菜など生活必需品の価格上昇が続く。仮に政策金利が据え置かれても、引き上げられても、日銀の独立性や政治的影響が市場で議論を呼ぶ可能性は高い。高市総理の姿勢が金融政策への政治的圧力と見なされれば、為替や株式市場に再び波紋が広がることになる。

■不透明相場で高配当株へ資金シフト、希少な10月決算銘柄に注目

 こうした不確実性のなかで、市場参加者はリスク資産への過度な集中を避け、安定したインカムゲインを狙う動きを強めている。10月決算企業の配当権利付き最終売買日は目前に迫り、短期的な利回り確保を目的とする資金が高配当株に流入している。10月期決算会社は全体の少数派であり、希少性の高い高配当銘柄への注目が高まる背景となっている。とりわけ、農薬需要の変動で業績修正を行ったクミアイ化学工業<4996>や、介護関連株人気で年初来高値を更新したケア21<2373>など、個別企業の業績や配当動向が投資判断を左右している。

■高利回り20社の構図、業績修正下でも配当維持が評価軸に

 10月期決算会社のうち、配当利回り3%以上を確保している銘柄はわずか20社前後にとどまる。上位にはナレルグループ<9163>(4.81%)、AB&Company<9251>アールエイジ<3248>土屋ホールディングス<1840>学情<2301>萩原工業<7856>ファースト住建<8917>などが名を連ねる。中でものむら産業<7131>は「令和の米騒動」を背景に精米袋需要が拡大し、年間89円への増配で高配当利回りを確保している。業績下方修正を行いながらも配当を据え置いた土屋HD、萩原工業、学情、泉州電業も安定配当株として注目度が高い。

■4月期中間配当株に波及、割安バリュー株が相場を下支え

 一方、4月期決算企業では中間配当を実施する銘柄もあり、バリュー株としての魅力を強めている。代表例は7期連続増配のヤガミ<7488>で、2026年4月期は年間252円配(うち中間配当114円)を予定する。また、ダイサン<4750>ナ・デックス<7435>なども配当政策見直しによる高配当化が進む。低PER・PBR銘柄も多く、神島化学(PER8倍)、ナ・デックス(同9倍)、ダイサン(同11倍)といった「割安三羽烏」は、権利取りを狙う投資資金の受け皿になりそうだ。日銀会合を控えた相場は不安定だが、高配当・低バリュエーション株が下支え役として存在感を増している。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:40 | コラム