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記事一覧 (03/10)原油急落、トランプ発言で「戦争プレミアム」崩壊、120ドル相場が急反転
記事一覧 (03/09)日経平均「歴史的急落」の教訓、ブラックマンデーから令和ショックまで
記事一覧 (03/08)【原油急騰とホルムズ海峡危機】中東情勢緊迫が世界経済を揺るがす
記事一覧 (03/03)【2026年WBC】日米など3カ国開催へ、侍ジャパン連覇なら経済効果9300億円超、過去最大規模の試算
記事一覧 (03/03)米・イスラエルのイラン攻撃で波乱の3月相場、株式分割61社が下値支えの柱となるか
記事一覧 (03/02)米・イスラエルがイラン本土を大規模空爆、戦争リスク本格化で原油80ドル台急騰、日経平均一時1500円超安
記事一覧 (02/26)記録破りは天井の気配=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (02/13)政権安定を追い風に個別業績相場が本格化、ダブル・トリプル・フルセット銘柄が主役に
記事一覧 (02/02)【マーケットセンサー】南鳥島沖レアアース試掘成功、関連銘柄が急騰
記事一覧 (01/25)ケイ線は値幅見ず日柄を見よ=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (01/24)【金利上昇の影響】企業の4割超が負担増、マイナス影響44.3%
記事一覧 (01/11)上がれば下がり下がれば上がるが株、儲けは日柄と幅と主役の見極めにあり=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (01/07)相場は天井圏ではやたら強く見え、底値圏では必要以上に弱く見える=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (12/29)記録破りは天井の気配=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (12/20)【マーケットセンサー】日銀、30年ぶりの0.75%利上げを決定、金融正常化への転換点
記事一覧 (12/14)素人は日柄より株価を見る=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (12/13)【マーケットセンサー】金先物高騰で再浮上する「ジパング」テーマ、産金・都市鉱山株に注目
記事一覧 (12/05)【マーケットセンサー】AI株かバリュー株か、市場で高まる二極化の波
記事一覧 (12/03)【マーケットセンサー】師走相場は最終レースの様相、投資家心理が揺らす年末マーケット
記事一覧 (12/02)買い落城の安峠・売り落城の高峠=犬丸正寛の相場格言
2026年03月10日

原油急落、トランプ発言で「戦争プレミアム」崩壊、120ドル相場が急反転

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■戦争リスクの巻き戻し

 トランプ米大統領は3月9日、イランとの戦争について「イランとの戦争は very soon(ごく近く)終わる」との見方を示し、原油価格が下がる可能性を示唆した。フロリダでの会見では、イランへの石油関連制裁の一部免除を検討する意向に加え、米海軍がホルムズ海峡を通過するタンカーを護衛する計画にも言及した。中東情勢を巡る緊張が続く中、供給リスクの緩和につながる具体策が示されたことで、市場の注目を集めた。一方、イランの革命防衛隊は「戦争を終わらせるのはイランだ」とする声明を発表しており、情勢の先行きには依然として不透明感が残る。

■戦争プレミアムで急騰した原油

 原油市場は2月末から3月初旬にかけて急騰していた。米国とイスラエルの連携による対イラン軍事行動が激化し、ホルムズ海峡を巡る輸送リスクが強く意識されたためである。ブレント原油は2月末の70ドル台から80ドル台後半へ上昇し、一時は90ドル近辺まで上伸した。短期間で20〜30%上昇する異例の値動きとなり、市場ではホルムズ海峡封鎖などの供給遮断を最悪シナリオとして織り込む動きが広がった。その結果、ブレントやWTIは一時120ドル近辺まで戦争プレミアムが上乗せされた水準に達していた。

■政策メッセージが転換点に

 こうした状況の中で、同大統領は「戦争は長引かない」「原油価格は下がる」との見方を繰り返し示唆した。さらに、石油関連制裁の一部免除やホルムズ海峡のタンカー護衛といった具体策に言及したことで、中東からの供給途絶リスクが後退するとの見方が広がった。加えて、G7と国際エネルギー機関(IEA)が戦略備蓄の放出を検討しているとの報道もあり、供給安定への期待が強まった。これを受け、積み上がっていたヘッジ買いと投機ロングの巻き戻しが進み、WTIは一時10%安の85ドル前後まで急落、ブレントも120ドル近辺から90ドル前後へと急反落した。

■市場はファンダメンタルズへ回帰

 もっとも、中東情勢の先行きは依然として流動的である。今回の急騰は、ホルムズ海峡封鎖などの最悪シナリオを織り込んだ地政学リスクによる行き過ぎた上昇との見方も多い。2026年の原油需給は「やや供給過剰」との見方が市場のコンセンサスであり、ブレント60ドル前後が妥当水準との見通しも示されている。戦闘の小康化や備蓄放出の可能性が意識される中、原油価格は再び需給ファンダメンタルズに沿った水準を探る動きとなりつつある。今後は中東情勢の再激化の有無に加え、G7・IEAによる備蓄放出の実施、さらにOPECプラスの対応が価格動向を左右する焦点となる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:37 | コラム
2026年03月09日

日経平均「歴史的急落」の教訓、ブラックマンデーから令和ショックまで

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■歴史は繰り返す――急落相場の共通パターン

 3月9日の東京株式市場で、日経平均株価が一時前週末比4100円超安となり、5万2000円を割り込んだ。終値ベースで2892円安となり、1987年10月20日の米国ブラックマンデー直後の急落に次ぐ、過去3番目の下げ幅となった。値下がり銘柄が80%超に達する全面安となり、市場はパニック売りに包まれた。背景には米雇用統計の急悪化と原油高によるインフレ懸念がある。米国では2月の非農業部門雇用者数が前月比マイナス9万2000人と市場予想を大きく下回り、景気減速と物価上昇が同時に進むスタグフレーション懸念が広がった。こうした「海外ショックを起点とする急落」は、日本株市場の歴史の中で繰り返されてきた構図でもある。

■ブラックマンデー――急落の原型

 歴史的急落の代表例が1987年のブラックマンデーである。米国株が約22%暴落した翌営業日、日経平均は約3836円安、下落率約−14.9%と歴代最大の下落率を記録した。先物やプログラム売買が売りを増幅し、海外投資家主導でパニック的な売りが広がった。しかし当時の日本はバブル経済の拡大局面にあり、株価は乱高下を繰り返しながらも上昇基調を維持し、1989年には史上最高値を更新した。急落が長期上昇トレンドを崩さなかった典型例といえる。

■金融危機とパンデミックが市場を揺らす

 2008年のリーマンショックでは状況が一変した。米サブプライム問題とリーマン・ブラザーズ破綻により金融システム不安が拡大し、日経平均は最安値まで約41%下落した。輸出や金融、不動産など広範な業種が売られ、日本経済の外需依存の高さが株価下落を加速させた。一方、2020年のコロナショックでは約2カ月で約29%下落したものの、各国の金融緩和と財政出動を背景に市場は急速に回復し、翌年には3万円台を回復した。危機の性質によって回復スピードが大きく異なることを示す事例である。

■政治イベントが市場を揺らす瞬間

 政治イベントも株価急落の引き金となってきた。2016年の英国EU離脱(Brexit)では、国民投票の結果がサプライズとなり、日経平均は約1286円安、下落率約−7.92%を記録した。急激な円高が進行し、輸出関連株を中心に売りが広がった。ただし世界金融危機級の事態には発展せず、各国中央銀行の緩和姿勢を背景に市場は徐々に落ち着きを取り戻した。

■「令和ショック」と相場の未来

 近年では2024年8月5日、日経平均が約4451円安と過去最大の下落幅を記録し、「令和のブラックマンデー級」と呼ばれた。東証プライムでは約800銘柄がストップ安となる全面安だったが、翌日には3217円高と急反発した。歴史を振り返ると、急落直後はボラティリティが高まり市場は混乱するものの、金融政策や景気対策が機能すれば回復に向かうケースが多い。

 今回の急落の背景には、原油高と米雇用悪化という新たなリスクがある。インフレと景気減速が同時に進むスタグフレーションが本格化すれば、相場の回復には時間を要する可能性もある。ただ、ブラックマンデーからコロナショックまで、日本株は幾度もの急落を乗り越えてきた。歴史は繰り返す。相場の真価は、危機の後にこそ問われる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:28 | コラム
2026年03月08日

【原油急騰とホルムズ海峡危機】中東情勢緊迫が世界経済を揺るがす

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■原油92ドル突破、43年ぶりの急騰

 中東情勢の急激な緊迫化を背景に、国際原油市場が大きく揺れている。ニューヨーク商品取引所のWTI原油先物は3月6日、一時1バレル=92ドルを突破した。週間の上昇率は約35%に達し、1983年に原油先物取引が開始されて以来、最大の上昇幅となる異例の急騰である。背景にはイスラエルとアメリカ合衆国によるイラン攻撃と、それに伴うホルムズ海峡の緊張激化がある。市場では中東のエネルギー供給に対する不安が急速に強まり、原油価格を押し上げる要因となっている。

■イスラエル・米がイランに大規模攻撃

 事態の発端は2月28日、イスラエルとアメリカ合衆国がイラン各地への軍事行動を開始したことにある。その後も攻撃の応酬は続き、イスラエル軍はイランの防空能力に大きな打撃を与えたと説明している。3月6日には首都テヘランで大規模空爆が行われ、軍事拠点や関連施設が攻撃対象となったと伝えられている。今回の軍事衝突は中東地域の安全保障環境を大きく揺るがす事態となり、戦闘の影響はペルシャ湾周辺の海上交通にも広がっている。

■ホルムズ海峡で緊張高まる

 ペルシャ湾とインド洋を結ぶホルムズ海峡では、船舶航行を巡る緊張が急速に高まった。イラン革命防衛隊(IRGC)は船舶に対し通航警告を発したとされ、海峡周辺では安全確保を理由に航行を見合わせる船舶が増えている。石油タンカーを含む海運の運航にも影響が広がり、一部の海運会社は安全確認のため航行を一時停止するなどの対応を取っている。正式な国際法上の封鎖宣言は確認されていないものの、実務面では航行リスクが高まった状態とみられている。

■エネルギー市場に広がる供給不安

 ホルムズ海峡は世界のエネルギー輸送の要衝であり、ここを通過する原油は日量約2000万バレルに達するとされる。これは世界の石油消費量の約20%、海上原油貿易の約4分の1を占める規模である。こうした重要な輸送ルートの緊張は市場心理に強く影響し、原油価格の急騰を招いた。金融機関の分析では、地政学リスクの高まりにより原油価格には追加的なリスクプレミアムが織り込まれているとの見方が多い。事態がさらに悪化した場合、原油価格が100ドル台に接近する可能性も指摘されている。

■日本経済への影響

 原油価格の急騰は世界経済に広く影響を及ぼす可能性がある。特に日本は輸入原油の大部分を中東地域に依存しており、その多くがホルムズ海峡を通過している。原油価格の上昇はガソリン、電力、航空燃料などのコスト増加につながり、企業収益や家計負担を押し上げる要因となる。海上輸送の安全確保に伴う迂回航路の利用や保険料の上昇も、物流コストを押し上げる可能性がある。

■長期化すれば世界景気の下押し要因に

 仮にホルムズ海峡の混乱が長期化すれば、エネルギー供給の停滞が世界経済に与える影響はさらに大きくなる可能性がある。湾岸地域の産油国では輸出インフラへの負荷が高まり、供給量が減少する事態も想定される。日本は政府と民間を合わせて約250日分の石油備蓄を保有しており、短期的な供給不足には対応可能とされるが、原油高が続けばインフレ圧力の強まりや景気への影響が避けられない。中東情勢の行方は、原油市場だけでなく世界経済全体の動向を左右する重要な要因となりつつある。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 19:37 | コラム
2026年03月03日

【2026年WBC】日米など3カ国開催へ、侍ジャパン連覇なら経済効果9300億円超、過去最大規模の試算

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■2026年WBC、米国、日本、プエルトリコの3カ国で開催

 2026年3月5日から17日にかけて、第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開催される。開催地は米国、日本、プエルトリコの3カ国で、前回大会を上回る商業的・経済的規模での展開が見込まれている。出場は2023年大会の上位16カ国に予選通過4カ国を加えた計20カ国(日本、韓国、オーストラリア、チェコ、チャイニーズ・タイペイ、アメリカ合衆国、メキシコ、イタリア、イギリス、ブラジル、カナダ、キューバ、パナマ、コロンビア、ニカラグア、ドミニカ共和国、オランダ、イスラエル、ベネズエラ、プエルトリコ)。世界の頂点を争う国際大会として、野球界の注目を集める。

■東京ドーム6大会連続、米国でも市場拡大

 大会は3月5日の東京プール開幕で幕を開け、1次ラウンドを各国で実施する。準々決勝はヒューストンとマイアミ、準決勝以降はマイアミのローンデポ・パークで行われる。東京ドームは第1回大会から6大会連続の開催地となり、アジア野球の拠点としての役割を担う。ヒューストンではダイキン・パークが初の開催地に選ばれ、米国内での市場拡大も図られる。

■侍ジャパン連覇なら経済効果9300億円超

 今大会の焦点の一つが経済波及効果である。侍ジャパンが優勝した場合、日本国内の経済効果は約9300億円に達するともいわれている。2023年大会の約654億円と比べ約1.6倍に拡大する計算で、メディア権料の上昇やインバウンド需要、スター選手の活躍に伴う関連消費の増加が背景にある。開催地プエルトリコでも数千万ドル規模の直接効果が見込まれる。

■協賛70社、ネットフリックスが国内独占配信

 ビジネス面ではスポンサーの拡充が顕著である。コナミグループ<9766>(東証プライム)三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>(東証プライム)日本航空<9201>(東証プライム)伊藤園<2593>(東証プライム)IHI<7013>(東証プライム)セイコーグループ<8050>(東証プライム)TENTIAL<325A>(東証グロース)興和<6009>(東証プライム)などの日本企業に加え、ニューバランスといった海外ブランドも名を連ねる。

 また、ディップ<2379>(東証プライム)が東京プールの冠スポンサーを務め、アサヒグループホールディングス<2502>(東証プライム)がオフィシャルビールパートナーとして参画する。さらに、NXホールディングス<9147>(東証プライム)が日本代表のチームスポンサーを、JTBが公式ホスピタリティパートナーを担うなど、国内企業の関与は多岐にわたっている。

 メディア戦略も転換点を迎える。日本国内のライブ配信・放映は米動画配信大手のNetflix(ネットフリックス)が独占パートナーとなる。米国ではフォックス・スポーツが全試合を放送し、韓国やドイツでも放映権契約が締結済みだ。放映権料とスポンサー料の双方が拡大し、WBCは巨大な経済圏を形成する国際イベントへと進化している。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:03 | コラム

米・イスラエルのイラン攻撃で波乱の3月相場、株式分割61社が下値支えの柱となるか

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■ハメネイ師死亡・ホルムズ封鎖が引き金、荒れ相場の幕開け

 米国とイスラエルは2月28日、イランへの大規模軍事作戦を開始し、トランプ米大統領はハメネイ師の死亡を発表。イラン国営メディアも3月1日に確認し、革命防衛隊司令官ら幹部の死亡も伝えた。これに対しイランはミサイルや無人機で反撃を開始し、周辺の米軍関連施設などを攻撃。指導部は徹底抗戦の構えを示している。

 さらにイラン革命防衛隊は船舶向け無線でホルムズ海峡の全船舶通過禁止を示唆し、世界の石油輸送の2割が通過する同海峡は事実上の封鎖状態に陥っている。日本郵船<9101>(東証プライム)川崎汽船<9107>(東証プライム)など国内大手海運会社も通峡を停止しており、原油価格の高騰に伴いガソリン価格や物流コストが上昇し、日本でもインフレが加速する恐れがある。

 こうした事態を受け、3月2日の東京株式市場では日経平均株価が終値で前日比793円安となり、朝方には一時1500円を超える下げとなった。相場格言「遠い戦争は買い」が機能するか否か、月初から荒れた展開となっている。

■トランプ変容、「ディール」から「力」へのシフトが不安定要因

 前月2月相場の波乱の震源地もトランプ米大統領であった。連邦最高裁が相互関税に違憲判決を下したことで代替関税が急発動され、下落の引き金となった。しかし東京市場では代替関税の影響が限定的との観測が強まり、好業績銘柄への買いが重なって日経平均株価は史上最高値を更新し、一転して上に荒れた。

 3月相場でその再現を期待できるかが焦点となるが、トランプ氏は「イラン国民に自らの国を取り戻す最大の好機だ」と蜂起を呼び掛ける一方、軍事作戦は「中断することなく続く」と強調した。同大統領の政策手法は「ディール(取引)」から「力による平和」を掲げた実力行使へと変容しつつあるとの指摘が強まっている。一般教書演説での民主党攻撃など、その一挙手一投足は引き続きマーケットの不安定要因となりそうだ。

■ホルムズ封鎖が日本経済を直撃、スタグフレーションリスクも

 エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡が事実上封鎖され、高騰した原油・ガス価格が世界経済の下押しリスクとなっている。衝突が長期化すれば、高インフレと低成長が同時に進行する「スタグフレーション」が現実味を帯びる。

 日本は原油の中東依存度が約94%に達し、ホルムズ海峡を経由した原油輸入量は9割にのぼる。中長期的には原油価格の高騰が円安基調と相まって国内の燃料価格を大きく押し上げる可能性が高い。もっとも、日本は約250日分の原油を備蓄しており、海峡の封鎖状態が1カ月程度続いたとしても、日常生活や経済活動そのものが直ちに停止する事態は想定しにくいとの見方もある。

■株式分割61社が急増、流動性向上と投資家層拡大に期待

 リスクオフとリスクオンが交錯するなか、独自の注目材料として浮上しているのが3月期末の株式分割銘柄である。3月27日を権利付き最終売買日とする分割銘柄は前週末時点で61社に達し、2月末基準の7社から12倍超に急増した。分割比率も大きく、1対4や1対5が目立ち、フジクラ<5803>(東証プライム)は1対6を予定する。背景には東証が求める「望ましい投資単位50万円未満」への対応があり、その後の株高で値がさ化が進んだことが分割ラッシュに拍車をかけている。

■分割銘柄に的を絞り、有望株を選別する戦略も一考

 株式分割は理論上はニュートラルであるが、投資単位引き下げによる流動性向上と投資家層拡大という実質的効果が期待される。SCREENホールディングス<7735>(東証プライム)は昨年の分割後に権利落ち分を埋め、上場来高値2万3870円まで上昇した実績を持つ。今回の61銘柄にも同様の再現期待が広がる可能性がある。

 3月相場は日銀金融政策決定会合(18・19日)、日米首脳会談(19日)、月末の米中首脳会談と重要イベントが続く。イラン情勢の行方次第では大波乱も想定される。そうした局面だからこそ、独自材料で下値抵抗力を発揮し得る株式分割銘柄に的を絞り、有望株を選別して権利取りを狙う戦略は十分に検討に値する。なお、3月2日の市場では鉱業、非鉄金属、海運業が上昇するなど、中東有事の恩恵を受けるセクターへの選別買いも見られた点は注目される。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:53 | コラム
2026年03月02日

米・イスラエルがイラン本土を大規模空爆、戦争リスク本格化で原油80ドル台急騰、日経平均一時1500円超安

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■米・イスラエル共同空爆、戦争リスク本格化

 米国とイスラエルは2月28日、イラン本土への大規模空爆を開始した。米側は作戦を「Epic Fury」、イスラエル側は「Roaring Lion」と命名し、政権中枢や軍事インフラを標的とする事実上の共同作戦に踏み切った。中東情勢は「戦争リスク本格化」の段階に入った。

■最高指導者標的、体制転換示唆の異例展開

 攻撃はテヘラン、イスファハン、コム周辺に及び、巡航ミサイルやステルス機で核開発関連施設や弾道ミサイル基地、革命防衛隊司令部を同時空爆した。最高指導者アリー・ハメネイ師が死亡するという展開となった。ドナルド・トランプ大統領は核兵器保有阻止や弾道ミサイル能力破壊に加え、体制転換を事実上展開する姿勢を示した。

■イラン報復とホルムズ緊張、株・為替に波及

 イランはイスラエル本土やバーレーン、カタール、UAE、クウェート、イラク、サウジアラビアの米軍基地に弾道ミサイルやドローンで報復した。ホルムズ海峡周辺の緊張が高まり、原油供給や金融市場への影響が懸念される。3月2日前場の日経平均株価は下げ幅を拡大し、一時1500円超の下落となっている。ドル・円は156円50銭台で推移し、原油先物の急騰を背景に円売りが強まった。

■原油急騰と金上昇、ビットコインは乱高下

 原油はWTI・ブレントとも前週末比で一時10〜12%急騰し、80ドル近辺まで上昇した。長期化すれば100ドル観測も浮上する。金は現物・先物とも1〜2%上昇した。一方、ビットコインは攻撃直後に約6%急落した後、6.3万ドル付近から6.7万ドル前後まで戻すなど、高いボラティリティを示している。

■局地戦か戦線拡大か、市場を左右する分岐点

 今後は局地戦にとどまりホルムズ閉鎖を回避できるか、戦線拡大と実質封鎖に進むかが分岐点となる。前者なら原油は80〜90ドル帯で頭打ちとなり、株式はショック安後に持ち直す余地がある。後者なら原油100ドル超と再インフレ懸念が強まり、株式には10〜20%規模の調整も想定される。エネルギー・資源・防衛関連への資金シフトが続く一方、為替はドル高・円安後に円買いへ反転する可能性もある。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:04 | コラム
2026年02月26日

記録破りは天井の気配=犬丸正寛の相場格言

【先人の教えを格言で解説!】
(犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に残した相場格言を定期的に紹介。)※最新の情報に修正を加えてあります

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■記録破りは天井の気配――記録更新が連続する時、相場は頂上に近い

 出来高や売買代金が数年ぶりの水準を更新し、新高値銘柄数が過去最多となり、海外マネーの流入額が最高水準を記録し、信用買残や新規上場件数、増資額までもが「史上最高」と報じられる――。こうした“最高”の文字が市場にあふれ始めたとき、相場はすでに八合目、九合目に差しかかっている可能性が高い。熱気は頂点に近づいているサインであり、慎重さが求められる局面である。

 底値圏でも悲観的な「記録」は出るが、多くの投資家は弱気相場では市場から距離を置くため、大きな失敗は起こりにくい。危ういのは、上昇相場が続き「買っていれば安心」という空気が支配するときだ。データの強さだけでなく、投資家心理が現実を超え、夢のような見通しが語られ始めたら警戒信号である。

 かつて日経平均が歴史的高値をつける前、「5万円は通過点」「10万円も夢ではない」といった声が広がった。慎重だった人までが強気に傾いたとき、相場は天井を打った。「天まで届く相場はない」という言葉は今も変わらない。過去に出来高が過熱した局面でも、その後に波乱が訪れた例は少なくない。

 この教訓は企業経営にも通じる。記録的な業績やブームの言葉に押され、冷静さを失えば判断を誤る。周囲が熱狂する中でも、景気後退期にこそ投資を行い、価格が割安な時に将来の布石を打つ企業もある。記録やブームに踊らされず、循環を見据える姿勢こそが長期的な成果につながる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:41 | コラム
2026年02月13日

政権安定を追い風に個別業績相場が本格化、ダブル・トリプル・フルセット銘柄が主役に

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【自己株式取得・増配・株式分割の組み合わせで相乗効果】

■決算発表で7割が増益、個別業績相場の様相鮮明

 政権が安定し、東京株式市場には追い風が吹いている。注目されるのは、総選挙と同時進行していた上場企業の決算発表である。大手メディアの途中集計によれば、2026年3月期決算会社の第3四半期業績は7割が増益となり、通期業績でも上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回った。4社に1社が業績を上方修正したと報じられ、総選挙期間中も業績上方修正銘柄や業績好調銘柄が買いを集めて逆行高となり、投資家心理を下支えした。個別業績相場の様相が一段と鮮明となっている。

■複合的な株主還元策を掲げる銘柄群に資金集中

 決算発表が続く中、業績上方修正銘柄を軸とした個別業績相場が強まる展開が有力である。注目は、業績上方修正に増配、自己株式取得、株式分割などを組み合わせたダブルセット銘柄、トリプルセット銘柄、フルセット銘柄である。年初から前週末6日までに自己株式取得を発表した銘柄は120社超に達し、このうち業績上方修正とのダブルセット銘柄は11社、増配とのダブルセット銘柄は10社、トリプルセット銘柄は13社に上る。株式分割発表銘柄は31社に達し、業績上方修正とのダブルセットは4社、増配とのダブルセットは6社、トリプルセットは1社あった。(2月8日現在)

■複数回の上方修正銘柄が3分の1、内需バリュー株に再評価

 該当銘柄の特徴は、今回の業績上方修正が初回にとどまらず、2回目、3回目の修正に及ぶ銘柄が約3分の1を占める点である。内需系のバリュー株としての素地を持つ銘柄も少なくない。自己株式取得は自社株の割安感を市場に示す施策であり、株式分割は流動性向上や株主層拡大を目的とする。権利取りを狙った買いも加わることで、株価押し上げの相乗効果が一段と高まる展開が期待される。

■市場コンセンサス上回る主力株が第一候補

 決算後半戦では、業績上方修正に加え、修正後業績が市場コンセンサスを上回った主力株が第一候補となる。三越伊勢丹ホールディングスや東京エレクトロンが業績上方修正、増配、自己株式取得のトリプルセットを発表して急伸したこともフォロー材料として注目される。個別物色相場が本格化する局面において、ダブル・トリプル・フルセット銘柄は安全投資の有望銘柄として注視すべき存在である。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:11 | コラム
2026年02月02日

【マーケットセンサー】南鳥島沖レアアース試掘成功、関連銘柄が急騰

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■水深5700メートルから採取、埋蔵量は世界3位規模

 海洋研究開発機構は1月下旬、南鳥島沖の深海底でレアアース(希土類元素)を含む泥の試掘に成功したことが読売新聞などの報道で明らかになった。地球深部探査船「ちきゅう」が水深約5700メートルから採取したもので、同海域には世界3位に相当する1600万トン以上の埋蔵量があると試算される。レアアースは現在、精錬量の約9割を中国が占めており、日本は輸入の多くを中国に依存してきた。今回の成功は国産レアアース実現に向けた大きな前進となる。

■東洋エンジや稀元素など技術関連株に買い集中

 報道を受けて株式市場では関連銘柄に買いが集中した。深海資源回収システムを手がける東洋エンジニアリング<6330>(東証プライム)はストップ高買い気配となり、南鳥島プロジェクトに参画する東亜建設工業<1885>(東証プライム)も急騰している。レアアース代替材料を開発する稀元素<4082>(東証プライム)はストップ高、深海探査技術を持つ岡本硝子<7746>(東証スタンダード)もストップ高買い気配となっている。さらに、海洋開発大手の三井海洋開発<6269>(東証プライム)や、レアメタルリサイクルを手がけるアサカ理研<5724>(東証スタンダード)、削岩機最大手の古河機械金属<5715>(東証プライム)なども軒並み値を伸ばしている。

 政府は2027年2月に最大350トン規模の揚泥試験を実施し、2028年3月までに採算性の最終報告書をまとめる計画である。経済安全保障上の重要性が高まる中、今後の検証結果次第で関連企業への注目度はさらに増すとみられる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:45 | コラム
2026年01月25日

ケイ線は値幅見ず日柄を見よ=犬丸正寛の相場格言

【先人の教えを格言で解説!】
(犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に残した相場格言を定期的に紹介。)※最新の情報に修正を加えてあります

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■ケイ線は値幅見ず日柄を見よ

 株価が前日比でいくら上がった、下がったと値幅だけを見て一喜一憂するのは投資家の常である。しかし重要なのは、その値動きが「いつ」「どの流れの中で」起きたかという日柄である。同じ100円高であっても、相場の局面が違えば意味合いはまったく異なる。

 ポイントは、上昇や下落がどの程度の期間続いてきたかである。短期の反発なのか、長く続いた流れの末の動きなのかで、同じ上げ幅でも重みは変わる。これはマラソンの終盤と似ている。スタート直後のスピードと、長い距離を走り切った後のラストスパートでは、同じ速さでも意味が違う。

 日柄という考え方は、相場だけの話ではない。生活の中にも周期はある。神社で運勢を見れば、大吉から大凶までの流れには一定の年数がある。「暑さ寒さも彼岸まで」や「人の噂も七十五日」といった言葉も、時間の経過が持つ力を表している。

 株価チャートでケイ線を見る際は、まず上昇期間と下降期間がどれほど続いているかを確認することが欠かせない。日足でも週足でも月足でも、「九本目」は一つの節目となりやすく、「十三本目」「二十六本目」も相場の転換点になりやすい。値幅の大小に目を奪われる前に、流れがどこまで来ているのかを読むことが、相場と向き合う基本なのである。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:53 | コラム
2026年01月24日

【金利上昇の影響】企業の4割超が負担増、マイナス影響44.3%

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■利上げ進行で中小企業の負担増鮮明

 帝国データバンクは1月22日、金利上昇が企業活動に与える影響に関する調査結果を発表した。日本銀行の政策金利引き上げに伴い、長期プライムレートは2025年1月の2.00%から2026年1月には2.75%へと0.75%上昇した。こうした環境下で、「金利上昇は自社事業にマイナスの影響が大きい」と回答した企業は44.3%に達し、前回調査から6.6ポイント上昇した。

 調査では、「どちらとも言えない(プラスとマイナスが相殺)」とする企業の割合が26.9%に低下し、金利上昇の影響を明確に負担増と受け止める企業が増加したことが示された。今後も金利上昇が続くとの見方が強いなか、この傾向は一段と顕在化する可能性がある。

■金利高の影響、不動産・製造で顕在化

 業界別では、不動産が59.6%と最も高く、住宅ローン金利の上昇や投資利回りの悪化による需要減退が懸念されている。製造業は50.9%、運輸・倉庫は50.5%と続き、全9業界で前回調査から上昇した。企業からは、価格転嫁の難しさや変動金利借入による返済負担増を懸念する声が多く聞かれた。

 一方で、金利上昇による円安是正や輸入コスト低下を期待する声も一部にみられた。ただ、借入金の多い中小企業では支払利息の増加が利益を圧迫し、経営環境は一層厳しさを増すとみられる。同社は、借入方法の見直しや価格転嫁、コスト削減など、返済原資を確保するための対策が重要になると指摘している。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 19:30 | コラム
2026年01月11日

上がれば下がり下がれば上がるが株、儲けは日柄と幅と主役の見極めにあり=犬丸正寛の相場格言

【先人の教えを格言で解説!】
(犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に残した相場格言を定期的に紹介。)※最新の情報に修正を加えてあります

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■上がれば下がり下がれば上がるが株、儲けは日柄と幅と主役の見極めにあり

 上昇の後には調整があり、下落の先には反発がある。株で成果を分けるのは、時間、値幅、そして主役を見極める力である。

 株式市場が存在し続ける限り、相場が永遠に上昇し続けることも、反対に下落し続けることもない。相場は常に循環しており、上がればいずれ下がり、下がれば再び上を目指す。この当たり前の動きを忘れ、「この流れは続くはずだ」と思い込んだ瞬間に、投資の落とし穴が生まれる。

 相場の上昇や下落の大きさは、経済環境や景気の強弱、企業業績の内容によって決まる。どこまで動くのかという値幅、どれくらい続くのかという時間軸は、その時代背景によって大きく異なる。下落局面も同様であり、勢いの強さや期間には必ず理由がある。

 とりわけ重要なのは、相場には常に「主役」が存在するという点である。上昇相場では市場全体を押し上げる中心銘柄が現れ、下落相場では不安や失望を象徴する銘柄が目立つ。これらの存在を見誤ると、相場の本質を捉えることはできない。

 中心となる銘柄を早く見抜くことができれば、大きな利益につながるだけでなく、下落局面では損失を抑える判断にも結びつく。相場に親しみ、動きを肌で感じることは大切だが、同時に一歩距離を置き、冷静に全体を見渡す姿勢を失ってはならない。熱と冷静さ、その両立こそが相場と長く向き合うための要諦である。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:00 | コラム
2026年01月07日

相場は天井圏ではやたら強く見え、底値圏では必要以上に弱く見える=犬丸正寛の相場格言

【先人の教えを格言で解説!】
(犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に残した相場格言を定期的に紹介。)※最新の情報に修正を加えてあります

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■相場は天井圏ではやたら強く見え、底値圏では必要以上に弱く見える

 相場は天井圏ではやたら強く見え、底値圏では必要以上に弱く見える――結局、人は感情に引っ張られるので、そのクセを乗り越えない限り、相場で利を得るのは難しい、という教えである。投資家心理をボトムからピークまで追うと、底打ち直後の反発局面では「まさか」「本物ではない」「現実が悪すぎる」と疑いが先に立つ。

 だが、その強さがしばらく続くと、疑いを残しつつも「本当かもしれない」という気持ちが芽生え、乗り遅れたくない心理が一気に強まる。そこで相場にうまく乗れて上昇益が出ると、「この程度では終わらない、まだまだ上がる」と欲が前面に出て、高水準になった事実など気にせず強気に傾く。

 さらに、天井を打って下がり始めても「必ず戻る」と見方を変えられず、強気を正当化する理由ばかり探す。ところが下げが深くなると、今度は極端な弱気に転び、業績が少し減益になるだけでも倒産まで想像してしまう。こうして相場は、天井圏では強く、底値圏では弱く“見えてしまう”ものだ。

 穿った見方をすれば、外国人投資家が横文字も交え「新しい相場が始まった」空気を演出して強く見せ、売り逃げることもあるだろう。逆に底値圏では、日本経済の稀弱さを理路整然と強調して処分売りを誘い、投げを引き出して安く買い集める、という指摘も成り立つ。

 日本の投資家の、熱しやすく冷めやすい面や、外国に弱い面を突いた動きとも言える。防ぐには、一喜一憂しがちな感情を改め、「原因と結果の法則」に法って、クールに淡々と相場に向き合うことが肝心だ。もちろん仕手株のように理屈が通りにくい動きもあるが、それは限られた時期の話であり、グローバル化時代の投資では世界標準で通用する心構えが重要だ。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:24 | コラム
2025年12月29日

記録破りは天井の気配=犬丸正寛の相場格言

【先人の教えを格言で解説!
(犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に残した相場格言を定期的に紹介。)※最新の情報に修正を加えてあります

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■記録破りは天井の気配
 ――記録更新ラッシュは、相場が天井に近いサイン

 出来高や売買代金が急増し、新高値銘柄数、外国人投資家の買い、信用買残、新規上場数、企業の増資額などが次々と過去最高を更新する局面は、一見すると活況に見える。しかし、こうした「記録更新」が同時多発的に現れ始めたとき、相場はすでに8合目、9合目に差し掛かっており、ピークが近い可能性が高い。

 相場が底値圏に近づく場面でも、悪い意味での記録的数値は出てくる。ただし、底値圏では多くの投資家が市場から距離を置き、売買そのものが減るため、買いで失敗するリスクは限定的だ。問題は、上昇相場が続き、強気が常識となった局面にある。

 上昇相場では、「買っていれば大丈夫」という安心感が市場を覆う。さらに、投資家の見通しが現実的な範囲を超え、楽観一色になったとき、相場は最も危険な状態に入る。数字の裏付けがあっても、心理が先走った局面では天井が近い。

 1980年代後半、資産価格が全面高となり、日経平均は1989年末に3万8915円の高値を付けた。その直前、市場では「5万円は通過点」「10万円もあり得る」といった声が広がり、慎重だった投資家までが強気に転じていた。人々の見方が一方向に傾いたとき、相場は天井を打った。

 当時、北浜の相場師として知られた畠中平八氏は「天まで届く相場はない」と警告していた。2005年秋に東証の出来高が過去最高を記録した局面でも、その後しばらく株価は上昇したが、外国人投資家の買いは次第に後退し、翌年初の相場波乱につながった。

 この考え方は、投資だけでなく企業経営にも通じる。数字に基づく判断を重視していても、「ブーム」という空気が広がると、冷静さは揺らぎやすい。かつての土地バブルでは、多くの経営者が世の流れに押され、過剰な投資へと向かった。

 一方、淀川製鋼はブームに乗らず、不況期に設備投資や広告投資を行う姿勢を貫いていた。不況時はコストを抑えて投資できるという考え方を徹底しており、相場や景気の循環を踏まえた冷静な判断の重要性を示している。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:44 | コラム
2025年12月20日

【マーケットセンサー】日銀、30年ぶりの0.75%利上げを決定、金融正常化への転換点

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【日銀タカ派シフトで市場は分岐点、出遅れ「円高メリット株」に勝機】

■30年ぶりの高金利水準、金融正常化を明確化

 日本銀行は12月19日、金融政策決定会合において、政策金利を0.75%に引き上げることを決定した。全員一致での決定であり、金利水準としては約30年ぶりの高水準となる。背景には、国内の経済・物価情勢の改善がある。長期にわたり続いてきた異例の金融緩和政策から、段階的な正常化へと舵を切る姿勢を明確にした。物価安定目標の実現に向け、「物価の番人」としての役割を一段と重視する姿勢が鮮明になった。

■利上げ継続を視野、市場と実体経済への影響

 今後について日銀は、経済・物価動向を慎重に見極めながら、利上げを通じた緩和政策の調整を継続する方針である。インフレ抑制と金融市場の安定の両立を図る狙いだが、市場への影響は避けられない。円相場は利上げ発表を受けて上昇する可能性があり、国内の短期金利上昇は貸出金利へ波及する見通しだ。企業や個人の借入コスト増による投資・消費活動への影響も懸念され、経済運営は極めて重要な局面を迎えている。

■円高メリット株に注目、割安・高配当が下支え

 株式市場は今回の決定を大きな分岐点として注視している。先行して利下げを決めた米連邦準備制度理事会(FRB)の動向と相まって、為替相場が円高・ドル安に振れるシナリオが現実味を帯びてきたためだ。これまで円安による輸入コスト高に苦しんできたセクターには追い風となる。

 なかでも注目されるのが「円高メリット株」である。IT化による需要減で低迷してきた紙・パルプ関連銘柄は、輸入原材料価格の低下による業績改善が期待される。王子ホールディングスやレンゴーなど業界大手を含め、PBR1倍割れの割安銘柄が多く、配当利回り4%超の高配当株も散見される。日銀の歴史的決断が市場に「掉尾の一振」をもたらすか、その真価が問われている。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:22 | コラム
2025年12月14日

素人は日柄より株価を見る=犬丸正寛の相場格言

【先人の教えを格言で解説!】
(犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に残した相場格言を定期的に紹介。)※最新の情報に修正を加えてあります

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■素人は日柄より株価を見る

 この相場格言は、経験の浅い投資家ほど目先の値段ばかりに意識が向きがちである、という戒めだ。その裏返しとして、相場を長く見てきたベテラン投資家は、株価そのものよりも「日柄」、すなわち時間の経過を重視するという教えが込められている。

 日柄とは、株価が底を打ってからどれくらいの日数が経過したか、あるいは高値を付けてから何日が過ぎたか、といった時間軸のことである。値動きだけを追っていると見落としがちだが、相場には必ず「時間のリズム」が存在する。

 たとえば、どんなに好きな料理でも、毎日三食続けば必ず飽きが来る。しばらくすると、あっさりしたものや別の味を求めたくなる。株式市場も同様で、いくら魅力的な好材料であっても、その効力が永遠に続くことはない。

 ベテラン投資家は、材料の良し悪しそのものよりも、それが出てからどれだけ時間が経ったかを重視する。好材料であれ悪材料であれ、時間の経過とともに株価に織り込まれていくことを経験的に知っているからだ。相場は常に新鮮さを求め、古くなった情報には次第に反応しなくなる。「人の噂も七十五日」という言葉と同じく、相場でも時間は値段と同じくらい重要な判断材料なのである。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:40 | コラム
2025年12月13日

【マーケットセンサー】金先物高騰で再浮上する「ジパング」テーマ、産金・都市鉱山株に注目

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■地政学リスクとドル離れが重なり、安全資産としての金需要が拡大

 金先物価格の上昇を背景に、金関連株への注目が高まっている。金市場を巡っては、宝飾品需要や米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策に加え、地政学リスクや中長期的な需給変化が複合的に作用し、構造的な変化が進んでいる。こうした環境変化を受け、国内関連企業の動向が新たな投資テーマとして浮上している。

 地政学面では、ウクライナ情勢やパレスチナ問題を契機とした「有事の金買い」が安全資産需要を押し上げた。ロシアへの経済制裁によりドル資産が凍結され、国際金融システムから排除されたことを受け、各国中央銀行はドル依存を見直し、外貨準備における金保有を拡大している。近年は、仮想通貨業者が準備資産の分散を目的に大量の金を購入したとされ、新たな需要主体の参入も価格押し上げ要因となっている。

■金5000ドル時代を視野に国内産金株が焦点

 こうした環境下、金先物価格が将来的に5000ドル台に到達しても通過点にすぎないとの強気見通しが市場で広がっている。これを受け、金先物関連株への関心が再燃している。日本はかつて「黄金の国ジパング」と称された歴史を持ち、国内金鉱山の採掘に加え、都市鉱山や家庭内に眠る隠れ資産の活用が、新たな成長エンジンとなる可能性がある。年末相場で金価格が一段と上昇すれば、関連セクターの再評価が進む展開も想定される。

 中核銘柄として注目されるのが、世界最高品位の菱刈鉱山で採掘事業を行う住友金属鉱山<5713>(東証プライム)である。これに三井金属<5706>(東証プライム)三菱マテリアル<5711>(東証プライム)DOWAホールディングス<5714>(東証プライム)が続く。三井金属は子会社が串木野鉱山で産金活動を継続し、三菱マテリアルは純金積立事業に加え、子会社を通じて世界遺産・佐渡金山の観光事業を展開する。DOWAホールディングスは黒鉱開発のほか、リデュース(再資源化)事業にも注力しており、金価格上昇局面での恩恵が見込まれる。

【関連記事情報】2025年12月08日
【どう見るこの相場】FRBはハト派、日銀はタカ派、真逆の金融政策に揺れる日米株式市場
【株式市場特集】金先物高騰で「ジパング」再生、産金・都市鉱山・リユース株に年末ラリーの主役
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:34 | コラム
2025年12月05日

【マーケットセンサー】AI株かバリュー株か、市場で高まる二極化の波

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■日米金融政策が映す投資マネーの行方

 株式市場では、AI株派とバリュー株派の主導権争いが一段と鮮明になっている。株式投資はギャンブルではなく、成長分野へのリスクマネー供給や老後資産形成に資する重要な経済行為である。ゆえに銘柄選定にはファンダメンタルズ分析や需給チェックが不可欠となるが、それでも強弱感や市場の“場味”によって評価が分かれる。不確実性が本質である市場では、こうした揺らぎこそが投資家心理を二分する要因となる。

 現在の市場で特に目立つのが、AI(人工知能)関連株とバリュー(割安)株の二極化である。背景には、日米の金融政策の方向性の違いがある。米国ではFRBが12月9日〜10日のFOMCで政策金利を引き下げる確率が80%に達すると分析され、金利低下は成長株に資金が流れやすく、AI株には追い風となる。一方、日本では日銀が12月18日〜19日の金融政策決定会合で政策金利を引き上げるとの見方が根強い。

 長期金利はすでに歴史的水準へ上昇し、利ザヤ拡大期待から銀行株を中心にバリュー株が買われている。米国は緩和、日本は引き締めという対照的な政策スタンスが、投資家の資金選別を一段と進める可能性がある。成長志向のAI株か、収益安定を見込むバリュー株か。二つの潮流が併走するいま、投資家は複眼的視点と冷静な分析が求められる局面にある。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:00 | コラム
2025年12月03日

【マーケットセンサー】師走相場は最終レースの様相、投資家心理が揺らす年末マーケット

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■高揚感が判断を鈍らせる年末、投資家は何を見誤るのか

 株式市場が一年の締めくくりを迎える師走は、投資家心理が独特の熱気を帯びる時期である。「終わりよければすべて良し」という空気が市場を覆い、勝ち組はさらなる利益の上積みを狙い、負け組は巻き返しに向けてアクセルを踏み込む。「掉尾の一振」への期待も強く、餅代やミルク代、越年資金の確保を意識する投資家の思惑が相場を揺らす。周囲の株高期待が煽りとなり、平時なら慎重な投資家でさえも、年末特有の高揚感に押し流されやすくなる。

 こうした空気のなかで、師走相場は自然とギャンブル色を帯びる。年初からの連敗が続けば、高オッズの大穴株に残る軍資金を託す一発逆転型の姿勢が強まる。反対に連勝を積み上げる投資家は、低リスクで確実性の高い銘柄にロットで勝負を掛ける。いずれも年内決着への焦りを背景に、短期の値幅を追う投機色が濃くなるのが師走相場の常である。

 この構図は、競輪や競馬の最終レースを連想させる。連敗続きの勝負師が最後の望みを高倍率の車券・馬券に託す姿と、連勝中の当たり屋が堅実な本命に大口投資する姿は、市場における投資家心理と重なる。結果がどう転ぶかは神のみぞ知る世界であり、ゼロ・サムの厳しさがむき出しになる局面でもある。師走相場に挑む投資家は、心理の揺れと年末特有の過熱感を冷静に見極めたい。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:00 | コラム
2025年12月02日

買い落城の安峠・売り落城の高峠=犬丸正寛の相場格言

【先人の教えを格言で解説!】
(犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に残した相場格言を定期的に紹介。)※最新の情報に修正を加えてあります

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■買い落城の安峠・売り落城の高峠

 買い方が力尽きて底値をつける局面が「安峠」、売り方が追い詰められ高値を形成する局面が「高峠」である。落城とは戦いに敗れて城を明け渡すことであり、峠は転機を意味する。安峠は底、高峠は天井の比喩だ。戦いには本来相手がいるが、株式投資では「銘柄を自分で選ぶのだから相手は存在しない。戦う相手は自分の欲だ」と考える人もいるだろう。しかし、最終的に欲との勝負になるにせよ、投資家は常にマーケットという戦場に立たされている。矢や砲弾こそ飛んでこないが、投資家の欲を揺さぶる心理戦が絶えず続いている。

 戦国時代に大小の戦が各地で展開されたように、株式市場でも小さな相場から大きな相場までさまざまな局面があり、「買い方」と「売り方」がぶつかり合う。市場参加者は外国人投資家、生損保、投信、郵貯、年金、企業、金融機関、団体、個人など幅広い。しかし厄介なのは、彼らが固定的に買い方・売り方に位置づけられるわけではない点である。株は買えば必ず売る局面が訪れ、昨日は味方でも今日は敵に回ることがある。そうした意味でも、株式市場は戦国時代以上に予測が難しい世界といえる。

 現在は外国人投資家が大規模な勝負を仕掛ける存在だが、10数年前までは仕手筋が相場を動かしていた。信用取引を武器に、買い方と売り方が激しく攻防を繰り広げた時代である。信用取引とは資金を借りて株を買う、あるいは株券を借りて売る行為で、当時の仕手筋は多くが買い方として空売りを仕掛ける売り方と戦った。三光汽船、グリコ、住友鉱山、帝国石油、不二家、中山製鋼など、昭和40年代には信用取引をめぐる熾烈な争いが相次いだ。信用取引には6ヶ月という期限があったため、勝敗は明確に決着した。

 買い方が敗れた場合は、借入金を返済するための投げ売りが底値を生み、「買い方落城」の安峠となる。売り方が敗れる場合は、損を覚悟した買い戻し、いわゆる踏み上げが発生し、相場は高値をつけて「売り方落城」の高峠を形成する。現在は往時のような仕手筋は少ないが、その構図を外国人投資家に置き換えれば理解できる場面は多い。彼らはM&Aで日本企業と戦い、最終的には個人投資家に自らの買い持ち株を引き受けさせるような展開すら見え隠れする。市場の波に飲まれないためにも、日本の投資家としての矜持を改めて問い直したいところである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:00 | コラム