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記事一覧 (06/26)【妻と夫の株ロマン】イギリスEU離脱決定と相場の行方
記事一覧 (06/25)勝負事は己の手3分で場7分=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (06/18)素直人の順張り ヘソ曲がり人の逆張り=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (06/17)英国の国民投票のあとには米トランプ候補問題が控え中長期買いは困難=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (06/11)二番底は嫁を質に入れても買え=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (06/10)米6月利上げ見送り決定ならNYダウは出尽し感で波乱の可能性、日本は日銀動かなければ夏枯れ相場の公算=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (06/04)人気株に乗りたければ 新聞の見出しに載る銘柄を狙う=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (06/03)中旬の日銀政策決定待ち、不発なら夏枯れ相場の可能性=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (05/28)短期の時買い、中長期の銘柄買い=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (05/27)6月相場入りだが難しい局面、「どうする消費税」、「どうなるトランプの日本政策」=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (05/21)川の流れのごとく相場にも流れがある=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (05/20)サミット共同声明で世界景気対策がポイント、サミット後には日本の消費税問題も控え行方注視の展開=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (05/14)野中の1本杉型相場もあるが、ほとんどは全体相場連動型の個性なき相場=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (05/13)来週も主力株見送り好決算銘柄買いの展開、景気対策なければ夏枯れ相場の心配=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (05/07)短期、中期、長期投資でも決めるのは今である=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (05/06)実体景気悪く政治の出番、期待できる内容なら夏相場にも期待=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (04/23)大陽線後の下げは買い 大陰線後の戻りは売り=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (04/22)日経平均はNYダウに1カ月遅れで推移、6月頃まで上昇か、政府の景気対策相場が背景=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (04/16)動物、植物、相場 この世に生きるすべてに生き抜く力が備わっている=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (04/15)日経平均は1万7000円突破期待だが、大型連休控えから徐々に上値重い展開か=犬丸正寛の相場展望
2016年06月26日

【妻と夫の株ロマン】イギリスEU離脱決定と相場の行方

★☆妻と夫の株ロマン☆ 時々の話題を夫婦の会話でお届けします

■材料表面化で短期リバウンドも、政府の為替対策等も支援、中長期相場は期待できない

【妻】 イギリスのEU残留か離脱かを問う国民投票が終り、離脱に決まりました。投票前から離脱の場合は影響がある、といわれてきたのでNYダウ、日経平均とも下げたのは分かりますが、それにしても下げが大きすぎるのではないかという印象です。

【夫】 投票の事前に予想が二転三転し特に直前のところでは残留が濃厚だったためNYダウ、日経平均とも大きく値上りしていたことに対する反動が加わったと思う。丁か半かのバクチ的な相場だったといえる。

【妻】 今後、どうなるのですか。

【夫】 われわれは学者ではないから、イギリスのEU離脱による世界経済への影響検証ということは横に置いておいて、われわれ投資家は相場との関係で捉えることが大切だからイギリスのEU離脱は売りか、あるいは買いかという目線が大切だ。とくに、この問題で重要なことは、短期的視点と中長期的視点に分けて考えることだろう。

【妻】 短期的には、売りですか、それとも買いですか。

【夫】 短期的には、「買い場」が近いとみている。ここでいう短期とは向こう1カ月ていどだけど、理由としては、(1)当面の関心材料であったイギリスのEU問題に白黒がはっきりした。相場というものは、「終わったこと」には関心がなくなる、(2)日本政府が為替介入に踏み切る意思を示している。日銀の追加緩和も予想される、という2つの理由からリバウンドは近いとみている。もちろん、白黒がはっきりしたとはいえ余熱は続くから日経平均の一段安は予想されるが、近いうちに一旦は底打ちして反発するとみている。

【妻】 中長期的にはどうなの。

【夫】 中長期では強気になれない。(1)EU離脱決定によってイギリスの政治と経済が今後、良くなるのか悪くなるのか、(2)イギリスの離脱で残る27カ国でEUの体制を維持できるのか、あるいは崩壊に向うのか、(3)今回、イギリスで起きた保護主義の波が11月の大統領選挙にどう影響するか、(4)大国の中国が、この機会を捉えてどう動くか、(5)日本の政治・経済・企業にどう影響してくるか、など懸念されることが山積といえる。短期的には出尽し感はあっても中長期的には霧が晴れていない、むしろ霧は深くなった。

【妻】 特に、気になる点はどこですか。

【夫】 第1に、イギリスの次の政権が具体的にどう動いてくるかということと、そして、イギリスの経済が大丈夫かということだろう。離脱の意思は決まっても正式離脱までには2年間の期間がある。仮に、この間にイギリス経済が悪化すれば再加盟という道に戻る可能性だって予想される。第2は、やはりアメリカの大統領選挙だ。仮に、トランプ政権になれば、日本にとってはイギリスのEU問題どころではない大きい影響が予想される。「アメリカ第一主義」は、アメリカの国民、産業を優先するという保護主義だからTPPは消え、自動車などには関税がかかる心配がある。そして、三つ目は大国の中国がどう動いてくるか。利に長けた中国が今回のEU問題を黙ってみているとは思えない。中国はイギリスと組んで欧州で新たな体制作りに出てくるかもしれない。先の周主席のイギリス訪問での超度級の歓迎をみれば何かが起きても不思議ではない。ましてや、EU27カ国に亀裂が出れば中国にとっては割って入るチャンスのように思われる。こういったことに今後、日本の政治、経済、企業がどう対応していくのか。こういった状況では、短期ではリバウンドはあっても中長期ではとても強気になれない。

【妻】 個人にはチャンスですか。

【夫】 数100億円規模を動かす機関投資家のプロには、中長期展望がはっきりしないから動くのが難しいと思われる。この点、小回りの利く個人投資家にはチャンスだ。政府、日銀の対策に賭けて、この突っ込みは拾って、戻ったところは欲を出さず利食いするのがよいと思われる。こういう乱世こ個人は小回りの利く点を発揮すべきである。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:27 | 特集
2016年06月25日

勝負事は己の手3分で場7分=犬丸正寛の相場格言

■勝負事は己の手3分で場7分

syoubu1.jpg 麻雀経験のない人には恐縮だが、雀卓を囲む対戦者は誰もができるだけ高得点の役作りを狙うもの。しかし、高い役作りになるほど麻雀牌の組み合わせが込み入って自分の手の内ばかりに目と意識が行って、他の対戦者がどのような手を狙っているかなど、「場」に対する意識が疎かになる。結果、負けが積み上がる。

 車の運転でも前方3分に後方7分といわれるし、野球など勝負事ではすべて、「場」という流れを無視しては勝つことは難しい。株式投資においても、「場」という、相場の「地合い」を見極めることが大変重要である。短期投資でも中長期投資でも同じである。違うとすれば中長期投資では、「社会における時代の変化」という、「場」ということになるだろう。商売、ビジネスではなおさらである。いくら、己の手の内が優秀でも、「場」に沿っていないと、結局は、「いい勝負だったが負けた」という自己納得で終わってしまう。己の手の内が優秀なほど「場」を大切としたいものである。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | 特集
2016年06月18日

素直人の順張り ヘソ曲がり人の逆張り=犬丸正寛の相場格言

■素直人の順張り ヘソ曲がり人の逆張り

shiro1.jpg 順張りは、株価が新高値更新など上昇の相場について行く投資法で、あれこれ考える手間が省ける素直な性格の人に向いた投資法といわれる。逆張りでは、新高値などにはほとんど目をくれずヘソ曲がり的に株価の下げ過程でその銘柄の持っている実力と照らし合わせて買う投資法である。

 とくに、逆張りではジリ安でなく、大きく下げたときに買うと成果が大きいとされる。どちらがよいかは本人の性格次第だが、代表的な投資家ではジョージソロスが順張り、ウオーレンバフェットは逆張りのタイプといわれる。

 性格のほかに、順張りでは比較的短期売買、逆張りでは中長期投資になることから投資資金の性格も考えることが肝要だろう。とくに、逆張りでは、「下手なナンピン、大ケガのもと」といわれるように、当該企業に経営不安や上場廃止等が持ち上がった場合は株価底抜けとなる懸念のあることは注意しておきたい。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | 特集
2016年06月17日

英国の国民投票のあとには米トランプ候補問題が控え中長期買いは困難=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望

■短期売買中心の展開に

 来週(20〜24日)は、週前半は見送り、後半は23日のイギリスの国民投票結果次第で振れる展開だろう。イギリスのEU残留が決まれば、NYダウ、日経平均は上伸が予想されるが、離脱なら欧州経済の混乱見極めで下振れの可能性があるだろう。

 残留派の議員が襲撃されるなどイギリスはEU残留、離脱をめぐって世論が激しく対立している。残留なら移民問題やEU圏の債務国負担問題が尾を引き、離脱なら貿易量の減少が予想され、両方に難しい問題がある。「短期的」には、どちらになろうと相場的には材料出尽くし感から反発の可能性はあるが、「中期的」には相場の上値を押さえることになりそうだ。

 さらに、中長期的に相場の圧迫となるのがアメリカのトランプ候補問題だ。仮に、大統領に就任すれば世界は一気に保護主義となる心配がある。日本にとっては、貿易問題、安全保障問題、食糧問題が一挙に迫り来ることになってマーケットにとってはかなり厳しい展開が予想されるだろう。今回のイギリスの国民投票問題も難民問題、貧富の差問題等からくる保護主義化の現れとみられ、これまでの世界経済体制がグローバルから、「アメリカ第一主義」に代表されるコンパクト経済に縮む心配がある。

 アメリカのトランプ候補問題を抱えている以上、中長期投資家の買いを期待することは難しく、とくに、この先、11月までは個別銘柄物色の短期売買が中心の相場のように思われる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:24 | 特集
2016年06月11日

二番底は嫁を質に入れても買え=犬丸正寛の相場格言

■二番底は嫁を質に入れても買え

2ban1.jpg 今どき、こういう言葉を使うと叱れそうだが、昔の相場の世界では実際に格言として使われていたのでご容赦いただきたい。大事な嫁を質に入れてでも強気になって買うことのできる相場が、罫線(ケイ線)でいう「二番底」といわれる形である。NYダウ、日経平均などの指数、あるいは個別銘柄において、二番底、またはダブル底として確率の高い株価底打ちのパターンとされ古くからチャート派に頼りにされてきた。最近では、今年1月と2月の1万5500ドル前後で二番底をつけたNYダウが1万8000ドル台へ上昇となっている。

 現在の若い投資家の間でも、オッパイ型底入れチャートと呼ばれてファンは多いようだ。もっとも、「分かっちゃいるけど」、実行が難しいといわれるのも現実のようだ。株価が下がってきて買い場に来たと思われても、高値圏で買った株が残っているため買う資金がない、というケースが多いようだ。やはり、株投資では、安いときに上手に買うためには、高値圏で欲を出さず売却し手元資金に余裕をもたせることが大切といえるようだ。「買い上手は、売り上手」ということだろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | 特集
2016年06月10日

米6月利上げ見送り決定ならNYダウは出尽し感で波乱の可能性、日本は日銀動かなければ夏枯れ相場の公算=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望

 来週半ばに日米の重要な金融政策決定がある。アメリカは6月の利上げが見送りとなるのか、見送りとなった場合は次はいつ頃に利上げがあるのか。日本は日銀の追加の量的金融緩和があるのかどうか。

 先ず、アメリカが6月の利上げを見送った場合はどうか。景気と企業業績にはプラスになるとして、既に、NYダウは4月27日以来の1万8000ドル台に乗せるなど先食いしてきた。このため、利上げ見送りが正式に決まった場合、材料出尽くしとなる可能性のあることを頭に入れておきたい。また、見送りの場合、利上げができないほど景気に懸念があるのか、という景気先行きに対する慎重な見方が出ることも予想される。とくに、6月見送りだとしても7月利上げの可能性ならまた利上げ問題が頭を押さえる心配がある。NYダウが高値圏にあるだけに波乱の可能性を含んだ展開が予想される。

 一方の日本はマイナス金利効果待ちのスタンスで6月緩和の可能性はなさそうだ。消費税の延長も決めただけに、今、急いで景気対策をやる必要もないということになるのではないか。期待に反して緩和が実施されるなら儲けものだろう。

 7月10日の選挙には、これまでのアベノミクス成果、オバマ大統領来日(広島)効果、尖閣列島の軍事的緊張、震災復興、子育て支援などを前面に出しての選挙戦ということだろう。参議院選挙は負けはしないだろうが、楽勝でもなさそうだ。選挙のあとは長い暑い夏が待ち構えており水不足も重なって気乗りしない相場となる可能性がありそうだ。今は中長期投資のタイミングとしては、大きく下げれば好買い場となるものの、今のままだと難しい株価の位置にある。短期での素早い売買で対応するところだろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:32 | 特集
2016年06月04日

人気株に乗りたければ 新聞の見出しに載る銘柄を狙う=犬丸正寛の相場格言

■人気株に乗りたければ 新聞の見出しに載る銘柄を狙う

ninnki1.jpg 新聞は社会の出来事を報じるもの。その使命は瓦版時代とまったく変わらない。しかし、社会には出来事が山積、すべてを網羅することはできない。上場企業の決算をみても約3600社をすべて記事報道することは難しい。

 「犬が人に噛みついてもニュースにならないが、人が犬に噛みついたら特ダネになる」と、駆け出しのころ教わってきた。記者が数多くの社会の出来事の中から厳選して載せてくれるのだから、人が犬に噛みつくとまではいかなくても社会的関心の高いものばかりである。

 銘柄なら当然、多くの投資家が注目し買い注文を入れ株価は人気となることが多い。先のことなど分からないと諦めることはない。突発事件は別としても多くの大見出し記事は社会の流れの中、つまり社会ニーズを背景としたテーマの中から生まれているものである。

 少子高齢化、育児支援、復興、景気対策、円高・円安、東京オリンピック、再生医療、人工知能などなどヒントは身近なキーワードにある。それらのテーマが、たとえば国際会議などどのタイミングで紙面を飾るかを想像しておけば見事、人気銘柄に乗ることができるはずである。とくに、無配銘柄でも社会的背景で大きく報道されると急騰するケースが多いのである。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | 特集
2016年06月03日

中旬の日銀政策決定待ち、不発なら夏枯れ相場の可能性=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望

 6月最初の週は急反落の出足となった。週足・26週線まで戻したが、景気対策が期待外れだったことから26週線に突き返される動きとなった。これで、昨年暮れからほぼ6カ月、中期相場の強弱目安とされる26週線の下で推移ということになっている。

 消費税引上げ延期を決定したが、延期しなくてはならないほど景気が芳しくないにもかかわらず景気対策の出なかったことから失望売りとなった。子育て支援など社会保障は赤字国債を発行してまではやらないとも表明した。

 7月10日の参議院選挙は、景気対策のないまま、これまでのアベノミクスの成果とオバマ大統領広島訪問効果による内閣支持率上昇で戦うことになる。負けることはないだろうが苦戦も予想されそうだ。

 今後、15日の日銀の金融政策決定会合で追加の金融量的緩和があるかどうかが注目される。実施ならマーケットは好感するだろうが、見送りなら、「夏枯れ相場」の公算大である。幸い、日経平均をみれば、下値切り上げの形が崩れていないことは救いだ。中旬の金融政策を見守る相場から来週は小動きの展開が予想される。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:11 | 特集
2016年05月28日

短期の時買い、中長期の銘柄買い=犬丸正寛の相場格言

■短期の時買い、中長期の銘柄買い

tantan1.jpg 短期であれ中長期であれ証券コード番号で売買注文を出すことに変わりはないが、収穫法にはかなりの違いがある。昔からの投資の基本は、中長期で会社のサポーターとして数年、あるいは数十年単位で会社の成長に期待と夢を託して共に歩んで行く。そこには、当然、「銘柄」(会社)を買うという意識が強く働く。

 一方、数日単位、あるいは極端な場合は数時間、数分単位の超短期売買では、長きにわたって会社と共に歩むという気持ちはなく、今という「時」を売買する意識が強い。今という瞬時の中で、活きがよい株、即ち、すべてに平等な最小単位の1分間という時間内に少しでも大きく動く株を小幅でも回数で稼ぐ。

 どちらが、よいかは本人の資金と性格次第だが、従来の中長期中心から短期売買を組み合わせる時代となっている。商品のライフサイクルなど社会の短期化に合わせて投資も短期化となるのも当然だろうが、中長期投資ファンを増やすには、「銘柄」としてIR(投資家広報)に力を入れることがいっそう求められそうだ。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | 特集
2016年05月27日

6月相場入りだが難しい局面、「どうする消費税」、「どうなるトランプの日本政策」=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望

■中長期投資家は動き難い

 来週は6月相場入り。3月期決算発表とG7が終わり、7月の参議院選挙に向けた内政重視の次の一手を見守る相場展開だろう。具体的な政策が出るまでは積極的な売買が手控えられ出来高の少ない状況が続きそうだ。

 G7では、議長の安倍総理は現在の世界景気をリーマンショック前夜と似ていると表明、各国が財政出動など積極的な景気対策の必要性を強調した。しかし、足並みは必ずしも一致しなかった。当時、リーマンショックの震源地となったアメリカの景気は好調持続だし一時26ドル台まで下落していた原油相場は足元では50ドルていどまで回復するなどリーマンショックと類似しているということにはやや違和感があったようだ。結局、G7各国は独自で景気対策を行うことになった。果たして、日本はどのような景気対策を打ち出すのか。

 日本政府は、日本の景気は緩やかだが回復に向かっているという立場だ。この点においてもリーマンショックの言葉を持ち込まれても違和感がある。景気が緩やかでも回復しているのなら予定通り来春の消費税10%は実施すべきだろう。ましてや、今回のG7で財政規律を重視するドイツ、イギリスに対し、財政赤字状態の日本の姿が浮き出たといえる印象であり、財政健全化のためにも消費税実施は必要だ。

 財政が赤字状態では財政出動は多くは望めない。しかも、橋や道路を次々と作ろうにも既に社会資本は充実、財政出動しようにも対象がない。復興、子育て支援などが中心といったところだろう。しかも、円安に頼った景気対策にも釘を打たれている。このため、マーケットは、景気対策に過大な期待を持たないのがよさそうだ。期待するとすれば日銀の追加量的緩和だろうが、いつ具体化するか。

 さらに、中長期的にはアメリカの次期大統領にタカ派のトランプ候補が有力となっていることから相場への影響が読み難い。米軍駐留費を全面負担したら日本の財政赤字はさらに急速に悪化が予想される。自前で軍隊を持つとしても負担は大きい。「どうなる日本」というところに来ているから中長期投資家に多くは望めないだろう。しかも、消費税有無を巡って野党の攻勢は勢いを増すだろうから、短期投資家にとっても手が出し難い相場となりそうだ。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:09 | 特集
2016年05月21日

川の流れのごとく相場にも流れがある=犬丸正寛の相場格言

■川の流れのごとく相場にも流れがある

kawa1.jpg 川は上流から下流に流れ、世は古きから新しきに流れる。自然も世も相場も今ある姿は発生した出来事・事件の前提条件によって流れている。災害が発生すれば川の流れはこれまでとは違ったものとなるし内閣が代われば政策も変わってくる。相場も同じように前提条件が変われば流れも変わってくる。

 とはいっても、前提条件をくつがえすような大きい出来事がしょっちゅう起きているわけではないから、われわれはこれまでの出来事を前提に営みを続けている。このため、相場の世界では刻の流れの中で、どのような出来事がいつ発生したかを記憶しておくことは大変重要である。なぜなら、今の相場はこれまでに発生して出来事が前提条件となって流れているのだから。

 そして、さらに、一歩進んで、今の前提条件をくつがえす出来事は何だろうか、いつ頃起きるだろうかと予想するクセをつけることはいっそう大切である。人は、今ある姿はいつまでも続くと思いたくなるが、現実は厳しい。昔、親から教えられた、『いつまでもあると思うな親とカネ』である。常に前提条件のチェックと備えの心構えはやっておきたいものである。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | 特集
2016年05月20日

サミット共同声明で世界景気対策がポイント、サミット後には日本の消費税問題も控え行方注視の展開=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望

 来週は、26日と27日にサミットが予定されており、週前半はサミット待ちの閑散相場が予想され、後半は共同声明の内容によって相場が上か下かのどちらかに動くものとみられる。

 米国景気が堅調な以外は世界景気は停滞している。この点について、先進国最高の意思決定機関といえるG7サミットがどのような方向感を打ち出すか。思い切った財政出動が求められているが、財政健全を最重要とするドイツは難色を示している。歩調が合わなければ、また歩調があったとしても小さな景気対策の内容にとどまれば、世界景気の停滞は続くとみて世界のマーケットは失望売りとなることが予想される。

 とくに、日本は1〜3月のGDPは年率プラス1.7%と回復したものの、消費がふるわないなど先行きの景気に楽観はできない状況。企業業績も、全体としてはなんとか堅調を持続しているが、アベノミクスで先行した主力企業には明らかに疲労感が出ている。こうした中で、来年4月の消費税10%実施に踏み切るのかどうか。その決定がサミット後になされる見通し。

 財政改革を考えれば、思い切った景気対策を打ち、同時に消費税実施に踏み切るべきだろうが果たしてどうなるのか。実施でも延期でも厳しいものはあるが、マーケットにはどちらかといえば延期より実施を好感するのではなかろうか。なぜなら、実施なら強力な景気対策が見込めるからだ。

 アメリカの6月追加利上問題も気になる。6月は延期とみられていたが、ここにきて実施濃厚との観測となっている。既に、NYダウはかなり大きく下げ利上げを織込み始めている。仮に、6月利上げとなれば次は12月まではないだろうから利上げ問題から数カ月間は開放され相場的には動きやすくなるはず。6月3日(金)の5月雇用統計発表あたりがポイントとなりそうだ。

 いずれにしても6月は日米のマーケットにとって大きい転換点となりそうだ。とくに、6月に日本の財政出動、日銀の追加金融緩和が実施されれば、夏相場に期待できそうだ。逆に、消費税延期、景気対策もそこそこ程度の内容なら夏相場はあまり期待できないだろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:36 | 特集
2016年05月14日

野中の1本杉型相場もあるが、ほとんどは全体相場連動型の個性なき相場=犬丸正寛の相場格言

■野中の1本杉型相場もあるが、ほとんどは全体相場連動型の個性なき相場

nonaka1.jpg 野中の1本杉は、故郷の広々と続く田畑の向こうに高くそびえ、ひときわ目を引く懐かしい風景。値動きが乏しく活気のない相場で突飛高する銘柄を指して野中の1本杉相場といわれる。

 かつて、仕手系株といわれる銘柄が華々しかった頃は全体相場が田舎ののどかな閑散とした風景のようになると決まって突飛高する銘柄が登場したものだ。今は、ほとんどの銘柄が多少の違いはあっても全体相場が上げれば上昇、全体が下げれば下落という同一連動型の動きになっている。

 A、B、C、Dと野球の打順のように順番に物色されるなら循環買いで稼げるが今は一斉高がほとんどで難しくなっている。この先、夏枯れ相場も予想され野中の1本杉型銘柄が登場しやすい地合いだが、果たしてどうだろうか。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | 特集
2016年05月13日

来週も主力株見送り好決算銘柄買いの展開、景気対策なければ夏枯れ相場の心配=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望

 来週(16日〜20日)も引き続き、「好決算銘柄買い」の個別相場中心の展開が予想されそうだ。全体相場は東証1部の出来高20億株程度、売買代金2兆円程度が示す通り、盛り上がりに欠ける展開だ。これは、トヨタ自動車の2017年3月期が4割減益に代表されるように主力株の業績が芳しくないため、「中長期投資家」が今の株価水準では買い出動し難いことがある。結果、「短期売買筋」が好決算発表銘柄に飛び乗り飛び降りで稼いでいるというマーケットの姿である。

 3月期決算発表はピークを過ぎることから徐々に短期筋には材料難となってくる。これから発表の銘柄は主力銘柄でないところが多いため、いっそう、回転の速い値動きとなりそうだ。仮に、トヨタなど主力株が切り返し相場に転じるとすれば、政府・日銀の景気対策が実現することだろう。足元では、政府要人の口先介入で円相場が109円台へ円安が進んでいるが、何度も口先介入ではマーケットからしっぺ返しを食うことになるだろう。17日のGDP(1〜3月)発表を契機に景気対策が出るかどうかが注目だろう。

 もしも、景気対策が期待できないということになれば決算発表のあとは手掛かり材料難から、「夏枯れ相場」となる心配が出てくることになるだろう。足元は決算発表に注目だが、同時に政府の景気対策が注目される局面である。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:56 | 特集
2016年05月07日

短期、中期、長期投資でも決めるのは今である=犬丸正寛の相場格言

■短期、中期、長期投資でも決めるのは今である

ta1.jpg 3日先の短期、3カ月先の中期、そして3年先の長期、それぞれの期間で収穫を目指す投資スタイル。自分の性格と資金に応じたリズムが投資おいては銘柄を選ぶ以上に大切である。さらに、もっと大事なことは3年先を睨んだものであれ3日先を読んだものであれ、「今」の局面でどうするかである。どうするかは、「カイ」、「ウリ」、「ミオクリ」の3通りである。

 長期なら政治が重要となるだろうし、中期なら景気がポイント、短期なら相場の勢いというものが重視されるだろう。それぞれに判断の要素は異なっても短・中・長期のいずれにしても、今、買うか・売るか・見送るかを決めなくてはいけない。それだけに、中長期だからといって今の状況を見極めなくてよいということにはならない。むしろ、中長期投資ほど短期投資以上に今に対し敏感となることが大切のように思われる。仮に、今が長期の天井圏だったとしたら売り損ねると10数年待たされることになる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | 特集
2016年05月06日

実体景気悪く政治の出番、期待できる内容なら夏相場にも期待=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望

 大型連休が明け、本格的な5月相場の始まりだ。5月は伊勢志摩サミット、九州地震の復旧復興、来年の消費税をどうするかなど、「政治の出番」といえる。景気対策が腰の入ったものなら夏相場が期待できそうである。

 日本の足元の景気は芳しくない。まもなく発表の1〜3月のGDPは2期連続のマイナスは避けられないだろうし、発表の2016年3月期決算についても冴えない。そこへ、九州熊本の大地震でインバウンドにも陰りが出るなど7〜9月のGDPも期待できない情勢である。にもかかわらず日銀はマイナス金利の効果待ちという姿勢で4月は景気に対し何も手を打たなかった。

 結果、日経平均は4月25日の1万7613円(場中値)から5月6日には1万6000円割れの1万5989円まで約1620円の大きい下げとなった。景気・企業業績の実体の悪いにもかかわらず政策のなかったことが響いた。当然、これからは足元の実体の悪いことに目をつむるわけにはいかない。サミット議長国として景気に対する姿勢を見せなくてはいけない。

 財政出動と追加の金融量的緩和がセットということになるのだろう。マーケットは景気対策の規模を注視しているが、期待外れの内容なら夏相場はないだろう。反対に思い切った内容なら円相場は円安に揺り戻しが予想され、夏相場に期待できそうだ。ここは、間違いなく政治の出番である。政策の出るまでは3月期決算発表を織込みながら日経平均1万6000円前後でのモミ合いだろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:31 | 特集
2016年04月23日

大陽線後の下げは買い 大陰線後の戻りは売り=犬丸正寛の相場格言

■大陽線後の下げは買い 大陰線後の戻りは売り

daiinn11.jpg 陽線とは、ケイ線・ローソク足で始値に対し終値が高い場合を指す。その日の始値に対しその日の終値が高ければ日足・陽線、週初の始値に対し週末値が高ければ週足・陽線、月足、年足でも同様である。とくに、始値に対し終値がそうとう高い場合を大陽線という。どのていどの値幅を大陽線というかについてのはっきりした定義はないが、これまでとは明らかに違う大きい陽線と理解すればよいだろう。

 大陽線となることは、弱気が支配してきた右肩下がり相場で株価が突如、大きく反発することである。そこには、それまでの弱気材料をひっくり返すような先行き対し期待できる明るい材料が出るとか、悪い材料に対し飽きがきて悪材料出尽しになるといったことがある。それまで売り安心だった売方(空売り=株券を借りて売る)が、あわてて買い戻しに走り、さらに、その売方の買い戻しを狙って買方が上値を買い上がることで大陽線になるケースが多い。まさに、大陽線は売方と買方の一大戦場といえる。

 当然、大幅高には必ずといってよいほど反動安は起きることだが、しかし、これまでの地合いとは変わっているため大きな押しはなく再上昇に向かう場合が多い。このため、大陽線のあとの初押しは好狙い場とされる。もちろん、大陰線の場合は、逆である。

 日経平均を年足でみれば、昨年(暦年)まで4年連続の大陽線で今年は初調整といえる動きとみることができる。これに、相場材料を当てはめれば、アベノミクスの次の一手を待つ相場といえるだろう。安倍政権の政策よろしきを得れば、今年が初押しの好狙い場となって来年は再上昇に向かうことが期待できるはずである。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | 特集
2016年04月22日

日経平均はNYダウに1カ月遅れで推移、6月頃まで上昇か、政府の景気対策相場が背景=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望

 NYダウは1万8000ドル台、日経平均は1万7000円台に乗せ、上値指向を強めている。とくに、日経平均はNYダウに対しほぼ1カ月遅れて動いていることもあって、NYダウが高値波乱となっても強い展開となりそうだ。

 とくに、今回の熊本・大分地震によって政府が、「経済最優先」で動いていることが日経平均の強い背景としてあるだろう。TPPの審議を今国会で見送ってでも景気対策優先ということである。地震によって、早くも訪日外国人観光客のキャンセルが伝えられており、これまで内需を支えてきたインバウンドに陰りがみられる。5月の伊勢湾サミット、7月の参議院選挙が控えていることからも景気対策は急務といえる。

 地震対策中心に公共投資や日銀の追加金融緩和などが連休前にも実現の可能性がありそうだ。内部要因的には、日経平均が2月の1万4865円に対し、去る、4月8日の1万5471円でダブル底となった可能性があり、同じようにダブル底のあと急伸したNYダウの後を追って上値を伸ばす可能性がありそうだ。

 とくに、円相場が109円台で落ち着き円高が一服となっていることもプラス。仮に、原油相場が足元の43ドルから45〜50ドルと反発すれば、円相場にとっては円安要因となりやすいだけに日経平均には支援となるだろう。ダブル底を確認とみれば、日柄的には6月の株主総会頃までは上昇が予想されそうである。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:44 | 特集
2016年04月16日

動物、植物、相場 この世に生きるすべてに生き抜く力が備わっている=犬丸正寛の相場格言

■動物、植物、相場 この世に生きるすべてに生き抜く力が備わっている

doubu1.jpg 枯れたかと思った鉢植えが芽を出すたくましさ。地球上に生きるすべてのものは地球環境変化に耐えて生き抜く力、回復力を備えているようです。相場も社会の変化を映して変動する生き物ですからそこには相場独特の秘められた力があるとみるべきでしょう。

 16年4月に下げ相場から一転して急伸に転じたのも相場の内包する力とみるべきでしょう。相場環境が大きく変わったわけではなく、むしろ先行き厳しい見通しの中で反騰に転じたことは、相場が動植物と同じように環境に耐えるだけの力を発揮したとみるべきでしょう。もちろん、地球環境が改善されなければ絶滅に追いやられたマンモスのようになってしまう心配はありますが、幸い、相場環境はアベノミクス効果で明るさを増しています。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | 特集
2016年04月15日

日経平均は1万7000円突破期待だが、大型連休控えから徐々に上値重い展開か=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望

 来週(18日〜22日)は、為替相場を睨みながら日経平均は1万7000円のフシ突破に挑戦とみられる。NYダウもフシ目の1万8000ドル突破に挑戦の展開が予想されそうだ。

 ただ、NYダウ、日経平均とも今年2月のボトムから日柄で2カ月上昇、上げ幅でもNYダウで約2460ドル、日経平均も約2400円上昇(日経平均は3月が高値)となっており、両指数とも「日柄」、「値幅」から上値に対する警戒感が芽生え始めていることはある。このため、両指数ともフシは抜いたとしてもさらに大きく上値を伸ばすことは難しいように思える。

 NYダウは、18日に米GDP(1〜3月)の発表に続いて26日にFOMCを控え、利上げ問題が気になるところである。日本では、次週(25日〜28日)後半から大型連休入りを控え、手仕舞い売りが出やすい地合いが予想される。24日には、安倍政権の人気を占うとされる北海道での選挙がある。好悪入り交じっている3月期決算の発表も本格化する。

 こうした材料を吹き飛ばして日経平均が上伸するには、やはり、「円安」が進むかどうかだろう。しかし、G20終了で再び通貨安が台頭する可能性もあり先行きは見極め難い。結局、日経平均は1万7000円に乗せたとしても伸び切れず1万7000円を挟んだモミ合いとなる可能性がありそうだ。熊本の大地震発生で建設関連、バイオ装薬関連などの内需関連が注目される展開のように思われる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:43 | 特集