日本管財<9728>(東1)は、6月4日につけた1471円安値で4月2日につけた1447円にダブルボトム(二点底)を形成し、ここにきての全般相場急落で、この2点底を瞬間的に下抜ける年初来安値1378円まで急落したが、下げ過ぎとして底上げ展開が想定される。目指すのは今年1月15日、5月8日とつけた年初来高値1642円のダブルトップ抜けである。このエンジンになるのは建物管理運営事業の安定収益源に支えられた堅調な業績推移であり、低PER・PBR修正の割安株買いである。国内、豪州と続いた積極的なM&Aなども再評価されよう。
同社の株価は、「アベノミクス」効果を先取りする含み資産相場に乗って昨年11月安値1454円から今年1月の年初来高値まで200円高し、前3月期第3四半期の減益着地業績などから往って来いの調整となり、同安値から今期業績の連続増益業績を評価して年初来高値に顔合わせするダブルトップを形成、長期金利上昇などで不動産株人気が後退する影響で再度、調整、ダブルボトムを形成、今回、この二点底を下抜けた。
ただこのダブルボトム抜けは、下げ過ぎが明らかである。同社は、不動産セクターに属するが、不動産の開発や分譲などの景気状況や金利動向に左右されるフローのビジネスではなく、ビルやマンションの管理業務を受託するストックビジネスを中心としており、ストックの積み上がりとともに業績も安定的に推移するためである。今3月期業績も、連続の増収増益となり、純利益は、26億円(前期比8%増)と予想され、年間40円配当を安定継続する。
この安定収益源は、今年3月の豪州の住宅管理会社PICA社の持分法適用会社化や、今年6月の関西地区を地盤とするマンション管理会社エヌ・ジェイ・ケイ・ホールディング(大阪市中央区)の完全子会社化などで一段と強化される。また成長分野としては、社会インフラの整備、公共施設の建設・運営業務を民間企業の資金とノウハウを利用して効率化するPFI事業も展開、環境施設管理事業として上下水道処理施設、ゴミ焼却施設、リサイクル施設などの新規案件の受託を進め、「アベノミクス」の成長戦略第3弾の先を行っている。
株価は、この6カ月間、ダブルボトムとダブルトップを往復する200円幅のボックス相場が続き、その下限を下抜けたが、PERは9倍台、PBRは0.9倍台割れと割安である。高値奪回からは2009年10月高値1883円も上値目標に浮上しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:50
|
注目銘柄