
★☆妻と夫の株ロマン☆ 時々の話題を夫婦の会話でお届けします★
【妻】 期待された2014年相場ですが、まもなく2ヶ月が経過しますが、なかなかエンジンがかかりませんね。
【夫】 昨年、『辰己天井の午尻下がり』と紹介したけど、このままだと、『午年』の今年は、その心配が現実となる心配がある思っているよ。
【妻】 総理は今年の初立会いで東証を訪れ、『午は跳ねる』とおっしゃつていましたわ。まだ、決めつけるのは早いのではありませんか。業績もいいのですから。
【夫】 もちろん、決めつけてはいない。むしろ、跳ねてもらいたいと思っている。だけど、マーケットでは先行きに心配を強めていることも間違いない。今年の4〜6月がポイントになるだろうと思っている。
【妻】 やはり、消費税引上げの影響ですか。しかし、上場企業にはほとんど影響はないとの報道もあります。それに、賃金も上がるようですから景気の落込みは小さいのではありませんか。
【夫】 その通りならいいのだけど、大事なお金を投資する立場になれば消費税の影響を見極めてからでも十分に間に合うという気持ちだと思うよ。特に、主役の外国人投資家が日本株を買って来ない。むしろ、最近は売り越している。
【妻】 そうですね。外国人投資家は日本株売買の6割を占める『横綱』ですからね。横綱が休場していると、お相撲は盛り上がりに欠けるわね。どうして、外国人投資家は、お休みなのですか。
【夫】 外国人投資家の立場になって日本を見れば心配ごとが多すぎると思う。『消費税の影響』、『福島原発の放射能除去の遅れ』、『首都直下型地震の心配』、『貿易収支赤字と財政の赤字という双子の赤字』、『貿易収支の原因となっているエネルギーの制約』、『日本の競争力低下』、『少子高齢化による国力の低下』、『日中・日韓関係の悪化』など、実に多くの難問を抱えている。安倍政権の高支持率でなんとか支えてはいるが、直ちに日本がかつてのパワーを取り戻すということは難しい状況だ。とくに、アメリカは景気と企業々績が良好だから、アメリカの投資家は不透明な国に投資するより自国に投資する方が安心できる。
【妻】 でも、日経平均は政権交代した2012年秋水準に比べると6割ていど上の水準にあります。立派なものです。
【夫】 安倍政権に対する期待が背景にあると思う。しかし、NYダウが史上最高値を更新しているのに日経平均は最高値に対し、まだ半分にも達していない。このことからも、日本全体に対する活力低下と先行きへの不安が根強くあるとみなくてはいけないだろう。
【妻】 仮に、消費税の影響で景気が落ち込むようなら日銀の黒田総裁に、なんとかしてもらえるのでしょ。昨年みたいに。
【夫】 昨年春のような『異次元緩和』があるかどうか、マーケットは疑問を持ち始めている。
【妻】 どうして。
【夫】 最近、総裁の歯切れが悪くなっていることを、マーケットは感じ取っている。緩和期待ばかりが先走っては、実際に実行するときの効果が薄れるので期待を押さえているとも言えるだろうが、一方でこれ以上、緩和をやってよいのだろうかという思いもあるのではないかと推測される。
【妻】 量的緩和をすれば『円安』となって株価は上がり資産効果で消費の増えることが期待できます。
【夫】 その通りだけど、円安で燃料、食料品などの輸入品の価格が急騰して、金融緩和の副作用が大きくなっている。既に、生活必需品の値段で見れば狂乱物価に近い状態と、指摘する人もいる。円安でも思ったほど輸出が増えない辛さもある。景気が期待したほど良くならない中で金融緩和をやると生活はいっそう厳しくなる。この先、消費税の負担も加わる。
【妻】 それで、午尻下がりの心配があるということですね。
【夫】 1989年に日経平均が3万8915円をつけたときとなんとなく似ている。1989年は、『大納会』に天井をつけたわけだが、昨年も大納会に日経平均は1万6320円の高値をつけている。1989年も今も『辰己天井の午尻下がり』という共通点もある。このまま、昨年末高値を抜けない状態が続くようだとマーケットに「やはり教え通りか」という諦め気分が強まると思われる。
【妻】 でも、政府は手を打たないで見ているだけということはないと思うわ。
【夫】 もちろん、対策は期待できると思う。とくに、マーケットに諦めムードが強まって来たときに金融緩和をやれば効果はあるていど期待できると思われる。さらに、金融緩和以上に規制緩和などの成長戦略がどういったものになるかが注目だろうね。法人税引下げ、カジノ特区、TPPなどが実現するかどうかがこれから注目されるだろう。
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