ウォーターダイレクト<2588>(東マ)は、5月21日につけた上場来高値4280円から全般相場急落とともに、2007円安値まで突っ込み、ストップ高を交えて3分の1戻し水準まで急速に戻してもみ合っているが、半値戻し、全値戻しとリバウンド幅の拡大が有力で、下値は逆張り妙味を示唆している。6月16日からカンボジアで国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産会議が開催され、早ければ21日にも富士山の世界文化遺産への新規登録が正式決定する運びにあり、関連して同社株に直近IPO(新規株式公開)株人気が再燃する展開が想定されるからだ。今3月期業績が続伸、連続の過去最高純利益更新が予想されているや、カラ梅雨により今夏の水不足が懸念されていることも、株価材料として脚光を浴びよう。
富士山の世界文化遺産への新規登録は、今年5月の大型連休中に第1報が伝えられて同社株など関連株が人気化した。同社は、富士箱根伊豆国立公園内に所在する同社富士吉田工場内の地下200メートルの水源からナチュラルミネラルウォーターを汲み上げ、4回に及ぶフィルターろ過により異物を除去して殺菌、非加熱処理した「CLYTIA25」を宅配しており、関連人気を高めた。
株価は、今年3月に公開価格1200円でIPOされ、3630円高値まで買い進まれ、1787円まで調整し2000円台固めを続けていたが、この富士山文化遺産登録報道で2775円の戻り高値まで買われた。
同社は、業績も好調である。前3月期業績は、IPO時予想を上方修正して連続増益率を伸ばして着地し、今期は、売り上げ93億8600万円(前期比30%増)、経常利益6億500万円(同56%増)、純利益3億7000万円(同3%増)と見込んでいる。家電量販店、百貨店、ショッピングモールなどの店頭でデモンストレーション販売する独自のビジネスモデルにより、新規顧客の開拓と既存顧客の囲い込みを進めていることが寄与するもので、富士山の文化遺産登録は、業績の一段の押し上げ材料としても注目を集めよう。
株価は、今期業績の連続最高純益更新予想で最高値まで2割高して大きく調整したが、PERは16倍台と割安である。カラ梅雨で利根川水系のダムの貯水率が低下、首都圏での今夏の水不足が懸念されていることも加わり、最高値奪回も十分に射程圏に入ってこよう。(本紙編集長・浅妻昭治)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:23
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