
前期(13年3月期)連結業績見通しは、10月31日に減額修正して売上高が前期比1.2%減の1462億17百万円、営業利益が同18.2%増の29億53百万円、経常利益が同16.4%増の30億80百万円、純利益が同26.0%増の19億03百万円としている。鋼材市況の低迷で増益幅が縮小するが販売数量は堅調であり、在庫価格も低下しているためマージン率を維持して増益を確保する模様だ。請負工事も順調な模様である。なお経営効率化に向けて、3月1日付で100%連結子会社の横浜鋼業を吸収合併している。
今期(14年3月期)については、12年度補正予算や13年度予算における公共投資増加などアベノミクス効果で、販売数量の増加に加えて鋼材市況の上昇も予想され、市況上昇局面でのマージン率改善が寄与して増収増益が期待されるだろう。
株価の動きを見ると、アベノミクス相場に乗る形で水準を切り上げている。2月6日の919円まで上昇した後に一旦は反落したが、すぐに切り返して3月21日には戻り高値となる933円まで上値を伸ばした。足元も高値圏の概ね900円近辺で堅調に推移している。4月8日には928円まで上値を伸ばす場面があり、高値を試す態勢のようだ。今期業績に対する期待感を強める動きだろう。4月8日の終値913円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS91円81銭で算出)は10倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間27円で算出)は3.0%近辺、実績PBR(前々期実績の連結BPS2229円08銭で算出)は0.4倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線近辺でモミ合う形だが、3月21日の高値に接近している。また週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形で、再動意の構えを見せている。指標面には割安感があり、上値追いの展開が期待されるだろう。09年7月以来の1000円台回復は射程圏であり、1000円台に乗せれば一段高の可能性もありそうだ。(本紙シニアアナリスト・水田雅展)
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