京都銀行<8369>(東1)は、8月1日に底放れを示唆する長大な陽線包み足を示現し注目の株価ステージ入りをしている。7月23日に同社が、第6位の大株主に名を連ねる
日本電産<6594>(東1)が、今3月期業績を上方修正して株価が急伸して以来、京都に本社を置くエレクトロニクス関連のハイテク株の株価が動意付いてしており、この京都銘柄を多数保有する同社の保有有価証券の含み益拡大を手掛かりに京都株ファンド人気を高め割り負け修正期待を高めているものだ。京都株は、きょうの為替相場の円高反転で反落しており、同社株価も影響を受けているが、ハイテク株の再騰発進に追随して、同社株も、年初来高値1106円も射程圏に捉える展開が有力となりそうだ。
同社は、取引関係の維持・強化を目的に京都銘柄を中心にハイテク株を多数保有、日電産のほか
任天堂<7974>(東1)では第6位、
京セラ<6971>(東1)では第4位、
村田製作所<6981>(東1)では第7位、
堀場製作所<6856>(東1)では第8位のそれぞれ大株主の位置にある。このため有価証券報告書によれば、前2013年3月期末の資本金額の100分の1を超える保有株式は、64銘柄を数え、期末残高は3兆317億円、時価会計に伴う有価証券の含み益は、360億円増加して1917億円となった。
今年7月31日に発表した今3月期第1四半期(1Q)決算でも、日経平均株価が、3月29日の1万2397円から6月28日に1万3677円と上昇したことから含み益が拡大、3月末に比較して265億円拡大して2182億円となった。今後、京都銘柄が、全般相場の「リスクオン」の高まりとともに上値を追う展開となれば、同社の含み益もさらに増勢となってくる。
同社は本業も好調で、今期1Q業績は、前年同期比4%増収、29%経常増益、32%純益増益と増収増益転換して着地した。役務取引等収益や国債などの債券売買益を中心としたその他業務収益の増加で増収転換し、利益は、資金調達費用や株式等償却を中心としたその他経常費用の減少で増益転換した。第2四半期(2Q)累計・3月通期業績は期初予想に変更はなく、通期経常利益は223億円(前期比20%減)、純利益は136億円(同22%減)と見込んでいるが、1Q利益は、通期予想業績に対して54〜56%の進捗率と目安の25%を大きく上回っている。
株価は、前期第3四半期の好決算に日銀の異次元の金融緩和が続いて年初来高値まで買い進まれ、全般相場急落とともに同安値715円までほぼ往って来いの調整となり、3分の1戻し水準で方向感を模索していた。PER評価では23倍台と市場平均を上回るが、PBRでは0.7倍と割り負けており、きょう5日付けの日本経済新聞で観測報道された地銀再編思惑も波及して一段の戻りにチャレンジしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:42
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