常和ホールディングス<3258>(東1)は、今年5月につけた上場来高値3300円から全般急落相場に巻き込まれて2011円安値まで突っ込み、3分の2戻しまで持ち直してきたが、今3月期純利益の連続過去最高更新を手掛かりにする内需割安株買いに加えて、2020年オリンピックが、東京で開催が決定された関連人気というもう一つの買い材料がオンして最高値を奪回する展開が有力である。
東京オリンピック関連の買い材料は、同社の主力3事業の一角に位置するホテル事業の好展開にある。東京オリンピックは、外国人観光客を今年2013年目標の1000万人から年間2000万人に倍増させる大きな引き金になるとみられており、この宿泊スペースの確保、関連旅行客需要の観測から、オリンピック開催都市が東京に決定した今年9月初めに、
帝国ホテル<9708>(東2)が、ストップ高を演じるなどホテル株への好波及が先取りされた。
常和ホールディングスは、オフィス事業、ゴルフ事業とともにホテル事業を主力事業の3本柱の一つとしており、「HOTEL UNIZO」と「UNIZO INN」の2ブランドで観光客向けとビジネス客向けのホテルを10店舗、1938室展開している。このホテル事業は、稼働率の向上と客室単価のアップで今3月期第1四半期(1Q)に前年同期比23%増収、37%営業増益と伸びて今期通期業績の連続過去最高更新に寄与するが、このあとも来年4月に名古屋、9月に京都に各1店舗、再来年春・秋に東京に合計2店舗、再来年秋に札幌に1店舗開業予定で2016年3月末に15店舗、3225室に増強予定である。東京オリンピック関連特需の享受でホテル事業の高成長が期待されることになる。
さらに中期経営計画では最終年度の3年後に20店舗、4000室を目標に3年間で200億円の積極投資を計画しており、不動産事業で保有ビル40棟を目標に300億円投資する設備投資計画と合わせて、業績も、連続過去最高更新となる今期純利益30億円(前期比42%増)に対してさらに40億円に拡大させる。
株価は、 今年3月払い込みで実施した新株式発行(同1732円)・株式売出しを嫌って窓を開けて突っ込んだ年初来安値1661円から下げ過ぎ訂正で倍返しとなる年初来高値まで急騰、その後の2011円まで調整した調整幅の3分の2戻し水準を固めていた。PERは、16倍台と割安であり、全値戻しで上場来高値を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:20
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