
今期連結業績見通しは1月31日に2回目の減額修正を発表して、売上高が前期比0.3%減の6800億円、営業利益が同37.4%減の245億円、経常利益が同35.3%減の255億円、純利益が同27.7%減の105億円としている。国内化粧品事業が低調なことに加えて、中国市場の売上が日本製品に対する不買行動の影響などで想定を大幅に下回る模様だ。また生産・研究開発拠点再編に伴って固定資産減損損失を計上する。なお想定為替レートは年間ベースで1米ドル=79円80銭、1ユーロ=102円60銭、1中国人民元=12円70銭としている。足元の円高修正の動きはプラス要因だろう。
来期(14年3月期)の連結業績については円高修正メリット、海外での「グローバルメガブランド」戦略6ブランドの育成効果などに加えて、鎌倉工場の閉鎖とベトナム工場への生産移管、基礎と製品の研究所統合、人件費削減などの構造改革の寄与が期待されるだろう。
株価の動きを見ると、1月中旬の1200円台後半から一旦は反落したが、すぐに切り返した。3月11日には1372円まで上値を伸ばして1月8日と15日の1287円を突破した。その後も概ね戻り高値圏の1300円台で推移している。今期減額修正を織り込んで来期の業績改善に対する期待感を強める動きだろう。3月27日の終値1330円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS26円38銭で算出)は50倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は3.8%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS729円89銭で算出)は1.8倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均がサポートラインとなって出直り歩調の展開である。指標面では高配当利回りが支援材料だろう。来期の業績改善に対する期待感で、短期調整を挟みながら水準を切り上げる展開だろう。(本紙シニアアナリスト・水田雅展)
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