
同社は、「界面活性剤事業」をはじめ、「アメニティ材料事業」、「ウレタン材料事業」、「機能材料事業」、「電子デバイス材料事業」を展開している。足元の業績は、今3月期第1四半期売上高136億2000万円(前年同期比4.8%増)、営業利益6億1900万円(同2.3倍)、経常利益5億6000万円(同2.2倍)、純利益3億6200万円(同2.8倍)と大幅増益着地。界面活性剤が大幅に伸びたほか、海外でセルロース系高分子が食品向けに堅調。ショ糖脂肪酸エステルが香粧品用途が順調に推移し、食品用途の好調。また、機能材料で臭素系の難燃剤は建築材料用途が堅調に推移。臭素系の難燃剤がデジタル家電用途の需要回復により大幅に伸長したことも寄与した。
通期業績予想は売上高585億円(前期比7.1%増)、営業利益29億円(同17.0%増)、経常利益27億円(同13.7%増)、純利益15億円(同12.2%増)と2ケタ増益を見込んでいる。年間配当は期末一括7円を予定している。同社は、コア製品事業の拡販に注力するともに、将来の成長分野である「環境」、「エネルギー」、「電子材料」、「生活資材」などの分野を中心に新規市場の開拓や新素材の開発に取り組んでいるほか、原材料の安定的な確保や適正な採算確保、新コスト削減計画による総経費の削減活動などに取り組んでおり、中長期的な成長も期待される。
株価は、「イオン液体リチウム二次電池」を人口衛星に搭載し、世界で初めて地球周回軌道での実験を行うことを手がかりに、7月8日に年初来の高値519円と買われた後、8月8日安値397円まで短期調整を8月15日高値454円と上昇。その後、モミ合いとなっている。経済産業省は次世代の高機能材料と期待される木質組織由来の繊維状物質「セルロースナノファイバー(CNF)」の加工性を高める新技術の実証実験に乗り出すもようで、同社が維幅が数ナノメートルのセルロースシングルナノファイバーを利用した増粘剤「レオクリスタ」を開発・販売をしていることを見直されており、13週移動平均線がサポートしている。今期予想PER13倍台と割安高はなく、低位材料株として上放れするか注目したい。(N)