北興化学工業<4992>(東1)は、今年1月15日の11月期決算発表で、今期業績の大幅続伸を予想したことを手掛かりに窓を開けて昨年来高値275円まで急伸した。この高値更新は、この1年10カ月にわたる下値ゾーンを上抜き、24カ月移動平均線をも上放れたものであり、この高値水準でのもみ合いからさらなる大出直りを示唆している。
PERは11倍台、PBRは0.5倍、配当利回りは2.9%と割安であり、バリュー株買いへの再発進でまず2011年2月高値323円にキャッチアップしたあと、1株純資産に迫る2008年6月高値409円が、チャート上の上値フシとなろう。
同社の株価上昇は、昨年12月28日から助走がスタートしていた。この日、同社は、前期業績の下方修正を発表、純利益を期初予想の2億2000万円から1億4000万円(前々期は4100万円の赤字)に引き下げたが、黒字転換はキープしたこともあり、株価は、悪材料織り込み済みとして230円台で下値抵抗力を発揮した。下方修正は、農薬事業の流通在庫圧縮の影響やファインケミカル事業の電子材料原料などの受注が低調に推移したことが要因となったもので、いわばこの下方修正が、業績的にも株価的にもダメ押しとなった。
続く今期業績は、売り上げ416億2000万円(前期比4%増)、経常利益11億5000万円(同63%増)、純利益6億6000万円(同4.6倍)と大幅続伸を見込んでいる。農薬事業では水稲分野の除草剤の販売回復と同社シェアが高い育苗箱処理剤などの殺虫殺菌剤の拡販を進め、ファインケミカル事業でも電子材料原料、医農薬中間体、樹脂添加剤の主力製品の回復や新製品の早期開発・製品化により収益性の向上を図ることが要因となる。
業態そのものは農薬関連と第1次産業的な地味さが残り、このところ株価上昇が著しいハイテク株の圏外にあり、市場の中心にはなり難い面はあるが、それでもファインケミカル事業では半導体封止材料向けエポキシ樹脂の硬化促進助剤、フォトレジスト用原料の機能性モノマーなどで高実績があり、ハイテク株人気の波及も期待され、株価サポート材料となる。
今期の大幅続伸予想で20円幅のマドを開けて急伸したが、この窓埋めをして再発進するか、このまま株価が続伸するかは微妙なところだが、いずれにしても下値は妙味十分となりそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:41
|
注目銘柄