
農耕民族の先送り・神風頼りの日本流とは違って、狩猟民族のアングロ・サクソン流は速戦即決、フルスピードで走りながら難問に切り込む勇猛果敢さが印象的である。しかし、余りの仕事の速さに、一体、サブプライムローン問題の根源がどこにあるのか忘れさられるのではないかと他人事ながら心配になる。このまま問題が処理されたら、責任は誰にあるのか、何が要因だったのか闇の中となるかもしれない。いわゆるモラルハザード(倫理の欠如)である。法廷で裁かれる責任者が一人や二人、出てこなければ納税者の納得は得られないのが、洋の東西を問わず普通の感覚である。
とにかく急転直下の公的資金注入で株価も大暴落から急反騰した。この反騰相場での「ジャパニーズ・スタンダード」は、暴落を挟んで前と後では、物色銘柄が大きく変わるとされていた。暴落前の人気銘柄には高値のブラ下がりがいて、それが上値のシコリとなって戻りを限定するとされる。しかし昨日14日の日経平均株価の1171円高を見る限り、大きく下げた株ほど大きく戻り、物色傾向の変化はない。あるいは真空地帯を急落、急反騰しただけでこれから選別が起こってくる可能性がないでもない。
選別の尺度はもちろんこれから本格化する決算発表である。足元、下方修正銘柄続出のなかで上方修正セクターが出てくるのか、あるいは再び「勝ち組」、「負け組」の2極化が起こるのか予断を持たずに見守らなければならない。業界トップよりも2番手グループを証券アナリストが意外に強気で分析しており、マツダ(7261)、スズキ(7269)、日立製作所(6501)、三菱電機(6503)あたりで「ジャナニーズ・スタンダード」を試してみるのはどうだろうか。
浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。