
上場企業各社のホームページ(HP)を検索してみるのは楽しい。個人投資家がHPを見るきっかけは、「新聞で見た会社」、「人から聞いた会社」、「商品を見て知った会社」、「株価が上げ下げしている会社」、「社会的に話題となり、問題を起こした会社」などいろいろ。一旦、ホームページにアクセスすれば、この会社は、どこから何を仕入れ、どこで何を作り、どこで誰に売り、どれだけの儲けがあるのか。会社の規模は、株主構成は、財務状況は、最新のニュースは、そしてチャートなど、関心や調べることが、膨らんで行く。
そうした、個人投資家の関心と目線の流れに沿ったホームページなら入りやすい。菓子、飲料など身近にあるものなら理解しやすい。しかし、消費者に直接見えない製品を作っているところはかなり多い。折角、アクセスしても懲(こ)りすぎて難しいHPだとかえって個人投資家には遠い存在となってしまう。
ある会社のHP。トップページに製品情報として、メインの5つの商品が掲載されている。しかし、専門用語の羅列ばかりでさっぱり意味がわからない。例えば、カーボンブラックとあって、自動車タイヤをはじめゴム製品生産にはなくてはならない原材料のひとつ。ゴム以外にインクジェットプリンター用インク、黒色インク、顔料、帯電防止材などに幅広く利用とある。なんとなくわかったような雰囲気ながらが理解できない。ここからが、HPの勝負どころだ。
カーボンブラックをクリックすると、物理化学特性のボタンがありクリック。物理化学特性として、各商品の算術平均粒子径、窒素吸着比表面積、よう素吸着量等、文系の人には分かりにくい数値が並んでいる。この会社、いったい何を手がけているのか。トップページの右側の上から二つ目に、「かんたん製品知識」のボタンがあり、クリックすると、『カーボンブラックはタイヤ、チューブ、ベルト、ホースなどのゴム製品には、補強剤として、世界中でカーボンブラックが使われています。天然ゴムや合成ゴムにカーボンブラックを練り込むとゴム製品を強くする特長があります。カーボンブラックはその名の通り黒色をしています。例えばタイヤが黒いのはカーボンブラックが入っているからです。乗用車用タイヤの重さは通常1本10キログラムぐらいですが、その約3分の1はカーボンブラックなのです』と、紹介されている。
タイヤの他にも身の回りで、黒いゴムを探してみると、それらには、カーボンブラックが入っているということだ。このように、タイヤを含むゴム製品を作るためにカーボンブラックは欠かすことができないものであることは分かってくる。また、樹脂の着色剤、各種インキの黒色顔料としての着色用途や、電線被覆材等への導電性付与剤としての役割も担っている。カーボンブラックは、ナノメーターレベルの微粒子なので、各種先端材料への応用も研究されている。開発分野において同社では、カーボンブラックの表面を親水化した黒色顔料を"Aqua−Black(アクア−ブラック)"として既に新規ラインアップし、その特徴からインクジェットプリンタ用インキの色材として利用されている。このように、カーボンブラックは人々の生活を見えないところで支えている重要な原材料ということだ。
HPをここまで見ると、なるほど、こういう会社なんだ、と理解できる。また、各項目ごとの製品に関する問い合わせを電話、メールでの応対希望欄もある。非常に好感が持てる。環境への関わり合いとして、自社製品が再生可能エネルギー、省エネルギー、環境装置にどのように使われているかを、図示・説明しており消費者に直接見えない自社製品の社会との関わり合いを丁寧に説明している。
当然、ここまで、丁寧な、この会社に対しては個人投資家数は多く、株価の人気度も高い。ホームページへの親切・丁寧な取り組みこそが個人株主に温かい会社と見ることはできる。この会社はどこでしょう。みなさん、もうお分かりでしょう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:18
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