★高度成長時代には日経平均は40年で220倍
【問い】 以前から数年単位での中長期投資で成果を挙げてきました。最近は長期投資にすっかり自信をなくしてしまいました。長期投資が報われる日が来るのでしょうか?
【答え】 長期投資で成果が上げ難くなった理由はいくつか考えられます。列挙すると、
(1) 日本経済が高度成長から成熟の時代となっている。
(2) インフレではなくデフレが続いている。
(3) IT化が進み、政治を初め物事の判断スピードと、マーケットなど実際の動きに大きい開きが出ている。
(4) 自然災害の多発で安定とみられていた企業が経営危機に見舞われるケースが出ている。
(5) 老舗企業に不祥事が目立つ。
・・・・・などがあるのではないでしょうか。
とくに、株は「高度成長」と「インフレ」において、株の持っている魅力を発揮するといわれます。実際、戦後の日本経済は焼け野原から復興、発展を遂げました。まさに、戦後は高度経済成長時代でした。
たとえば、東証が再開された1949年(昭和24年)5月16日の日経平均(当時は東証平均)は176円21銭でした。それが、高度成長経済の最終局面ともいえる、「バブル経済」での1989年12月29日に3万8915円87銭をつけました。東証再開の1949年から1989年までの40年間を高成長経済時代とすれば、この間、日経平均は220.8倍となったのです。仮に、再開時に日経平均を1000株買ったとしたら12万7000円が3891万円となった計算です。まさに、高度経済成長の下で株の魅力を大いに発揮したといえます。
ところが、1989年12月の3万8915円が2008年10月には6994円まで下げました。しかも、現在も8100円程度と芳しくありません。既に、高値を打ってから22年です。不振が長期化していることは、単にバブルの反動という理由だけではないでしょう。豊かになって、社会に物が溢れ、四国を結ぶ橋は3本架かり、新幹線は青森、鹿児島まで結ばれています。しかも、少子高齢化だけでなく人口そのものが減少する時代です。経済が成熟どころか、衰退に向かっている可能性があるとみるべきです。つまり、高成長を期待した長期投資は難しくなっています。
そうした中で自然災害で
東京電力<9501>(東1)が危機的状況。さらに、JAL、西武鉄道の上場廃止。
オリンパス<7733>(東1)、
大王製紙<3880>(東1)などの名門企業の不祥事による株価暴落です。怖くて長期では株は持てません。
さらに、政治は精査、検討を旨とする民主党政権となったことで経済対策等の実行に時間がかかり過ぎています。以前なら東日本大震災の復興はもっと進んでいたはずです。一方のマーケットは、今や売買執行は1秒を切る超スピード時代です。政治判断とマーケットの動きにスピードの差があり過ぎることも中長期投資を難しくしているようです。
★中長期への期待は「インフレ」 そうすると、株に期待するのは、「インフレ」か、「戦争」かということになってしまいます。戦争はできません。残るは、「インフレ」が来るかどうかです。しかし、仮に、インフレ傾向になるとしても、かつてのような「全ての物の価格」が値上りする時代でもなさそうです。食料、水、資源などは上昇しても、工業品等は海外で安く作れるため価格は上がるより下がるのではないでしょうか。
こうしてみると、物が不足しそうな資源などについては中長期投資も検討の余地はあるでしょう。しかし、工業品分野については競争はいっそう激しくなり、仮に期待の新製品であっても製品寿命は長くはないでしょう。ここにも、かつてのような新製品=中長期投資、という常識が通用しなくなっています。
結果、今の社会では、昭和の時代のように、「ドタバタするより買ったらタンスに入れておく」という投資法は難しくなっているのではないでしょうか。「個別ごとに製品寿命」などを細かくチェックして投資する時代になっているようです。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 15:49
|
コラム