クオール<3034>(東1)は、今年6月17日払い込みで実施した新株式発行(発行価格548円)が響き、東証第1部指定替え後安値515円を下値、600円を上値とする小幅ボックス展開が続いたが、10月31日に発表を予定する今3月期第2四半期(2Q)決算の発表を前に業績上ぶれ期待を高めボックス上限を上放れており、割安修正でファイナンス実施時に開けた窓埋めに弾みをつけよう。きょう28日付けの日本経済新聞で報道された処方薬販売へのポイント付与も、押し上げ効果を発揮しよう。
同社の今3月期業績は、前期の下方修正・減益転換業績から一転して増益転換、売り上げ1000億円(前期比30%増)、経常利益34億円(同20%増)、純利益14億円(同3%増)と見込んでいる。前期は、新規出店を49店舗、同業他社の子会社化による取得64店舗、事業譲り受けによる取得4店舗など合計117店舗を出店(閉店6店舗)し、薬価のマイナス改定、調剤報酬改定の影響を吸収したが、新業態の
ロ−ソン<2651>(東1)や
ビックカメラ<3048>(東1)との提携店舗の新規出店時期がズレ込み、計画に未達となり、積極的なM&Aの先行投資費用増などから減益転換した。
今期は、ローソン併設店70店舗を含む111店舗の出店を計画し、ローソン事業の収益改善や、今年4月に買収したアルファーム(茨城県水戸市)の取得店舗23店舗、同4月に1号店がオープンしたJR大阪駅の駅ナカ薬局の寄与などから増益転換を見込んでいる。処方薬へのポイント付与は、患者の負担額100円につき1ポイントを付け「1ポイント=1円」としてこのローソン併設店で開始され、ローソン店舗での支払いに使えると報道されている。
今年7月開示の1Q業績は、新期出店が43店舗(閉店4店舗)とスピードアップしたことなどから、前年同期比44%増収、2.2倍経常増益、63%純益増益とV字回復しており、これが今期業績の上ぶれ期待につながっている。東洋経済会社四季報秋号では、通期純利益は15億円と2012年3月期の過去最高(15億6000万円)にキャッチアップすると観測しているだけに、10月31日の2Q累計決算に注目が集まる。
株価は、ファイナンス発表で700円台から窓を開けて1株純資産511円目前まで200円安、下値ボックス展開が続いているが、PERは11倍台と明らかに下げ過ぎである。ボックスを抜けたここから窓埋めの一段高に進もう。(本紙編集長・浅妻昭治)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:12
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