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記事一覧 (07/10)【株式市場特集】変わるバリュー株の条件(1)――系統用蓄電所に広がる成長機会
記事一覧 (07/08)【AIデータセンター投資】半導体株調整後の新テーマ、データセクションの大型GPU投資に注目
記事一覧 (07/06)SOX急落後も相場は崩れず、TOPIX最高値が映す物色の広がり
記事一覧 (07/06)【株式市場特集】小型バリュー株、新工場・増産投資で再評価余地
記事一覧 (07/04)【人の行く裏に道あり 花の山】降格・重複上場株に再評価余地、2026年後半相場で探る逆張りバリュー
記事一覧 (06/30)森保ジャパン、ブラジルに2−1惜敗も互角の善戦、Jリーグ熱再燃でサッカー関連株に再評価余地
記事一覧 (06/29)【株式市場特集】東証改革で市場区分変更銘柄に注目、降格・重複上場株に見直し余地
記事一覧 (06/24)【特集】ナフサ代替品関連株に再評価余地、政府の安定供給策と素材転換が追い風
記事一覧 (06/22)【株式市場特集】金先物価格関連株、分散ステージで再評価余地、リユース株に再攻勢の芽
記事一覧 (06/21)森保ジャパン、チュニジアに4発快勝、突破へ王手、サッカー関連株に第2幕
記事一覧 (06/20)【日経平均7万円時代の歩き方】出遅れた投資家が今から探すべき「シン・内需株」の正体
記事一覧 (06/18)【マーケットセンサー】日銀利上げで低PBR金融株に選別再評価、地銀・保険へ循環物色の芽
記事一覧 (06/15)【株式市場特集】銀行株に金利上昇メリット、メガバンク3行の資金利益上振れに期待
記事一覧 (06/14)【マーケットセンサー】東京エレクトロンと電線株に見る株式分割の再評価余地
記事一覧 (06/13)【マーケットセンサー】6月末株式分割銘柄は「セット材料」で選別へ
記事一覧 (06/08)【株式市場特集】6月末株式分割29銘柄に権利取り妙味、増配・上方修正・自己株買いのセット銘柄を選別
記事一覧 (06/06)サッカー特需の本命を探る、放映・用品・クラブ株に広がる物色候補
記事一覧 (06/05)W杯熱狂がJリーグを動かす、秋春制移行でサッカー関連株に再評価余地
記事一覧 (06/01)【株式市場特集】Jリーグ関連株、筆頭株主株と命名権銘柄に注目、W杯機運で物色広がる
記事一覧 (05/25)【株式市場特集】低PBR株に株主還元強化の思惑、DOE引き上げが見直し材料に
2026年07月10日

【株式市場特集】変わるバリュー株の条件(1)――系統用蓄電所に広がる成長機会

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■AI時代の電力制約が新市場を形成

 7月10日の東京株式市場は、日経平均株価が前日比813円88銭高の6万8557円73銭と大幅続伸し、TOPIXも15.71ポイント高の4036.08となった。米ハイテク株高を受けてAI・半導体関連が指数を押し上げる一方、物色は電力設備や不動産など周辺分野にも広がった。生成AIの普及とデータセンターの増設は、半導体需要だけでなく、電力供給や送配電網、蓄電設備への投資を促している。

 なかでも系統用蓄電所は、太陽光や風力など出力が変動する再生可能エネルギーを電力系統に受け入れ、余剰電力を蓄え、需要が高まる時間帯に放電する役割を担う。AIによる電力需要の増加と再生可能エネルギーの普及が重なるなか、電力の安定供給を支える設備として重要性が高まっている。

■同じ関連株でも収益構造は異なる

 ただし、「系統用蓄電所関連」を一括りに評価することはできない。事業モデルは、蓄電所を保有して運用収入を得る企業、用地や電力系統への接続権を確保して開発・売却する企業、蓄電設備を製造・供給する企業、AIや制御技術で運用を最適化する企業に分かれる。

 保有・運用型は継続収益を期待できる一方、建設資金や借入金が膨らみやすい。開発・売却型は資本回転を速められるが、利益計上の時期によって業績が変動する。設備供給型では受注残や生産能力、原材料価格が収益を左右する。発表された開発カ所数だけでなく、系統接続の時期、投資額、稼働実績、営業キャッシュフローまで確認する必要がある。

■低PERと成長テーマが交差

 ポート<7047>(東証グロース)は、京都府木津川市、長野県下伊那郡、京都府福知山市の3カ所で新たな開発投資を決定した。投資予定額は合計約11億円で、グリーンローンによる銀行借り入れを活用する。これにより、2027年3月期の開発投資は目標の10カ所に達し、稼働済み3カ所を含めて13カ所体制となる。

 7月10日終値は2546円、会社予想PERは10.09倍だった。既存事業の利益成長に蓄電所の継続収益が加わる構図は評価材料となるが、開発拡大に伴う借入金、金利負担、投資回収期間は点検が必要だ。

 ADワークスグループ<2982>(東証プライム)は、不動産事業で培った用地取得力や権利調整力を蓄電所開発に活用している。10日終値は396円、予想PERは6.29倍、PBRは0.91倍、予想配当利回りは5.05%。低PER、PBR1倍割れ、高配当に成長テーマが加わるが、蓄電所を売却して利益を得るのか、長期保有して運用収益を積み上げるのかで評価軸は変わる。

■接続権と資本効率が選別の軸に

 系統用蓄電所では、土地を保有しているだけでは事業化できない。送配電網への接続可能性、接続までの期間、系統増強工事の費用、地域との調整が採算を左右する。変電所に近く、早期接続が可能な用地は、一般の不動産とは異なる希少資産になり得る。

 一方、パワーエックス<485A>(東証グロース)のような設備供給企業は、低PER株というより将来の受注と利益成長を織り込む成長株に近い。同じ蓄電所関連でも、保有・開発企業と設備メーカーを同じ物差しで比較することはできない。

 新しいバリュー株の条件は、単にPERが低く、成長市場に参入していることではない。用地、接続権、顧客基盤、制御技術など模倣しにくい資産を持ち、それを継続的なキャッシュフローへ転換し、資本コストを上回る収益率を確保できることが重要になる。

 2026年後半相場では、AI・半導体そのものだけでなく、AIの拡大によって生じる電力不足や送配電網の制約を、どの企業が利益に変えられるかが焦点となる。開発件数の多さではなく、稼働実績、投資回収、財務規律まで見極めることが、テーマ株と新しいバリュー株を分ける条件となりそうだ。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 19:00 | 特集
2026年07月08日

【AIデータセンター投資】半導体株調整後の新テーマ、データセクションの大型GPU投資に注目

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■半導体株だけでは見えないAI相場の広がり

 AI関連相場というと、まず半導体株に目が向きやすい。だが、生成AIの普及によって広がる投資対象は、半導体株そのものに限らない。GPUサーバー、データセンター、電力供給、冷却設備、通信インフラ、建設、不動産など、AIを動かすための基盤整備は多層的に広がっている。株式市場では、AIを「作る企業」だけでなく、AIを「動かす設備」を持つ企業にも選別の視線が向かい始めた。

 足元では米半導体株指数の急落を受け、国内の半導体関連株にも警戒感が強まっている。高成長テーマへの過熱感が意識されれば、値動きの大きい銘柄ほど利益確定売りの対象になりやすい。しかし、半導体株の調整は、AIインフラ需要そのものの後退を意味しない。むしろ相場が冷静さを取り戻す局面では、「AI関連」という大きな括りではなく、どの企業が設備を確保し、稼働させ、収益に結び付けられるのかが問われる。

■大型投資が映すインフラ型AI相場

 その流れを示す一例がデータセクション<3905>(東証グロース)である。同社はタイに新設するAIデータセンター向けに、NVIDIA製B200を搭載したGPUサーバー587台、GPU計4696個を取得する。取得金額は411億3000万円に上る。これに先立ち、千葉県印西市やオーストラリア・シドニーのAIデータセンター向けにもGPUサーバーの取得を進めており、AIインフラ事業を成長の柱に据える姿勢を鮮明にしている。

 この大型投資が示すのは、単なる設備購入にとどまらない。AI相場の評価軸が、半導体株の値動きから、計算資源を事業として提供できる企業の実行力へ移りつつあることだ。高性能GPUを確保できるか、電力や冷却を含めた運用体制を構築できるか、さらに稼働率を高めて収益化できるか。AIデータセンター投資では、技術力だけでなく、資金調達力、設備調達力、顧客獲得力が一体で問われる。

 同社の27年3月期連結業績は、売上高が前期比約4.8倍、親会社株主に帰属する当期純利益が同約3.1倍に拡大する見通しである。会社計画の利益水準からみれば、成長期待と株価指標の両面で市場の関心を集めやすい。ただし、大型設備投資には投資回収、稼働率、契約条件、電力コストなどのリスクも伴う。成長期待が大きいほど、市場は実行力と収益化の確度を厳しく見極めることになる。

■焦点は「AIを動かす力」へ

 AI相場の本質は、半導体株の値上がりだけではない。生成AIやデータ処理需要が増えるほど、計算資源を安定的に供給する企業の重要性は高まる。データセンターを支える電力、土地、サーバー、冷却、運用能力はいずれも競争力の一部となる。株式市場では、単に「AI関連」と呼ばれる企業ではなく、AIのどの工程で収益を得るのかを見極める必要がある。

 AIデータセンターの拡大は、設備投資型の企業にも新たな成長機会をもたらす。大型投資は短期的には財務負担となるが、需要を取り込めれば収益構造を大きく変える可能性がある。ここに成長株とバリュー株の接点がある。高成長テーマでありながら、評価の焦点は将来の夢物語ではなく、設備の稼働、契約の積み上げ、利益率の維持という現実的な指標へ移っていく。

 今後の焦点は、AIデータセンター投資がどこまで実需として業績に反映されるかである。半導体株が急落しても、AIインフラ需要そのものが消えるわけではない。むしろ、相場が冷静さを取り戻すほど、実際に設備を取得し、稼働させ、収益に結び付ける企業が選別される。AI相場の次の銘柄地図は、半導体株の外側、すなわちAIを動かすインフラの領域に広がっている。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 19:49 | 特集
2026年07月06日

SOX急落後も相場は崩れず、TOPIX最高値が映す物色の広がり

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■TOPIX最高値が示した相場の底堅さ

 6日の東京株式市場は、半導体株の急変動を警戒しつつも、相場全体の底堅さを確認する展開となった。日経平均株価は前週末比6円38銭安の6万9737円69銭と小幅に反落したが、TOPIXは37.36ポイント高の4101.96と6日続伸し、終値で最高値を更新した。東証プライム市場では値上がり1142銘柄、値下がり384銘柄、横ばい32銘柄となり、指数の表面以上に物色の広がりが目立った。

 日経平均は値がさ株の影響を受けやすく、半導体関連や電子部品関連の一角に売りが残ると上値を抑えられやすい。一方、TOPIXは幅広い銘柄の動きを映しやすく、6日の最高値更新は、主力の一部が不安定でも相場全体が崩れていないことを示した。市場の関心は、半導体株の短期的な値動きだけでなく、出遅れ株や内需株、景気敏感株などへ広がりつつある。

■半導体株の荒さと資金シフト

 前週末にかけては、米国市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が5.44%安と急落した流れを受け、東京市場でも半導体関連株に動揺が広がった。3日の東京市場では、日経平均株価が朝方に一時1123円安となり、メモリ半導体株の代表格であるキオクシアホールディングス<285A>(東証プライム)も一時9070円安まで売られた。ただ、大引けにかけて日経平均は前日比1010円92銭高と急反発し、キオクシアHDも7040円高で終えるなど、急落後の押し目買い意欲も確認された。

 この値動きが示したのは、半導体株相場の終わりというより、強いテーマ株ほど値動きが荒くなりやすい局面に入ったということだ。AI関連投資の拡大を背景に、半導体株は相場の牽引役となってきた。その分、株価には先行期待も織り込まれており、外部環境や米国株の変動、決算への見方が変われば、短期資金の売買も大きく振れやすい。

■主役株一辺倒から物色の広がりへ

 6日の相場で注目すべきは、半導体株の一角に売りが残ったにもかかわらず、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を大きく上回った点である。これは、半導体株の調整が相場全体の崩れに直結しているわけではないことを示している。むしろ、これまで相場を牽引してきた銘柄群に利益確定売りが出る一方で、出遅れ感のある銘柄や内需関連、景気敏感株などに資金が向かう流れが強まっている。

 強い相場では、上がる銘柄に資金が集中しやすい。上昇が上昇を呼ぶ展開は投資家心理を明るくし、短期資金も呼び込みやすい。しかし、その流れが一方向に偏りすぎると、ひとたび調整が入った際の反動も大きくなる。今回の半導体株の急変動は、主役株に依存した相場の危うさを示す一方で、資金がほかの銘柄群へ広がるきっかけにもなった。

■強気相場でこそ問われる銘柄選別

 AI・半導体の成長ストーリーが崩れたわけではない。データセンター投資や生成AIの普及、メモリ需要の拡大といった中長期の材料はなお残る。ただ、株価が期待を先取りして上昇してきた銘柄ほど、材料の出尽くし感や需給悪化に敏感になりやすい。好材料そのものよりも、それが株価にどこまで織り込まれているかが問われる段階に入っている。

 投資家に求められるのは、相場の勢いだけに乗る姿勢から一歩進み、業績、バリュエーション、需給、テーマの持続性を複合的に見る姿勢である。上昇率の高さだけで買い進む投資が直ちに通用しなくなると決めつける必要はない。しかし、株価の強さだけを根拠に買われる時間帯は、以前より短くなり始めている可能性がある。

 6日の相場は、半導体株の急変動を警戒しながらも、相場全体では底堅さと物色の広がりを確認する内容だった。日経平均株価は小幅安にとどまり、TOPIXは最高値を更新した。強気相場のなかでこそ、冷静なリスク管理と銘柄選別が試される局面である。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 19:51 | 特集

【株式市場特集】小型バリュー株、新工場・増産投資で再評価余地

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■5月連休明け後に30数銘柄が設備投資を発表、業績期待高まる

 今週の当コラムでは、積極的な設備投資を発表した小型ディフェンシブ株を「石積み」銘柄として注目する。「石積み」銘柄とは、半導体大手の数兆円もの巨額投資の足元にも及ばないものの、小規模ながら成長戦略として新工場の建設や増産能力の増強などを一歩一歩、一石一石進めている銘柄である。派手さはないが、業績面への期待も高まる。今年5月の連休明け後に「石積み」を発表した該当株は30数銘柄に及び、そのほとんどがバリュー株で占められている。相場全般を下支えするには力不足であることは否めないが、本命株に対する対抗株、あるいはダークホース株として人気を高める展開も想定範囲内となる。

■新工場・新物流センター・AIデータセンター建設や生産能力増強投資など盛り沢山

 まず注目は、総額580億円の設備投資計画を発表した食品トレー最大手のエフピコ<7947>(東証プライム)である。耐熱性、耐寒性、耐薬品性、耐衝撃性に優れる新素材「新OPPシート」を開発し、食品容器用途以外にも土木建築資材、建材、資源対策材、太陽電池など幅広い産業分野への展開が可能として、2029年の商業生産開始を目指し、410億円を投じて生産工場を建設する。さらに首都圏エリアへの安定供給を強化するため、170億円を投じて新物流センターも建設する。今3月期業績は、中東情勢による原油価格急騰など先行き不透明感から合理的に算定するのは困難として未定と予想したが、前期実績の1株利益からみた実績PERは14倍と割安である。

■AIデータセンター関連ではデータセクションも要注目

 次いで、新工場建設ではないが、411億3000万円でエヌビディア製先端半導体を搭載したGPUサーバー一式(587台)を、タイに新設するAIデータセンターに導入するため取得したデータセクション<3905>(東証グロース)も要注目となる。同社は、これに先立ち、すでに千葉県印西市や豪州シドニー市に新設するAIデータセンター向けにもGPUサーバーを取得した。今3月期業績は、このAIインフラ事業のフル寄与から売上高は前期比3.1倍、純利益は同4.8倍と予想し、PERは13倍〜17倍と割安になる。

■設備投資で浮上する割安株

 このほか、注目される設備投資計画を発表し、株価がまだ割安水準にとどまっている銘柄を挙げると、以下の通りとなる。28億円を投じて新物流センターを建設するあじかん<2907>(東証スタンダード)、36億円超で工場建設用地を取得したザ・パック<3950>(東証プライム)、15億円でガラスびん生産設備を更新する石塚硝子<5204>(東証スタンダード)、老人ホームの土地・建物3物件を16億円超で取得したCAPITA<7462>(東証スタンダード)と続き、PERは6倍〜14倍と市場平均を下回る。

 北川精機<6327>(東証スタンダード)は、あじかんと並び年初来高値を更新し、PERは109倍と割高だが、8000万円で新工場用地を取得し、目下集計中の2026年6月期業績を上方修正した。また、新工場用地を100億円で取得した有沢製作所<5208>(東証プライム)は、PERは22倍と市場平均を上回るが、配当利回りは3.5%とバリュー株の素地を内包している。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:57 | 特集
2026年07月04日

【人の行く裏に道あり 花の山】降格・重複上場株に再評価余地、2026年後半相場で探る逆張りバリュー

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 相場が強いときほど、投資家の視線は同じ方向へ向かいやすい。2026年前半の東京市場では、AI・半導体関連株が主役となり、指数を押し上げてきた。生成AI、データセンター、半導体材料、電力インフラといった成長テーマには資金が集中し、値がさハイテク株の動きが相場全体の温度を決める場面も多かった。

 だが、人気の表街道ばかりを追えば、相場の急変時には値幅リスクも大きくなる。7月3日の東京市場では、日経平均株価が大幅反発し、TOPIXも上昇した。前日の半導体関連株主導の急落に対する買い戻しが入り、物色は値がさハイテク株だけでなく、内需株、景気敏感株、出遅れ株にも広がった。高値圏で指数の振れが大きくなるほど、投資家は次の受け皿を探し始める。そこで浮上するのが、これまで敬遠されてきた市場区分変更銘柄や重複上場株である。

■人気の陰に残された「裏道」

 相場格言に「人の行く裏に道あり 花の山」がある。多くの投資家が同じテーマに殺到する局面では、その反対側に放置された銘柄群が生まれる。プライムからスタンダードへの移行銘柄、複数市場への重複上場銘柄、流動性や時価総額の面で主力株の陰に隠れた銘柄群は、まさにその「裏道」に位置する。

 もちろん、市場区分変更は無条件の買い材料ではない。プライム市場からスタンダード市場へ移る銘柄は、投資家から「降格」と受け止められやすく、短期的には失望売りを浴びることも多い。プライム基準を満たせなかった、あるいは維持を断念したとの見方が広がれば、需給面では不利になる。だが、そこで思考を止めてしまえば、企業価値の変化を見落とすことになる。

■「降格」は企業価値の劣化と同義ではない

 市場区分の移行は、企業の実力そのものを一夜にして変えるものではない。むしろ、開示負担や上場維持コストを抑え、事業再建や収益力改善に経営資源を振り向けるため、あえて身の丈に合った市場を選ぶケースもある。投資家にとって重要なのは、プライムかスタンダードかというラベルではなく、その企業が本業で稼ぐ力を取り戻せるか、資本政策を改善できるか、株主還元を強められるかという点である。

 失望売りで株価が下がった銘柄ほど、業績回復や増配、自社株買い、事業再編などの材料が出たときの反応は大きくなりやすい。人気株の上昇余地が限られ始める局面では、こうした「売られ過ぎた理由」と「見直される理由」の差を見極めることが、逆張り投資の出発点になる。

■ユニチカが示したリターン・マッチの可能性

 その象徴例がユニチカ<3103>である。同社は4月1日にスタンダード市場へ移行した後、いったんは需給悪化への警戒を受けたが、AIデータセンター向け半導体関連素材やガラスクロスなどへの思惑を手掛かりに急反騰し、4月21日に株価データ上の上場来高値を記録した。市場区分変更というマイナス視されやすい材料が、テーマ性、事業再編、業績回復期待によって、一転して再評価の呼び水となった例である。

 この動きが示すのは、市場区分の変更そのものよりも、その後に何が起きるかの重要性である。降格銘柄であっても、成長テーマとの接点が明確になり、収益改善の道筋が見えれば、投資家の見方は変わる。株式市場は過去のラベルではなく、将来の変化に反応する。ユニチカの動きは、敬遠された銘柄にもリターン・マッチの機会があることを示した。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:00 | 特集
2026年06月30日

森保ジャパン、ブラジルに2−1惜敗も互角の善戦、Jリーグ熱再燃でサッカー関連株に再評価余地

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■敗退の悔しさは国内リーグへの関心に転化、秋春制移行で代表熱をクラブ価値へ

 サッカー日本代表はW杯決勝トーナメント1回戦(ラウンド32)でブラジルに2−1で惜敗し、悲願の上位進出はならなかった。だが、内容は決して完敗ではない。日本は前半29分に佐野海舟が先制し、W杯最多優勝国を相手に前半を1−0で折り返した。後半11分に追いつかれ、後半アディショナルタイムに決勝点を許したものの、王国ブラジルと互角に渡り合った90分余りは、日本サッカーが世界の強豪と正面から勝負できる段階に入ったことを強く印象づけた。

■勝利特需から「善戦後の余熱」へ

 敗退により、勝利した場合に想定された祝勝消費や次戦需要は消えた。スポーツバー、飲食店、コンビニ、デリバリー、応援グッズ、広告・メディア露出などの短期的な上振れは、勝利シナリオに比べれば限定的となる。ただし、ブラジル相手に先制し、終盤まで接戦を演じた事実は、単なる敗戦とは異なる余韻を残した。SNS、ニュース番組、ハイライト動画、専門メディアの論評を通じて、「惜しかった」「次こそは」という感情が広がりやすい。

 経済効果の焦点は、試合当日の消費から、敗退後の国内サッカー市場へ移る。深夜2時開始という時間帯は外食需要を抑えたが、家庭内観戦、コンビニ需要、動画視聴、SNS投稿、翌日以降のニュース消費は一定の厚みを持った。勝利による最大効果は失われたものの、善戦によって日本代表、育成、Jリーグへの関心が残る点は大きい。今回のブラジル戦は、短期のW杯特需から中期の国内サッカー投資テーマへ視点を移す契機となった。

■Jリーグは秋春制移行と重なる転換点

 重要なのは、代表人気の受け皿としてJリーグが存在することだ。Jリーグは2026/27シーズンから秋春制へ本格移行し、明治安田J1リーグは2026年8月7日、J2・J3リーグは同8日に開幕する。W杯直後に新シーズンが始まることで、代表戦で高まった関心を国内リーグへ誘導しやすい日程となる。日本代表がブラジルと互角に戦った記憶が新しいうちに、各クラブの観客動員、配信視聴、グッズ販売、スポンサー露出が試される。

 代表選手の所属クラブ、出身クラブ、育成組織にも光が当たりやすい。今回の敗退は悔しさを残したが、同時に「世界との差は埋まりつつある」という前向きな評価を生んだ。サッカースクール、ジュニア育成、地域クラブ、スタジアム観戦への関心が高まれば、Jリーグ全体の底上げにつながる。W杯で生まれた熱を一過性の代表人気に終わらせず、国内リーグの観戦文化、地域密着、クラブ経営の強化へつなげられるかが問われる。

■関連銘柄はクラブ経営・広告・配信・スポーツ用品へ

 株式市場では、短期の祝勝関連ではなく、Jリーグ再評価を軸にした関連銘柄が意識されやすい。広告・放送関連では電通グループ<4324>(東証プライム)博報堂DYホールディングス<2433>(東証プライム)日本テレビホールディングス<9404>(東証プライム)フジ・メディア・ホールディングス<4676>(東証プライム)などが、代表戦やJリーグ関連の広告、番組、スポンサー露出の連想を受けやすい。配信・スポーツ中継、デジタル接点ではサイバーエージェント<4751>(東証プライム)も関連テーマとして浮上しやすい。

 クラブ経営関連では、サイバーエージェント傘下のFC町田ゼルビア、メルカリ<4385>(東証プライム)傘下の鹿島アントラーズ、MIXI<2121>(東証プライム)が経営に関わるFC東京などが注目される。代表の善戦がクラブ価値や地域スポンサー価値を押し上げるなら、株式市場でも「サッカー関連」は単なるイベント物色から、地域スポーツビジネス、コンテンツ、広告、デジタル配信を含む中期テーマへ広がる可能性がある。

 スポーツ用品ではアシックス<7936>(東証プライム)ミズノ<8022>(東証プライム)が、サッカー用品、トレーニング用品、関連アパレル需要の連想を集める。飲料関連ではキリンホールディングス<2503>(東証プライム)アサヒグループホールディングス<2502>(東証プライム)などが観戦需要の波及先となる。スポーツバー関連ではハブ<3030>(東証スタンダード)が代表的な関連銘柄であり、代表戦後のサッカー観戦文化がどこまで定着するかが業績連想の焦点となる。

■敗戦を成長投資の物語へ変えられるか

 今回のブラジル戦は、結果だけを見れば敗退である。しかし、前半に先制し、世界最高峰の個の力を持つ相手に終盤まで食い下がった内容は、日本サッカーの現在地を示した。勝利による熱狂は得られなかったが、敗戦の悔しさは次の成長余地を可視化した。株式市場にとっても、短期の飲食・祝勝需要ではなく、Jリーグ、育成、配信、広告、クラブ経営、スポーツ用品を横断する中期テーマとして見直す局面に入ったといえる。

 焦点は、善戦の記憶をどれだけ国内リーグへ引き込めるかである。Jリーグが秋春制移行という大きな制度変更を迎えるなか、W杯の余韻は新シーズンの観客動員、スポンサー獲得、配信視聴、グッズ販売を押し上げる可能性を持つ。森保ジャパンのブラジル戦は、敗退に終わったものの、日本サッカー界にとっては次の成長を促す重要な一戦となった。W杯特需は「勝利の消費」ではなく、「悔しさを起点とするJリーグ再評価」へ姿を変えつつある。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:21 | 特集
2026年06月29日

【株式市場特集】東証改革で市場区分変更銘柄に注目、降格・重複上場株に見直し余地

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■降格銘柄にも割安修正期待

 東京証券取引所の上場維持基準厳格化を背景に、市場区分変更をめぐる銘柄選別が進んでいる。2026年1月から6月までに昇格銘柄は22社、降格銘柄は17社、重複上場会社は14社を数え、7月から10月1日までに基準不適合による上場廃止要因に該当する会社もすでに13社に上る。

 降格会社は「尻下がり銘柄」と評価される面もあるが、失望売りで割安感が強まった銘柄も目立つ。相場格言「人の行く裏に道あり 花の山」の視点から、降格会社や重複上場会社、なお上値余地を残す昇格銘柄の中から、リターン・マッチ余地のあるバリュー株を探る局面となっている。

■敢えてスタンダード市場を選択し半導体関連株人気で株価4倍化の先行ケースも

 「尻下がり」の降格銘柄が、「尻上がり」銘柄に一変する実績を示したのはユニチカ<3103>(東証スタンダード)である。同社は、2025年3月末では不適合だった東証プライム市場の上場維持基準の流通株式時価総額を今年2月6日に適合させていたが、同3月25日にはあえて東証スタンダード市場に市場区分変更をすることを選択し、4月1日にスタンダード市場に上場した。

 プライム市場にとどまった場合の開示体制負担や関連コストが大きく、経営資源を経営構造改革に集中し、収益力改善に取り組むことが企業価値の向上につながると判断した結果である。この市場区分変更を受け、株価はストップ安し、1005円まで急落した。

 ところがその突っ込み場面から、AIデータセンター用半導体向けのガラス繊維の好調推移を手掛かりに、ストップ高に次ぐストップ高で上場来高値4380円まで4倍化した。買い一巡後は、今3月期業績が前期業績を押し上げた特別利益の一巡で減益転換することが響き、ほぼ往って来いの調整となったが、それでも足元のPERは13倍と売られ過ぎを示唆している。もう一度の「尻上がり」展開を待つところだろう。

■降格銘柄の64%が低PER圏に

 ユニチカと同様に売られ過ぎを示唆している降格低PER株は、降格全17銘柄のうち11銘柄と64%を占める。

 市場区分変更の時系列順にあげると、1月14日のダイレクトマーケティングミックス<7354>(東証プライム)以下、クロス・マーケティンググループ<3675>(東証スタンダード)空港施設<8864>(東証スタンダード)Ubicomホールディングス<3937>(東証スタンダード)イノベーションホールディングス<3484>(東証スタンダード)アイ・アールジャパンホールディングス<6035>(東証スタンダード)タカミヤ<2445>(東証スタンダード)シード<7743>(東証スタンダード)スカラ<4845>(東証スタンダード)神戸電鉄<9046>(東証スタンダード)と続き、PERは6倍〜15倍の評価である。

 ダイレクトマーケティングがPER6倍、クロス・マーケティングGが8倍と10倍を割れ、スカラの配当利回りは5.1%、同じく空港施設、UbicomHD、タカミヤ、IRジャパンは4%を上回る。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:49 | 特集
2026年06月24日

【特集】ナフサ代替品関連株に再評価余地、政府の安定供給策と素材転換が追い風

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■中東リスクで浮かぶ石化原料の急所

 中東情勢の緊迫化を受け、石油化学原料であるナフサの安定調達が改めて株式市場の注目テーマに浮上している。ナフサはエチレン、プロピレン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの基礎化学品につながり、包装材、自動車部材、家電、建材、医療関連、日用品まで幅広い産業を支える。ホルムズ海峡を巡る物流リスクが意識されるなか、石化関連株では原料調達力、代替原料の活用、価格転嫁力、循環型素材への展開力が評価軸になりつつある。

 ただし、今回の焦点は単なる「ナフサ不足」ではない。政府は備蓄放出、代替調達、国内精製、川下在庫の活用などを組み合わせ、日本全体として必要な供給量の確保に動いている。課題は、必要な性状・用途に合う原料や中間製品が、必要な工場や需要家に届くかどうかという「流通の目詰まり」にある。全体量を確保しながら、偏在や用途別の不足を一つずつ解消する段階に入った点が重要だ。

■政府対応は量の確保から目詰まり解消へ進化

 政府の対応は、危機管理として一定の評価に値する。中東情勢に伴う重要物資の安定供給に向けたタスクフォースを立ち上げ、関係省庁が分野横断でサプライチェーン情報を集約する体制を整えた。経済産業省は中東情勢関連対策ワンストップポータルを設け、化学品、建材、溶剤、断熱材、インキなど、ナフサ由来製品の供給状況や業界団体の情報を一覧できるようにしている。

 これにより、政策の重心は「原料を確保する」段階から、「どこで滞っているかを見える化し、必要な用途へ融通する」段階へ移っている。医療、物流、農業、建設、住宅設備など、国民生活と産業活動に直結する分野を優先し、個別の目詰まり解消に取り組む姿勢は、企業活動と市場心理の下支えになる。株式市場にとっても、政府が全体量の確保と流通の正常化を同時に進めていることは、石化関連株への過度な悲観を和らげる材料である。

■代替ナフサの4ルート、既存設備を生かす企業が有利

 ナフサ代替の第1ルートは、植物油や廃食油などを由来とするバイオナフサである。既存の石化設備に投入できる「ドロップイン型」の原料であり、マスバランス方式を使えば、従来品と同等の物性を保ちながら、環境価値を製品に付与できる。自動車、電機、包装、繊維など大口需要家が低炭素素材を求めるなか、既存設備を生かして原料転換できる企業の優位性は高い。

 第2ルートは、廃プラスチックを熱分解・油化し、再びナフサクラッカーや石油精製装置の原料として使うケミカルリサイクルである。廃プラを単に燃料化するのではなく、エチレン、プロピレン、ベンゼンなどの基礎化学品へ戻す構想で、国内資源循環とエネルギー安全保障の両面で意義がある。回収、選別、前処理、油化、認証、需要家採用までをつなげる企業群が関連銘柄の中核となる。

 第3ルートは、石油由来樹脂を用途単位で置き換えるバイオマス素材である。ナフサクラッカーそのものを代替するわけではないが、食品包装、カトラリー、フィルム、発泡体、人工芝、医薬品包装などで採用が広がれば、川下から石油由来素材の使用量を減らす効果がある。第4ルートは、米国エタンなど中東ナフサに依存しにくい原料・立地を持つ企業である。調達先分散が重視される局面では、非中東依存の生産基盤も評価対象となる。

■中核候補は三井化学、三菱ケミカル、出光興産、ENEOS

 三井化学<4183>は、バイオマスナフサと廃プラ分解油の双方をクラッカーに投入し、マスバランス方式による化学品・プラスチックの展開を進める。太陽石油との協業検討では、三井化学のクラッカーでは処理しにくい廃プラ分解油の一部を太陽石油側で処理し、ケミカルリサイクル由来のナフサやプロピレンなどを供給する構想を掲げる。既存設備を活用しながら代替原料の幅を広げる点で、ナフサ代替関連の中核銘柄といえる。

 三菱ケミカルグループ<4188>は、ENEOSと共同で使用済みプラスチックの油化ケミカルリサイクルに取り組む。ケミカルリサイクルナフサを用いてエチレン、プロピレン、ベンゼンなどの基礎化学品と誘導品を製造できる点は、総合化学大手ならではの強みである。構造改革の進捗に加え、循環型原料の商業展開が進めば、低炭素素材と資源循環の両面で評価余地が生じる。

 出光興産<5019>は、子会社のケミカルリサイクル・ジャパンが千葉県市原市で使用済みプラスチックの油化ケミカルリサイクル設備を完工し、年間2万トンの処理能力を持つ商業運転体制を整える。生産したケミカルリサイクル油を同社グループの石油精製装置や石油化学装置で原料として使う流れは、石油元売りの設備と循環型素材を結びつける取り組みである。

 ENEOSホールディングス<5020>は、エネルギー安定供給と素材の低炭素化をつなぐ存在である。三菱ケミカルとのプラスチック油化事業では、リサイクル生成油を石油精製装置やナフサクラッカーの原料として活用し、石油製品や化学品、プラスチックへ再製品化する。燃料市況の大型株であり短期の値動きは原油価格に左右されやすいが、原料網と製油所機能を持つ強みは大きい。

■成長枠はカネカ、リファインバース、TRE、守りの別枠に信越化学

 カネカ<4118>は、100%植物由来の生分解性バイオポリマー「Green Planet」を展開する。植物油などのバイオマスを原料とし、微生物発酵プロセスで生産する素材で、海水や土壌中の微生物により分解される。ナフサを直接置き換えるクラッカー型銘柄ではないが、用途単位で石油由来プラスチックを減らす川下代替素材として注目できる。

 リファインバースグループ<7375>は、廃プラスチック再資源化の小型テーマ株として位置づけられる。オフィス由来プラスチックなどを再び製品へ戻す取り組みは、ケミカルリサイクルや再生素材の社会実装と親和性が高い。流動性や収益化の進捗には注意が必要だが、廃プラを資源として扱う産業構造の変化が追い風となる。

 TREホールディングス<9247>は、廃棄物処理、資源循環、再生可能エネルギーを軸とする。ナフサ代替の直接銘柄ではないものの、廃プラの回収、選別、品質管理はケミカルリサイクルの入口であり、循環型サプライチェーンの基盤を担う。再生原料化が広がるほど、川上の資源回収インフラの重要性は高まる。

 信越化学工業<4063>は、ナフサ代替というより「非中東ナフサ依存」の守りの銘柄である。米国子会社シンテックを通じて塩ビ事業を展開し、米国での原料・生産基盤を持つ。半導体材料や塩ビ市況の影響も大きいが、調達先分散、原料立地、海外生産基盤の観点では、地政学リスクに対する耐性が意識されやすい。

■株式市場では短期思惑より供給網構築力を重視

 ナフサ代替品関連株は、中東情勢や原油・ナフサ価格の変動を手掛かりに短期物色されやすい。ただし、単なる「環境関連」や「リサイクル関連」だけでは選別は難しい。株式市場が評価するのは、実際に代替原料を集められる企業、既存設備に投入できる品質へ加工できる企業、国際認証やマスバランス管理に対応できる企業、大口需要家へ採用を広げられる企業である。

 今回のテーマの本質は、ナフサ価格の一時的な上昇ではなく、日本の石化産業が中東依存、物流リスク、脱炭素、資源循環を同時に迫られている点にある。政府が全体供給量の確保と目詰まり解消を進めることで、足元の不安は一定程度抑えられる。一方で、企業側には代替原料の確保、調達先分散、既存設備の柔軟運用、GX投資の加速が求められる。

 相場では、三井化学、三菱ケミカルグループ、出光興産、ENEOSホールディングスが中核候補となる。カネカ、リファインバースグループ、TREホールディングスは成長・循環型素材の周辺候補、信越化学工業は非中東依存の安定枠として位置づけられる。政府対応によって短期の供給不安が和らぐ一方、素材産業の構造転換はむしろ加速する可能性がある。ナフサ代替品関連株は、危機対応とGX投資が交差する中長期テーマとして再評価余地がある。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:00 | 特集
2026年06月22日

【株式市場特集】金先物価格関連株、分散ステージで再評価余地、リユース株に再攻勢の芽

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■金先物価格は4200ドル台で売り買い交錯、逆回転シナリオなら関連株に再アタック余地

 金先物価格関連株は、米国とイスラエルのイラン攻撃、イランの報復攻撃を受けた「有事の金買い」で一時1トロイオンス=5400ドルまで上昇した後、長期金利上昇を背景に4100ドル台まで下落し、足元では4200ドル台の底値圏で売り買いが交錯している。逆回転シナリオが現実味を帯びれば、関連株に再評価余地が生まれる。先駆株は、貴金属価格の上昇や節約志向、生活防衛意識を追い風にしたリユース株である。「ユーズド・イン・ジャパン」を成長エンジンに海外事業拡大と業界再編が進んでおり、産金株やリサイクル株まで幅広くマークし、分散ステージ入りを試す局面である。

■リユース株は業界再編・M&Aも一部内包し次世代成長産業の有力候補

 再攻勢の先駆株として浮上するのは、リユース(買取販売)株だろう。リユース株は、もともと貴金属価格の急騰と家計の節約志向、生活防衛意識の高まりが相乗して人気化し、金先物価格の下落とともに調整局面が続いていた。しかし、日本の中古バッグ・時計など、家計に眠る退蔵資産が新たな経済価値を創造するとして脚光を浴び始めている。

 それを象徴するキーワードが「ユーズド・イン・ジャパン」である。「メイド・イン・ジャパン」と並んで日本製品の高品質を保証するビジネスモデルとして海外で人気を集めており、リユース各社は海外事業の強化を成長戦略の柱に据えている。この成長エンジンとして業界再編も進んでいる。日本では繊維産業であれ半導体産業であれ、自動車産業であれ医薬品産業であれ、海外事業の拡大が成長産業化のトリガーとなってきた。このチャンスがリユース株にも到来しているとみることができる。金先物価格が再騰する逆回転シナリオの前提付きだが、本家本元の産金株を含め、リサイクル(資源回収)株まで幅広くマークし、「分散」ステージ入りを試すところだろう。

■海外展開と再編期待でリユース株を再評価

 海外事業の積極展開がメディアで再三報道されるリユース株の代表は、6月11日に消費者庁から買取キャンペーンをめぐり景品表示法上の措置命令を受け、やや水を差されたゲオホールディングス<2681>(東証プライム)である。中古ブランドの品質の高さに加え、査定技術の精緻さや透明性などが海外顧客の高評価を受け、海外店舗を積極展開している。

 足元では、国内店舗931店、海外店舗148店の1079店舗を展開している「セカンドストリート」を含め、合計店舗数は2035店舗に達する。2030年度には5000店舗、うち海外店舗を1000店舗とする目標を掲げ、その時点のグループ売上高1兆円をターゲットとしている。

 またリユース業界の再編では、ワットマンが前週末19日にMBO(現経営陣による株式公開買い付け)により株式を非公開化したばかりである。ハードオフコーポレーション<2674>(東証プライム)は、北海道を地盤とする同業他社のエコノスを子会社化し、大黒屋ホールディングス<6993>(東証スタンダード)は、企業再生ファンドと資本業務提携して43億円超の資金を調達し、事業譲受や複数案件のM&Aを仕掛けようとしている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:51 | 特集
2026年06月21日

森保ジャパン、チュニジアに4発快勝、突破へ王手、サッカー関連株に第2幕

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日経平均7万円台の過熱相場に新テーマ
代表人気が短期物色を呼び込むか?


■鎌田先制、上田2発、伊東も続きチュニジアを圧倒

 サッカー日本代表は日本時間6月21日、W杯北中米大会1次リーグF組第2戦でチュニジアと対戦し、4−0で快勝した。初戦のオランダ戦を2−2で引き分けた日本は、今大会初勝利で勝ち点を4に伸ばし、決勝トーナメント進出へ大きく前進した。チュニジアは2連敗で勝ち点0にとどまり、1次リーグ敗退が決まった。

 日本は開始直後から主導権を握った。前半4分、中村敬斗の折り返しに鎌田大地が反応して先制。31分には上田綺世が追加点を決め、2点リードで前半を終えた。後半も攻勢を続け、69分に伊東純也が3点目を奪い、83分には佐野海舟のクロスに上田が頭で合わせた。上田はこの日2得点。日本の1試合4得点はW杯最多得点となり、節目のW杯通算1000試合目を快勝で飾った。

 大量得点と無失点により、日本は2試合を終えて勝ち点4、得失点差+4、総得点6とした。オランダと勝ち点、得失点差で並び、総得点の差でF組2位につける。最終戦の相手はスウェーデン。日本は引き分け以上で2位以内が確定し、決勝トーナメント進出が決まる。敗れても3位通過(2026年大会の新方式)の可能性は残るが、首位通過や有利な組み合わせを見据えれば、次戦も勝ち点3を狙う一戦となる。

■W杯相場は「期待継続」から「突破織り込み」へ

 株式市場にとって、チュニジア戦の4−0快勝は、サッカー関連株の短期テーマを一段押し上げる材料となる。初戦のオランダ戦では、敗北を回避して代表人気をつないだ。第2戦では、勝ち点3に加え、大量得点、無失点、上田2発、鎌田2試合連続弾、伊東の得点という分かりやすい材料がそろった。市場心理としては、「突破できるか」から「突破後にどこまで盛り上がるか」へ視点が移りやすい。

 直近の東京株式市場では、6月19日の日経平均株価が7日続伸し、終値は前日比196円57銭高の7万1250円06銭となった。朝方には取引時間中の史上最高値を更新し、7万2000円に迫る場面もあった。一方で、後場には利益確定売りに押される場面があり、TOPIXは3営業日ぶりに反落した。半導体関連株主導の上昇が続く一方、相場全体には過熱感も残る。この環境では、W杯関連株は主力株相場のすき間を埋める話題性のある短期テーマとして物色されやすい。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:40 | 特集
2026年06月20日

【日経平均7万円時代の歩き方】出遅れた投資家が今から探すべき「シン・内需株」の正体

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生成AI相場の次はフィジカルAIと値上げ力
脱デフレで再評価される日本企業の条件


■5日連続最高値、それでも広がる「出遅れ感」

 6月19日の東京株式市場で、日経平均株価は前日比196円57銭高の7万1250円06銭と7営業日続伸した。18日に付けた終値ベースの史上最高値7万1053円49銭を上回り、5日連続で最高値を更新した。朝方は米ハイテク株高を受け、AI・半導体関連に買いが先行し、7万2000円に迫る場面もあった。

 一方で、相場全体が一枚岩で上昇しているわけではない。買い一巡後は利益確定売りに押され、日経平均は一時500円超下落して7万1000円を下回る場面があった。TOPIXは反落し、東証プライム市場では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を上回った。指数は高値圏にあるが、投資家の体感温度にはばらつきがある。「指数は強いのに、自分の持ち株は上がらない」「人気株はすでに高くて買いづらい」という感覚は、むしろ自然である。

 ここで必要なのは、上昇した銘柄を後追いすることではない。次に資金が向かう産業構造の変化を読み、まだ評価が追いついていない企業群を探す視点である。日経平均7万円時代の投資戦略は、半導体やAI、防衛、電線、重電といった主力テーマの次に来る「次の主役」を見極める段階に入った。

■画面の中のAIから、現実を動かすAIへ

 生成AI相場は、文章作成、画像生成、検索、資料作成など「画面の中のAI」から始まった。だが、次の成長領域は現実世界に広がる。ロボット、工場、自動運転、物流、建設、医療・介護、店舗運営にAIが組み込まれる「物理AI(フィジカルAI)」である。

 エヌビディアはロボティクス向け半導体、開発基盤、シミュレーション環境を打ち出し、世界の製造業や自動化企業を巻き込み始めている。日本企業にとっても、この流れは無縁ではない。ロボット、FA、工作機械、電子部品、自動車、精密機器、社会インフラを担う企業は、現実世界のデータと現場を持つ。AI相場はソフトウェアや半導体だけで終わらず、製造とサービスの現場に広がる可能性がある。

 日本企業の強みは、現場の改善力、品質管理、長期取引、部品・装置のすり合わせにある。フィジカルAIの時代には、こうした地味に見えた強みが再評価される。AIを「使う側」の企業だけでなく、AIが動く現場を支える企業にも投資機会が生まれる。

■なぜ今、内需株なのか

 もう一つの大きな潮流は、脱デフレである。長年の日本経済では、企業はコストが上がっても価格に転嫁しにくく、消費者も「安さ」を重視してきた。しかし、賃上げ、物価上昇、金利上昇が重なり、企業と消費者の行動は変わり始めている。

 これから強いのは、単に安く売る企業ではない。顧客が納得して高い価格を払うブランド、サービス、体験価値を持つ企業である。投資家が見るべき指標も変わる。売上高の伸びだけでなく、客数を大きく落とさずに客単価を引き上げているか、既存店売上高が値上げ後も伸びているか、粗利益率を維持・改善できているかが重要になる。

 7万円相場で注目すべき「シン・内需株」とは、平成型の低価格競争にとどまる企業ではない。令和型の値上げ力、省力化投資、資本効率改善を備えた企業である。指数上昇に出遅れた内需株の中にも、事業環境の変化によって評価が切り上がる候補は残されている。

■第1の注目領域は「プレミアム消費・外食」

 第一の注目領域は、プレミアム消費と外食である。平成の内需株は、低価格、均一価格、大量出店が強みだった。しかし令和の勝ち組は、安さではなく、付加価値で選ばれる企業になる。

 外食、食品、専門店、ホテル、レジャー、生活サービスのなかには、値上げしても客離れを起こさず、むしろ体験価値を高めて客単価を伸ばす企業がある。行列ができる外食、ファンが定着する商品、インバウンドと国内需要の両方を取り込むサービスは、7万円相場の中でも出遅れ内需株として見直されやすい。

 重要なのは、値上げが単なるコスト転嫁で終わっていないかである。価格を上げても満足度を保ち、来店頻度や購買意欲を維持できる企業は、脱デフレ時代の本命になり得る。

■第2の注目領域は「金利ある世界」の地銀

 第二の注目領域は、地域密着型の地方銀行である。ゼロ金利時代の地銀は、成長性に乏しく、低PBR銘柄の代表のように見られてきた。しかし、金利ある世界では景色が変わる。

 貸出金利の改善、預貸金利ざやの拡大、事業承継や地域再編への関与、観光・再開発・設備投資向け融資など、収益機会は広がる。地域経済が賃上げ、設備投資、再開発、インバウンドで動き始めれば、地銀は資金供給の担い手として存在感を増す。

 さらに、東証が資本コストや株価を意識した経営を求めるなか、低PBRを放置してきた企業には変化が迫られる。増配、自社株買い、政策保有株の縮減、成長投資の明確化を進める地銀は、金利上昇とガバナンス改革の両面から再評価される余地がある。

■第3の注目領域は「省力化・DX・フィジカルAI」

 第三の注目領域は、省力化、DX、フィジカルAIである。人手不足は、もはや一時的な景気問題ではない。外食、小売、物流、製造、建設、介護では、賃上げしても人が足りない状況が続く。

 そこで企業が投資するのが、予約・決済システム、在庫管理、配送効率化、画像認識、ロボット、センサー、工場自動化である。内需企業を裏側から支えるソフトウェア企業、FA機器メーカー、電子部品メーカー、ロボット関連企業は、フィジカルAI時代の有力テーマになる。

 フィジカルAIは、遠い未来の夢物語ではない。人手不足を補い、生産性を高め、店舗や工場の利益率を改善する現実的な投資対象である。生成AI相場の次に、現場を変えるAIが評価される局面は近づいている。

■失敗しないための3つの目利き

 ただし、日経平均7万円相場だからといって、内需株なら何でも買えるわけではない。第一に確認すべきは「値上げ力」である。月次や決算で、客数が大きく減らずに客単価が上がっているか、既存店売上高が伸びているかを見る必要がある。

 第二に「資本効率改善」の姿勢である。現金をため込むだけでなく、増配、自社株買い、設備投資、人的資本投資をどう組み合わせるかを示す企業ほど、投資家の信頼を得やすい。

 第三に「一過性需要への依存度」である。インバウンドは追い風だが、それだけに頼る企業は為替や旅行需要に左右される。国内の賃上げによる消費回復を土台に持つ企業こそ、持続性がある。

■7万円相場で探すべきは、次の主役である

 日経平均7万円台は、達成感と過熱感を同時に意識させる水準である。6月19日の市場でも、日経平均は最高値を更新した一方、TOPIXは反落し、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を上回った。相場は強いが、選別色も強まっている。

 だからこそ、投資家は高値に飛び乗るのではなく、まだ評価が追いついていない構造変化を探すべきである。生成AIからフィジカルAIへ、低価格競争からプレミアム化へ、ゼロ金利から金利ある世界へ。この三つの変化が重なる場所に、次の日本株の主役が生まれる可能性がある。

 平成の価格評価で放置されたまま、令和の成長条件を備え始めた企業を探すこと。それが、日経平均7万円時代の歩き方である。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:00 | 特集
2026年06月18日

【マーケットセンサー】日銀利上げで低PBR金融株に選別再評価、地銀・保険へ循環物色の芽

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【政策金利1%時代、金利上昇メリットと資本効率改善が物色軸に】

■地銀は利ザヤ改善と低PBR是正が焦点

 東京株式市場では6月18日、日経平均株価が初めて7万円台に乗せ、終値ベースで最高値を更新した。AI・半導体関連が相場をけん引する一方、日銀の追加利上げを受け、金融株にも見直し機運が続いている。政策金利が1.0%程度へ引き上げられたことで、貸出金利の改善、運用収益の底上げ、株主還元強化への期待が重なり、低PBR金融株が循環物色の受け皿として意識されやすくなっている。

 地銀株では、山形銀行<8344>岩手銀行<8345>南都銀行<8367>などが18日に上昇した一方、十六フィナンシャルグループ<7380>は小安く、銘柄ごとの濃淡もみられた。金利上昇は地銀にとって利ザヤ改善期待につながるが、実際の株価評価では、貸出金残高の伸び、預貸率、政策保有株の縮減、自己資本の活用方針が重要になる。清水銀行<8364>フィデアホールディングス<8713>北日本銀行<8551>愛媛銀行<8541>東和銀行<8558>トモニホールディングス<8600>秋田銀行<8343>四国銀行<8387>なども、低PBR修正相場の候補として位置付けられるが、単なる割安感だけでは選別買いは続きにくい。

■保険株は運用環境改善、SOMPOは年初来高値

 保険株にも再評価の波が及んでいる。SOMPOホールディングス<8630>は18日に大幅高となり、年初来高値を更新した。かんぽ生命保険<7181>も堅調に推移した。金利上昇は保険会社の運用環境改善につながりやすく、資本政策や株主還元の余地も評価材料となる。損害保険、生命保険ともに政策保有株の圧縮や資本効率改善が市場の関心を集めており、金融株再評価の中でも比較的わかりやすいテーマとなっている。

 一方で、保険株の上昇はすでに一定程度進んでいる銘柄もある。今後は、増配、自社株買い、資本水準の適正化など、企業価値向上に向けた具体策をどこまで示せるかが焦点となる。金利上昇メリットだけでなく、株主資本コストを上回るROEを持続的に確保できるかが、評価の分かれ目になる。

■リース株は高配当利回りと調達コストを見極め

 リース株では、東京センチュリー<8439>芙蓉総合リース<8424>が上昇した一方、みずほリース<8425>NECキャピタルソリューション<8793>三菱HCキャピタル<8593>は軟調だった。リース会社は安定収益や配当利回りの高さが評価されやすい半面、金利上昇局面では調達コストの上昇が意識される。金融株の一角として買われるだけでなく、資金調達力、案件採算、設備投資需要の回復を見極める相場に移っている。

 景気回復期待が伴えば、リース株は設備投資関連としての側面も評価されやすい。脱炭素投資、IT機器、航空機、不動産、再生可能エネルギー関連など、成長分野への資産配分を進める企業は、低PBR修正だけでなく中期的な収益拡大期待を織り込みやすい。もっとも、金利上昇は追い風と逆風を併せ持つため、配当利回りだけでなく、利益成長と財務健全性の両面を確認する必要がある。

■カード・保証・信販は個人消費と与信コストが焦点

 金融周辺株では、クレディセゾン<8253>が上昇した一方、全国保証<7164>オリエントコーポレーション<8585>イオンフィナンシャルサービス<8570>は弱含んだ。カード、保証、信販、消費者金融関連は、個人消費の回復期待が支援材料となる半面、金利上昇や物価高が家計に与える影響、与信コストの動向がリスク要因となる。業績回復と資本政策が明確な銘柄に資金が向かう一方、成長力に不透明感が残る銘柄は上値が重くなりやすい。

 低PBR金融株の再評価は、もはやPBRの低さだけでは説明できない。市場が求めているのは、低PBR放置からの脱却であり、ROE改善、政策保有株の圧縮、配当性向の引き上げ、自社株買い、成長投資の再配分などを通じた資本効率向上である。日銀利上げを起点にした金融株物色は、単なる金利上昇メリット相場ではなく、企業価値向上への具体策を伴う銘柄を選別する局面に入っている。

 日経平均が最高値圏で推移するなか、相場の持続力を左右するのは、半導体やAI関連に偏った物色がどこまで広がるかである。地銀、保険、リース、カード・保証へ循環物色が広がれば、相場は一段と厚みを増す。低PBR金融株は、金利上昇、株主還元、資本効率改善という複数の材料を併せ持つ。今後は、割安感よりも「資本をどう使い、株主価値をどう高めるか」を示せる企業が、再評価相場の中心となるだろう。

【関連記事情報】2026年06月17日
【マーケットセンサー】日銀利上げでメガバンク再評価、半導体株と並ぶ物色軸に
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 20:24 | 特集
2026年06月15日

【株式市場特集】銀行株に金利上昇メリット、メガバンク3行の資金利益上振れに期待

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■割安銀行株に再評価余地、日銀利上げ観測が追い風に

 今週のコラムでは、PER1ケタ台やPBR1倍割れの割安株が多い銀行株に焦点を当てた。日銀の金融政策決定会合で政策金利が0.25%引き上げられれば、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>(東証プライム)三井住友フィナンシャルグループ<8316>(東証プライム)みずほフィナンシャルグループ<8411>(東証プライム)のメガバンク3行合計で資金利益が3000億円程度上振れるとの試算があり、利ザヤ拡大や運用環境の好転が期待される。地銀株やその他金融株を含む金利上昇メリット株の浮上が注目される。

■年初来高値更新でもPERは10倍を下回りPBRは1倍割れ

 前週末12日に年初来高値を更新した銀行株は5行にのぼる。同じく高値更新となった東京エレクトロンSCREENホールディングスのPER48倍、23倍より割安で、三井住友FG以下、十六フィナンシャルグループ<7380>(東証プライム)山形銀行<8344>(東証プライム)岩手銀行<8345>(東証プライム)南都銀行<8367>(東証プライム)はPER12倍〜14倍と、東証プライム市場全銘柄平均の17倍を下回る。PBRは三井住友FGの1.5倍を除き、残り4行は0.7倍〜0.9倍と1倍を割れている。このうち三井住友FGは株式分割と自己株式取得を同時発表し、山形銀行も自己株式を取得中である。

 この5行以外にも、低PER株は目白押しである。PER10倍以下では、筑波銀行<8338>(東証プライム)の8.5倍を筆頭に、東和銀行<8558>(東証プライム)トモニホールディングス<8600>(東証プライム)東京きらぼしフィナンシャルグループ<7173>(東証プライム)SBI新生銀行<8303>(東証プライム)北日本銀行<8551>(東証プライム)佐賀銀行<8395>(東証プライム)琉球銀行<8399>(東証プライム)三井住友トラストグループ<8309>(東証プライム)と続き、第10位の三井住友トラストHDのPERは10.9倍である。筑波銀行、東京きらぼしFGなど公的資金注入行が多いが、経営正常化を経て、これからキャッチアップが期待される局面といえそうだ。
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2026年06月14日

【マーケットセンサー】東京エレクトロンと電線株に見る株式分割の再評価余地

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■株式分割は「値がさ株相場」の次の焦点に

 東京市場で株式分割の再評価余地が改めて意識されている。起点となったのは、AI・半導体関連の代表格である東京エレクトロン<8035>(東証プライム)である。同社は5月29日、9月30日を基準日とする1株を5株への株式分割と、上限1500億円の自己株式取得を発表した。発表前の5月29日終値5万2420円から買いが加速し、6月4日に6万3660円まで上昇。いったん5日に5万9450円、8日に5万5020円まで調整したが、12日には一時7万1000円まで買われた。分割と還元を同時に打ち出した効果が、短期の利益確定売りをこなしながら再び評価された格好である。

■2023年分割後の経験則も支援材料

 同社株は2023年にも3月31日を基準日に1株を3株へ分割している。当時は権利付き最終売買日の終値4万8320円に対し、権利落ち後に理論値を下回る1万4810円まで調整した場面があった。しかし、その後は6万円台まで水準を切り上げた。株式分割そのものは企業価値を直接増やすものではないが、値がさ株の投資単位を引き下げ、個人投資家の参加余地を広げる効果がある。東京エレクトロンの値動きは、分割後の一時的な需給悪化よりも、中長期での参加者拡大効果が意識される局面に入ったことを示している。

■6月末分割銘柄に電線株が並ぶ

 この視点で注目されるのが、6月末を基準日とする株式分割予定銘柄である。3月末基準の分割銘柄ほどの集中度ではないものの、6月末も約30銘柄規模の分割が予定されており、個別株物色の材料として無視できない。なかでもAI、データセンター、電力インフラの成長テーマと重なる銘柄として、日東紡<3110>(東証プライム)古河電気工業<5801>(東証プライム)住友電気工業<5802>(東証プライム)が並ぶ。日東紡は1株を5株、古河電工は1株を10株、住友電工は1株を4株に分割する予定で、いずれも値がさ化した株価水準を引き下げる狙いが明確だ。

■古河電工、住友電工は増配期待も重なる

 古河電工と住友電工は、電線・光ファイバー・電力インフラ関連として市場の関心が高い。生成AIの普及に伴うデータセンター投資、電力網増強、光通信需要の拡大が追い風となり、株価は大きく水準を切り上げてきた。株式分割によって最低投資金額が下がれば、これまで資金量の面で手掛けにくかった個人投資家にも買いやすさが生まれる。加えて、株主還元の強化や増配期待が重なれば、分割は単なる形式的な資本政策ではなく、成長株から中長期保有株へと投資家層を広げる契機となる。

■フジクラの事例が示す参加者拡大効果

 参考になるのが、3月31日を基準日に1株を6株へ分割したフジクラ<5803>(東証プライム)である。同社株は分割発表後に上場来高値圏へ急伸し、権利落ち後はいったん理論価格を下回る場面があった。それでも分割後の株価水準が個人投資家に手掛けやすくなったことで、押し目買いが入りやすい地合いが生まれた。6月12日現在は4000円台で推移し、急騰後の調整を挟みながらも、電線株全体への関心はなお強い。

■分割は万能ではないが、再評価の入口になる

 もちろん、株式分割は業績を押し上げる材料そのものではない。権利落ち後には短期資金の売りや、急騰後の反動安も起こり得る。重要なのは、分割が成長期待、業績拡大、株主還元と同時に示されているかどうかである。東京エレクトロンの急伸と再上昇、フジクラの分割後の値動き、そして古河電工・住友電工・日東紡の大幅分割は、いずれも投資単位引き下げだけでなく、AI関連投資の広がりを背景とした再評価の入口として読める。6月末に向けて、株式分割銘柄は短期の権利取りだけでなく、中長期の参加者拡大効果を測る局面に入っている。
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2026年06月13日

【マーケットセンサー】6月末株式分割銘柄は「セット材料」で選別へ

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■分割後の再評価を左右するのは、業績と還元の裏付け

 6月末を基準日とする株式分割銘柄への関心が高まっている。2026年6月の月末権利は26日が権利付き最終売買日、29日が権利落ち日、30日が権利確定日となる。株式分割は投資単位を引き下げ、個人投資家の参加余地を広げる材料である。ただし、分割そのものは企業価値を直接押し上げるものではない。分割後も株価の再評価が続くかどうかは、業績拡大、増配、自己株式取得、株主優待制度の新設・拡充といった「セット材料」の有無が分岐点となる。

 今回の6月末分割銘柄では、古河電気工業<5801>(東証プライム)住友電気工業<5802>(東証プライム)の電線株が象徴的だ。古河電工は1株を10株、住友電工は1株を4株に分割する予定で、いずれも高株価化した銘柄の投資単位引き下げが焦点となる。AIデータセンター、電力インフラ、送電網投資などを背景に電線関連株への評価は高まっており、株式分割は個人投資家層の拡大を促す追加材料として位置づけられる。値がさ株化による参加障壁を下げる意味は小さくない。

■業績上方修正と増配が重なる銘柄を重視

 なかでも注目されるのは、株式分割に業績上方修正と増配が重なる銘柄である。三洋貿易<3176>(東証プライム)は業績見通しの引き上げと実質増配を伴い、FOOD&LIFE COMPANIES<3563>(東証プライム)も1株を2株に分割するとともに、2026年9月期の業績・配当予想を上方修正した。分割による投資単位の低下に、利益成長と株主還元の強化が加わるため、単なる権利取りを超えた評価材料となりやすい。

 TENTIAL<325A>(東証グロース)も材料の重層感がある。2026年8月期業績予想を上方修正し、1株を3株に分割するほか、株主優待制度を拡充し、さらに自己株式取得枠も設定した。成長期待のあるグロース銘柄では、分割後の売買単位低下が流動性向上につながるかが重要である。無配であっても、業績成長、優待、自己株取得が組み合わされば、投資家の関心をつなぎ止める材料となる。

 還元面では、LAホールディングス<2986>(東証グロース)京阪神ビルディング<8818>(東証プライム)など、増配や株主優待制度の新設・拡充を伴う銘柄も選別対象となる。自己株式取得との組み合わせでは、共同ピーアール<2436>(東証スタンダード)ヤギ<7460>(東証スタンダード)住友商事<8053>(東証プライム)などが視野に入る。住友商事は自己株式の消却も予定しており、資本効率改善を意識した還元姿勢が評価軸となる。

■権利落ち後の反動リスクにも注意

 一方、注意すべきは権利取り後の需給変化である。株式分割銘柄には短期資金が入りやすく、権利落ち後に利益確定売りが出る可能性もある。分割比率の大きさや表面的な値ごろ感だけで判断すると、権利落ち後の反動に巻き込まれかねない。PER、PBR、配当利回りなどの投資指標は日々変動するため、直近株価を前提に確認し、業績の持続性と還元方針を合わせて見る必要がある。

 AI・半導体関連株の急騰に乗り遅れた投資家にとって、6月末の株式分割銘柄は次の物色候補となり得る。ただし、本命は「分割だけ」の銘柄ではない。分割、増配、上方修正、自己株式取得、優待拡充が重なる銘柄こそ、分割後の流動性向上と投資家層拡大を通じて再評価余地を残す。6月末相場では、権利取りの短期妙味と、分割後の中期的な評価継続力を両にらみで見極める局面である。
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2026年06月08日

【株式市場特集】6月末株式分割29銘柄に権利取り妙味、増配・上方修正・自己株買いのセット銘柄を選別

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■6月末分割銘柄に注目

 東京エレクトロン<8035>(東証プライム)は5月29日、株式分割と自己株式取得を発表した。同社株は発表後、6月4日の実質最高値6万3660円まで約1万1000円上昇し、前週末5日は約4900円安と急反落した。2023年の1対3分割後は一時調整したものの足元で4.2倍化しており、6月末割り当ての分割銘柄29銘柄では、増配や上方修正などを伴うセット銘柄の権利取りが注目される。

■日東紡、古河電工、住友電工は1対4から1対10の大幅分割

 AI・半導体関連で6月末に株式分割を予定している銘柄は、日東紡<3110>(東証プライム)古河電気工業<5801>(東証プライム)住友電気工業<5802>(東証プライム)と続く。分割比率は1対4から1対10と大幅分割である。株価が1万円〜5万円と超値がさ化しており、単元株価格を50万円未満とするためのコーポレートアクションである。このうち古河電工と住友電工が増配を同時発表したダブルセット銘柄となる。

■フジクラの分割後高値追いが6月末銘柄の参考材料に

 分割権利を取るか、権利落ち後安値にトライするか迷うところだが、参考になりそうなのが、今年3月31日を基準日に1対6の株式分割を実施したフジクラ<5803>(東証プライム)だろう。同社株は、分割発表とともに上場来高値2万9810円まで約4200円高したが、分割権利落ち後は理論価格をやや下回る権利落ち後安値4056円から権利落ち後高値7933円と買い直される場面があり、約3900円高した。

 やはり手掛けやすい株価水準になり、全員参加型となったことが大幅高につながったようであり、6月末に権利付き最終売買日が迫る3銘柄についても、分割権利を取っても分割落ち後にトライしても上昇トレンドに変わりはないことになる。要は個々の投資家の懐具合との相談となる。
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2026年06月06日

サッカー特需の本命を探る、放映・用品・クラブ株に広がる物色候補

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■筆頭株主株に向かう視線

 W杯関連株の物色では、まずJリーグ各クラブの運営会社に関係する上場企業が候補となる。サイバーエージェント<4751>(東証プライム)メルカリ<4385>(東証プライム)MIXI<2121>(東証プライム)など、近年クラブ経営に本格的に関わる企業は、サッカー市場の成長テーマと結びつきやすい。伝統的な母体企業では、日産自動車<7201>(東証プライム)トヨタ自動車<7203>(東証プライム)エディオン<2730>(東証プライム)ヤマハ発動機<7272>(東証プライム)京セラ<6971>(東証プライム)パナソニックホールディングス<6752>(東証プライム)なども関連銘柄として意識される。もっとも、クラブ人気と企業業績の関係は一様ではなく、投資判断では事業規模や収益貢献の度合いを見極める必要がある。

■命名権銘柄と地域密着の効果

 ホームスタジアムのネーミングライツを取得する企業にも注目が向かいやすい。三協フロンテア<9639>(東証スタンダード)ユアテック<1934>(東証プライム)ケーズホールディングス<8282>(東証プライム)ニッパツ<5991>(東証プライム)ヨドコウ<5451>(東証プライム)フクダ電子<6960>(東証スタンダード)などは、クラブの露出増加や地域密着型マーケティングとの関係で連想されやすい。W杯でサッカーへの関心が高まれば、スタジアム名、看板、地域イベントを通じた企業認知の向上も期待される。ただし、命名権は広告・広報効果の側面が強く、短期的な業績押し上げ材料とは切り分けて評価したい。

■特需が直接届く周辺銘柄

 より直接的なW杯特需では、国内放映権を取得したとされる電通グループ<4324>(東証プライム)、中継に関わる日本テレビホールディングス<9404>(東証プライム)フジ・メディア・ホールディングス<4676>(東証プライム)が候補となる。スポーツ用品ではアシックス<7936>(東証プライム)ミズノ<8022>(東証プライム)、ゲームではコナミグループ<9766>(東証プライム)、サッカースクール関連では明光ネットワークジャパン<4668>(東証プライム)クリップコーポレーション<4705>(東証スタンダード)なども連想が働きやすい。もっとも、株価材料としては代表の成績、放送視聴、関連商品の販売、クラブ成績、個別企業の業績見通しが複合的に作用する。短期の熱狂と中期の収益貢献を分けて見極める視点が欠かせない。

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2026年06月05日

W杯熱狂がJリーグを動かす、秋春制移行でサッカー関連株に再評価余地

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■48カ国大会が生む巨大な熱量

 2026年FIFAワールドカップ北中米大会は、史上初めて48カ国が参加し、全104試合で争われる。米国、カナダ、メキシコの3カ国共催で、開幕は6月11日、決勝は7月19日となる。大会規模の拡大は、放送、配信、広告、旅行、スポーツ用品、飲食、イベント関連まで幅広い需要を生む。

 日本では電通グループ<4324>(東証プライム)傘下の電通が国内放映権を取得し、DAZN、NHK、日本テレビホールディングス<9404>(東証プライム)傘下の日本テレビ、フジ・メディア・ホールディングス<4676>(東証プライム)傘下のフジテレビなどを通じて観戦機会が広がる。代表戦の盛り上がりは、国内サッカー市場を押し上げる導火線となり、株式市場でもサッカー関連株を見直すきっかけとなり得る。

■秋春制移行が重なるJリーグ

 今回のW杯は、Jリーグにとっても重要な転換点と重なる。Jリーグは2026/27シーズンからシーズンを移行し、2026年8月第1週頃に開幕、2027年5月最終週頃に閉幕する日程へ移る。欧州主要リーグやAFCチャンピオンズリーグとの時期のずれを縮小し、移籍市場との接続を高める狙いがある。

 W杯で日本選手の評価が高まれば、海外移籍や移籍金ビジネスの拡大を通じ、クラブ経営の成長にもつながる可能性がある。各クラブの筆頭株主企業や命名権を持つ企業にとっても、クラブ価値の向上はブランド露出や地域密着戦略の追い風となる。クラブ経営に関係する企業では、サイバーエージェント<4751>(東証プライム)グループの一員であるFC町田ゼルビア、メルカリ<4385>(東証プライム)傘下の鹿島アントラーズ、MIXI<2121>(東証プライム)が経営権を持つFC東京などが関連銘柄として意識されやすい。

■代表人気からクラブ価値へ

 過去に「なでしこジャパン」がW杯で優勝した際、女子サッカーへの関心は一気に高まった。男子でも、代表の快進撃は国内リーグへの注目を呼び込む力を持つ。W杯で新たなスターが生まれれば、所属クラブ、出身クラブ、育成組織への関心も高まる。

 Jリーグは百年構想リーグを経て新シーズンへ向かう過渡期にあり、代表人気をクラブ価値へ転換できるかが焦点となる。株式市場では、W杯相場が一過性のイベント物色にとどまるのか、それともJリーグ改革やクラブ経営の成長を評価する中期テーマへ発展するのかが注目される。関連企業では、放映権や中継に関わる電通グループ日本テレビホールディングスフジ・メディア・ホールディングスに加え、クラブを傘下に持つ企業や、命名権を通じて地域密着を進める企業にも視線が向かいやすい。

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2026年06月01日

【株式市場特集】Jリーグ関連株、筆頭株主株と命名権銘柄に注目、W杯機運で物色広がる

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 Jリーグ関連株では、各クラブ運営会社の筆頭株主株がまず浮上しそうだ。なかでも新参の筆頭株主株は関連度が高く、ホームスタジアムのネーミング・ライツ(命名権)を取得した銘柄にも注目が集まりそうである。横浜F・マリノスでは、筆頭株主の日産自動車<7201>(東証プライム)がクラブ運営会社の株式譲渡検討報道後、筆頭株主継続を発表し、株価感応度の高さを印象付けた。関連株は業種や値ごろ感も多様で、投資スタイルに応じた物色が可能となりそうだ。

■筆頭株主が新規参入組のJクラブほど話題豊富で戦績も好パフォーマンス

 Jリーグのクラブ運営会社の筆頭株主になっている上場会社は、J1・J2・J3のすべてのカテゴリー合計60社のうち34社を数える。シェアは56%超と過半を占める。このうち多くはJリーグ創設当時の母体会社が筆頭株主となっているが、これ以外の新規参入組もある。主な新参会社を時系列であげると、2018年のサイバーエージェント<4751>(東証プライム)、2019年のメルカリ<4385>(東証プライム)、2021年のMIXI<2121>(東証プライム)と続く。株式取得金額は11億円〜15億円となっている。サイバーエージェントは、当時まだJ2クラブだった町田ゼルビアを子会社化し、高校サッカーの名将だった黒田剛氏を監督に招聘した。黒田監督は高校サッカー仕様戦術の「ロングスロー」を多用するなど旋風を巻き起こし、J1に昇格させ、J1でもトップ3圏内で活躍している。メルカリは、日本製鉄<5401>(東証プライム)から鹿島アントラーズの運営会社の株式を取得して子会社化し、昨2025年シーズンは9年ぶり9回目のJ1優勝を飾った。進行中の「百年構想リーグ」でも独走態勢でトップを走り、優勝決定戦を戦っている。MIXIは、FC東京の運営会社の第三者割当増資を引き受けて51%超の株式を取得し、FC東京は「百年構想リーグ」で鹿島アントラーズとトップを争うなど好パフォーマンスを発揮した。投資採算的にはMIXIがPER12倍、PBR0.9倍、配当利回り4.7%と割安で、残り2社はやや割高となっているが、2026年/2027年リーグの成績次第ではこれをカバーすることも想定される。

■J1からJ3まで割安感のあるクラブ筆頭株主株が幅広く並ぶ

 このほか、株価水準が割安水準にあるJ1クラブの筆頭株主会社は、東京ヴェルディのゼビオホールディングス<8281>(東証プライム)の5倍を筆頭に、名古屋グランパスのトヨタ自動車<7203>(東証プライム)、サンフレッチェ広島のエディオン<2730>(東証プライム)古河電工<5801>(東証プライム)と並んで、ジェフ千葉の筆頭株主のJR東日本<9020>(東証プライム)と続き、JR東日本のPERは15倍である。J2・J3カテゴリーのクラブ筆頭株主株は、さらに割安株が目白押しだ。J2では、カターレ富山のインテリックス<463A>(東証スタンダード)北陸電力<9505>(東証プライム)がPER6倍〜7倍と割安で、テゲバジャーロ宮崎のいちご<2337>(東証プライム)が10倍、ジュビロ磐田のヤマハ発動機<7272>(東証プライム)が11倍、大分トリニータのTKP<3479>(東証グロース)が15倍である。J3では、FC琉球のカヤック<3904>(東証グロース)が10倍、レノファ山口のUBE<4208>(東証プライム)が11倍、ツエーゲン金沢の渋谷工業<6340>(東証プライム)が11倍、CCIグループ<7381>(東証プライム)が13倍、三谷産業<8285>(東証スタンダード)が15倍となっている。このほか上場会社ではないが、世界的なエナジードリンク会社であるレッドブル(オーストリア)が2024年8月にクラブ運営会社の全株式を取得したJ2のRB大宮アルディージャも、話題を提供してくれそうだ。
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2026年05月25日

【株式市場特集】低PBR株に株主還元強化の思惑、DOE引き上げが見直し材料に

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■日経平均構成銘柄で46銘柄、全市場で1493銘柄がPBR1倍割れ

 低PBR株に対する株主還元強化への期待が、相場テーマとして浮上している。配当方針を従来の配当性向重視からDOE(株主資本配当率)基準へ切り換え、純資産を意識した増配に踏み切る動きは、PBR1倍割れ銘柄の見直し材料となり得る。日経平均株価が前週末22日に史上最高値を更新するなかでも、同指数を構成する225銘柄のうち46銘柄、全市場ベースでは1493銘柄がPBR1倍割れにとどまり、構成比率は39%に達する。

 ハイテク株人気の圏外に取り残されたバリュー株にも、大幅増配や自己株式取得などの株主還元策を手掛かりに、年初来安値水準から急浮上する可能性があり、「第2の主役」探しが広がりそうだ。

■225構成銘柄では自動車、海運、化学株などに売り叩かれた安値水準から再発進素地

 日経平均構成銘柄のうちPBRが1倍を割れ、足元で株価が年初来安値まで売られた銘柄にはクラスターがある。まず自動車株である。トップのトヨタ自動車<7203>(東証プライム)は、今3月期業績の連続減益予想が響いてPBR1倍台の攻防を続けているが、実質的に自動車セグメントのデンソー<6902>(東証プライム)を含めた5社は、決算発表時に年初来安値へ売られ、PBR0.26倍〜0.89倍にとどまっている。

 今期業績も黒字・増益転換予想にあり、PERは日産自動車<7201>(東証プライム)が63倍、ホンダ<7267>(東証プライム)が20倍と割高だが、デンソー<6902>(東証プライム)は12倍、マツダ<7261>(東証プライム)が7倍、SUBARU<7270>(東証プライム)が13倍台となっている。このうちSUBARU<7270>(東証プライム)は決算と同時に自己株式取得・消却を発表し、デンソー<6902>(東証プライム)も自己株式公開買い付けを発表した。

 海運大手3社の日本郵船<9101>(東証プライム)商船三井<9104>(東証プライム)川崎汽船<9107>(東証プライム)も低PER・PBRクラスターである。中東の地政学リスクやサプライチェーン問題で業績は連続減益予想にあるが、観測報道通り米国とイランの停戦協議が合意に至り、ホルムズ海峡が開放されれば、「平和の配当」需要が期待できるかを試してみる価値はありそうだ。同じように停戦合意でナフサ不足の解消が期待されるUBEの同業他社である住友化学<4005>(東証プライム)東ソー<4042>(東証プライム)三井化学<4183>(東証プライム)三菱ケミカルグループ<4188>(東証プライム)の化学大手も、低PER・PBRセクターである。
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