インスペック<6656>(東マ)は、半導体関連の基板パターン検査装置(基板OAI)や基板最終外観検査装置(基板AVI)を主力としている。
12月14日に今期(13年4月期)第2四半期累計(5〜10月期)業績(非連結)を発表し、通期見通しを下方修正した。第2四半期累計は売上高が前年同期比37.3%減収となり、営業利益、経常利益、純利益とも前年同期に比べて赤字幅が拡大した。基板OAIや基板AVIの引き合いは増加したが販売に繋がらず、売上高、利益とも計画を下回った。
通期の見通しについては、前回の予想に対して売上高を6億90百万円減額して前期比6.8減の5億10百万円、営業利益を2億95百万円減額して2億55百万円の赤字、経常利益を2億85百万円減額して2億65百万円の赤字、純利益を290百万円減額して2億70百万円の赤字見込みとした。大手基板メーカー向け基板AVIの受注遅れなどに加えて、グローバル技術支援事業の補助金に採択された(11月29日公表)電子基板用高分解能カラー全自動外観検査装置の開発先行投資などが主因としている。
月次受注動向(営業速報値)を見ると11月は1億73百万円、5〜11月累計は3億65百万円となった。12年3月に台湾の大手基板メーカーから基板AVIを段階的に受注・納入するアグリーメントを締結しており、11月はリピート機の受注確定(11月19日公表)が寄与した。半導体メーカーの設備投資抑制で受注環境は厳しいが、今後のリピート受注が期待されるだろう。
なお前期末時点で継続企業の前提に疑義の注記が付され、第2四半期(8〜10月期)末時点で21百万円の債務超過となっている。
株価の動きを見ると、11月19日公表の大型受注を好感して3万円台まで急反発する場面もあったが、12月14日の今期見通し下方修正を嫌気して急落し安値圏に回帰した。ただし2万2000円近辺では下げ渋る動きを強めている。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで調整局面だが、今期業績悪化を織り込んだと考えられほぼ底値圏だろう。資本政策への思惑などで動意付く可能性もあるだろう。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:51
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