
■国産小型ジェット旅客機MRJの初飛行試験に成功
三菱重工業グループの国産小型ジェット旅客機MRJ(Mitsubishi Regional Jet=三菱リージョナルジェット)が、11月11日愛知県営名古屋空港において、飛行試験機初号機による初飛行試験に成功した。
設計変更や製造工程見直しなどで初飛行が5度延期され、11年の初飛行という当初の計画から大幅に遅れたが、日本メーカーが民間旅客機の胴体や操縦システムまでを統括して開発するのは、1962年に初飛行したYS11(双発プロペラ機、73年に生産中止)以来で、約半世紀ぶりの国産旅客機、そして初の国産ジェット旅客機となる。
■MRJはリージョナルジェット機の世界市場に参入

MRJは経済産業省の環境適応型高性能小型航空機計画をベースに、三菱重工業<7011>(東1)が08年に三菱航空機を設立して本格的な開発・販売活動を開始した。初の国産ジェット旅客機で、世界最高レベルの運航経済性と客室快適性を兼ね備えた次世代リージョナルジェット機である。座席数は約70〜90席、航続距離は約1800〜3700キロで、国内線や近中距離国際線での運航を想定している。
リージョナルジェット機というのは、地方空港と拠点空港などを結ぶことを想定した座席数100席以下の小型ジェット旅客機のことである。この分野ではブラジルのエンブラエルとカナダのボンバルディアが世界2強とされ、またロシアのスホーイ、中国のCOMAC(中国商用飛機)も参入している。02年に開発を開始した中国のCOMACは15年11月に初号機を第1号顧客の成都航空に引き渡した。これに対してMRJは世界最高レベルの運航経済性、環境適合性、客室快適性を武器に市場参入する。
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