[特集]の記事一覧
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記事一覧 (03/31)「ジャスダック」と「ヘラクレス」の統合に思う
記事一覧 (03/31)復配銘柄に「第2の鬼ゴム」も、4月も配当取りはビッグ・イベント?
記事一覧 (03/24)「日銀総裁の空席」と「紙パ株の環境関連人気」とで常識に挑戦も一法(浅妻昭治のマーケット・センサー)
記事一覧 (03/24)魅力ある高配当利回り銘柄(特集)3月
記事一覧 (03/21)4月末の、好「株主優待」銘柄/2銘柄(田北知見の銘柄ウォッチ)
記事一覧 (03/20)そろって安値圏の百貨店株、注目は伊勢丹のみ
記事一覧 (03/17)株式投資にもダイヤ改正待望論。関西電鉄株がコンパクトな極地戦銘柄に浮上?(浅妻昭治のマーケット・センサー)
記事一覧 (03/14)「出来高」と「売買高」の違いを教えることから証券界復権がある
記事一覧 (03/04)東京・台場『ジョイポリス』から連想した優良銘柄(田北知見の銘柄ウォッチ)
記事一覧 (03/03)3月相場のパフォーマンスは思ったより良好。突っ込み狙い(特集)
記事一覧 (03/03)「シンプル・イズ・ベスト」の円高関連株の消去法付きで四国電力が浮上素地
記事一覧 (02/28)「NY健闘」「中国意外安」「日本カヤの外」の姿、指数で見る世界の株
記事一覧 (02/26)「三寒四温」相場は弱気、強気に振り回されずに自動車株に乗って(浅妻昭治のマーケット・センサー)
記事一覧 (02/23)【業績拝見】夢真ホールディングスは多角化事業を清算、得意の人材派遣事業に経営資源を集中
記事一覧 (02/18)「造船三国志」から連想した、造船2銘柄(田北知見の銘柄ウォッチ)
記事一覧 (02/18)天気予報が悲報となるか朗報となるか、花粉症関連株に早めのお手当て(浅妻昭治のマーケット・センサー)
記事一覧 (02/17)止まらない発展途上国の成長
記事一覧 (02/16)マクロとミクロのミスマッチ、上値買いは厳に慎むべき(犬丸正寛の株で見る世の中)
記事一覧 (02/12)「春闘」と業績下方修正の因果関係は、今後の株価動向にも因果関係か?(浅妻昭治のマーケット・センサー)
記事一覧 (02/11)米国農産物価格急騰が日本の個人消費に与える影響
2008年03月31日

「ジャスダック」と「ヘラクレス」の統合に思う

【ジャスダック取引所】
上場銘柄数966社、時価総額12兆円強

(主な足跡)
☆1949年(昭和24年) 日本証券業協会において店頭売買承認銘柄制度を創設。(1961年に東証に第二部市場ができたため廃止)
☆1963年(昭和38年) 日本証券業協会において店頭登録制度を創設。
☆1986年(昭和61年) 店頭登録会社の投信組み入れ解禁。
☆1991年(平成3年) JASDAQシステム稼動。
☆2004年(平成16年) 証券取引所の免許を取得。株式会社ジャスダック証券取引所へ商号変更。12月13日業務開始。
☆2007年(平成19年) NEO創設。
☆2008年(平成20年) 立会取引の売買方式をオークション方式へ一本化。
 最初の創設から今年で59年、まもなく還暦。1963年の創設から45年の歴史。エポックは1998年に、それまでの取引所を補完する立場から「取引所市場と並列する市場」に変わったこと。加盟している組織はアジア・オセアニア証券取引所連合(AOSEF)、証券監督者国際機構(IOSCO)、国際取引所連合(WFE)。


【大証証券取引所ヘラクレス】
上場銘柄数174社

(主な足跡)
☆ 1961年(昭和36年)、市場第二部開設。
☆ 1983年(昭和58年)、新二部市場開設。
☆ 1996年(平成8年) 二部市場と新二部市場を統合。ベンチャー企業支援のための市場第二部特則銘柄制度を創設。
☆ 1998年(平成10年) 特則制度を廃止して「新市場制度」を発足。
☆ 1999年(平成11年)、「J−NET」市場を開設。
☆ 2000年(平成12年)5月、「ナスダック・ジャパン市場」を開設。
☆ 2002年(平成14年)12月 ナスダック・ジャパンをニッポン・ニュー・マーケット「ヘラクレス」へ名称を変更。新市場銘柄を承継。
☆ 2004年(平成16年)4月 大阪証券取引所自身がヘラクレスへ株式を上場。


 市場第二部は現在でも存在するので、新二部市場を前身と見れば今年で25年。その後、何回も市場の変更を繰り返し現在のヘラクレスとなっている。大阪が米相場発祥の地であり「先物」において存在感を高めることと、もう一方で中小企業のベンチャー育成の地という自負から「ベンチャー市場」育成強化を模索してきた動きが見れる。
 今後、大証がジャスダックの大株主となって、新興市場を統合すれば、大証にとっては「先物」と「新興銘柄」の2つの大きな武器を持つことになり、よい意味でのアメリカのNY取引所とシカゴ取引所の関係に似たものとなり、日本の証券界発展に貢献するものと期待される。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:35 | 特集

復配銘柄に「第2の鬼ゴム」も、4月も配当取りはビッグ・イベント?

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 3月相場のビッグ・イベントといえば、25日の3月期決算会社の配当取りとつい前週末28日の期末の「お化粧買い」である。米国の金融不安、相場波乱に日銀総裁の後任空席、道路特定財源の暫定税率期限切れなどの国内政局の空転が加わり、相場の急落さえ覚悟したピンチで強力なブレーキ役となったからだ。
 とくに25日の配当取りでは、日経平均株価は265高となり、17日の安値からは9%も反転させた。配当落ち分が、100円強とバブル崩壊後最大になったことで明らかなように、ロームが記念配当を増配したり、日産自動車が配当利回り4%超で好利回り買いを誘うなど、主力株が積極的な株主還元策を進めた結果である。
 この主力株のカゲに隠れて目立たなかったが、好パフォーマンスを演じたのが復配銘柄である。代表は鬼怒川ゴム工業(5196)で、3月13日の3円復配発表で140円安値安値から25日の185円高値まで32%高(高値は21日の193円)している。
 4月もこのビッグ・イベントは再現されるか?4月決算会社は少数派だけに全般相場へのインパクトはそれだけ割引となるが、個別では復配会社には「第2の鬼ゴム」が期待されるかもしれない。復配予想会社には日東製網(3524)と初配当実施のメビックス(3780・M)がある。日東網の復配幅は1円と小幅で、メビックスも、初配当意向は堅持したものの3月13日に今4月期業績を下方修正したばかりである。やや押し上げ力不足も懸念されるところだが、逆行高展開の素地は充足している。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:10 | 特集
2008年03月24日

「日銀総裁の空席」と「紙パ株の環境関連人気」とで常識に挑戦も一法(浅妻昭治のマーケット・センサー)

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 日本銀行の総裁が空席となった。この異常事態で最も恐ろしいことは、金融マーケットが大混乱することではない。逆に何事も起こらず平穏無事に推移することである。日銀総裁がいなくても大丈夫、たいしたことはないとなったら、これまでの常識が今後の常識にならなくなるからである。
 兜町でも常識が常識でなくなる事態が、起こりつつある。東証1部の半分以上の銘柄の株価が、1株純資産を割ってもなお底打ち感が出ないなどというのもその代表である。あのホンダでさえ1株純資産、解散価値を割ってネガティブ・サプライズとなった。さすがに下げ過ぎと反発しているが、まだまだほんとに底入れしたのか何ともいえない。
 円高メリット株、環境関連株の2つのテーマで浮上するセクターといえば、電力株と紙・パルプ株とするのが、これまでの兜町の常識であった。ところが電力株は、原子力発電所の相次ぐ事故隠し、紙・パルプ株は再生紙への古紙配合率偽装問題でとっくに神通力を失っている。とくに紙・パルプ株は、2006年に王子製紙(3861)が、北越製紙(3865)への敵対的M&Aに失敗した後遺症は株価的に大きく、再生紙問題の上乗せでバブル崩壊後の安値を下回った。洞爺湖サミットは、大々的に植林事業を進めている地元の北海道で開催されているのに「環境関連株」の「か」の字の呼び声さえ起こらない。
 これまでの常識が、今後も常識として通用するのか試してみるのも一法かもしれない。結構、日銀総裁の空席といい勝負になる可能性はありそうだ。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:39 | 特集

魅力ある高配当利回り銘柄(特集)3月

特集■配当重視の相場の波に乗れ!
 高利回り銘柄は「第二の年金」


 配当利回りの高い銘柄は極めて魅力的である。依然、低金利が続き、預貯金をしても、わずかしか利息はつかないからだ。とくに、団塊世代の定年を迎えられた方々は、大事な退職金を大きなリスクにはさらしたくない気持ちは強い。金利の高い外国債などもあるにはあるが、為替などが絡み、分かり難い。その点、国内株は身近で、事業内容も分かっている安心感がある。現在、10年物国債の利回りは1.2%程度だが、これを上回る銘柄は多い。高利回り銘柄は、「第二の年金」ともいえる存在である。

【これから狙える高配当銘柄】
・ゲンダイエージェンシー<2411>(JQ)
・丸誠<2434>(JQ)
・プラマテルズ<2714>(JQ)
・アグレックス<4799>(東1)
・日本ライフライン<7575>(JQ)
・武富士<8564>(東1)
・日本綜合地所<8878>(東1)
・ゼファー<8882>(東1)
・東栄リーファーライン<9133>(JQ)
・中央物産<9852>(JQ)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:14 | 特集
2008年03月21日

4月末の、好「株主優待」銘柄/2銘柄(田北知見の銘柄ウォッチ)

田北知見の銘柄ウォッチ 3月末に年度末を迎える企業が多いため、定番の、好「株主優待」銘柄特集。
 …と、3月期末の優待銘柄特集にしようと思ったのだが、この特集は、次回の更新が4月1日以降になってしまう。ということは、読んでいただく時期によっては、権利落ち日以降の可能性もあるではないか。と気づいたので、4月末優待銘柄とする。
 ちなみに、3月末(権利つき最終日25日)優待銘柄では、東映アニメーション<4816>(JQ)ファンケル<4921>(東1)ワタミ<7522>(東1)篠崎屋<2926>(東マ)などが、良いかなと思った。

■エイチ・アイ・エス<9603>(東1)
エイチ・アイ・エスは配当益と値上がり益の両方を狙ってみる

 エイチ・アイ・エス<9603>(東1)は4月中間、10月通期末にそれぞれ、「100株以上で2000円相当の株主優待券1枚」など。14日終値1593円で、年間利回り換算約2.5%となる。
 ちなみに今期配当金は10月通期末に24円。利回り約1.5%となる。
 チャートを見ると、中期・短期とも続落してきて、14日に昨年来安値1580円をつけた。そろそろリバウンド局面と思いたい。現在の株価でPERは約11倍。円高で海外旅行に動意づき…との期待も。

■田崎真珠<7968>(東1)
田崎真珠は底値圏なので、配当利回りも高め
業績好転で株価も上向きへ


 田崎真珠<7968>(東1)は4月中間末と10月通期末にそれぞれ、「1000株以上で、1万円分の優待割引券1枚」など。また、「1000株以上で株主優待カード1枚」(真珠ネックレス20%割引など)。
 14日終値256円で計算すると、年間利回り約7.8%等となる。ただ、同店で買い物をすれば、の話だが。
 ちなみに今期配当金4月中間と10月期末それぞれ4円、年間計8円。利回り約3.1%となる。
 チャートを見ると、現在は底値圏。今10月期連結業績予想は、前年比増収増益。とくに経常利益は同77.1%増の10億円と大幅増益、純利益は4億円(前期は20億3000万円の損失計上)と黒字転換の見込み。業績好転をバネに、株価も上向きといきたい。
(2008/3/15「株マニ」掲載)

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:13 | 特集
2008年03月20日

そろって安値圏の百貨店株、注目は伊勢丹のみ

特集 08年2月の百貨店売上高は5300億円で前年同月比0.9%増と3ヶ月ぶりにプラスとなった。店舗数は279店の内、前年同月で入店客が増加した店は46店、減少も46店、変化ナシ55店。都市別では札幌2.9%減少(6ヶ月連続マイナス)、仙台3.0%増(3ヶ月連続プラス)、東京2.8%増(3ヶ月ぶりプラス)、横幅3.9%増(2ヶ月連続プラス)、、名古屋1.7%減少(3ヶ月連続マイナス)、京都3.6%増(2ヶ月ぶりプラス)、大阪2.9%増(3ヶ月ぶりプラス)、神戸0.8%減少(3ヶ月連続マイナス)、広島0.4%増(3ヶ月ぶりプラス)、福岡0.5%増(3ヶ月ぶりプラス)だった。

婦人・子供衣料不振、紳士服好調の百貨店売上
株安で宝飾・貴金属は12ヶ月連続マイナス


 商品別では婦人服・洋品が3.7%減少(8ヶ月連続マイナス)だったが、紳士服・洋品は33.8%増加(3ヶ月ぶりプラス)、子供服・洋品も0.9%減少(8ヶ月連続マイナス)。美術・宝飾・貴金属は6.5%の大幅な減少(12ヶ月連続マイナス)。
 婦人服と連動している子供服が共に8ヶ月連続のマイナスで、レディース衣料関連銘柄の不振が目立つ。紳士服の回復は景気拡大の最終局面でよく見られる現象で、自分の物と子供の衣類購入を優先した家庭衣料において、ダンナさんの衣類も買ってあげようということのようだ。

【株価診断】
 三越<2779>(東1)は3月11日に安値364円までつけ、2003年9月の上場来安値336円接近。19日には402円と400円を回復しているが、ここから上の440円にかけてはシコリが多く、戻り限界。
 J.フロント リテイリング<3086>(東1)は去る3月17日に514円と上場来の安値を更新。その後の戻りも極めて鈍い。600〜700円はシコリ帯。新規買いは見送り。
 高島屋<8233>(東1)は、去る3月18日に985円と2005年6月以来の1000円割れ。1120円前後までは真空地帯で、すんなり戻していいのだが、戻りが鈍いようだと売り直されることも。800〜900円はかなり厚い下値の壁があるので、ここまで突っ込みを待ちたい。
 松屋<8237>(東1)は1株利益がわずか13円程度、配当も年5円だが、19日の株価は2250円もしている。ファンドによる株買い集めがあるためだが、PERが170倍にも達しているので一般は手控えるのが無難。
 伊勢丹<8238>(東1)は去る11日に1075円まで下げた。これは2004年12月以来の水準でほぼ往って来いの状態。伸び率の大きい紳士服に強いということで見直し余地はあるが、1294円が上値のフシ。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:34 | 特集
2008年03月17日

株式投資にもダイヤ改正待望論。関西電鉄株がコンパクトな極地戦銘柄に浮上?(浅妻昭治のマーケット・センサー)

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー JR、私鉄のダイヤが改正された。寝台夜行特急「銀河」が廃止された一方、小田急のロマンスカーが地下鉄に乗り入れるなど話題が豊富である。ロマンスカーの千代田線直通運転などは、遠くの観光地・箱根が急に身近に感じられるサプライズがあって、乗ってみたい春らしい気分にさせられる。
 株式相場もダイヤ改正といかないものか。相変わらず米国のサブプライムローン問題が、相場の波乱要因になっている。毎度、毎度振り回されて暗く落ち込むのを勘弁してほしいのである。すでに目敏い投資家は、円高を逆手にとって外貨預金に殺到しているが、株式投資でもダイヤ改正策を待望したくなる。今週も、米大手証券の決算発表が相次ぎ、「バッド・ニュース」の大洪水が予想されるから、その裏を取って鼻を明かすくらいの春本番の爽快感が欲しい。となると、外国人投資家の保有株式数が少ない銘柄、外国人投資家の換金売りの対象にならない銘柄から投資対象を絞り込んで、コンパクトな極地戦相場に備えることがベターとなる。
 そこで関西電鉄株はどうか?トップバッターは南海電気鉄道(9044)である。かつては「西の南海、東の京成」と並び称されて電鉄業界のお荷物企業だったが、大分、ダイヤ改正が進んできたようなのである。昨年4月のビッグプロジェクトの「なんばパークス」の全館オープンに続き、今年2月には今3月期の5円配当への増配を発表、さらに前週末には3月21日付けで東証1部への新規上場が承認された。2番手は、期待の中之島線が今秋開業する京阪電気鉄道(9045)あたりか。あの村上ファンドが、阪神電気鉄道に企業買収を仕掛けて関西私鉄株が軒並み動意付いた2005ー06年以来の2年ぶりの浮上場面があるかもしれない。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:42 | 特集
2008年03月14日

「出来高」と「売買高」の違いを教えることから証券界復権がある

株式市場の話題退職された元証券会社役員氏との会話

――久振りですね。昨年、引退されていかがお過ごしですか。
元役員氏
 正直、ノルマがなくなって気持ちが楽になりましたね。証券界に長く努め、お陰で家族を養い、子供を一人前にさせてもらったところですから感謝の気持ちはありますが、今の証券の環境は厳しいですね。

――離れてご覧になると、証券界の変わり方がよく見えるのでは。
元役員氏
 そうですね。金融商品取引法の施行が物語っているように、法律上は証券会社がなくなり、銀行のような商売をやりなさい、ということになっています。これは大変な変化です。証券界、とくに株の世界は、ある種の「夢追い」的なところがあって、勢いでやってきただけに、「じっと待つ営業」に切り替えるのは正直大変なことです。

――現場の方のご苦労も多いようですね。
元役員氏
 これから入って来られる若い人は、「そういうものだ」、ということで違和感はないでしょうが、ノルマで生きてきた証券マンはつらいですよ。先日、アナリストと話したら、レポートを書いても、社内のチェックが厳しくて、これでは、「本に出てくる昔の関所みたいで、ヤル気がなくなりますよ」と言っていましたね。証券界へ入ろうという若い人はいなくなる心配があります。

――間接金融から直接金融と言われていますが。
元役員氏
 方向としてはそうなんでしょうけど、その前に、今の金融制度の中で何社の証券会社が着いて行けるかという問題がありますね。当局は、昔から証券会社の数が多すぎると言っていましたが、その方向になっているんではないですか。

――個人投資家には、まだ、自己責任を求めるだけの株に対する啓蒙ができていないのではりませんか。
元役員氏
 同じように退職した元証券会社の友人は地元でボランティアで投資教室を開いていますが、証券会社時代は、幹事会社との関係もあって、「買い」しか言えなかったが、今は「ウリ」もしっかり教えている、と言っていました。ウリ・カイ両方を教えることも、地道だけど大事なことでしょうね。言葉ひとつ取っても、「出来高」ではなく、「売買高」が正しいのですからね。出来高と言う時はカイだけが意識されていますが、売買高と言う時はウリとカイの両方を意味しているのですから。こういうことから、やり直しでしょうね。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:25 | 特集
2008年03月04日

東京・台場『ジョイポリス』から連想した優良銘柄(田北知見の銘柄ウォッチ)

田北知見の銘柄ウォッチ 過日、東京・台場にある『東京ジョイポリス』へ行った。室内遊園地というか、大きなゲーセンというか…。『東京ディズニーランド』にあるような、バーチャル式の乗り物(目の前に映像が流れ、シートが動く、あれです)がいくつかあり、池袋の『ナムコ・ナンジャタウン』にあるような占いアトラクションもあり、カーレースなどができるゲーセンっぽい施設もあり。
 東京ディズニーランドほど本格的ではないので、あまり疲れることもなく、気軽に遊びに行ける。それでいて、ナンジャタウンほどショボくはない(ナンジャタウンさん、すみません)。室内なので、たとえば『東京ドームシティ・アトラクションズ』のように、寒風にさらされることなく遊べる。
 中途半端といえば中途半端だが、ちょうどいいといえばちょうどいい。そんな感じだった。お台場海浜公園にあるので、窓からの景色もきれいだし。
 というわけで、ジョイポリスから連想した優良銘柄。

■セガサミーホールディングス<6460>(東1)
パチスロ&アミューズメントのセガサミーホールディングスは続落からのリバウンド局面

 セガサミーホールディングス<6460>(東1)はパチスロ最大手のサミーと、業務用ゲーム・アミューズメント施設運営最大手のセガの持株会社。ジョイポリスはセガがやっている施設ということから、この銘柄を取り上げる。
 チャートを見ると、2月13日につけた上場来安値832円からのリバウンド局面にある。このまま続伸して、まずは次のフシ1500円ライン奪回を目指したい。
 ところだが、今期2008年3月期連結業績予想は、売上高は前年実績比減収、営業・経常・純損益は損失計上の見込み。パチスロ・パチンコ遊技機の販売台数・利益が計画未達となりそうだから。また、今期中に計上を見込んでいた不動産売却益が来期へズレ込む見込みとなったため。
 しかし悪材料出尽くしで、そろそろと買い戻しが入っているようだ。信用残は売り長なので、このまま続伸なら、買い戻しも入り、さらに続伸…との期待も持てそうだ。

■バンダイナムコホールディングス<7832>(東1)
玩具&ゲーム、アミューズメントのバンダイナムコホールディングスは底値からの戻り足

 バンダイナムコホールディングス<7832>(東1)は玩具最大手のバンダイと、遊戯機器メーカー・ゲームソフト開発・アミューズメント施設事業を行なうナムコが経営統合して誕生した持株会社。ゲーセン&セガサミーからの連想で、ここに取りあげる。
 2月初旬に、2008年3月期連結業績予想を下方修正。売上高は前年比増収を確保する見込みだが、営業・経常・純利益は減益見込みとなった。おもな理由は、アミューズメント施設事業の市場環境が厳しいことだという。
 チャートを見ると、上記発表で急落し、2月12日には上場来安値1040円をつけた。以降は反発→ジリ高で来ている。まずは急落前の1500円ラインまで戻したい。
 『週刊東洋経済』3月1日号の高須武男社長インタビューを読むと、今後の統合効果や新中計などに期待が持てそうな気もする。
 2月29日終値1307円でPERは12.47倍と、割安水準。信用残は売り長なので、続伸なら買い戻しが入り、続伸加速…との展開も期待してみる。
(2008/3/1「株マニ」掲載)

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:48 | 特集
2008年03月03日

3月相場のパフォーマンスは思ったより良好。突っ込み狙い(特集)

■「3月の日経平均」の動き
始値 終値 陽線・陰線 2月末比
1993年 16,956円 18,591円 陽1,635円 +1,638円
1994年 20,052円 19,111円 陰941円 −886円
1995年 17,017円 16,139円 陰878円 −914円
1996年 20,093円 21,406円 陽1,313円 +1,281円
1997年 18,517円 18,003円 陰514円 −554円
1998年 16,901円 16,527円 陰374円 −304円
1999年 14,362円 15,836円 陽1,474円 +1,469円
2000年 20,030円 20,337円 陽307円 +378円
2001年 12,811円 12,999円 陽188円 +116円
2002年 10,641円 11,024円 陽383円 +437円
2003年 8,397円 7,972円 陰425円 −391円
2004年 11,112円 11,715円 陽603円 +674円
2005年 11,734円 11,668円 陰66円 −72円
2006年 16,026円 17,059円 陽1,033円 +854円
2007年 17,542円 17,287円 陰255円 −317円
2008年 13,412円      

 15回中=陽線8回(平均幅867円)、陰線7回(493円)
 前の月「2月」比較 高い8回(平均855円)、安い7回(平均491円)

 過去15回の3月相場は陽線8囲・陰線7回と、回数ではほぼ互角。だが、陽線となったときの幅は非常に大きい。また、2月末と3月末比較でも(+)8回、(−)7回でこちらも同じ傾向。今年の3月は、「始値13,412円」と低い水準からのスタート。それだけに切り返せば意外に陽線となる可能性はある。「突込み」は思い切って狙える。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:14 | 特集

「シンプル・イズ・ベスト」の円高関連株の消去法付きで四国電力が浮上素地

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 「シンプル・イズ・ベスト」である。物事は単純であればあるほど分かりやすく説得力がある。株式投資も例外ではない。単純明快に買い材料を提示できる銘柄が、かつてケインズが、株式投資の極意として伝授したいわゆる「美人投票」のトップを占める。
 サブプライムローン問題だ、モノラインの格下げ問題だと振り回されている現在の相場環境下なら、このトップに擬せられのはさしずめ円高関連株となるはずである。前週末に為替相場が、1ドル=103円台まで円高となり、今週の為替相場見通しでも1ドル=101円が次のフシ目との観測が有力となっているからだ。
 となれば今週の人気株は、円高関連株の電力株、紙パルプ株で決まりとなるはずである。とくに電力株は、今月の3月決算月の期末配当取りの常連株でもある。ところがこれが困ったことに「シンプル・イズ・ベスト」と参らないのである。例の相次ぐ企業不祥事が原因だ。電力株は、原子力発電所のデータ改ざんにトラブル隠しである。それに原発の運転停止に原油価格高騰が重なり、今3月期の業績下方銘柄も続出した。
 もう一方の紙パルプ株も、再生紙の古紙配合偽装問題が突発し、まさに芋ずる式に各社社長の謝罪会見が続いた。それに王子製紙が、仕掛けたTOBが総スカンをくい、業界再編も不完全燃焼に終わりそうだ。
 円高関連株も「シンプル・イズ・ベスト」ではなく、消去法前提付きでリサーチしなけらばならないとすると、いささか説得力と迫力に欠けるのは否めない。そのなかで浮上するのが、四国電力(9507)である。今年の夏の四国地方の異常渇水で、水力発電の出水率は大きく低下したが、原子力発電の設備利用率は、定期検査による運転停止もなくアップしている。このため今期業績も、期初予想通りの増収増益、純利益は連続の過去最高をキープできる見込みである。チャートも、他の電力会社と異なり下値切り上げ型となっており、「シンプル・イズ・ベター」株程度に注目される素地がある。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:25 | 特集
2008年02月28日

「NY健闘」「中国意外安」「日本カヤの外」の姿、指数で見る世界の株

特集 掲載した表から分ることは、「NYダウ」の健闘、「中国株が意外な下げ」という姿だ。
 サブプライム問題震源地のアメリカだが、「なんとしても踏ん張らなくては」という政策が伝わる。昨年から5回、合計2.2%の金利下げで景気悪化を食い止めようとしている。FRBはさらに金利の引き下げを予定しているという。NYダウはこれを材料に高値から10%の下げで踏みとどまっている。しかし、一方で原油価格の再上昇で、物価が上昇の気配を濃くしている。

昨年来高値

2月27日

NYダウ

14,164ドル(07年10月9日)

12,694ドル ▼10.3%

日経平均

18,261円 (07年7月9日)

14,031円 ▼23.1%

TOPIX

1,816(07年2月26日)

1,364 ▼24.8%

上海総合

6,092(07年10月16日)

4,334 ▼28.8%

日経PER

21.4倍(07年2月26日)

15.5倍

日経PBR

2.28倍(07年2月26日)

1.6倍

任天堂

73,200円(07年11月11日)

57,000円 ▼22.1%


 新興国の経済が一服して原油使用量が落ち着いてくれるとよいのだが、いったん豊かさと便利さを覚えたら簡単にはエアコンのスイッチを切ろうとはしない。その間に、アメリカの景気はどんどん悪化していく。日本ではバブル崩壊後にゼロ金利としたが、アメリカもそこまで必要となるのではないか。当然、ドル安。NYダウは踏ん張れなくなって下放れる可能性を含んでいる。
 中国はオリンピック前に経済が天井をつけた可能性がある。昨年からの高値比較だけで中国の先行きを占ってはいけないが、はっきりしていることは6000ポイント台で買った投資家がいることだ。投信も下がっているはずだ。その人たちの投資資産は目減りし、消費を慎重にさせる。株には「ショック安」があるが、日本も過去そうだったように、ショック安という時は短期間の内に切り返して、下げ幅の倍返しをしなくてはいけない。インフレが目立つ中国、急いで株価が回復しないと、「オリンピックの年は主催国の株価は天井」というジンクスが台頭してくる・「いまこそ中国株を」、という証券会社の元気のいい宣伝文句も見受けられるが、大事な時期に来ているのでよく考えることだ。

 日本はPER、PBRが低下し「割安」との声が高くなっている。しかし、『割安に買いなし』の格言もあるように、なぜ、割安かを考えなくてはいけない。ひと言でいうなら「成長」が見込めないからだ。少子高齢化、格差に対する不満で野党の進出を許し経済の活力が低下する懸念が強いのだ。それでなくても、原油高騰の影響で企業業績はこれから悪化する。早い話、1株年10円配当を取りに行っても株価が20円も下がればキャピタルロスとなる。日本の景気、企業業績が上向きに転じた時にこそはじめて「割安」が存在感を示すのである。当面、日本はカヤの外なのである。あの元気印の任天堂株価だって20%も下げているのだ。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:24 | 特集
2008年02月26日

「三寒四温」相場は弱気、強気に振り回されずに自動車株に乗って(浅妻昭治のマーケット・センサー)

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 「三寒四温」といえば、冬から春先の天気を表す気象用語である。寒さと暖かさが交互に繰り返す周期を指し、この繰り返しのなかでやがて桜の花の咲く春本番を迎えることになる。兜町でも、「三寒四温」相場といえば、弱気相場から強気相場へシフトする境目の相場状況を言い表す常套句として使われている。
 現在只今の米国のサブプライムローン問題に振り回されている東京市場は、まさに「三寒四温」相場そのものである。サブプラ問題は最悪事態を通過したのか、織り込み済みか、それともまだまだ寒のぶり返しで大揺れに揺れる余地を残しているのか、弱気、強気が交互に現れては消えるからである。
 しかも、気象用語の「三寒四温」は、春の接近とともにその繰り返しの周期を7日間から4日間に短縮しスピードアップするという。これもまさに現在の株式相場そのもので、強気、弱気が4日間以上続いた試しがない。
 振り回されれば仕掛け損となる。腰を落ち着けて「三寒四温」を乗り切らなければならない。自動車株で今3月期業績を上方修正したホンダ(7267)ダイハツ工業(7262)にクルマを走らせてもらうのも、寒さ対策として一考余地がありそうだ。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:17 | 特集
2008年02月23日

【業績拝見】夢真ホールディングスは多角化事業を清算、得意の人材派遣事業に経営資源を集中

夢真ホールディングス<2362>(大証へラクレス)

株価急騰の千年の杜(大2)株式保有で人気も波及
今期、営業利益率が一気に10%台突破へ向上、2円復配


売上高営業利益営業利益率配当
05.96,4993495.371.93
06.941,5548372.011.00
07.938,8312880.740.00
08.9予8,1001,05012.962.00
 (単位百万円・%、円)

 目につくのは、「売上」の変動ぶりだ。これは、積極的なM&Aによる「多角化」と、多角化戦略見直しによる「本業回帰」という流れによるものだ。企業集団状況の推移で見ると分りやすいのでグループ企業数を取り上げてみる。

・04年9月期=子会社1社、関連会社1社
・05年9月期=子会社6社、関連会社1社
・06年9月期=子会社15社、関連会社1社
・07年9月期=子会社13社
・08年9月期予想=連結子会社は夢真コミュニケーションズのみ
 (10月1日に夢真コミュニケーションズは、夢真ホールディングスと合併予定)


一時237億円の有利子負債を60億円まで圧縮
さらに今期末には40億円へ


夢真ホールディングスホームページ 売上高の急増、急減は多角化によるもの。06年9月期には多角化で子会社を増やしたことで売り上げが急増したが、今期08年9月期は多角化の清算で減少する。しかし、不採算の整理によって、営業利益は今期急回復し年2円復配する見通しだ。また、06年9月期に有利子負債は237億円あったが、07年9月期には60億円へ大幅減少、さらに08年9月期には40億円まで減少する。営業利益率も08年9月期は12%台へ急向上する。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 23:53 | 特集
2008年02月18日

「造船三国志」から連想した、造船2銘柄(田北知見の銘柄ウォッチ)

田北知見の銘柄ウォッチ 過日、『東洋経済オンライン』サイトで、「復活 日本――日中韓・造船三国志」という記事を読んだ。上記3ヵ国の造船業界事情について、詳細にレポートされていて、ゾクゾクするほどおもしろかった。
 ところで、国内株式市場でも、一時、造船株が人気化し、三井造船<7003>(東1)日立造船<7004>(東1)などが騰がっていた。その後、地合いの悪化とともに続落ぎみで来て、最近はアク抜け。テクニカル的にも、また、PERなどの面から見ても、割安、買い時となっている。
 というわけで、造船銘柄。今回は、上記2銘柄ではなく、東証2部と大証1部に上場している、ちょいマニアックな?2銘柄を取り上げた。

■名村造船所<7014>(大1)
名村造船所は業績好調、大口株主も堅い優良企業株

 名村造船所<7014>(大1)は本社を大阪市に置く、中堅造船会社。大口株主には、新日鉄、日本郵船、商戦三井、三菱重工業などの優良企業が並ぶ。
 業績は好調。今期2008年3月期連結業績予想は、前年実績比増収増益。売上高は約1割の増収、営業・経常・純利益はそれぞれ4〜5割超の増益を見込んでいる。業界観測では、会社側予想値より上ブレの予想値を出しているところもあり、また、次期2009年3月期もさらに増収増益と見られている。
 チャート的には、昨年10月につけた上場来高値2510円をピークに続落。この1ヵ月ほど、1000円ラインでようやく底打ちの様相となっている。このまま続伸して、まずは次のフシであり13週移動平均線でもある1400円ライン、さらに次のフシであり26週移動平均線でもある1600円へ…と戻り足で行きたい。
 14日終値1124円で、PERは11.29倍と割安。PBRは1.65倍と、成長期待値もありだ。

■内海造船<7018>(東2)
内海造船は1月新安値からジリ高、一目均衡表の雲を上抜けへ

 内海造船<7018>(東2)は広島市に本社を置く、中堅造船会社。大口株主には日立造船をはじめ、広島銀行、損保ジャパン、JFEスチールなど、これも優良企業が並んでいる。
 業績はこれまた好調。今期2008年3月期連結業績予想は、売上高366億円(前年実績比42.6%増)、経常利益15億8000万円(同88.8%増)、純利益7億3000万円(同71.3%増)の、大幅な増収増益を見込んでいる。業界観測では、次期2009年3月期もさらに増収増益と見られている。
 チャートを見ると、昨年6月につけた上場来高値1050円から続落。1月17日につけた年初来安値336円を底に、反発。ジリ高で来ている。
 14日終値は475円。現在の500円ラインはひとつのフシだが、一目均衡表では、ちょうど雲に入ったところだ。このまま雲を上抜け、次のフシであり26週移動平均線でもある、600円ラインを目指したい。
 現在の株価でPERは14.66倍、PBRは2.17倍と、買い頃の数字だ。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:14 | 特集

天気予報が悲報となるか朗報となるか、花粉症関連株に早めのお手当て(浅妻昭治のマーケット・センサー)

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 天気予報と相場観測は、兄弟のように似たDNA(遺伝子)に支配されている。理論家ほどよく曲がるからだ。この冬の寒さや降雪も、決算発表での下方修正銘柄の続出、逆業績相場の展開も、気象予報士や証券アナリストの予報・観測を完全に裏切るネガティブ・サプライズであった。
 その天気予報では、今週半ばから寒さが緩むとされた。となると、いよいよ花粉が飛び始める。環境省の予報では、今年は花粉飛散量の当たり年となっている。この予報が当たるようなら、花粉症の患者の方々には悲報となるが、兜町にとっては朗報となる。サブプライムローン問題の圏外に位置する花粉症関連株の出番となるからだ。
 ただ関連株は、薬品株、ドラッグストア株、関連グッズ株などと幅広く、銘柄を絞り込むのが一苦労で、関連度が薄くなるのが難点となる。理論家には怒られそうだが、人気化する銘柄にチョウチンをつけるモグラ叩き流で対処するほかない。取り敢えずロート製薬(4527)大正製薬(4535)ユニ・チャーム(8113)あたりから早めのお手当てが無難となりそうだ。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:23 | 特集
2008年02月17日

止まらない発展途上国の成長

特集世界株式市場の資金は発展途上国へ

 07年7月からのサブプライムローンショックにより全世界の株式市場は下落した。下落率は日本の32%や香港の31%を筆頭におおむね20%下落した。しかし1月22日のアメリカ緊急利下げ以降世界の株式市場は戻りに入りつつある。
 中でもインドネシアやブラジルは最高値に接近しつつある。インドネシアは19%下落したあと現在は最高値まであと5.5%、ブラジルも19%下落したあと最高値まであと4.8%にまで回復してきている。反面アメリカやイギリス、日本、ドイツ、イタリアなどは安値から5%程度しか反発していない。世界の株式市場の動きからすると発展途上国には資金がふたたび戻りつつあり日米欧の先進国には資金が戻っていないことがわかる。
 インドネシアやブラジルの上昇は小麦や大豆、とうもろこし、金、銀、白金、原油などの商品市場と同様にファンドの資金が回帰してきているさきがけと考えられる。今後フィリッピンやパキスタンを先頭にロシア、インド、中国などに上昇が波及してくれば本格回帰につながる。

中国バブルは、はじけるか!?

 世界大恐慌の始まりと勘違いした投資家も少しずつ冷静さを取り戻しつつある。株式市場の動きからすれば先進国では経済成長が伸び悩む反面発展途上国では今後も経済成長が続くことを表している。
 北欧など人口の少ない国を除き一人当たりGDPが35000ドルを超えた国では国際分業が進むなか国際競争力は低下するとともに経済成長も低下する。1970年代まで発展途上国では工業製品が生産できるようになるとは考えられていなかった。発展途上国では政情不安や教育水準の低さ、身分制度、多民族など多くの障害を抱えていたからである。今、アフリカで工業製品が作れるようになると考える人がほとんどいないのと同じことである。
 しかし1980年代に入り中国で電気製品の生産が始まり2000年代には中国が自動車生産で世界第二位となりインドでも生産が始まる時代となった。工業製品の2大商品である電気製品や自動車が生産できるようになればさらにハイテク製品やIT産業までに進むことは十分可能である。中国の検索エンジン「百度」はすでに世界第三位のシェアを占めるに至っている。
 北京オリンピックで中国バブルははじける、はじけてほしいと国内投資家の多くは願望している。しかし現実的には技術力をつけ人的・鉱物資源のある発展途上国の成長は止まらない。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:56 | 特集
2008年02月16日

マクロとミクロのミスマッチ、上値買いは厳に慎むべき(犬丸正寛の株で見る世の中)

 株式評論家 犬丸正寛

犬丸正寛 日本の07年9〜12月期のGDP(国内総生産)が年率で3.7%の伸びと発表された。
 2004年が年間で1.0%、05年は1.1%、06年も1.6%だった。7−9月の瞬間風速とはいえ今までの経済実勢に比べ、「本当だろうか」と思わざるをえない。もっとも、これは速報値。後で、実際は小さい伸びでしたと修正されるケースは多い。
 仮に、後で下方修正されるなら、14日の500円を超える日経平均の急騰は何だったのかということになる。これも、生の経済の営みと言われるならそうだろう。
 一方、個人投資家にとって、景気以上に身近な企業業績は、「悪化している」との実感が強い。07年4〜12月期の企業業績発表が一巡したが、「下方修正」が目立ったからだ。
 このため、個人投資家はマクロのGDPが好調と強調されても鵜呑みにはしていない。どこかの、誰かが、経済悪化の印象を強くさせたくない気持ちがあるだろうことも推測されるが、当の日銀総裁は「景気の下降リスクの強まり」を強調されている。
 マクロとミクロのミスマッチは、家庭内で、父親と母親の言うことが違い、家庭不和が発生しているのと似ている。実体経済が悪化する前に起きることだ。上値買いは絶対に慎むべきである。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 20:16 | 特集
2008年02月12日

「春闘」と業績下方修正の因果関係は、今後の株価動向にも因果関係か?(浅妻昭治のマーケット・センサー)

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 「春闘」と3月期決算会社の第3四半期(3Q)決算発表との間には、直接の因果関係はないはずである。しかし、3月12日の集中回答日に向けて労使交渉がスタートした途端の業績下方修正オンパレードで、株価急落銘柄の続出だ。日本経団連の「賃上げ容認論」を前に、総論賛成、各論反対で、守りを固めた経営側のムード作りとの因果関係の疑いが拭えないのである。
 この疑いは、下方修正の中身を吟味するとより深まる。例えば、3Qまで9カ月累計の従来の12カ月通期予想業績に対する進捗率である。3Q業績が2ケタ増収増益で着地し、進捗率が目安の75%を上回っているにもかかわらず下方修正したケースが少なくない。それだけ第4四半期の残り3カ月のサブプライムローン問題の動向や米国の景気後退、円高、需給の不均衡化、販売価格の低下などを重く厳しくみていることになる。しかし、同じ業種・業態で上方修正と下方修正が混在している事実に直面すると、極度の悲観論として否定できなくなる。
 もしもこの疑いが当たらずとも遠からずということになれば、今度は春闘が終了したあとの期末にかけて上方修正オンパレードとなる可能性がないともいえないのである。急落した株価が、買いとなる逆の因果関係が成り立つことになる。
 サンプルとして、イビデン<4062>(東1)の今後の業績・株価動向を見守りたい。もちろん同社を含めて、同時に自社株式取得を発表して業績下方修正、株価急落へのエクスキューズを予め用意した銘柄までリサーチの輪を広げても何ら問題はない。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:38 | 特集
2008年02月11日

米国農産物価格急騰が日本の個人消費に与える影響

特集 上昇傾向にあった農産物価格が2008年に入りさらに騰勢を強めてきている。小麦は07年6月に600ドルを突破したあと08年2月01日には1093ドルに、大豆は07年8月の800ドルから08年2月01日は1374ドルに、とうもろこしも07年11月の400ドルから08年2月01日には528ドルにまで上昇している。
 上昇した要因には中国やインドなどが肉を食べ始め、家畜のえさ需要が増加したことやバイオエタノール需要が増加したことがある。こうした需給バランスがタイトになるなか世界の投資ファンドは株式や不動産から資金を引き上げ農産物や資源、貴金属などにふりむけはじめており直近の急騰につながっている。

米国農家は空前の好景気を享受

 サブプライムローン問題で世界大恐慌到来を予測する声はあるものの商品市況の高騰をみるかぎり景気減速は軽微と考えられる。
 1929年の大恐慌では農産物価格暴落が引き金となった。農産物価格が大暴落となり農業経営は破綻し農地価格は半値近くにまで落ち込み、農家に貸し付けていた商業銀行のうち4000もの銀行が破綻に追い込まれている。金融危機は株式市場に波及しNYダウは最高値の360ドルから40ドルにまで売り込まれた。
 現在のアメリカでは農産物価格の急騰により農家は空前の好景気を享受しているものと見られる。アメリカの農業生産高シェアはとうもろこしが40.1%で世界第一位、大豆も35.3%で世界第一位、小麦では11.4%で世界第三位となっている。ちなみに原油生産においても7.6%を産出し世界第三位である。サブプライム問題で消費減退が叫ばれているものの空前の好景気である農家や産油業者が個人消費を補うものとして注目される。

輸入に頼る日本はマイナス要因

 一方日本では資源も農作物も輸入に頼っているためマイナス面でしかない。個人消費は生活必需品の価格上昇でさらに冷え込こむ原因となる。企業は原材料費の上昇を個人消費が弱いため最終商品価格に転嫁できない状況が続いている。企業の08年度業績は大きく落ち込む可能性が出ていることを日経先物は表している。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:24 | 特集