
今期連結業績見通しは、売上高が前期比9.9%増〜13.2%増、営業利益が同14.3%増〜21.4%増、経常利益が同12.8%増〜20.3%増、純利益が同0.9%増〜10.1%増のレンジ予想としている。主力のEC事業は質の高い会員小売店や出展企業の獲得により「スーパーデリバリー」の利用が増加基調であり、新規分野の締め支払い決済サービス「Paid」サービスの加盟企業も順調に増加している模様だ。純利益は特別損失に本社移転費用を計上することが影響するが、営業利益は売掛債権保証事業での人件費増加など先行投資負担を増収効果で吸収する見込みだ。本社移転による家賃負担減少も寄与する模様だ。通期予想(レンジ予想の中間値で算出)に対する第3四半期累計(12年5月〜13年1月期)の進捗率は、売上高が71.4%、営業利益が80.6%、経常利益が83.2%、純利益が67.0%である。サイト利用が拡大基調であることも考慮すれば、利益面では上振れの可能性があるだろう。
株価の動きを見ると、水準を切り上げて10万円台を回復した後、3月中旬に動意付いて3月28日の18万8000円まで急騰した。08年7月の16万円を一気に上抜いて08年6月の20万3000円に接近した形である。足元は急騰後の反動で上げ一服の形だが、概ね15万円〜16万円近辺で堅調に推移している。今期好業績見通しを評価して増額も期待する動きだろう。4月5日の終値15万8200円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社レンジ予想の連結EPSの中間値6331円90銭で算出)は25倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS6万7498円40銭で算出)は2.3倍近辺である。
3月中旬に動意付いて急騰したため週足チャートで見ると過熱感を残しているが、上昇トレンドに変化はないだろう。日足チャートで見ると、25日移動平均線が接近して再動意の可能性がありそうだ。好業績見通しを評価して上値を追う展開が期待され、08年6月以来の20万円台は射程圏だろう。(本紙シニアアナリスト・水田雅展)
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