[特集]の記事一覧
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記事一覧 (05/19)株には電車、飛行機のように終着駅表示のないおもしろさがある=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (05/13)買い落城の安峠・売り落城の高峠=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (04/28)買いたし時は下げず 売りたし時は戻らず=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (04/21)木は庭に植えず山に植えよ=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (04/14)商いは1日だけの喜憂にあらず=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (04/07)中期投資は花を追って北に上る蜜蜂のごとし=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (03/31)健康も株も昔腹8分が今6分=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (03/24)立派な本社ビルを建てたらいったん売り=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (03/17)株は物と違って買いと売りをセットで考えなくてはいけない=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (03/10)人の健康も株も複合的要因で動く=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (03/03)買いたい時は3日待て=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (02/24)希望的観測では成功はおぼつかない 株投資では尚更である=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (02/17)相場は計算と直感で攻める=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (02/11)ゲームというもの経済の繁栄と安定の上で成り立つ=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (02/03)買うまでの強気 買ってからの弱気 どこか似ている恋心=犬丸正寛
記事一覧 (01/27)商売は売手買手が明確だが相場は売手買手が変身する=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (01/20)社会も相場も出来事で動く=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (01/04)【大発会ダイジェスト】新年恒例の「大発会」で晴れ着姿の女性たちが記念撮影
記事一覧 (01/03)【2018年の注目テーマを探る】AIやIoTなどの先端技術が主役
記事一覧 (01/01)【新春相場展望】2018年前半は上値追いに慎重、お盆を目安に上昇トレンドへ=長島和弘
2018年05月19日

株には電車、飛行機のように終着駅表示のないおもしろさがある=犬丸正寛の相場格言

■株には電車、飛行機のように終着駅表示のないおもしろさがある

株には電車、飛行機のように終着駅表示のないおもしろさがある 公共の乗り物は時刻表による運行が行われています。株式市場も国民の大切な公共財産ですが、乗り物のように運行表はなく運行・運用は各自の判断にまかされています。行く場所とでも言うべき投資先銘柄を自ら決め、乗り降りに当る時刻も自らが設定します。

 とくに、公共交通機関には必ず、どこまでとういう終着駅が決まっていますが、株投資では終着駅が決まっていないことが大きい違いで、ここに難しさと同時におもしろさがあります。500円だった銘柄が1000円に上昇、さらに上がるかもしれませんし下げに転じるかも知れないというワクワク感です。

 仮に、1000円で売却すればそこがその人にとっての投資の終着駅です。電車なら終着駅で寝過ごしても起こしてくれますが、終着駅のない株投資では誰も手を貸してくれないことを心しておきましょう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:26 | 特集
2018年05月13日

買い落城の安峠・売り落城の高峠=犬丸正寛の相場格言

■買い落城の安峠・売り落城の高峠

買い落城の安峠・売り落城の高峠 落城とは、言うまでもなく戦いに敗れて城を明け渡すこと。峠とは、ここでは「フシ」「転機」と受け取ってください。安峠は底値、高峠は天井の意味です。これも当たり前の話ですが、戦いには必ず相手がいるのですが、しかし、株式投資については、「自分で銘柄を研究して投資をするのだから相手は関係ない。戦いがあるとすれば自分の欲との戦い」と思われている方も多いことでしょう。確かに、最終的には自分の欲との戦いですが、実際には欲があろうとなかろうと投資家はマーケットという戦いの場にさらされているのです。弓矢や砲弾こそ飛んできませんが、投資家の「欲」につけ込んだ心理戦なのです。

 戦国時代には全国あちこちで大小の戦いが繰り広げられたとありますが、武田信玄と上杉謙信のような大きな戦もありました。株式市場でも小さな相場、大きな相場が展開され、そこでの戦いの相手は「買い方」と「売り方」です。参加者ということでいえば、外国人投資家、生損保・投信・郵貯・年金などの機関投資家、一般企業、金融機関、団体、個人など非常に多岐にわたっていますが、厄介なのは、これらの投資家を買い方、売り方と決めつけることができないことです。買った株は売却しないと戦いに勝ったことにならないからです。したがって、昨日までは買いの強い味方だと思っていたが、今日は売りに回って敵となるのです。株式市場のほうが戦国時代より信用できない世界です。

 現在は外国人投資家が大きな戦いを仕掛けていますが、10数年前までは仕手筋による戦いでした。武器には信用取引が使われました。信用取引はお金を借りて株を買う、あるいは株券を借りて売却するという行為です。仕手筋はほとんどの場合、「買い方」で、戦う相手は信用で株券を売る「売り方」(カラ売り)です。三光汽船、グリコ、住友鉱山、帝国石油、不二家、中山製鋼など昭和40年代には、こうした信用取引を利用した買い方と売り方の戦いが数多く見られたものです。まさに、昔の戦国時代に匹敵するような乱世ではなかったかと思います。こうした仕手戦は信用取引という武器の使用期間が6ヶ月という制限のあったため勝敗の白黒がはっきりしたものでした。

 破れた買い方の場合は、信用取引のお金を返すために処分売りをしたところが底、即ち、買い方落城の「安峠」となり、売り方が敗れる場合は損を覚悟で株券を買い戻して返す、つまりこれを踏み上げとかイレ上げといいますが、売り方の落城となるわけで相場は高値をつける「高峠」と教えています。現在では昔のような仕手筋はいないようですが、外国人投資家を仕手筋と置き換えれば納得できることは多いと思います。今の外国人投資家はM&Aで日本の企業と戦い、最終的には日本の個人投資家に彼らが買い込んだ株を肩代わりさせるような戦いをやっているのではないでしょうか。外国人にやられない大和魂を見直したいものです。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:35 | 特集
2018年04月28日

買いたし時は下げず 売りたし時は戻らず=犬丸正寛の相場格言

■買いたし時は下げず 売りたし時は戻らず

買いたし時は下げず 売りたし時は戻らず 「押し目買いに押し目なし、戻り待ちに戻りなし」とも言います。相場というもの希望した通りには動いてくれないものです。

 仮に、Aという銘柄が1000円をつけたとした場合、800円まで下げたら押し目買いしようというケースもあれば、もう一度1000円まで戻せば売却しようというケースもあります。同じ1000円でも意味合いは大きく異なります。

 とくに、相場で大切なことは、「基調」を見誤らないことと先人は教えています。相場が強い上昇基調の場合は買いたい値段までは押してくれません。反対に相場が下げ基調の場合は希望した値段までは戻ってくれません。当り前のことですが、上昇相場では多くの人が買いたいと思い、下げ相場では多くの人が売りたいと思っているからです。

 このため上昇基調での押し目買いは希望する値段より少し上、反対に下げ基調での戻り売りは希望する値段より少し下で注文を出すようにすれば上手く行くことが多いようです。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:29 | 特集
2018年04月21日

木は庭に植えず山に植えよ=犬丸正寛の相場格言

■木は庭に植えず山に植えよ

木は庭に植えず山に植えよ 気に入った苗木を買ってきて、身近な庭に植えると、毎日眺めて、まだ大きくならないのかと気をもむばかりです。ところが、山に植えると、いつも眺めることはできないので、時折、行ってみると、いつの間にか大きく育っていることに驚くということから、大事なものを育てるときは、ゆったりとした気持ちでのぞむのがよいという教えです。

 株式投資においても大いに役立つ言葉です。これぞと思って、信念をもって買った銘柄なら、日々の株価を見て一喜一憂するのではなく、山に植えた木のようにしばらく見ないでいれば、気がついたときには大きく値上がりしているということです。

 筆者が小さい頃、祖母から、「モチは女に焼かせ、魚は旦那に焼かせよ」、という言葉を教わった記憶があります。どうしてと聞くと、祖母は、「モチは焦げないように頻繁にひっくり返さなくてはいけないので女に向いている、魚は頻繁にひっくり返すものではないから、どっしりとした旦那さん向き」、ということを言っていたように思います。お腹がすいて、早く魚が焼けないかと、ひっくり返してばかりいた筆者をみて、祖母がたしなめる意味で言ってくれたと思います。子供ながらに、男はどっしりしていなくてはいけないのだと、感じたのです。

 株式投資においては、もちろん、モチを焼くこともあれば、魚を焼くような投資方法もあります。大切なことは、自分はモチを焼いているのか、魚を焼いているのかをはっきりと自覚しておくことです。株式投資でモチを焼くことは短期投資法、魚を焼くことは長期投資法で、これをごっちゃにすると儲けるどころか損をすることになります。情報が頻繁に流れ、しかも手数料の安くなったネット取り引きでは、モチを焼くような素早さが必要だと思います。しかし、長期投資法の人がモチを焼くような気持ちではうまくいかないと思います。

 昔は、今のように情報量が多くなく、当然、ネット取り引きもなく、手数料も高い時代でしたから長期投資が善しとされてきました。相場の位置を確認し、景気と企業業積の先行きを見通したうえで、長期投資にのぞむのが一般的でした。まさに、木を庭に植えるのではなく、山に植えて、一喜一憂せず、忘れているくらいがよいというやり方でした。現在でも十分に参考となる言葉だと思いますが、昔と現在では、長期投資の期間が昔は10年くらいでしたが、現在は2,3年程度となっていることは気をつけなくてはいけないところです。

 経営においても昔と違って、製品のライフサイクルが短くなっていますのでスピード経営が求められています。とくに、社会資本が充実し、耐久消費財の普及率が100%近くに高まり、そして人々の好みが多様化している今の豊かな社会では、ゆったりとした経営では間に合わない点もあると思います。モチを焼くのに向いている女性の感性が必要といえるのではないでしょうか。役員にもっと女性を据える時代に思われます。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | 特集
2018年04月14日

商いは1日だけの喜憂にあらず=犬丸正寛の相場格言

■商いは1日だけの喜憂にあらず

akinai.jpg 1度、儲かったくらいで大喜びしない。反対に、1度、2度損したくらいで落ち込むなという教えです。ひとことで言えば、株式投資には一喜一憂しないことが大切ということです。

 相場好きの投資家の方に耳を傾けていますと、すごく儲かった自慢話をされる方がいらっしゃいます。買った銘柄、特に人気銘柄が数倍にも値上がりしたような時にその傾向が強いといえます。誰だって自慢したくなるものです。気持ちは分かります。しかし、そういった方が、投資総合的に見て大成功され財を成しておられるかというとそうでもありません。結局は損をしているという話に落ち着くものです。

 似たような話は、贔屓(ひいき)の野球チームが勝ったような時にもみられます。10対0で勝ったような時は、あたかも、優勝したかのような大騒ぎです。しかし、ペナントレースが終わって見れば優勝どころかビリから数えるのが早い順位ということは、よくある話です。

 株式投資もプロ野球とまったく同じです。プロ野球は年間130〜140試合です。優勝するためには、勝率は6割台は必要です。仮に、140試合なら84勝程度挙げないといけません。10対0で、1試合だけ勝ったからといって、年間の勝率が悪いとリーグ優勝できません。また、反対に0対10で負けたからといって落ち込むことはないのです。要は一喜一憂するのではなく、年間を通しての勝率が大切です。

 株式投資では、年間の立会い日数は野球より100日も多い、約245日程度です。野球では年間の試合数を消化しなくてはいけない義務がありますが、株式投資は少々、違います。『買うべし、売るべし、休むべし』との格言もあるように、自己の判断で休むことができます。ここのところを大切にしてください。決して、株中毒とならぬように、迷った時、うまくリズムに乗れない時などは休むことが大切です。

 もちろん、1度くらい儲かったから、あるいは損したからといって「喜んだり」、「憂うつになる」ことはありません。むしろ、大きく儲かったり損した時は、まぐれ扱いにするくらいの淡々とした気持ちが大切です。株式投資も「勝負ごと」です。勝負事には一喜一憂は禁物です。

 ただ、野球と株式投資の違いで非常に大切なことがあります。野球は10戦して9勝1敗ならすごい成績です。しかし、株式投資の場合は、10戦、9勝1敗でも、1敗が問題です。9回儲かった分を、わずか1回の損で、すべて吐き出してしまうことが多々あるからです。野球なら0対10で負けても1敗です。しかし、株式投資は1敗の重みが非常に大きいのです。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | 特集
2018年04月07日

中期投資は花を追って北に上る蜜蜂のごとし=犬丸正寛の相場格言

■中期投資は花を追って北に上る蜜蜂のごとし

中期投資は花を追って北に上る蜜蜂のごとし 春は南から北へ花前線が縦断し、これを追うようにハチミツ採りも北に上っていきます。南からスタートした花前線が北に到達するまでほぼ3カ月くらいではないでしょうか。株におけるひと相場3カ月サイクルとも似ているようです。

 桜のような同じ花を追いかけるのもよし、地域ごとの花を求めて出掛けるのもよいものです。3カ月サイクルの中で桜のような主力銘柄だけにマトを絞っての投資もあれば地域ごとに咲く花を愛でるように出遅れ銘柄へ順に投資するやり方もあるでしょう。春の到来は中期投資には嬉しいものです
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:43 | 特集
2018年03月31日

健康も株も昔腹8分が今6分=犬丸正寛の相場格言

■健康も株も昔腹8分が今6分

健康も株も昔腹8分が今6分 「昔は腹8分に医者要らず」といわれたものです。昔の日本の食事は豪勢ではありませんでした。米飯が中心の食事であっても、お腹いっぱいではなく、腹8分目がよいと言われたのです。現在は、カロリーの多い食べ物で満ち溢れています。それを腹いっぱいに食べたら糖尿病など、成人病が待ち構えています。言うまでもなく糖尿病は全身の血管の病気で大変に恐ろしいものです。糖尿病の患者は、ドクターからは腹8分ではなく腹6分と宣告されます。

 相場も昔から、「腹いっぱい買うな」と教えられました。どんなに優良銘柄と思われても絶対安全ということはないからです。東日本大震災では超優良銘柄の東京電力株は短期間に8割を超える暴落となりました。これほどまでの下げは別格としても、豊かになった日本経済においては、昔より競争は激しさを増しています。作れば売れる時代ではなくなっています。

 日本が豊かになったために、食べ物は高カロリーとなっています。経済も豊かになったために、企業間競争が激しくなっています。飽食の時代に健康と財布を守るには腹8分より、もう一歩進んで腹6分目を心がけるのがよいのではないでしょうか。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | 特集
2018年03月24日

立派な本社ビルを建てたらいったん売り=犬丸正寛の相場格言

■立派な本社ビルを建てたらいったん売り

立派な本社ビルを建てたらいったん売り この言葉は、確率の非常に高いことから、昔から投資の際の大切なヒントとなっています。もちろん、現在でも大切にされています。本社ビルを建てようかという会社は、業績が良いはずです。当然、株価は業績好調を評価して上昇します。保有している投資家は、株価は、まだまだ上昇すると思うものです。そういった心理の時に役立つのが、この言葉です。

 立派な本社ビルを建てたら、好業績に関係なく、一旦、売っておきなさいと教えています。なぜなら、本社ビルは稼いでくれないからです。それどころか、固定資産税、電気代などの経費が増加します。ビル賃貸を業とする不動産会社なら、ビルを建てることは本業ですが、モノ作りの会社などが立派な本社ビルを建てることは、資金が寝てしまうことになります。

 メーカーなど一般の企業は、本来、そうした資金はモノ作りのための技術開発や生産設備の合理化等に向けるべきです。特に、急成長の中小型企業が本社ビルを建てたり、高額な家賃のビルに入るようになったら注意が大切です。頑張ってきた経営者が立派なビルに入って、胸を張りたい気持ちはわかります。信用力のためには立派なオフィスも大切です。しかし、それでいて業績が赤字となっていてはだめです。立派なオフィスより、もっと大事なことは立派な業績を上げることです。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | 特集
2018年03月17日

株は物と違って買いと売りをセットで考えなくてはいけない=犬丸正寛の相場格言

■株は物と違って買いと売りをセットで考えなくてはいけない

株は物と違って買いと売りをセットで考えなくてはいけない 物を買う行為は、小さいときから自然に身につくものです。お金さえ出せば、相手は喜んで品物を提供してくれることを学びます。しかし、物を売るとなると、簡単なことではありません。いくら、自分では優秀な品物だと思っても相手が評価してくれなかったら買ってはくれません。

 さらに、厄介なことに、同じ商品を売っている2人の営業マンがいたとした場合、ひとりの人は好成績、しかし、もうひとりの人はどういうわけか販売成績が良くない、ということが起こることです。何かが作用しているはずです。つまり、「買う行為」においては、お金がすべてでも、「売る行為」においては、お金よりも売る人の人格が前面に出るのです。

 笑顔、雰囲気、洋服、ネクタイの色、言葉の調子など、売る人の総合力の違いが販売成績の差となって現れているといえます。それだけ、物を売るということは難しいものです。

 株の場合も、買いよりも売りが難しいと教えています。しかし、物を売ることと違う点は、株の場合、買いと売りがセットとなって形づくられていることです。もちろん、商品を売る場合だって、買ってくれる相手のことに思いめぐらすことは大切なことです。

 しかし、株の場合は、買う時点で、どういう考えで、その銘柄に投資しようとしているか、どこで売るかを考えることは非常に重要です。投資期間、上値目標などを相場環境の中で自分なりに分析して判断しなくてはいけません。「なんとなく」買ったのでは、1、2度は良くても長い投資においては好成績を収めることは難しいのです。

 儲けて売るという、「好結果」のためには、「好い原因」を作ることが必要です。ともすると、株式投資では、買いだけ、売りだけが取り上げられることが多いようです。「原因と結果」の法則に従い、良い運用成績のためには、常に、買い(原因)と売り(結果)をセットで考えるクセをつけることが大切です。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | 特集
2018年03月10日

人の健康も株も複合的要因で動く=犬丸正寛の相場格言

■人の健康も株も複合的要因で動く

人の健康も株も複合的要因で動く 子供が体調を崩したとき、親は「熱」、「ノドの腫れ」、「顔色」などを見て状態を把握しようとします。こういった行為は、株でいえば、「業績」と「チャート」だけをみて判断しようとするのと似ています。残念ながら、これは子供の病状の一面だけ、株についても、ほんの一部分を見ているに過ぎません。実は、病気も株も、そう簡単なものではないはずです。

 われわれ成人は病院のドクターに1度や2度はお世話になっていると思います。機会があれば、是非、先生にお願いして検査データを見せてもらってください。たくさんの横文字と数字で打ち出された「生化学」検査の結果が並んでいます。

 たとえば、「HB−A1c」とは血糖値のデータです。昔は野原でオシッコしたときに蟻(アリ)が寄って来れば「糖」が下りていると判断されたといいます。家の近くのお医者さんで、空腹時の血糖値を調べてもらうことがあると思います。これは、その日限りのデータであって、HB−A1cとは違います。HB−A1cは1ヶ月間の平均の血糖値です。

 株価で言うと、「当日の株価」と、「30日移動平均値」の違いのようなものです。傾向値を見るのがHB−A1cです。「当日血糖値」は70〜110が正常値、「HB−A1c」は4.3〜5.8が正常値といわれます。当日血糖値が良くても、1ヶ月平均値でみれば正常値をハミ出している場合が非常に多いようです。禁酒して空腹状態なら当日値は良くなるでしょう。しかし、日頃、食べすぎ飲みすぎが多いと血液中に糖分が貯まっていくのです。

 株価も同じです。日々の動きに一喜一憂ばかりでは傾向を見失い、防げたかもしれな大暴落(大病)に巻き込まれてしまいます。人にとって一番大切な命。次はお金だろうと思います。1番目、2番目に大切なものに対し、神経質となる必要はありませんが、しかし、共に大切にしてあげたいものです。健康もお金も大切にしてくれると応えてくれるはずです。

 とくに、それ相応の年齢となれば健康と株を見る場合は総合的な目でみるクセをつけたいものです。投資経験の豊富な方でも、株は、「業績」さえ見ておけば大丈夫という接し方がの人が多いようです。残念ながら株はそれだけではありません。上昇率、下落率、上昇の日数、下げの日数、信用残、PER、利回り、テーマ性など、様々な複合的な要因で動きます。もちろん、業績は大切な物差しですが、それだけでは決まらないことは肝に命じておいて欲しいものです。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:56 | 特集
2018年03月03日

買いたい時は3日待て=犬丸正寛の相場格言

■買いたい時は3日待て

買いたい時は3日待て 買いたいと思った時は、ほとんどの場合、思い入れが強く、気持ちが一直線になって余裕がなく、反対の動きなどは考えないので、深呼吸して、1、2、3と数えるくらいの気持ちで3日くらい待ちなさい。3日経って、それでもなお自分でいいと思ったら買ってみなさいという教えです。

 昔と違って、証券会社の店頭で、客同士が銘柄感を交わし、意気投合して、この銘柄しかないと熱くなることは、今では、なくなりましたが、それでも、雑誌、新聞、テレビ、各種のレポートなどで紹介されると買いたくなるのが投資家心理です。

 しかも、人間には小さい頃から、欲しいものは今すぐ手に入れたいという欲求本能がついていますから厄介です。玩具を買って欲しいと泣き叫ぶ子供の心理です。大人になればこうした幼児性は取れるものですが、株式投資になると、どういうわけか分別のあるベテラン投資家でさえ小さい頃の本能が頭をもたげて、熱くなって、かき立てられるように株買いに走る傾向があります。

 亡くなった弟が証券会社の支店で営業をやっていた頃、ノルマがあって、今日はこの銘柄を営業マン1人当り、数万株顧客に買わせるようにという支店長のきつい叱咤命令があったそうです。弟の勤務していた店だけでなく、昔はほとんどの証券会社でこのような大量推奨販売のノルマ営業が当然となっていました。

 昔は、業界トップの野村證券のことをノルマ証券と呼んでいたほどですから。そういう時の弟はひたすら下を向いて支店長の嵐のようなきつい言葉が頭の上を通過するのを絶えてガマンしていたといいます。

 そして、多くの営業マンが買い込んだ3日後くらいにその推奨株を買うと、おもしろいほど儲かってお客さんに喜んでもらったと言っていました。多くの営業マンの買いが一巡すると、売り物に押されて、3日目あたりから安くなるからだそうです。もちろん、今はこういう営業スタイルは全くありませんが、相場欄を見て、高い銘柄があると買いたくなる心理は今も以前も変わりはないようです。

 経営でも、即断即決など、スピード経営がもてはやされていますが、『段取り7分』といわれるように事前の準備はスピード経営だからこそ大切ではないでしょうか。とくに、規模の小さいベンチャー企業の経営者の方々は決まって、スピード経営を口にされますが、それで挫折した企業もたくさん見てきました。「早い決断、後の大きい後悔」という言葉を経営者は心に留めておいてほしいものです。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | 特集
2018年02月24日

希望的観測では成功はおぼつかない 株投資では尚更である=犬丸正寛の相場格言

■希望的観測では成功はおぼつかない 株投資では尚更である

希望的観測では成功はおぼつかない 株投資では尚更である 「人間なんて小さい存在、すべては天まかせるべし」、「明日には明日の風が吹く」といった堂々たる気構えの人生も悪くはないし、現にそういう人生を送られている人もいるでしょう。しかし、限られた時間の中で、「この世は私が私になるところ、あなたがあなたになるところ」(相田みつお氏)であり、自己実現を果たそうとすれば悟り人のように泰然と構えてばかりはおられません。

 とくに、昔のように殿様まかせの時代なら、先行き人生も決まっていましたから希望的観測も仕方なかったと思いますが、自己責任が定着している今日では自分の人生は自分で決め実行が求められ、希望的観測は許されない時代です。ましてや、株投資では、買った後で、「上がってほしい」という希望的な見立てでは成果は難しいといえます。現実のマーケットを直視しプラスとマイナスに仕分けし現実に即した相場見通しに基づいて大切な資金を投じる時代ではないでしょうか。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:52 | 特集
2018年02月17日

相場は計算と直感で攻める=犬丸正寛の相場格言

■相場は計算と直感で攻める

相場は計算と直感で攻める かつて、戦後からの復興期のような時期には、「直感」や「ひらめき」が、相場には大いに有効でした。経済自体が成長過程にあるため、基本的に相場は上げ基調を続け、長期間にわたって相場が下げることを考える必要はありませんでした。当時の証券会社では、「理屈を言うより、銘柄感覚を学べ」と教えられたものです。連想ゲームに強い、「ひらめき」型の人が有能とされたものです。

 やがて、徐々に経済が豊かになるにしたがって、以前からある利回りのほかにPERやPBR、さらにROA、ROE、営業利益率といった投資指標が活発に使われるようになりました。今日、パソコンの普及でこうした数値はますます重要視され「計算」に基づいた投資法が全盛となっています。

 最近、「アニマル・スピリッツ」といった言葉が注目されるようになっています。動物的直感ということでしょう。世の中があまりにも理詰めになれば、理屈通りに行かない、『理外の理』が出てくるものです。昔のように、直感が全盛となることはないでしょう。しかし、社会においても相場の世界においても理屈だけでは説明し難い動きがこれからは出てくる可能性は大いにあります。

 今の相場において、それが何かは、答えは非常に難しいといえます。しかし、それは、冬から春への季節への変わり目の空気の臭いのような「兆し」かもしれません。あるいは、地震を予知していなくなってしまうネズミのような直感かもしれません。人間も動物の仲間である一面を持っているのです。相場の世界でも「アニマル・スピリッツ」を磨くことは案外、大切な時代かもしれないのです。計算、理詰めの手を休めて、「相場の臭いを嗅いでみる」ことも大切ではないでしょうか。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | 特集
2018年02月11日

ゲームというもの経済の繁栄と安定の上で成り立つ=犬丸正寛の相場格言

■ゲームというもの経済の繁栄と安定の上で成り立つ

ゲームというもの経済の繁栄と安定の上で成り立つ 経済が未熟でも、人が2人集まれば勝ち負けのゲームは成り立つとも言われます。でも、ベースボール、サッカー、そしてオリンピックなどの本格的ゲームでは開催する経済力や観戦や参加する側にも余裕がなくては難しいものです。逆に言うなら経済が安定し平和だからこそビッグゲームが開催できるのです。

 株についても自由主義経済のスタジアムにおける最大のゲームといえるでしょう。もちろん、ゲームである以上は必ず勝者と敗者が生れます。株だけでなく商売やビジネスだって同じだと思います。ところが、今の日本には株だけが良くないゲームのような白い目でみられるところが残っていることは残念です。ゲームの仕組・ルールを学んで正面から付き合えば個人にとって資産を殖やすことのできる有望なゲームといえます。

 とくに、日々、売買代金(取引高)が多く、公正透明に整備されているマーケットは他にはないと思います。今の日本は、反政府運動はなく平和で経済も安定した国です。株投資ゲームにもっと多くの人が参加すれば経済ゲームも活気づくのではないでしょうか。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:20 | 特集
2018年02月03日

買うまでの強気 買ってからの弱気 どこか似ている恋心=犬丸正寛

■買うまでの強気 買ってからの弱気 どこか似ている恋心

買うまでの強気 買ってからの弱気 どこか似ている恋心 恋も株投資も似ているところがありそうです。一目ぼれした相手には、「恋は盲目」といわれるごとく胸がときめき親の反対など耳に入らぬものです。でも、しばらくすると相手の短所が見え始め、時には好きだった相手のチャームポイントさえ嫌になるものです。

 株投資でも、「この銘柄しかない」と思って買ったら、なかなか上がらないと一転してその銘柄の悪いところばかりが目につくようになるものです。残念ながら、この世の中は、コインのごとく表もあれば裏もあり、すべてのものには長所も短所も備わっているのです。

 精査を重ねて投資していたのでは間に合わないのは恋も株も同じでしょうが、せめて惚れた相手や惚れた銘柄については短所を1つだけチェックしておきたいものです。買ったあとイヤにならないで長期投資のお付き合いができるためにも。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:17 | 特集
2018年01月27日

商売は売手買手が明確だが相場は売手買手が変身する=犬丸正寛の相場格言

■商売は売手買手が明確だが相場は売手買手が変身する

商売は売手買手が明確だが相場は売手買手が変身する 物やサービスを提供する供給者とそれを購入する需要者は基本的には一方通行的な関係です。売る側は買ってもらうために知恵と工夫で宣伝に力を入れますし、一方の消費者側はいい物を少しでも安く買おうと類似商品との比較に余念がありません。

 時代の変化とともに供給者と需要者の力関係に強弱はあっても、企業はどこまで行っても提供者であり消費者はどこまで行っても購買者の関係です。

 ところが、相場の世界では、これまでの買手が、ある日突然、売手に変身、あるいは売手も買手に豹変します。買った銘柄が値上がりすれば当然、買手は利食いして売手になります。これは商売にも近い行為ですが、経験を積んでくると、利食い売りするだけでなく、同時にその時点で空売り(株券を借りて売る)を仕掛け売手に回ります。「ドテン売り」と呼ばれるものです。この逆で、「ドテン買い」ということもあります。

 商売なら、売ってしまった商品なら改めて仕入れたり製造しますが、株の場合は瞬時に買手が売手に、あるいは売手が買手に変身します。昨日まで強気だった買手が今日は一転して弱気を口にするということは多々あることです。相場には変身がつきものということは心して臨むところだと思います。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:54 | 特集
2018年01月20日

社会も相場も出来事で動く=犬丸正寛の相場格言

■社会も相場も出来事で動く

社会も相場も出来事で動く 言うまでもなく、人は時刻(とき)から逃れることはできません。生命(いのち)あるものは、必ず、朽ちる定めです。人の一生が100歳とすれば、秒数に換算すれば31億5360万秒の浮世です。もっと長い秒数かと思っても意外と短いものです。ましてや、自分の肉体をコントロールできる健康な期間の秒数となれば、もっと短くなるはずです。

 各人それぞれが持っている秒数の中で日々を送っているのが人生でしょう。そして、日々の出来事の積み重ねが社会でしょう。「目標」というときは、日々の秒数を積み重ねた結果の予想される姿ではないでしょうか。いきなり、中抜きで将来が来るわけではありません。

 社会が今の1秒ごとの出来事で動いているように、相場もひとつひとつの出来事の積み重ねで動いています。小さい出来事、大きい出来事もあるでしょう。オリンピックのような国家プロジェクト級の大きい出来事は経過する時間も波及効果も大きくなります。とくに投資家は、今、起きている出来事をよく見つめ、そして、これから起きるであろう出来事を予測することは非常に大切です。とくに、各種の発表スケジュールは、起きるであろう出来事を事前に教えてくれる大切なヒントです。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | 特集
2018年01月04日

【大発会ダイジェスト】新年恒例の「大発会」で晴れ着姿の女性たちが記念撮影

 日本取引所グループ(JPX)は東京証券取引所で新年恒例の「大発会」を開催した。清田瞭CEOをはじめ、ゲストには麻生金融担当大臣や、証券業界・一般参加者などが出席した。麻生大臣と晴れ着姿の女性たちが恒例の鐘を鳴らし、取引開始後は撮影に応じていた。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:37 | 特集
2018年01月03日

【2018年の注目テーマを探る】AIやIoTなどの先端技術が主役

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 2018年の株式市場における注目テーマには、AIやIoTといった先端技術関連、人づくり革命や生産性革命といった政策関連、2020年東京五輪といったイベント関連などがある。テーマも関連銘柄も多彩だ。

■AIやIoTなどの先端技術関連が主役

 21世紀を支える先端技術関連が2018年も最注目テーマとなることに疑いの余地はない。

 中でも、急速に進化するAI(Artificial Intelligence=人工知能)関連、モノのインターネットと呼ばれるIoT(Internet of Things)関連、AIやIoTの技術を活用するロボット関連や自動運転関連、ブロックチェーン(Blockchain=分散型台帳技術)によって金融革命を引き起こすとも言われるFinTech(フィンテック)関連、IoT社会に不可欠な通信インフラとなる5G(第5世代高速無線通信)などが引き続き主役テーマとなりそうだ。

 AIは人間の脳が行っている知的行動をコンピュータ上で実現する技術・ソフトウェア・システムとされている。過去に何度も開発・実用化期待ブームを繰り返してきた。しかし最近は、ディープラーニング(Deep Learning=深層学習)という機械学習手法や、ビッグデータ収集環境の整備・進展によって、AIの性能が急速に進化している。AIの実用化・普及によって大量の失業者が発生するという懸念もあるが、生産性向上に向けてロボット、自動運転、資産運用など様々な分野への活用が期待されている。

 IoTは、パソコン、スマホ、家電、自動車、工場の生産設備、発電設備、さらに社会インフラなど、センサと通信機能を持った「あらゆるモノ」がインターネットを通じてクラウドやサーバに接続され、相互に情報交換(受発信)することにより、相互に動作を制御する技術・仕組みとされている。

 AIとIoTを組み合わせた自動運転や生産自動化など、AIとIoTはあらゆる生活・ビジネスシーンへの活用・普及が期待されている。このためAIやクラウドを含むIoTプラットフォーム関連、半導体やセンサをはじめとするIoTデバイス関連、IoT社会の基盤となる次世代通信インフラ5G関連、さらにサイバーセキュリティ関連など市場規模は膨大だ。

 ブロックチェーンを活用するFinTechは、Finance(金融)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせた造語である。AIも活用して決済、送金、融資、資産運用などの金融サービス分野において、様々なイノベーションをもたらすと期待されている。

 相場の急騰で話題性が高まったビットコイン(Bitcoin)は、ブロックチェーンを基幹技術とする仮想通貨の一つである。金融機関を通さずに取引相手と直接決済できるため、金融機関に支払う手数料が不要になるなどのメリットがある。ビットコインが将来の通貨となるかどうかの判断は別として、引き続き相場に連動する形で話題性が継続しそうだ。

■人づくり革命や生産性革命などの政策関連

 アベノミクスの人づくり革命、働き方改革、生産性革命といった政策関連も注目テーマだ。

 人づくり革命では、幼児教育の無償化、待機児童の解消、大学教育の質の向上、給付型奨学金の創設、さらに女性の復職・再就職支援など、教育・人材育成投資に関する政策が推進される。

 また働き方改革では、賃金の引き上げ、同一労働同一賃金を基本とする非正規雇用の処遇改善、長時間労働の是正、テレワークや副業・兼業の推進、子育て・介護と仕事の両立、外国人材の受け入れ、女性や若者が活躍しやすい環境整備、高齢者の就業促進、雇用吸収力の高い産業への転職・再就職支援など、労働条件の格差是正や多様な働き方を支える政策が推進される。

 企業にとっては人件費、物流費、事務所経費などのコストアップ要因となるが、積極的な事業展開を推進するためにも、人材確保に向けて労働条件や職場環境の改善が避けられない。また賃金上昇に伴う個人消費の拡大、省人化・自動化関連投資の拡大などを通じて、景気の拡大や、適度な物価上昇による日本経済の好循環に繋がることも期待される。

 関連セクターとしては、幼児教育・保育サービス、学習塾、資格取得学校、教育関連出版、教育関連情報サービス、人材派遣・紹介や転職支援などの人材サービス、求人・求職情報サービス、コールセンターのようなBPO(Business Process Outsourcing)サービス、製造請負、医療・福祉・介護関連サービス、福利厚生サービス、家事代行サービス、ITサービス、さらにオフィス用家具などがある。

 生産性革命では、人手不足への対応や生産性の向上に向けたロボット導入の促進など、省人化・自動化関連投資の活発化が期待される。工場の製造分野における産業用ロボットにとどまらず、受付・案内・接客分野におけるサービスロボット、物流分野における搬送・仕分ロボット、農業分野におけるドローンやパワーアシストスーツ、医療・福祉・介護分野における介護ロボットなども関連銘柄となる。技術的にはAIやIoTの活用が一段と進展するだろう。また中小企業の事業承継問題対応や統合による生産性向上促進も期待され、M&A仲介・コンサルティングなども関連セクターとなりそうだ。

■2020年東京五輪などのイベント関連

 イベント関連では、2018年4月の日銀総裁人事、6月の住宅宿泊事業法(民泊新法)施行、骨太方針閣議決定、9月の自民党総裁選などがあり、さらに2019年4月の皇位継承関連、2020年東京五輪関連なども注目テーマとなる。また海外では、2018年2月のパウエル米FRB(連邦準備制度理事会)議長就任、6月のG7首脳会議、11月の米中間選挙などが注目イベントとなりそうだ。

 民泊関連は、2018年6月15日に住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行されるため、これに合わせて民泊物件開発・保有・運営・仲介サイト関連セクターが注目される可能性がありそうだ。

 2020年東京五輪関連については引き続き、会場整備関連、首都圏再開発関連、電線地中化関連、訪日外国人旅行客のインバウンド需要関連、民泊関連、通訳・翻訳サービス関連などが関連セクターとなる。

 また2016年2月に法案成立したIR(Integrated Resort=統合型リゾート)施設の誘致具体化も注目される。さらに2018年11月のBIE(万国博覧会国際事務局)総会で大阪府による2025年万博招致が決定した場合も注目テーマとなりそうだ。

■その他の注目テーマ

 この他にも、バッテリーの小型軽量化・高性能化がカギとなるEV(Electric Vehicle=電気自動車)関連、次世代ディスプレイの本命とされる有機EL(Electronic Luminescent)ディスプレイ関連、普及が進むVR(Virtual Reality=仮想現実)とAR(Augmented Reality=拡張現実)関連、実用化が期待される再生医療関連、拡大基調のEC(Electronic Commerce=電子商取引)関連と物流インフラ関連、増加基調の訪日外国人旅行客によるインバウンド需要関連、サイバー攻撃多発に対応するサイバーセキュリティ関連、監視カメラやドライブレコーダを活用した防犯関連、高齢化社会に対応した医療・福祉・介護・シルバービジネス関連、老朽化した社会インフラを整備・更新する国土強靭化関連など、注目テーマは多彩だ。

■ビジネスモデルや事業戦略で個別物色

 テーマ関連株の場合には、業績面の裏付けがなく、材料性だけで短期資金が集まって株価が乱高下し、人気一巡後に株価が元の水準に戻ってしまう銘柄が少なくない。テーマ関連株が一斉に買われる場面もあるが、基本的にはテーマ関連株でもビジネスモデルや事業戦略によって個別物色が必要になる。

 また個人消費関連などはテーマ性が少なく、比較的「地味な」分野だが、人手不足や働き方改革などを背景に賃金上昇や処遇改善が進展し、個人消費や余暇活動が活発化して景気が拡大するならば、小売・飲食・サービス・レジャー・エンタテインメント関連セクターなども恩恵を受けることになる。こうした状況を背景に業績拡大が期待される銘柄が個別物色される可能性も高いだろう。特に長期投資の観点で見れば、こうした「地味な」銘柄にも注目しておきたい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:30 | 特集
2018年01月01日

【新春相場展望】2018年前半は上値追いに慎重、お盆を目安に上昇トレンドへ=長島和弘

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■日経平均株価=1万8700円〜2万4000円を予想

 日経平均株価は、11月9日に23382.15円と上昇しましたが、欧米株に対する出遅れ感、今期予想PER15倍台と買い進まれたため、今2018年3月期業績見通しをほぼ織り込んだと思われます。

 世界景気は、日米欧の主要国に加え、新興国ではブラジルが底入れするなど資源国でも回復基調となっています。米国では10年で1.5兆ドルという大型減税法案が成立。2018年1月から連邦法人税率を35%から21%へと引き下げ、個人所得税も大幅に軽減しますから、米国景気の堅調持続で日本企業の業績を下支えすると期待されます。

 ただ、中国では金融引き締めリスクが懸念されはじめていますので、2月上旬に予定される今18年3月期第3四半期決算発表で好材料出尽くしからいったん調整することも想定し、年前半は上値追いに慎重と思われます。

 5月上旬に予定される3月期本決算の発表で、19年3月期業績の好調見通しが明らかになれば、日銀によるETF買いが下支えする形で8月半ばのお盆を目安に上昇トレンドを描くと予想します。

 日経平均株価の予想レンジは、1万8700円〜2万4000円。(バランス投資顧問 投資情報室室長 長島和弘)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:00 | 特集