
自己株式消却は、発行済み株式数の減少を通じて株主価値の増進を図ることを目的にしており、消却株式数は、75万株(発行済み株式総数の4.42%)に達する。同社は、現在推進中の中期経営計画の内容を追加・変更しており、株価が、1株純資産を下回っていることに対応する株価対策として新たな財務戦略を策定して追加、ROE(自己資本純利益率)などを最終年度に10%にアップさせるとともに、DOE(自己資本配当率)も2.3%とする配当目標も設定した。配当は、前期に18円(前々期実績15円)に増配し、今期はさらに20円へ連続増配する。新財務戦略でさらなる増配や自己株式消却などが期待できることになる。
業績も好調で、今3月期業績は、売り上げ380億円(前期比9%増)、経常利益25億円(同19%増)、純利益15億円(同9%増)と予想されている。完成車メーカーの自動車生産が、海外シフトで国内は減産となっているものの、これを補って米州・アセアンで増産となっており、同社の車体組立用締結部品などの自動車部品事業が、米州、アセアンで続伸することが要因となる。8月に開示した今期第1四半期業績は、2ケタ増益と続伸し通期業績に対して高利益進捗率を示しており、前期と同様の期中の上方修正期待も潜在する。
株価は、前期業績の上ぶれ着地・増配でつけた年初来高値から全般相場急落の影響で763円まで調整、800円台固めを続けている。PERは8倍台、PBRは0.7倍と割安であり、下値買い妙味は絶大である。(本紙編集長・浅妻昭治)