
3月14日発表の前期(13年1月期)業績(非連結)は、売上高が前々期比39.9%増、営業利益が同43.9%増、経常利益が同51.0%増、純利益が同32.9%減だった。純利益は税金費用発生で減益だったが、登録会員数が順調に増加し、取扱冊数の増加も寄与して大幅増収、大幅営業増益だった。特にモバイル向け電子書籍配信事業が同71.1%増収と好調だった。
今期(14年1月期)見通しは、売上高が前期比31.8%増の40億13百万円、営業利益が同5.8%増の4億71百万円、経常利益が同5.6%増の4億71百万円、純利益が同13.9%増の2億85百万円としている。新規顧客獲得のための広告宣伝費増加や、品揃え増強のための人員増加などが利益圧迫要因となるが、配信冊数増加などで増収増益の見込みである。
株価の動きを見ると、14日の決算発表後に前日比293円(15.90%)安まで急落する場面があった。発表前日に戻り高値圏の1800円台に上昇していたこともあり、決算発表で材料出尽くしとされ、利益確定売りが優勢になったようだ。ただし14日は終値で前日比204円(11.07%)安まで戻し、15日と18日は上昇に転じている。利益確定売りが早くも一巡して、今期好業績見通しを評価する動きのようだ。18日の終値1683円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想EPS69円35銭で算出)は24〜25倍近辺、実績PBR(前期実績BPS261円26銭で算出)は6倍近辺となる。
日足チャートで見ると急落場面でも25日移動平均線を割り込まず、週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートして、下値を切り上げる形となった。強基調を維持しているようだ。利益確定売りは一巡した模様であり、12年11月の高値1960円が視野に入りそうだ。市場全体で電子書籍関連の人気がやや沈静化しているが、中期的な収益拡大期待で上値を試す可能性があるだろう。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)