
前日23日に日経平均株価が、1143円安と13年11カ月の大暴落となる環境下、早めに調整入りしていた
大京<8840>(東1)の新規まき直しに注目したい。株価水準も年初来安値206円から同高値419円までの上昇幅の半値押し水準まで下げて値幅調整、この水準で下げ止まれば、低位値ごろの割安株買いが再燃する可能性がある。かつて前々回の1980年代のバブル景気の過剰流動性相場では、6510円の高株価を示現した実績もあり、突っ込み場面は、先祖返りも期待する逆張り余地を示唆している。
同社株が、4月22日につけた年初来高値から早めに調整期入りしたのは、もちろん、長期金利の上昇で住宅ローン金利のアップ懸念が強まったことが第一である。それに加えて、同社は、今3月期業績の減益転換を予想したことも売り材料視された。不動産開発事業でマンション販売の仕入れを厳選、売上戸数のバリュームが減少することが要因となる。売り上げは3300億円(前期比9%減)、経常利益は145億円(同28%減)と予想、ただ純利益は、今年3月に更生会社・穴吹工務店の株式を取得し連結子会社化したことで負ののれん発生益を特別利益に計上、210億円(同35%増)と増益転換を見込んでいる。
同社は、3大都市圏を中心にマンション分譲事業を展開、この発売戸数ランキングでは2012年実績で6位に位置しシェアは3.3%、首都圏に限れば5位でシェアが4.3%と大手企業の一角を形成し、地方都市主力の穴吹工務店をグループ化したことも、シナジー効果を発揮する。今後、消費税引き上げ前の駆け込み需要が激化するなかで、業績期待も高まる。またマンション管理受託戸数も、グループ全体では業界トップを占めており、これも業績を下支えする。
株価は、前々回の過剰流動性相場時には同社が旧司法研修所の跡地を高値落札したことなどで上場来高値をつけ、バブル破綻とともに長い苦難を経て
オリックス<8591>(東1)傘下で経営を再建してきた。PERは6倍台と下げ過ぎを示唆しており、リバウンド幅を拡大しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:55
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