マツダ<7261>(東1)は、昨2012年大納会で176円と昨年来高値を更新したが、為替相場が、年明け以降に大きく円安となっている環境下、為替感応度の高さや安値期日の到来、売り方の買い戻しなど業績実態面、株式需給面からなお上値余地が想定される。1年半ぶりに200円台を回復し、さらに昨年7月高値223円抜けから昨年来高値262円に直行する株価展開も有力となる。
同社の今3月期の想定為替レートは、1ドル=80円、1ユーロ=100円としており、為替感応度は、1ドル1円の変動で営業利益が35億円、1ユーロ1円の変動で12億円の影響を受ける。為替レートは、年明けとともに対ドルでは2年5カ月ぶりに87円台の円安となり、対ユーロでも115円台となっていることから大きく今期業績を押し上げることになる。
今期業績は、昨年10月に第2四半期累計業績を上方修正したものの、3月通期業績は、円高進行や中国での自動車販売台数の減少で下方修正、営業利益を期初予想の300億円から250億円(前期は387億1800万円の赤字)へ引き下げ、黒字転換幅を縮小させた。為替レートの円高進行で期初予想のクリアはもちろん、さらに上ぶれ着地も期待されることになる。
さらにこの業績面で上ぶれを大きくフォローするのが、同社が開発した省エネ型の新型ディーゼルエンジン「スカイアクティブーD」である。同エンジンを搭載した新型車が相次ぎヒット、11月20日発売した「アテンザ」は、「カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するとともに、発売1カ月で7300台と月間計画販売台数の7倍も受注した。
株価は、円高進行に加えて3月に実施した新株式発行(発行価格124円)・株式売出しがボディブローとなって7月の昨年来安値85円まで売られ、10月の3月通期業績の下方修正では悪材料出尽くしとして86円の2番底を確認して昨年来高値まで大きく出直った。この出直りに対して売り方がかさにかかって売り向かい、信用売り残は、4453万株と10月2番底時の1166万株から積み上がり、信用倍率は0.71倍と株不足となっている。
株価は、1株純資産160円クリアから国内証券の目標株価引き上げも加わり騰勢加速となっており、売り方はピンチとなって買い戻しが交錯している。このまま昨年来高値を目指す展開は有力であり、下値は即刻対処で妙味十分となる。(本紙編集長・浅妻昭治)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:51
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