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記事一覧 (11/14)日経平均がNYダウを猛迫、外国人投資家は解散・選挙での政局安定を前評価=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (11/07)徐々に中長期視点の相場展開へ移行、追加金融緩和の効果見極める=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (11/01)今やチャートはパソコン時代 されど1銘柄は手描くがよし=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (10/31)追加緩和で師走相場は強い、ただ緩和→株高→資産効果→景気浮上につながるかどうか見所=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (10/25)相場の天底は人の心理を如実に現す=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (10/24)「夢」を買うテーマ相場から、現実の「業績」を買う展開へ=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (10/18)アマがプロに勝つには束縛のない強さを発揮すべし=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (10/17)NYダウは現実の景気の良さを見直す展開、日本は政府の動向を見守る=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (10/11)中長期投資の極意は短期筋の投げ狙いにあり=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (10/10)日経平均は26週線キープ、中期投資には好買い場提供=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (10/04)自分の考えとマーケットの今を摺り合わせるべし=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (10/03)物色銘柄に気迷い感強い、中間決算発表までは出遅れ銘柄でお茶を濁す展開=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (09/30)【シルバービジネス・高齢化社会関連特集】イワキ:ジェネリック医薬品の岩城製薬は、需要旺盛でフル稼働状態
記事一覧 (09/27)スピードを求める人ほど基本を大切にする 超短期売買でも同じ=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (09/26)日米とも政治が前面に出る展開、日本は消費税10%対応が焦点=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (09/24)【シルバービジネス・高齢化社会関連特集】日本エム・ディ・エムに注目、人工関節については、今後の大幅な伸長が予想される
記事一覧 (09/20)大家さん投資はエレベータ式投資法=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (09/19)トヨタの7000円と日経平均の1万7500円が見所に=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (09/16)【特集(4)】次世代型の微細藻類由来バイオ燃料関連
記事一覧 (09/16)【特集(3)】次世代型の微細藻類由来バイオ燃料関連
2014年11月14日

日経平均がNYダウを猛迫、外国人投資家は解散・選挙での政局安定を前評価=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 来週の相場は「解散・選挙」を織り込む展開だろう。マーケットにとっては、今のまま政局がごたつくより国民に真を問い、はっきりしたほうがはるかにマシである。しかも、自民・公明が負けるとは思われないだけに選挙で勝利して政局が安定することをマーケットは好感するはずである。

 今回の解散には大義名分がないと批判もあるが、今は2年間のアベノミクスの成果を問うことで十分である。なぜなら、日本そのものを元気にすることがアベノミクスの目標とするところだからだ。2年前の野党政権時代と今を比較すればすぐに分かる。あのまま行っていたらアメリカから見放され日本は世界で存在感のない国になっていたはずである。尖閣で中国と砲火を交えていたかもしれないしオリンピック招致も無理だったと思われる。国民の生命・財産は政府に守ってもらわなくてはいけないが、しかし、国を挙げて「仲良し会」をつくることではない。グローバル社会で生き延びるためには厳しい競争に勝ち抜くヤル気も大切である。この点を明確にしているアベノミクスは評価されていい点である。

 足元では、アベノミクス第2章のスタート時点からモタついていることは確かである。それを、追加金融緩和でなんとかカバーしている。金融政策だけでは限界がある。ここは、解散・選挙に打って出ることは政局安定、景気、そしてマーケットにとっても、非常に良い判断になると思われる。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:02 | 特集
2014年11月07日

徐々に中長期視点の相場展開へ移行、追加金融緩和の効果見極める=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 来週以降の相場は、足元相場好調の中に徐々に中長期視点の加わる展開だろう。今回の追加金融緩和は緩和策自体が目的ではなくアベノミクス実現のための手段であり、「その効果はいかに」、ということが問われることになってくるだろう。

 中長期の視点ということではNYダウも同様だろう。NYダウは2009年3月の6469ドル(場中)を起点に現時点が高値の1万7486ドルまで5年7ヶ月、値上り率2.7倍となっている。数値だけ見れば、「もう天井だろう」ということになるが、リーマンショックでは2007年10月の高値1万4196ドルからの下落率は約55%に達していた。

 「谷深かければ山高し」の教えもある。当時の失業率10%台は5%台にまで改善し経済は目覚しく回復し当時を上回る経済力となっているし、当時にはなかったシエールガスもあることからNYダウはなお上値余地は見込めるという判断はできるだろう。

 上値の目安となるのは、テレビドラマでも有名となった「倍返し」も一つの手掛かりといえる。2007年10月から2009年3月までの押し幅に対する「倍返し」は2万2196ドルという計算になる。現在の1株利益水準とすればNYダウのPERは20倍台杜という計算だ。ここまでアメリカの実力が評価見できるかどうかが今後の見所となってくるだろう。

 仮に、先行きNYダウの2万2000ドルが見込めるということになれば日経平均は現在のNN倍率0.95倍を当てはめれば2万900円前後が見込める計算となる。

 そのためには、(1)安倍内閣の支持率が再び回復し政治に対する安心感が回復すること、(2)追加金融緩和の効果に加え成長戦略が一刻も早く経済に寄与すること、(3)2015年3月期に続いて2016年3月期の企業々績好調が見通せること〜などが求められる。

 足元では追加金融緩和の心理的効果でマーケットは活況となっている。9月中間期決算発表が一巡すれば、徐々に活況の熱も下がり、師走特有の動きとも絡んで来年の景気を睨んだ中期視点での相場形成に移っていくものとみられる。やはり、当面の最大テーマは消費税有無とそれによる景気見通しであろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:44 | 特集
2014年11月01日

今やチャートはパソコン時代 されど1銘柄は手描くがよし=犬丸正寛の相場展望

■今やチャートはパソコン時代 されど1銘柄は手描くがよし

今やチャートはパソコン時代 されど1銘柄は手描くがよし 昔は、チャートをケイ線と言って方眼用紙に定規と鉛筆で手描きしたものです。駆け出し記者のころ北浜の大和証券を引け後に覗くと株式部の社員が手分けして数多くのケイ線を描いていた姿を思い出します。

 当時は人海戦術で多くの銘柄のケイ線を場が引けたその日のうちに描くことが次の日の相場に勝利する有力な武器となっていました。もちろん、今はパソコンで全上場銘柄のチャートが瞬時に把握できます。結果、チャートは数の多いことより、「どう読んで判断するか」に重点が移っています。

 その際、意外と役立つのが手描きです。1銘柄でもいいから、自らの手で描いてみるとパソコンで眺めたのとは違って、「相場が語りかけてくる」実感があります。やはり、自ら取組んだことに対する、ご褒美だと思います。できれば日経平均と各自で関心のある銘柄は手描きすることを奨めます。株価の勢いはあるが、「あれっ、どこかで見た天井の時と似ている」といった相場の微妙な動きを肌で感じ取ることができると思います。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | 特集
2014年10月31日

追加緩和で師走相場は強い、ただ緩和→株高→資産効果→景気浮上につながるかどうか見所=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 来週は11月最初の週であり、同時に、「師走相場」入りである。幸先よく日銀の追加金融緩和が出たことで今年も昨年同様に師走相場は堅調が予想される。

 10月31日に黒田日銀総裁は追加の量的金融緩和を決めた。長期国債買入を年50兆円から80兆円、ETF(株価指数連動型投信)買入を1兆円から3兆円、J−RETT(上場不動産投信)買入を300億円から900億円へそれぞれ拡大する。昨年春の異次元金融緩和と比べ効果がどうかは見方の分かれるところだろうが、週末31日の日経平均が一時875円高の1万6533円と年初来高値を更新したように株式マーケットに対する効果は大きい。

 昨年の場合はどうだったか。4月の金融緩和のあと5月に相場は大商いの中で天井を打った。この学習効果からマーケットが今後どう動くか。仮に、昨年と同じように一気に買いつくと昨年5月の二の舞となる心配がある。逆に、昨年の反省から慎重な投資態度ら相場は息の長いものとなる可能性がある。

 ポイントは昨年春の緩和の時は、驚きが大きかったこともあって、株高→資産効果→消費増加に繋がった。今回もこの図式が同じようにうまく機能するかどうかだ。うまく景気刺激にむすびつけば下降懸念の強まっている景気を浮上させることができるため相場はNYダウのような5年半上昇というスケールの大きいものとなるだろう。もちろん、アメリカの場合は家計の株保有率が高いのに比べ日本の比率は小さいためアメリカ型の消費効果は見込めないことは割り引いて考える必要がある。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:32 | 特集
2014年10月25日

相場の天底は人の心理を如実に現す=犬丸正寛の相場格言

■相場の天底は人の心理を如実に現す

相場の天底は人の心理を如実に現す 人の心理は難しいものです。多くの人と一緒でありたいけど、その一方で人とは違う存在でもありたい。相反する気持ちを内包している生き物のようです。これが、はっきり現れるのは株投資の天底での心理ではないかと思います。

 底で這っている銘柄に投資した場合、相場が上昇に向うためにはできるだけ多くの買い参加者が増えることを願い、そして高値圏に来ると自分だけ売り逃げたい気持ちが高まるものです。相場が底値圏から上昇に向う初期の場面では多くの投資家が仲良し会に入会といった風景です。

 しかし、底値から3割も上がると仲良しの関係は崩れ自分だけ高値の良い値段で売りたいと売場探しに恐々とします。相場では、いつまでも多くの人と仲良しであり続けることは難しいものと心しておくべきです。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:00 | 特集
2014年10月24日

「夢」を買うテーマ相場から、現実の「業績」を買う展開へ=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 来週からしばらくは、『夢は要らない、業績が欲しい』という展開が予想される。政府の経済政策などマクロには期待できず、これから発表が本格化する9月中間決算のミクロに注目する相場展開といえそうだ。

 閣僚のゴタゴタで消費税10%判断を前に政府の経済政策はもたついている。期待されたカジノも雲行きが怪しくなっている。とくに、証券コード番号という背番号を持たない非上場企業及び一般庶民の景気は芳しくない。アベノミクスが狙いとする全国津々浦々まで景気回復を実感する、という状況には程遠い。マクロの景気面では相場は強気になり難い。

 これをカバーできるのが、背番号を持つ上場企業の9月中間決算といえる。トヨタ自動車の9月中間期営業利益は円安効果、アメリカ景気の好調効果などで最高益と報道されている。

 アメリカ向け輸出が多く、円安効果の見込める銘柄には好調な決算が予想される、株価も好反応が予想される。

 ただ、ポイントは9月中間決算は良くても今3月期通期がどのていど増額修正されるかである。たとえば、日経平均の予想1株利益が直近の1034円が1100円前後まで上向くかどうかである。

 NYダウが上伸しているのもダウ予想1株利益が1080ドルと高水準にあるからだ。日経平均も1株利益が向上するようなら一段高は期待される。今後は日経平均予想1株利益の動向を見守る展開とみられる。

 物色対象は、9月中間決算の発表が一巡まるまでは、新興系の「夢」を求める銘柄の人気は一服だろう。当面は、「好決算」がもっともおいしい材料だからである。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:55 | 特集
2014年10月18日

アマがプロに勝つには束縛のない強さを発揮すべし=犬丸正寛の相場格言

■アマがプロに勝つには束縛のない強さを発揮すべし

アマがプロに勝つには束縛のない強さを発揮すべし 昔は、相場巧者をプロと呼んだものですが、今日の金融商品取引法では、『特定投資家』をプロ、『一般投資家』をアマとして区分しています。相場の上手い・下手がプロ、アマの基準ではなくなっています。

 プロである機関投資家は情報分析力や資金力に勝り、この点では個人投資家のアマは太刀打ちできません。しかし、個人には機関投資家運用者のような一定期間にできるだけ多く稼がなくてはいけないノルマはありません。つまり、個人には束縛のない強みが最大の武器です。この点を個人は強く自覚し武器として大いに用いるべきです。

 とくに、プロは運用成績確保のために買った株は必ず利益確定売りが必要です。相場操縦は禁止されていますが、操縦ではなく上手に相場演出をかもし出し相場が盛り上がったところで売り逃げようとするはずです。アマはこの点を逆手にとって機関投資家の決算対策を睨みながらプロの上前をはねるくらいの気構えが必用です。昔のように個人が高値掴みさせられて泣くことは避けるべきです。

>>>犬丸正寛の相場格言
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:00 | 特集
2014年10月17日

NYダウは現実の景気の良さを見直す展開、日本は政府の動向を見守る=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 急落したNYダウは、先行き懸念に対し現実の景気の良さを見直す展開が予想されそうだ。日経平均も政府・日銀のなんらかの景気対策を期待する買いが徐々に強まるものとみられる。

 1ヶ月弱の短期間にNYダウが8.6%、日経平均が10.3%、それぞれ下落したことで政治の出番が予想されるからだ。

 NYダウはエボラ出血熱患者の拡大懸念に加え、ここに来て欧州及び日本経済の減速下降が強まっていることを心配している。欧州は一時の金融不安を乗り越え、次のステップの実体経済の下落リスクに直面している。金融不安の局面では、危険を察知したマネーはいち早く欧州から逃避した。欧州はなんとか金融不安は乗り越えたものの、今度はモノ、サービスの動きが低調となる実体経済の悪化に直面している。まさに、バブル崩壊後の日本と似た展開である。下手をすると欧州は、日本のように20数年のデフレに陥り、それが、マーケットが心配するアメリカ景気に影響する可能性が出てくるということだ。

 アメリカは10月で終る超金融緩和策のあと早い時期に金利引上げの可能性が強まっていたが、欧州、日本の経済実態やエボラ出血熱を考えると、まさかここで政策当局は金利引上げには動くまい。金利引上げは先延ばしされ、むしろ、アメリカ景気に陰りが出るようなら、金融緩和策復活の可能性だって予想される。むろん、シエールガスを持つアメリカが、簡単には欧州、日本の不振の影響を大きく受けるとは思い難い。

 一方、日本は4〜6月GDPマイナス7.1%の落ち込みに対し、回復期待の言葉以外は特に策はなかった。改造内閣で期待の女性登用もうまく機能するどころか逆に足を引っ張っている。アベノミクスに陰りのみられることが日本株の下げを大きくしているといえる。

 このまま諦めてリップサービスだけにとどめるのか、あるいは景気下降のリスクを回避するために強力な策を打ち出すのか。一応は下げ止まっている日経平均は政府の姿勢を見守っている。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:52 | 特集
2014年10月11日

中長期投資の極意は短期筋の投げ狙いにあり=犬丸正寛の相場格言

■中長期投資の極意は短期筋の投げ狙いにあり

中長期投資の極意は短期筋の投げ狙いにあり 短期投資の人でも中長期投資の人でも投資対象となる銘柄は、「業績が好く」、「テーマ性がある」ということでほぼ一致しています。この2つの大切な要素を持っている銘柄が、キャピタルゲイン(値上り益)を狙える可能性が高いからです。違うのは、利益は小幅でいいから数日間の短期間で手にするか、あるいは数ヶ月、数年かけて大きく果実を手にするかの違いです。

 昔は、短期投資も中長期投資も今日のような明確な区分けがなかったことから相場が下げた場合、短期も中長期も一緒に処分売りとなっていたところがありました。現在は、短期売買のヘッジファンドだけでなく個人も売買の約6割は短期売買といわれる時代です。その短期売買筋が思惑の外れで投げ売りしてきたところは中長期投資筋にとって絶好の狙い目といえます。

 なぜなら、短期筋が先に業績とテーマ性に注目し露払いしてくれているからです。ともすると、中長期投資の人は動いていない銘柄を買って待つということが多いようですが、同じ待つなら短期筋が有望性のサインを出してくれた銘柄の押し目を狙うのが効率的といえます。

>>>>犬丸正寛の相場格言
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | 特集
2014年10月10日

日経平均は26週線キープ、中期投資には好買い場提供=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 NYダウ、日経平均の急落で、「短期売買筋」には、やり難くなったものの、「中期投資」の向きには好買い場提供といえるだろう。

 日経平均に影響を及ぼしたNYダウの下げは、IMF(国際通貨基金)が、今年の世界経済成長率を下方修正したためだ。とくに、ドイツなど欧州経済が減速からデフレ懸念がもたれている。これに、エボラ出血熱、イスラム国問題もある。

 これらの材料は、先行きアメリカ景気に悪影響となることは予想され、先を読む株価が下がるのもうなずける。

 しかし、現実のアメリカ景気は好調である。既に、NYダウは9月19日の最高値1万7350ドル(場中)から4%強下げ、PERも15倍台に低下している。短期的には下げ過ぎとみられる。しかも、IMFの下方修正により、くすぶっているアメリカの金利引上げは遠のく可能性がある。

 一方、日本は輸出型の大企業中心にミクロは好調。しかし、GDPの落ち込みにみられるようにマクロは芳しくない。この背景の中で消費税10%への決断が迫っている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:41 | 特集
2014年10月04日

自分の考えとマーケットの今を摺り合わせるべし=犬丸正寛の相場格言

■自分の考えとマーケットの今を摺り合わせるべし

自分の考えとマーケットの今を摺り合わせるべし 学びを重ね自分の考えを持つことは大切なことです。しかし、自分の考えに固執するあまり世の中の動きと大きく乖離したのでは学んだことは役に立たなくなる心配があります。

 世を離れ、「人は人 我は我」と悟りを求めるような人ならそれも立派ですが、生きて行くうえでは社会やマーケットで何がどう動いているかに耳を傾け、自分の考えと擦り合わせ、練り合わせることは大切です。それは、妥協とは違うものです。

 麻雀をされない方には恐縮な話ですが、麻雀では常に高い点数の取れる手を狙うものです。しかし、敵手も場の流れを見極めつつ最適の手を狙っているはずです。その駆け引きの中で少ない点数で勝負をつける場合もあります。

 もちろん、株のマーケットも同じです。自分では絶対にこの値段まで上がると思ってもマーケットはそれを簡単には許してくれないのです。『人は人 我は我 されど仲良き』という言葉が表すようにマーケットとも仲良くすることは大切です。

>>>犬丸正寛の相場格言
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | 特集
2014年10月03日

物色銘柄に気迷い感強い、中間決算発表までは出遅れ銘柄でお茶を濁す展開=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 アメリカでエボラ熱出血患者がみつかり約100人が観察対象になっているという。拡大を懸念してNYダウは大きく下げた。さらに、今日(3日)発表の9月雇用統計の好調見込みから金利引上げが早まりそうだとの観測もある。

 NYダウについては、これらの推移を見守るよりしかない。ただ、2日(木)のNYダウが、かなり長い、「下ヒゲ足」となるなど突っ込みに対する警戒感もある。仮に、悪材料が出ても、あと2〜3本、下ヒゲ足をつければ底値感が台頭することになろう。

 日経平均は、NYダウに対し0.93〜0.97倍の間で動いているからNYダウ次第であることには変わりはない。ただ、大きい材料としては、消費税10%実施有無の判断が刻一刻と近づいていることだ。

 財政改善のことを考えれば実施したいのは当然だろうが、現実の景気停滞が許してくれない。とくに、大企業の景況観はよくても非上場企業の中小企業はよくない。大企業の牽引によって中小企業、あるいは地方経済への波及効果を狙う策も限界に来ているようだ。円安を使って大手企業の業績を良くしても、逆に中小にとっては原材料、燃料の高騰で円安はマイナスに作用している。

 このままでは、消費税10%にはゴー・サインは出し難い。加えて、北朝鮮の引き延ばしで期待された内閣支持率も下降傾向を示している。人質問題解決→内閣支持率上昇→消費税10%実施のシナリオが難しくなっている。

 1ドル・110円まで進んだ円安がどう展開するか。引き続き円安政策で一部大手企業に牽引してもらう策を採るのか。あるいは、中小企業及び庶民生活に配慮して円安には頼らないのか。難しいところに来ている。

 それでも、上場企業の業績が良く、日経平均の予想1株利益は1020円台で高水準をキープしていることから日経平均が下げ基調に転換することは考え難い。

 ただ、マーケットにおける物色対象は完全に気迷い状況にある。円安が進むのかどうか、地方創生、女性活用の政府戦略は長期では注目できても短期では買える材料ではない。

 加えて、10月後半から9月中間決算の発表が控えていることがある。円安関連銘柄は好調が予想されるものの、円安デメリット銘柄も予想される。元気のよかったマザーズ、ジャスダックなど小型先駆銘柄には疲労感が漂っている。

 結局、決算が発表となるまでは出遅れ銘柄でお茶を濁す展開の相場だろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:31 | 特集
2014年09月30日

【シルバービジネス・高齢化社会関連特集】イワキ:ジェネリック医薬品の岩城製薬は、需要旺盛でフル稼働状態

【特集】シルバービジネス・高齢化社会関連

■今年で創業100周年

 イワキ<8095>(東1)は、1914年創業の医薬品商社で、医薬品事業(医療用・一般用・動物用医薬品の製造・販売、調剤薬局経営)、医薬品原料・香粧品原料事業(医薬品・香粧品原料の製造・販売、化粧品OEM製造)、化成品事業(電子工業用薬品・表面処理用薬品・化成品の製造・販売)、食品原料・機能性食品事業(食品原料の製造・販売、サプリメントOEM製造)、その他事業(医療機器の販売、化粧品の製造・販売)を展開している。今年で創業100周年を迎える。

 全国の医薬品卸・医療機関・ドラッグストアなどに医薬品や機能性食品などを供給する卸売機能、国内外のメーカーなどを開拓して輸出入する商社機能、グループ内に岩城製薬(ジェネリック医薬品・医薬品原料、医療機関向け化粧品など)やメルテックス(表面処理薬品など)というメーカー機能を併せ持つことが強みであり、卸売・商社・メーカー機能の連携を強化している。

中でも、ジェネリック医薬品の製造をしている岩城製薬は、製造が需要に追い着かないほどのフル稼働状態である。この背景には、日本社会全体が高齢化が進み、65歳以上の高齢者が増えたことで、国が負担する医療費が急拡大しているため、医療費の抑制策として、新薬と成分が同じで価格が安いジェネリック薬品の使用を推奨している点にある。

岩城製薬の代表取締役社長伊藤龍雄氏は、「実はものすごく数量が伸びています。現実は予想した以上に受注をいただいています。我々が予想していましたのは、薬価改定の約5%ダウンを加味し生産量は125%ほどで対応しなければならないだろうと設備投資を行ってきました。ところがここに来まして、当初の冷夏予想とは全く逆に猛暑となっていますので、皮膚科領域が7割である当社にとっては、追い風となっています。そのため、実質130%以上の生産量となっています。上期に、チューブ充填機を導入し、下期にはローション充填機を入れる予定です。当社は、軟膏、クリーム、ローションといった3製剤が大半ですが、これに加えて、錠剤の注文も増えています。そうすると更なる設備投資をせざるを得ない状況であります。来期については、今期ほどの設備投資にはならないにしても、色々と計画していたものを早めに投資する必要がでていますので、今年以上の設備投資が必要だと思っています。」と第2四半期の決算説明会で現状を語っている。

 今期(14年11月期)連結業績見通しは前回予想(1月14日公表)を据え置いて売上高が前期比1.0%増の530億円、営業利益が同0.8%減の10億円、経常利益が同4.7%減の11億円、純利益が同13.9%減の6億50百万円としている。配当予想(7月10日に増額修正)は、第2四半期末に創業100周年記念配当1円50銭を実施して年間7円50銭(第2四半期末4円50銭、期末3円)としている。前期との比較では1円50銭の増配となる。

>>イワキのMedia−IR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:02 | 特集
2014年09月27日

スピードを求める人ほど基本を大切にする 超短期売買でも同じ=犬丸正寛の相場格言

■スピードを求める人ほど基本を大切にする 超短期売買でも同じ

スピードを求める人ほど基本を大切にする 超短期売買でも同じ 運転技術に劣る人が猛スピードを出せば重大事故に繋がる心配があります。経営においても即断即決のできる経営者には、単に、勘の鋭さだけでなく、積み上げた基本というものが備わっているのではないでしょうか。

 今や、株投資では1日で売り買いを繰り返す超スピードの売買が活発となっていますが、ここでも、「勘」や、「ひらめき」だけではなく、むしろ、中長期投資家以上に世界情勢、景気、企業々績の基本的なことの分析に力を入れているようです。

 さらに、その上でマーケットでの過熱状態、物色の流れなどをチエックした上で短期売買に臨む銘柄と株数を決めるのです。車の運転と同じようにスピードを出すほど基本と現状分析に細心の注意を払うことが大切といえるのではないでしょうか。

>>>犬丸正寛の相場格言
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | 特集
2014年09月26日

日米とも政治が前面に出る展開、日本は消費税10%対応が焦点=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 日米のマーケットが高値波乱となっている。とくに、出遅れ感が指摘される日本のマーケットがNY離れして独自に強い動きを見せることができるかどうかが注目点となりそうだ。

 そのポイントとなるのは為替相場の動向だろう。去る、19日に1ドル・109円46銭まで進んだ円安が、このままストップするのか、あるいは、再度、110円〜120円へ円安が進むのかどうかにかかっている。今回の円安局面で、あれだけ上値の重かったトヨタ自動車<7203>の株価が年初来高値を更新するほど円安効果は大きい。

 カギを握るのは黒田日銀総裁だろう。麻生副総理、谷垣幹事長は財政健全化のために消費税10%実施の必要性を強調している。しかし、現実の景気は、とても消費税10%を実施できる実体ではない。

 そこで、総理と日銀総裁がどう動くか。消費税10%を諦めるか、あるいは延長ということになれば日経平均はNYダウに引っ張られ、日本独自の展開は難しいだろう。

 逆に、政府、日銀が消費税10%のために追加金融緩和を実施すれば、日米金利差拡大から円安が進みトヨタなど主力銘柄中心に再度の盛り上がり相場が予想される。

 ニューヨークのマーケットは、イスラム国壊滅へ向けアメリカ政府がどれだけ本腰を入れて取組むか。また、ウクライナ問題でロシアとどう対峙し、アメリカの外交力を発揮できるかを見守っている。日本も日本再生に向け消費税10%を含め政府がどのような手腕を見せるかにかかっている。

 今年の秋は、日米とも政治が前面に出る展開といえる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:44 | 特集
2014年09月24日

【シルバービジネス・高齢化社会関連特集】日本エム・ディ・エムに注目、人工関節については、今後の大幅な伸長が予想される

【特集】シルバービジネス・高齢化社会関連

■40年代までは、骨接合材、人工関節、脊椎固定器具のマーケット拡大が続く

 老齢化が進む中で、医療機器商社の日本エム・ディ・エム<7600>(東1)に注目が集まっている。日本国内では65歳以上の高齢者人口は2040年代がピークといわれているため、40年代までは、骨接合材、人工関節、脊椎固定器具のマーケットは拡大が続くと予想されている。特に、人工関節については、今後の大幅な伸長が予想される。

 高齢化が進につれて、半月板、軟骨が消耗することで痛みを伴い、日常生活が困難になる変形性膝関節症に悩む患者数は、日本で約700万人といわれている。また、変形性股関節症で悩む患者数は、120万人から420万人といわれている。

 治療法には、温存療法と手術療法の2つがある。しかし、薬物投与、装具装着リハビリテーションなどの保存療法で治らない場合も多く、人工関節に置換する、手術療法に頼らざるを得ない場合もある。

 2012年の日本の人口と米国の人口を比べると、日本は1億2750万人、米国の人口は3億1390万人で、日本の2.5倍弱であるが、人工関節の市場規模は、日本の7.2倍という。それだけ、人工関節の手術に対するためらいが少なく、人生を楽しむことに積極的で、手術後、テニスや登山を楽しむ人が多くなっているという。

 日本エム・ディ・エムは、これまで骨接合材の商社として、ジョンソン&ジョンソン社の製品を日本で独占販売していたが、一昨年2012年6月で契約を終了して、現在は、自社製品、アライアンス製品に切り替えたことで、自社製品比率が高まり、利益率と共に業績も改善している。

 特に、米国子会社である人工関節のOrtho Development Corporationの製品売上は好調で、米国においては、年間30%増の売上を継続している。今期も、東部、西部地域で新規顧客の開拓が順調に進んでいる。中国市場に関しては、既に人工膝関節の認証を取得済みで、現在、代理店を絞り込んでいるところ。また、日本での薬事承認も順調であることから、国内での販売も伸びている。

 今期第1四半期は、大幅増収増益で黒字転換となったことから、第2四半期業績発表が待たれる。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:16 | 特集
2014年09月20日

大家さん投資はエレベータ式投資法=犬丸正寛の相場格言

■大家さん投資はエレベータ式投資法

大家さん投資はエレベータ式投資法 大家さんというもの昔から落語の世界でも、太っ腹のどっしり構えた人物として取り上げられてきました。月々、決まった地代・家賃が入るため目先を追ってあくせく稼ぐ必用のない恵まれた存在です。当然、相場に対しては、「天まで届く相場はない」、「上げれば下げ、下げれば上げるのが相場」といった卓越した向き合い方といえます。

 とくに、大家さんらしく、「最上階まで上がったエレベータは必ず1階まで下がる」という考えです。「景気」というエレベータに置き換えれば、相場は不景気と好景気の間を上げたり下げたりしているというのです。

 商売でも株でも景気が1階のときに買って、10回で売るという長期のスタンスで、今日、主流の超短期売買とは異質のものといえます。もっとも、最近は超高層ビル時代で上は30〜40階、下も地下数階と、上と下の幅が大きく大変ではとの問いには、「エレベータの性能が向上し上げ下げのスピードは速くなっている。昔ほど待つ必用はない」との答えである。

>>>犬丸正寛の相場格言
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | 特集
2014年09月19日

トヨタの7000円と日経平均の1万7500円が見所に=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 NYダウの最高値更新、日経平均の昨年末高値更新でマーケットに明るさが加わり来週の相場には盛り上がりが予想される。

 とくに、日経平均は昨年の高値を抜いたことでチャート上では、リーマンショック前につけた2007年2月の1万8300円(場中値)までフシはなくなった。早くも、一部大手証券では、日経平均の目標株価を1万8000円から1万7000円へ引き下げたとも伝えられるなど、今後は日経平均の上値目標を探る動きが活発となりそうだ。

 米国のリーマンショック後続けてきた超金融緩和政策は10月で終了し、次はゼロ金利解除が焦点となっている。こうした動きは、米国経済が金融支援に頼らなくても自力航海が可能となったことを意味している。アメリカの金利やドルや株が高くなることは当然といえる。

 そして、次の局面は好景気に伴うインフレ懸念から金利が引上げられ、それによって景気・企業々績がどう影響を受けるかに移っていく。1〜2度の金利引上げでは景気・企業々績に影響はないとみるか、あるいは、まだ病み上がりの経済には1度の金利引上げでもダメージとなるか。アメリカの経済、景気、企業々績の体力が試される局面といえる。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:57 | 特集
2014年09月16日

【特集(4)】次世代型の微細藻類由来バイオ燃料関連

【特集】次世代型の微細藻類由来バイオ燃料関連

■その他有力銘柄、関連銘柄一覧

 なお微細藻類由来バイオ燃料ではないが、9月15日付の日本経済新聞は、パナソニック<6752>が次世代技術「人工光合成システム」で、太陽光エネルギー変換効率0.3%という、植物を超える世界最高の変換効率を実現する電子材料を開発したと報じている。CO2を発電や輸送の燃料に活用する実証実験も20年までに開始するようだ。

 パナソニックは12年7月に、世界最高の太陽光エネルギー変換効率で、太陽光だけで二酸化炭素と水から有機物を生成する「人工光合成システム」を開発したと発表している。光電極に窒化物半導体を使用し、有機物を生成する電極に金属触媒を使用することで、変換効率0.2%というバイオマスで使用される植物と同等の変換効率を実現した。そして13年12月に開催されたエコプロダクツ2013で「人工光合成システム」を初公開している。

【関連銘柄一覧】

 石油資源開発<1662>、日揮<1963>、双日<2768>、ユーグレナ<2931>、三菱総合研究所<3636>、DIC<4631>、出光興産<5019>、JXホールディングス<5020>、JFEホールディングス<5411>、東洋エンジニアリング<6330>、千代田化工建設<6366>、日立製作所<6501>、パナソニック<6752>、デンソー<6902>、三井造船<7003>、日立造船<7004>、三菱重工業<7011>、川崎重工業<7012>、IHI<7013>、いすゞ自動車<7202>、トヨタ自動車<7203>、ヤマハ発動機<7272>、伊藤忠商事<8001>、三井物産<8031>、住友商事<8053>、三菱商事<8058>、シナネン<8132>、日本アジア投資<8518>、野村ホールディングス<8604>、日本郵船<9101>、日本航空<9201>、ANAホールディングス<9202>、電源開発<J−POWER9513>、いであ<9768>など。

【特集】次世代型の微細藻類由来バイオ燃料関連
■(1)食料競合が小さい非穀物系の次世代型バイオ燃料が求められる
■(2)課題解決に向けてオールジャパンでの取り組みも活発化
■(3)主要関連企業の開発動向
■(4)その他有力銘柄、関連銘柄一覧
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:51 | 特集

【特集(3)】次世代型の微細藻類由来バイオ燃料関連

【特集】次世代型の微細藻類由来バイオ燃料関連

■主要関連企業の開発動向

次世代型微細藻類由来バイオ燃料の事業化に向けた主要関連企業の開発動向は以下のとおりである。微細藻類にはさまざまな種類があり、各社とも燃料に適した藻類の選定・改良、効率的な大量培養・油脂抽出・精製技術確立の研究開発を進め、低コスト化に取り組んでいる。

■ユーグレナ

 東京大学発バイオベンチャーのユーグレナ<2931>は、JX日鉱日石エネルギー<JXホールディングス5020>および日立プラントテクノロジー(13年4月、日立製作所<6501>に吸収合併)と共同で10年から、微細藻類ミドリムシ(学名ユーグレナ)由来のバイオジェット燃料の製造に関して共同研究を進め、18年の技術確立と20年の事業化を目指している。

 さらに14年6月には、いすゞ自動車<7202>と共同でミドリムシ由来の次世代バイオディーゼル燃料「デューゼル(ディーゼルとユーグレナを組み合わせた造語)」事業化プロジェクトをスタートさせた。含有率100%でも車両のエンジンに負担をかけることなく使用できる次世代型バイオディーゼル燃料の18年の技術確立と20年の事業化を目指している。ミドリムシ由来の従来型バイオ燃料を軽油に1%混合させて、いすゞ自動車藤沢工場〜湘南台駅間の社員送迎用シャトルバスで公道走行試験も開始した。

 ミドリムシ(虫ではなく藻の一種)は体長約0.05mmの微細藻類で、植物性栄養素と動物性栄養素の両方を含む59種類の栄養素を持つことが特徴である。ミドリムシは体内の葉緑素で光合成を行い、体内で油脂を生成して蓄積する。この油脂を抽出・精製してバイオ燃料を製造する。ユーグレナは05年12月、世界で初めてミドリムシの屋外大量培養に成功し、現在は世界で唯一ミドリムシを数十トン規模で商業屋外大量培養し、ミドリムシ入りの食品・健康食品・化粧品を製造販売している。

 バイオ燃料に関しては、100種類のミドリムシの中からバイオ燃料に適したミドリムシを選抜、改良して大量培養する。出雲充社長は「石油を一滴も使用することなくミドリムシ100%のバイオ燃料を目指す」として、20年には100万u以上の培養施設を稼働させる計画だ。

■IHI

 IHI<7013>は、神戸大学発ベンチャーのジーン・アンド・ジーンテクノロジー(G&GT)が発見した緑藻の一種である高速増殖型ボツリオコッカス「榎本藻」をベース原料として、ネオ・モルガン研究所が改良を加えながらバイオジェット燃料の20年事業化を目指している。

 13年11月にはIHI NeoG Algae合同会社(藻類バイオ燃料に関する技術開発を目的にIHI、G&GT、ネオ・モルガン研究所の3社で11年8月設立)が、油分を大量に含む藻の屋外での100u規模による安定培養に成功した。IHI横浜事業所内に設置した屋外の開放型培養試験プラントで実施した。

 屋外開放型の池で増殖に必要なエネルギー源として太陽光だけを利用し、他の藻類や雑菌などに負けない培養法を開発したことで、藻を高濃度で安定的に増殖させることができる点に、世界的に見ても優位な特徴があるとしている。生産する油を「MOBURA(藻+油)」と名付け、次のステップとして量産を見据えて数千u規模での培養を実現するための場所の選定と、さらなるコスト削減に向けたプロセス改良を進める方針だ。20年までに従来燃料と同等の価格競争力に引き下げることを目指すとともに、ジェット燃料を中心にさまざまな用途に関する研究も推進する。

■デンソー

 デンソー<6902>は、08年4月から慶応大学先端生命科学研究所と共同で、デンソーが海洋バイオテクノロジー研究所から特許を譲り受けた新種の藻「シュードコリシスチス」にCO2を吸収させてバイオ燃料を生産する新しい研究に取り組んでいる。新種の藻「シュードコリシスチス」は、CO2を吸収して光合成で澱粉を作ることに加えて、ディーゼルエンジンに使用できる軽油の成分を含んだオイルも生成し、成長が速く丈夫で培養しやすい特徴を持っているとしている。

■神鋼環境ソリューション

 神鋼環境ソリューション<6299>は14年9月、技術研究所内に閉鎖型1立法メートル培養槽を設置し、従属栄養培養方式(生育に必要な炭素を有機化合物の形で生物に与える培養方法)によって、微細藻類ミドリムシ(学名ユーグレナ)の本格培養を開始したと発表した。ミドリムシ由来のバイオマス等のサンプルをキログラム単位で提供する体制が整ったため、バイオ燃料、食品・化粧品、下水処理、化成品などの分野で商品化検討を開始するとしている。

 ミドリムシの培養方法は一般的に光合成培養と従属栄養培養があり、閉鎖型培養槽における従属栄養培養は、光合成培養と比較すると単位面積当たりのバイオマス獲得量が数百倍程度となるととともに、気候など外部環境(日光、気温など)に影響されない安定した培養を継続することが可能としている。今後は培養方法についてさらなる改良を進めるととともに、培養槽の大型化に必要な最適設計条件を把握し、15年度に10立法メートル培養槽での大量培養を計画している。10立法メートル培養槽が完成すれば、ミドリムシから得られるパラミロン製造設備としては世界最大レベルになる見込みとしている。

■三井物産

 三井物産<8031>は13年2月、米バイオベンチャーのソラザイム社との間で、藻類を活用した高付加価値油脂製造の研究開発委託契約を締結した。三井物産が総額18億円の研究開発費を4年間に亘って投資し、藻類から高付加価値油脂を製造する技術の確立を目指し、油脂化学品市場(粗原料換算推定2兆円)への供給を推進する計画だ。米ソラザイム社は藻類を使った油脂製造に関して、燃料用途や化粧品用途で技術を確立し商業化に成功している。

■DIC

 DIC<4631>は11年8月に、筑波大学と共同で藻類由来のバイオ燃料実用化に向けた共同研究を開始すると発表している。DICは健康食品向けの藻類スピルリナに関して約35年の培養実績を持ち、米国カリフォルニア州の子会社アースライズ・ニュートリショナルズは精製技術や生産効率に秀でたスピルリナ大量培養で知られるとしている。

■ヤマハ発動機

 ヤマハ発動機<7272>と電源開発<J−POWER9513>は東京農工大学と共同で、JFEエンジニアリング(JFEホールディングス<5411>)は筑波大学と共同で、微細藻類からバイオ燃料を生産する研究を進めている。またシナネン<8132>は筑波大学などと共同で14年3月、藻類の屋外大量培養実証によって生産した藻類オイルを軽油に混和(混和燃料)し、茨城県つくば市で行われた藻類バイオマス・エネルギー使用の自動車公道走行実証に参画した。

【特集】次世代型の微細藻類由来バイオ燃料関連
■(1)食料競合が小さい非穀物系の次世代型バイオ燃料が求められる
■(2)課題解決に向けてオールジャパンでの取り組みも活発化
■(3)主要関連企業の開発動向
■(4)その他有力銘柄、関連銘柄一覧
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:49 | 特集