
今週の当特集は、やや急ぎ働きとなることは否めないが、緊急事態宣言が延長されコロナワクチンの接種が遅れている国内市場より、その圏外に位置する国際海運市場を舞台とする海運株とコンテナ船関連の周辺株に注目することとした。川崎汽船、日本郵船の決算発表、業績ガイダンスをウオッチしつつ、軟化観測の次のフシ目とされる「海の日」の7月22日までをマークしたい。
■「1強4弱1問題外」が「ONE」体制に再編し業績上方修正が続き大幅増配
コンテナ船は、かつては「同じ貨物を北米まで運んでも運賃は、国内の宅急便より安い」と嘆かれたものだ。まだ「1強4弱1問題外」と皮肉られた中核6社を頂点とする集約体制が存在していた時代である。その中核6社は、幾多の離合集散を経てコンテナ船中心の大手3社に再編され、さらに3社の定期コンテナ船事業が「ONE」に統合された。業績も、コンテナ船の賃料上昇・荷動き増で様変わりとなり、日本郵船は、きょう12時発表予定の前2021年3月期業績を第2四半期業績を含めて、期中に7回も上方修正し、純利益は12期ぶりに過去最高を更新する見込みである。
配当も増配し、同じく増配した商船三井とともに、業種別の増配幅は、海運株がトップとなった。あの第1次世界大戦時に「船成金」が続出した大正バブルでは、日本郵船は11割配当も行ったとも伝えられており、彷彿とさせる。もちろんPERは前期推定ベースで日本郵船が5倍台、商船三井が予想ベースで6倍台、川崎汽船が推定ベースで3倍台と超割安となっており、上値チャレンジをサポートしよう。また銅先物価格が、最高値を更新するなど資源価格が上昇し、さらに中国の穀物、鉄鉱石などの高水準の輸入が続いていることから不定期船関連の海運株も、追随高する展開が想定され乾汽船<9308>(東1)、NSユナイテッド海運<9110>(東1)、飯野海運<9119>(東1)も要注目となる。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:43
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