
中国四川省で5月12日、大規模な地震があった。14日現在、国営新華社などの報道によると、2万3000人以上が生き埋めになり、死者は1万2000人を超ているという。8月に北京オリンピック開催を控え、気の毒というほかはない。日本政府は13日現在、テントや毛布などの援助物資と資金、合わせて5億円相当の緊急支援を実施することを明らかにしている。今後、要請があれば、医療などの人的支援も行なう用意があるという。
現地に進出している日系企業では、
トヨタ自動車<7203>(東1)、
ヤマハ発動機<7272>(東1)、
アルバック<6728>(東1)、
NEC<6701>(東1)などの被災が伝えられている。が、日本市場での株価には、とくに大きな影響は見られないようだ。
それよりも気になるのは、やはり被災地からのルポなどの報道だ。倒壊した建物から被災者を救出する様子や、「すべてを失ってしまった」と号泣する被災者の姿。そういう光景を見ると、誰でも涙ぐんでしまう。
大地震というと、日本人の多くは1995年の阪神大震災を思い出すのではないだろうか。震災のすぐ後、被災した友人(本人は無事だった)と話した。彼は淡々と言った。「瓦礫の下から、何人もの人を引っぱり出して助けた(本人は、レスキュー関連とかではなく、ふつうの会社員)」「何人かは、引っぱり出した時には、もうだめだった(亡くなっていた)」「そこらに、遺体が並んでいるのに、人間って、不思議だよね、ちゃんとお腹が空くんだ」・・・
以下、「地震」をキーワードに探した、優良銘柄。(2008/5/15 株マニ)
■アイホン<6718>(東1)
アイホンは今期減収減益・株価続落で、堅い優良企業株の買い時 アイホン<6718>(東1)はインターホンのトップメーカー。気象庁の『緊急地震速報』に連動して、同速報を提供するシステムを開発。同予報業務の許可事業者にもなっている。
今期2009年3月期連結業績予想は前年比減収減益のため、株価も続落トレンドで来ている。が、防犯・防災向けやケア向けなど成長のタネはある。有利子負債ゼロ、現金等約100億円のキャッシュリッチと、財務面は堅い。大口株主には生保、信託銀行、都銀、信託口などが並んでおり、堅い。
13日には年初来安値1312円をつけ、14日終値は1359円と、押し目(だと思いたい)を形成している。PERは13倍台、PBRは約0.7倍と割安水準。信用残は約0.2倍の売り長。中期では割安底値圏の今が買いと見たい。
■ダイフク<6383>(東1)
ダイフクは上昇トレンドの好チャート。業績、財務、大口株主構成ともに良好、「死角なし」 ダイフク<6383>(東1)は搬送システムの国内最大手メーカー。立体自動倉庫や自動車生産ライン用コンベアーシステムなどを製造している。地震速報の受信装置の関連銘柄としてここに入れる。
業績は堅調。2008年3月期連結業績予想は、売上高2300億円(前年比1.2%増)、経常利益194億円(同4.9%増)、純利益114億円(同0.2%増)の増収増益を見込んでいる。業界観測では、2009年3月期もさらに増収増益との予想値も出ている。
2007年9月中間末で実質無借金、現金等約200億円のキャッシュリッチと、好財務。大口株主には信託口、都銀、生保などが並ぶ優良株だ。
14日終値1355円で、PERは13倍台と割安水準。PBRは約1.9倍。チャートを見ると、3月18日につけた年初来安値1094円を底に、凸凹しながらも続伸トレンドをえがいている。このままトレンドをなぞり、次のフシ1500円ライン奪回を目指してみる。
田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:36
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