[特集]の記事一覧
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記事一覧 (04/12)1985・86年型相場と類似、「国策に逆らうな」、3〜4年は強い=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (04/08)【関心高まる知的資産】企業における知的な資産
記事一覧 (04/08)【佐藤修の霞ヶ関裏読み情報】財務省正副大臣「景況感」「消費増税時期」「日銀政策決定会合」などを語る
記事一覧 (04/05)アベノミクス2幕相場、日経平均1万8300円目指す展開=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (03/29)別腹相場が展開できるか=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (03/22)調整は業績相場移行へのシグナル、絶好の買い場提供=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (03/20)花も相場も一度に咲く=犬丸正寛の相場格言
記事一覧 (03/18)【佐藤修の霞ヶ関裏読み情報】「羽田空港」問題で厳しい選択を迫られている国土交通省
記事一覧 (03/15)NYダウ高の支援と四季報・春号発売で「14年3月期を買う相場」本格化=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (03/12)世界初!次世代のエネルギー資源メタンハイドレートからの天然ガス生産試験に成功
記事一覧 (03/08)「好業績」で「好需給」銘柄が物色の中心=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (03/07)【佐藤修の霞ヶ関・裏読み情報】航空業界、春の商戦は「対抗値下げ」
記事一覧 (03/01)出遅れ株買いは3月上・中旬までか、売方の攻勢に注意を=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (02/22)『円高修正』から、『円安政策』へ転換見極める展開=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (02/15)決算発表一巡、懸念材料が頭をもたげる展開に=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (02/08)1回目のアベノミクス宴席相場は終了か、腹ごなしが必要=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (02/01)日経平均1万1408円抜けば1万2500円も=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (01/25)円安の行方を見守る展開へ=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (01/18)円安を巡る思惑展開へ=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (01/11)幅広い循環買い相場の展開へ=犬丸正寛の相場展望
2013年04月12日

1985・86年型相場と類似、「国策に逆らうな」、3〜4年は強い=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 来週(15〜19日)の相場も強そうである。日経平均は12日(金)には一時、1万3568円まで買われ、昨年11月の8619円からの上昇率は57.4%に達している。

 上昇率だけでみると過熱感の印象で、手を出し難いことはある。しかし、2つの点でこれまでの相場とは大きく異なる。(1)政府、日銀が一体となった物価2%目標、(2)これまでのデフレ下で株価水準が低い位置に置かれ過ぎていた───ことがある。

 政府、日銀の一体政策はかつてないことであり、物価2%は「国策」である。相場格言にも『国策には逆らうな』と教えている。現在の金融緩和政策は1985、86年頃と類似しているようでもある。日経平均はその後、1989年の史上最高値3万8915円へ向けて上昇した。1989年は言うまでもなくバブル経済の最盛期であり、この意味では、現在はバブル経済が芽吹いたところで、3、4年先にはバブルが燃え上がるというシナリオも予想される。「国策」に従えば、この先、多少の振れはあっても基調の強い相場が続くとみておかなくてはいけないだろう。一旦、利食いすると次は買い難くなるので必ず半分はタネ玉として残しておくのがよいだろう。

 これまでの低い水準と比較すれば高所恐怖となることは理解できる。しかし、日経平均が2008年から2012年まで7500〜9000円に放置されていたこと自体が異常だったともいえる。この間、欧州不安から経済等の底力があるとして「円」が買われた。しかし、「円」は買われたものの「株」は見送られたままだった。とくに、日本のデフレが問題視されていたが、それが脱デフレ政策、しかも「国策」だから、これまでの低水準に置かれていた株価とは比較にならない。1万11406円のフシを抜いた時点を新しい相場の起点と置くべきだろう。そこをスタートとみれば現在はまだ18%の上昇にすぎない。

 短期的には波乱も予想される。日経平均は日足チャートで30日線との乖離が9%超に拡大、26週線でも20%超に拡大しているからだ。当然、利益確定売りに押されるところである。

 足元では、消費関連の多い2月期決算が発表されている。総じて好調である。続いて、3月期決算もこれから本格化する。とくに、2014年3月期の好調が予想され、大幅増益銘柄は大きく評価されるだろう。ここからの投資スタンスは好業績見通し銘柄にマトを絞り、移動平均線乖離が拡大したら利食い、調整で移動平均線に接近したら買いでよいだろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:12 | 特集
2013年04月08日

【関心高まる知的資産】企業における知的な資産

 このところ、特許をめぐる訴訟が増えるなど知的資産(財産)に対する関心が高まっている。すばらしい技術等を開発し特許を手にすれば、その企業は大いなる成長が期待される。個人投資家にとって、分かっているようで分かり難い「特許」など知的財産について、特許情報の第一人者が分かりやすくシリーズで紹介する。(編集部前置き)

<企業における知的な資産>

関心高まる知的資産 企業における知的な資産は、三つの概念で構成されています。

 一つ目は、産業財産権と言われるもので、特許権、実用新案権、商標権、意匠権があります。これらは、特許庁に出願し登録となって始めて権利となるもので、各種法律や国際条約で明確なルールが定められています。

 二つ目は、著作権、育成者権(種苗法)、半導体回路配置利用権、不正競争防止法上の利益などの権利があり、これらも企業活動において重要な保護すべき権利となります。
一般に前述の二つを総称して「知的財産権」呼んでいます。

 三つ目は、法的な枠組みがなくても企業として守るべき経営理念・哲学、人財、企業文化・社風、団結力、企業イメージなどの無形な知的資産があります。

 企業においては、これらの知的資産をいかに創造・保護・活用(知的創造サイクル)するか、ということが継続的な課題であり、今や知的資産の総合的なマネージメント力が求められる時代になっています。

 特に、三つ目にあげた企業経営の魂とも言うべき知的資産は、企業カラー(ブランド)や、アイデンティティを左右する重要な要素であり、長きにわたり企業を維持・発展させるに欠かせない、最も重要な知的無形資産(財産)なのです。

 企業がIRの一環として、これらの情報も積極的に発信するようになれば、企業評価の手法も変わってくるでしょう。そしてそれが、企業を育てる源泉となり、世界に通じる日本独自の新たな経営モデルが、どんどん生まれることを期待したいものです。(コスモテック特許情報システム株式会社 取締役 小笠原 秀征)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:58 | 特集

【佐藤修の霞ヶ関裏読み情報】財務省正副大臣「景況感」「消費増税時期」「日銀政策決定会合」などを語る

佐藤修の霞ヶ関・裏読み情報 財務省の大臣、副大臣の「定例記者会見」の模様を紹介してみよう。副大臣は2人いるがその内の1人小渕優子副大臣が4月1日(月)、記者団から「景況感の改善が見られるとの日銀短観の受け止め方」と、「消費税増税実施の判断時期」について聞かれたが、その答弁は次の通り、官僚の用意したペーパーを丁寧に読み上げる「優等生的」なものであった。先ずは無難な滑り出しといえよう。

 「現状については大企業の製造業ではマイナス12からマイナス8、全規模についてはマイナス9からマイナス8と改善しています。また先行きについても大企業の製造業ではマイナス8からマイナス1ということになりまして、現状と比べ改善する見通しというものが出されており、やはり着実にマインドが変わってきているのではないかと思います。まだマイナスの状況ではありますけれども、先行きに明るい見通しが出てきているというのは大変良いことだと思っていますけれども、やはりこれがマインドだけでとどまらずにしっかり皆さん方が実感として得られるように、これからもしっかりやっていかなければならないと思っているところであります。いずれにしても、今後とも景気の動向をしっかり注視していきたいと考えております」

 「消費税については、残り1年となったわけでありますけれども、申し上げるまでもなく、今年の秋に税制抜本改革法附則第18条に則って、名目及び実質の経済成長率、物価動向など種々の経済指標を確認して、経済状況等を総合的に勘案して判断をすることとなっているわけであります。いずれにしても今"3本の矢"ということで、長引くデフレ不況から脱却し、雇用や所得の増加を伴う経済成長を目指していくということだと思います」

 翌2日(火)には麻生大臣の会見。冒頭、政府承認の人事案件の報告。これも重要情報の1つなので記しておくと、本日付で古谷国税庁長官は退任、後任は稲垣関税局長を就任させる。関税局長については当面、石原関税局担当審議官を関税局長心得とする、ということ。続いて「日銀の金融政策対応への期待」について質問が飛んだが、大臣の答えは「過日の共同声明というものを日本銀行と政府とでサインをしておりますので、その線に沿ってどういった具体的な方向を示していただくか、これはかかって日銀の話ですので、私共が主に関与する話ではないと心得ております」と、きわめて素っ気無い。記者からはさらに「内容(追加金融緩和)によってはマーケットが大きくことも予想されるが」と水を向けられても。「それはあなた達が期待しているんじゃないかね。大きく動いた方がおもしろいと思われている。私共はマーケットは極めて安定したものでいるのが望ましいと思っていますので考え方が違うと思います」と、いつもの"麻生節"でかわされる始末。

 最後に「インドの財務大臣と会談されるとか」と聞かれると、急に口が滑らかになり「インドの財務大臣、この5月にインドでアジア開発銀行会議がありますので、その主催国がインドということになっておりますので、その関連の話を主にするということになるんだと思いますけどね。そのほかにマンモハン・シンという方は、いわゆる経済、金融の分かっている首相としては今なかなかおられませんから、そういった意味ではあそこは金融というものに関してはかなり国際金融に理解のある人だったと思いますので、どういう見解をお持ちなのかなというのに私共としては関心がありますね」と述べた次第。(政治ジャーナリスト・佐藤修)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:34 | 特集
2013年04月05日

アベノミクス2幕相場、日経平均1万8300円目指す展開=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 日銀の予想を上回る金融の量的緩和で2月中旬から続いていた調整色相場を吹き飛ばした。いよいよ、「アベノミクス2幕相場」に突入といえる。

 「鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス」という豊臣秀吉流ともいえる安倍政権の脱デフレ政策である。物価2%が達成されるまでやり切るという。マーケットは素直に評価している。とくに、指標株のトヨタ自動車が2月12日の5050円を抜いて年初来高値を更新してきたことは大きい。

 日経平均は2007年2月の1万8300円から2008年10月の6994円までの下げに対する半値戻しを達成した。次は、3分の2戻しの1万4531円を目指し、さらにその次は1万8300円奪回が目標だろう。さらに、その先は2万円ということになるだろうが、今の時点ではそこまで見込むのはハシャギ過ぎだろう。

 「ここから先はNYダウが参考になる」(中堅証券)という。「リーマンショックのあとアメリカは思い切った金融の量的緩和を行った。その結果が現在の景気好調とNYダウの最高値につながっている。今の日本はリーマンショック後に金融緩和策を採ったのと同じ状況。このあとにはアメリカと同じように景気と企業業績の向上が待っている」(同)。

 アベノミクス1幕では、期待感先行といえる展開だった。これからの2幕相場では景気の良くなることを実感する局面といえる。その実感の第1歩が、3月期決算の発表といえる。2013年3月期は、マダラ模様ながら2014年3月期はかなり期待できるものとなろう。そのときのポイントとなるのが日経平均の2014年3月期予想1株利益である。800円ていどか、あるいは1000円となるかなどによって日経平均の上値が決まってくるものとみられる。

 もちろん、心配な点がないということではない。北朝鮮問題、中国とも関係は修復されていない。国内的にもエネルギーの制約、高齢化による内需不振などが頭を押さえる。とくに、エネルギー、高齢化の問題は過去の景気回復とは大きく異なるところである。それでも、2%達成まではやり切るということだ。むしろ、2%達成のときの社会、経済はどういう姿なのか気になるものの、今はまだそこまで気にすることはない。1万8300円目標で好業績銘柄の押し目買いでよいだろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:41 | 特集
2013年03月29日

別腹相場が展開できるか=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 来週(1日〜5日)は4月相場入りである。当然、新営業年度期待といきたいところである。そこで、これからの見所としては、ひとことで言うなら、「別腹相場」が展開できるかどうかではないだろうか。別腹とは言うまでもなく満腹でも好物なら食べることができることである。

 今の相場は日経平均でみれば、昨年11月13日の8619円から今年3月21日の1万2650円まで4ヶ月間で47%上昇している。通常は20%も上がれば上出来のところを2倍の上昇率だった。相当のご馳走がテーブルに盛られたためといえる。「アベノミクス」という、寿司にステーキにとすばらしいご馳走だった。われわれは喜んで口にした。結果、食べすぎて満腹状態に近いのではないかと思われる。

 それでも、好物が出れば「オレキシン」というホルモンが分泌されて、好物だけは別腹といって口にすることができる。果たして、料理長の黒田総裁がアベノミクスを上回る好物をマーケットに出してくれるかどうか。とっておきのケーキなら別腹で多くの投資家は口にするだろう。4月3日のディナーが楽しみだ。

 一方、ディナーを楽しみたいところだが周囲はけっこう騒がしい。北朝鮮は南北間の通信をシャットアウト、アメリカに対しては攻撃も辞さない構えを口にしている。景気良し、株よし、シェールガスも手にして余裕のアメリカに対し、あせりの感じられる北朝鮮。瀬戸際外交でなくなったときが怖い。このため、マーケットでは軍事関連の三菱重工株が商いを伴って動意となっている。円安関連銘柄なら満腹でも防衛関連銘柄ならまだ食べることができるということだろう。4月相場は銘柄が変わりそうである。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:35 | 特集
2013年03月22日

調整は業績相場移行へのシグナル、絶好の買い場提供=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 強気充満だったマーケットを週末に不安感が襲った。日経平均が、新しい日銀総裁の就任直後というのに22日は297円安と大きく下げた。これまでも300円、400円という下げはあったから、特に、この日の下げが大きいというわけではないものの、マーケットが強気一辺倒だっただけに心理的ショックは297円安以上に大きかったといえる。

 注目されるのは、今日の東京マーケットの動きが今夕の欧州、そしてNY市場へどのていど波及するかがポイントだろう。東京市場の場味の悪さを受け継いで欧米が下げるようなら週明けの東京市場は一段安の可能性もある。とくに、キプロスの銀行休業は25日までとなっており、行方は予断を許さない。

 また、チャート派にはどちらかというと慎重な見方をする人が多い。とくに、「一目均衡表月足で雲の上蓋に日経平均が到達しフシ目にきている。しかも、月足2年サイクルの2年目に当っている。外国人機関投資家には一目均衡表を使うところが多いと聞いているので、今日あたりの下げはチャートから、ヘッジファンドが売ってきた可能性がある」(中堅証券チャーチスト)という。また、「NYダウは2007年の水準を抜いて最高値更新となっているものの、S&P500は2007年の1576ポイントを抜くことができていない」(同)ことも目先の警戒感となっている。

 キプロス問題が拡大するようだとユーロ売り・円買いとなって、円高が進む可能性がある。そうなると、これまで相場を牽引してきた円安関連銘柄は厳しくなる。実際、週末のトヨタ自動車は110円安の4890円と安値での引けとなっている。仮に、来週、このまま下へ行くようなら5050円は立派な二番天井となって出直りにはしばらく時間がかかることになるだろう。

 日経平均は昨年11月中旬の8619円から3月21日の1万2650円まで46.7%上昇した。いくら超金融緩和とは言っても4ヶ月で5割近い上げに対しては一服があってよいところにきている。外国人投資家の強力買いに対し、国内の個人は思ったほど買っていないようだ。このあたりで個人投資家に買い場を提供する意味でも少しくらいの調整はあったほうがよいだろう。

 4月3〜4日には新総裁により日銀政策決定会議が控えている。ここで改めて金融緩和を買う相場になるものとみられる。その前に来週は、3月最終週で配当落ち(73円ていど)もあるのでやや軟調相場が予想される。キプロス問題によっては長い下ヒゲ足をつける可能性はある。しかし、そこは、。業績相場へ移行の前の絶好の買い場ということになるだろう。当面は輸出関連より内需関連銘柄が良さそうだ。たとえば、三菱UFJフィナンシャル(8306)は1株純資産717円に対し株価563円は割安感がある。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:08 | 特集
2013年03月20日

花も相場も一度に咲く=犬丸正寛の相場格言

■花も相場も一度に咲く

 冬を好んで咲く花、夏だけに咲く花、花にもいろいろです。しかし、ほとんどの花は4〜5月の春爛漫に咲き競います。相場も似たところがあって不景気の冬の時代から景気回復の春になると多くの銘柄が一斉に乱舞します。

 嬉しいことではありますが、実は、ここが相場において、とくに、次の一手ということで難しいところです。銘柄が順番にA、B、C・・・と、上がってくれるならよいのですが、一斉に上がるため利食ったあとに次に何を買うか、が難しいのです。

 アベノミクスでデフレからインフレへの基調転換で、極端に言えばこれまでは何を買っても儲かったのです。でも、ここからは銘柄選びによって儲かるか、儲からないかの差が生じてきます。春の花を追いかけるか、あるいはひと足早く夏の花をみつけるか、それはあなた次第です。

>>>犬丸正寛の相場格言
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:27 | 特集
2013年03月18日

【佐藤修の霞ヶ関裏読み情報】「羽田空港」問題で厳しい選択を迫られている国土交通省

佐藤修の霞ヶ関・裏読み情報 羽田空港のC滑走路が延伸されても、大型機は離陸できないのではないかという問題が関係者の間でささやかれている。羽田空港C滑走路を360m延伸させる工事費として、98億円が平成25年度予算案に盛り込まれた。現在、C滑走路は3000mで、欧米路線を大型機で就航するには滑走路長が足りず、60m延伸すればこれが可能となる。しかし国土交通省幹部は、360m延伸しても東京都心に向かって離陸する場合には、3360mをフルに使用することはできないと明かす。騒音問題があり、東京都の上空を旅客機が自由に飛べないためだ。

 羽田空港の滑走路は、現在も騒音問題で東京都心に向かう離陸時には滑走路端から500m手前の地点までに離陸する制約が航空会社には課せられている。延伸してもこの制約は変わらず、2860mの滑走路長では欧米路線を大型機で就航するには旅客や積荷に制限が発生する可能性がある。東京オリンピック誘致が成功しても離発着に制限のある滑走路では、世界からの観光客を招き入れるには大きな支障が残る。騒音問題と自由な運航、国土交通省が苦しい選択を迫られるのは時間の問題だ。

 また一方では、民間航空機の主力として導入されたボーイング787問題も、国交省の悩みの種だ。ボーイングの最新鋭787機がバッテリーシステムの問題で飛行が禁止され2ヶ月、ボーイング社はこのほど応急処置ではない抜本対策という位置づけの対策をまとめ、FAA(米国連邦航空局)に提出した。そこでFAAがこの対策を認めるかどうかに世間の耳目が集まっているが、NTSB(米運輸安全委員会)委員長のデボラ・ハースマンがボーイング787に対するFAAの認証プログラムに疑義を唱え、それがFAAが判断を躊躇する一因とも言われている。

 錯綜を続けるボーイング787問題だが、一方、1000%の安全性が確認されるまで787の運航再開は認めないと発言した、ラフード米国運輸長官は既に退任を表明し、後任の有力候補にはデボラ・ハースマンが上がっている。しかし、FAAは米国運輸省の一部局に過ぎなく、米国運輸長官人事を巡るかけひきに787問題が巻き込まれ、解決に余計時間がかかっているとの見方が現地では強い。事態の推移によっては、787を大量に導入したANA,JALは経営戦略上の重大な変更を迫られることになるが、国交省の航空、観光、運輸行政にも大きな支障が出ることが懸念されている。(政治ジャーナリスト・佐藤修)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:21 | 特集
2013年03月15日

NYダウ高の支援と四季報・春号発売で「14年3月期を買う相場」本格化=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 NYダウは、糸の切れた凧ともいえる状況で高く舞い上がっている。東西冷戦においてソ連に打ち勝ち、欧州経済の地盤沈下、中国の成長鈍化などからアメリカの強さが明確となり、さらにシェールガスを持ったアメリカは一人勝ちの様相である。NYダウが強さを発揮するのも当然であろう。

 NYダウが上がれば日経平均も引っ張られて上がる。マーケットでは、「NYダウと日経平均をそれぞれの単位を取って比較すれば、日本が民主党政権から自民党政権に戻りアメリカと親密度を増しているのだから1対1でよいのではないか。NYダウの1万4539ドル(14日)に対し日経平均も1万4000円台があってよいだろう。固くみてもNYダウに対し9掛の1万3000円台は見込めるだろう」(中堅証券)という見方だ。

 アベノミクス第2幕相場は4月からの新営業年度からとみられていたが、買い人気が強く、どうやら4月を待たずスタートといえるだろう。とくに、昨年来高値に肩を並べている主力銘柄のトヨタ自動車が高値を更新すればアベノミクス相場第2幕の本格幕開けといえるだろう。

 ただ、気をつけなくてはいけないのは過去においても順風のときほど予期しない材料で足元をすくわれることは多い。財政悪化の問題はアメリカにとって重しであり、いつまでもドル高(=円安)というわけにはいかないだろう。もちろん、日本にとっても欧州にとっても財政悪化問題が頭を押えている。豊かな生活を借金で賄おうとすれば、いずこの国も同じ悩みを抱え続けることになる。

 4月となれば、企業業績の2014年3月期見通しも報道され始める。15日には四季報・春号が発売されている。ページを飛ばし読みしただけでも、2014年3月期は好調な数字となっている。さきほどのトヨタ自動車は四季報・春号での2014年3月期予想1株利益は356.8円(今期予想271.6円)となっている。この四季報・春号発売を契機に2014年3月期を先取りする業績相場がスタートするものとみられる。

 アベノミクス第1幕が金融緩和による「金融相場」の色彩が強かったのに対し、第2幕ではアベノミクス効果を手がかりとした「業績相場」と位置づけることができるだろう。業績相場は個人投資家にとっても最も分かりやすい相場である。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:29 | 特集
2013年03月12日

世界初!次世代のエネルギー資源メタンハイドレートからの天然ガス生産試験に成功

■期待高まるメタンハイドレート(MH)

世界初!次世代のエネルギー資源メタンハイドレートからの天然ガス生産試験に成功 経済産業省は12日、世界で初めて次世代エネルギー資源「メタンハイドレート」から天然ガスを取り出す生産試験で、ガスの生産を確認したと発表した。

■環境負荷の少ないクリーンエネルギー

 急激な原油価格高騰や燃料需要の急増でエネルギー不足が心配されているが、夢のような資源「メタンハイドレート(MH)」が海底に眠っているという。このメタンハイドレートという資源は、メタン(CH3)と水(H2O)だけによって構成され、天然ガスの主成分であるメタンが低温高圧下で水に溶け込み結晶化したシャーベット状の固体物質で「燃える氷」とも呼ばれている。

 燃焼時の二酸化炭素排出量は石油の約半分で環境負荷が極めて少ないクリーンエネルギーでもある。日本近海全体では天然ガス約100年分にあたる推定7.4兆立方メートルと世界最大規模の埋蔵量があるといわれており、次世代のエネルギー資源として大いに期待されている。

 写真=1.南海ドラフト(a:四国沖、b:室戸舟状海盆、c:東海沖〜熊野灘)、2.奥尻海嶺、3.千島海溝周辺(十勝・日高沖)、4.オホーツク海(網走沖)、5.西津軽沖(資料:石油公団)

>>>メタンハイドレート特集の続き
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:31 | 特集
2013年03月08日

「好業績」で「好需給」銘柄が物色の中心=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 強い相場が続いている。いつ、調整があってもおかしくないのだが、(1)循環買いがうまく行っている、(2)調整に入ろうとすればNYダウ高に救われている、ことなどがある。

 ただ、日経平均は26週線に対し乖離率が遂に20%台を超えてきた。経験的には調整があってもおかしくないところに来ている。もっとも、アメリカ景気が強いこと、日本はアベノミクスに対する期待が大きいことがある。とくに、リーマンショック後は日米とも実体経済が芳しくなかっただけに、ここに来て実体経済に対し手応えを感じていることは大きい。

 仮に、景気実体の悪化につながることがあるとすれば、3月27日にもスタートする強制債務削減ということだろう。そうとう規模の削減となるから景気にとっては下支えのなくなる心配がある。

 ここに来て、1ドル・95円へ円安となってきたことは日本株にとって力強い。ただ、信用買残の多いトヨタ自動車は2月の高値を抜くことはできていない。代わって、信用買残の少ないホンダが高値を更新している。今後、ホンダが引っ張って、トヨタへつなぐことができれば全般相場はスケーるアップが予想される。

 今のマーケットは円安を横目で見ながらも、信用買残の多い銘柄を避ける展開で物色の中心は出遅れ銘柄の底上げが続いている。とくに、3月が決算月であることを考えれば、引き続き「好業績」、「好需給」の銘柄が注目だろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:23 | 特集
2013年03月07日

【佐藤修の霞ヶ関・裏読み情報】航空業界、春の商戦は「対抗値下げ」

佐藤修の霞ヶ関・裏読み情報・スカイマークが4月から沖縄=宮古島線がら一時撤退することとなったが、ANAやJALのネット上での「対抗値下げ」が、スカイマーク足を引っ張ったというのが、業界内でのもっぱらのうわさ。ところがスカイマークが撤退したら、早速、4月以降の運賃を3倍に跳ね上げたANA、JAL。これでは「公共交通機関の自覚がない!」との声が燃え上がりそうだ。

・いま航空業界で第2のスカイマークになるのではと業界が固唾を呑んで見守るのがエアドゥ。この春から、JALが設定した割引運賃は、軒並み前年半額以下。出発3日前なら、羽田から女満別が14200円(前年同条件は32500円、前年差▲18300円)おなじく帯広が12800円(前年同条件30000円、前年差▲17200円)。たまらずエアドゥが国土交通省に泣きを入れた、「ダンピング問題」、その行方が見ものである。

・沖縄=宮古島線でも、率先してスカイマークに対抗値下げをしていたのは、JAL系列の日本トランスオーシャン航空。おりしも国土交通省では、公的支援を受けた企業に対するガイドラインを考える検討委員会が始まっている。

・また、「対抗値下げ」ではないが、この業界では「サクラ」も問題になっている。サクラといっても花見ではない。食べログなどでお金を払って良いコメントを書かせることが一時期話題になったが、JALの系列会社でも同じような「サクラ」を使った書き込みをさせていたことが発覚した。JAL社内では、まずいことになった、お詫びと釈明をしなければと、調査と対応を整えて、名誉会長の稲森和夫に報告したところ一喝されたとか。「金払って良く書いてもらって何が悪い!」誰も反論できずこの問題はそのまま闇に葬られることとなった。現場に居あわせて社員曰く、「流石稲盛さんです。お金に対する考え方が違うんです」。どうやら稲盛語録が一つ増えたようだ。(政治ジャーナリスト・佐藤修)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:41 | 特集
2013年03月01日

出遅れ株買いは3月上・中旬までか、売方の攻勢に注意を=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 日経平均は1万1600円台に買われ1万2000円に手の届くところまで来ている。ただ、2月7日の出来高51億株をピークに最近の出来高は30億株超の水準まで減少、ひところの、「全員が熱くなった相場」ではなくなっている。とくに、相場の支えとなってきた円安がここに来て1ドル・92〜93円と円安が止まっていることが大きい。

 実際、1ドル・94円台へ円安となった2月11日に円安関連銘柄はピークをつけている。たとえば、2月12日に5050円の高値をつけたトヨタ自動車(7203)は、27日には4600円まで売られ、危うく30日線を切りそうになった。戻してはいるものの、「外国人投資家といえども急増した信用買残を肩代わりしたくないはず。再度の円安がない限り上値は難しい」(中堅証券)という状況だ。

 「相場基調そのものは強いことから、短期筋は折角のチャンスは逃したくないとの思いでシコリが少なく、上値圧迫感のない内需関連で稼いでいる」(同)という。このところ新高値銘柄の大半は内需関連であることも物語っている。

 こうした輸出株から内需株への乗り換え相場は3月上旬、長くても中旬までだろう。内需株には信用買いのシコリはなくても、3月期末を控え法人筋には絶好の売り場となる可能性があるからだ。3月上・中旬に日経平均が1万2000円をつけて高値となるの可能性もあるだろう。

 とくに、出遅れ銘柄が人気となるときは、過去の例でも往々にして悪材料の出ることが多い。アメリカの強制歳出削減、イタリアの財政問題などは片付いていない。マーケットには、買方の反対側には、常に、売方のいることを忘れてはいけない。「春一番の嵐」を狙ってそろそろ売方が空売り攻勢を仕掛けてくる可能性がある。基調は強いのだから新規買いは突っ込み狙いに徹するところだろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:53 | 特集
2013年02月22日

『円高修正』から、『円安政策』へ転換見極める展開=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 まもなく3月相場を迎える。今後の相場は、「円高修正」から、「円安政策」への転換を探る展開が予想される。

 金融緩和政策を柱としたアベノミクスを手がかりに昨年秋以降、急速に円安が進んだ。しかし、見方を変えれば民主党政権前は1ドル・110〜120円だった円相場は75円台へ円高となっていたことに対する修正と見ることもできる。つまり、現在の93〜94円は、円高修正の局面ということにもなる。

 急ピッチでス進んできた円安が、ここに来てスピードが鈍っていることはなぜか。(1)相場波動的に見れば、一応のリバウンドが終了した、(2)国内外からの円安に対する視線が厳しくなっている、ことなどがあるだろう。とくに、先のG20では、日本への名指しの批判はなかったものの、通貨安競争に対する牽制は共同声明として盛られた。円安政策ではなく、デフレ脱却が目的という日本側の言い分が通った形である。

 しかし、(1)共同声明として盛られた以上はこれまでのような急ピッチの円安は難しくなった、(2)さらに円安策を採ろうとすれば、日本の言い分であるデフレ脱却が思うように行っていないことをアピールする必要がある、というこれまでとは違う条件が設定されることになったといえる。

 昨年秋から株の値上りが20%を超え、円安も20%を超えている。マーケットから見ても、ひと呼吸入れるところだろう。また、別の見方をすれば、「国内景気対応」は一段落し、次は、「外交重視」の順番とも言えるだろう。実際、日米トップ会談、日ロ首脳会談と外交は本格化している。外堀を埋め、次は、中国外交交渉の本格化だろう。内外政策に大きい手を打ったことで、今後は内外事案の詰めを行い、参議院選挙に臨むという流れだろう。

 その場合、3月あたりの種々の経済指標を見た上で景気回復がおもわしくないということになれば、もう一度の「円安政策」ということになるだろう。1月の貿易収支は単月としては過去最大の赤字でだった。さらに、2月も赤字が続くようなら、国民だけでなく外に向かっても円安の必要性を訴えることができる。

 日経平均は20日に1万1510円と年初来高値を更新したものの、その翌日は急反落した。このことからも上値に対する警戒感は強いものがうかがえる。指標株的存在のトヨタ自動車(7203)は12日につけた高値5050円を抜くことができないでいる。注意深く見れば、先行した銘柄は上値が重くなり、出遅れ銘柄が次々と買われることで日経平均などの指数は強い状態が維持されている。野球で言うなら、3、4番の中軸打者がモタつく中を下位の打者で頑張っている姿である。

 今後、理想的な形としては、出遅れ銘柄から、再度、トヨタなど優良株にスイッチできることである。しかし、これが、うまく行くかどうかは不透明である。とくに、例年、3月という月は動き難い月であることを考えるとなお更、難しいといえる。尖閣で交戦とか北からミサイル飛来といった突発的なことがないかぎり大きく下げることは予想し難いものの、「儲け難くなった」という声が増えていることも事実である。こういう時は、『休むも相場』だろう。4月からの新年度に好ダッシュができるよう、今は刃を磨いておくところだろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:17 | 特集
2013年02月15日

決算発表一巡、懸念材料が頭をもたげる展開に=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 第3四半期の決算発表がほぼ一巡したことで、来週(18日〜22日)は懸念材料が頭をもたげる展開となりそうだ。なかでも、気になる点としては、「円安の行方」、「北朝鮮問題」、「イタリアの選挙の行方」などが挙げられる。

 このところ円相場は1ドル・93円どころでモミ合いとなっている。ユーロに対しても125円どころで小幅な推移となっている。国会で円安が生活者に及ぼす悪影響を指摘され、海外からも円安誘導ではないかとの批判の声も聞かれる。このため、昨年11月ころから続いたような急ピッチな円安は期待し難くなっている。むしろ、イタリアの総選挙の結果次第では、ユーロ不安再燃の心配もあり為替の方向感は定め難い。G20において批判がなければ、円安に動く可能性はあるものの、それでも1ドル・95円ていどまでだろう。

 為替以上に株式マーケットにとって気になるのは北朝鮮問題だろう。核実験に対し世界はノーを突きつけている。北朝鮮に名指しされているアメリカも強硬姿勢だけに、北朝鮮が追い込まれた場合は危険な行為に出ることも否定できない。日本にとって地理的に近いだけにかなりの懸念材料である。

 日経平均は、去る、12日の1万1460円を高値に調整色を強めている。崩れたということではないものの、上値でややダンゴ状態となり、出遅れていたTOPIXも東日本震災前水準を奪回し全般相場の底上げもほぼ一巡した感がある。

 個別銘柄でみても先行したトヨタ自動車(7203)が高値から8.5%下げるなど相場付きに陰りがみられる。

 相場の基調は強いものの、しかし、「むしろ先行きの一段大きい相場を見込むなら、ここらでひと呼吸入れたほうがよい」との見方もある。積極的に空売りを仕掛ける展開ではないものの、買いついた目先筋が処分売りを先行させるものとみられ、新規投資は突っ込みを待つのがよいだろう。日経平均は高値圏でのモミ合いに移るものとみられる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:31 | 特集
2013年02月08日

1回目のアベノミクス宴席相場は終了か、腹ごなしが必要=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 昨年秋の日経平均8500円前後から上昇を続けてきた相場は、どうやら1回目の大きなフシ目を迎えているようだ。この間の日経平均の上昇率が約33%と、『3割高下に向かえ』という心理的な水準に達し、出来高も増えた。

 とくに、7日の出来高51億3900万株は20113月15日の東日本大震災時での57億7000万株以来である。大きい違いは、、2011年3月の時の大商いは「投げ」が中心であったのに対し今回の大商いは「買い」先行によるものだった。少々、表現の品は悪いものの、2011年は東日本大震災という下剤で「お腹の中が空っぽ」となったのに対し、今回はアベノミクスというドレッシングで食欲が進み、「お腹いっぱい」になった。

 言うまでもなく、いくらご馳走でも毎日続くと飽きて、逆に、お茶漬けとタクアンが欲しくなる。つまり、1回目のアベノミクス宴席は、そろそろお開きの頃合とみられる。

 とくに、国会が始まり円安に対する批判もみられる。しかも、気になるのは、中国が日本に対し軍事的行動のレベルを上げていることがある。レーダー照射は交戦の一歩手前である。ロシアの領空侵犯もあるし、北朝鮮の核実験も近いようである。日本にとって、かつての蒙古来襲ともいえる非常事態である。安倍総理のアメリカ訪問で強い信頼関係を築き世界にアナウンスすることができるかどうかが注目される。もしも、期待したほどの絆が築けないとなれば外圧はますます強まる心配はある。

 第3四半期決算の発表もほぼ一巡した。良いにつけ悪いにつけ、業績の発表は株価変動の大きい材料だった。次は、5〜6月の3月期決算発表までは業績面の手がかり材料はなくなる。こうしたことを眺めてみると、ここらあたりで調整があってもよいところに来ているとみられる。

 中長期的にはアベノミクス効果に期待して、景気・企業業績の向上を買う相場がつづいている。短期的には食べすぎたきらいがあり、ここらで腹ごなしに運動でもするところに来ているのではなかろうか。個別的に業績の良い銘柄、出遅れ銘柄などが物色される展開とみられる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:30 | 特集
2013年02月01日

日経平均1万1408円抜けば1万2500円も=犬丸正寛の相場展望

■業績悪化もほぼ織り込む

犬丸正寛の相場展望 日経平均はアベノミクスに対する評価と期待からほぼ3年ぶりに1万1000円台に乗せてきた。チャート上では、2010年4月の1万1408円を抜くかどうかが見所となっている。抜くことができれば、2008年から続いている大きなモミ合いを上放れて本格的な反騰相場突入が見込まれる。

 アベノミクスという見出しは、マスコミに使われないことのほうが珍しいくらい知れわたっている。その分、マーケットにとって、新鮮味が薄れていることは間違いない。しかし、一方で、「3年間の民主党政権のもとで不景気風と株は上がらないものという雰囲気だったことに比べれば、アベノミクスを相場が織り込んだとはいえない」(中堅証券)。

 それでもなお、慎重派は最近の輸出比率の高いグローバル企業が業績見通しを減額するとこころが目立っているため新規買いを手控えさせている。つまり、下げるのを待って買いたいというニーズが強い。しかし、減額修正銘柄は下げはするものの、新安値となるほどの下げにはなっていない。買いたいと希望する値段までは下がっていない。『押し目待ちに押し目なし』、『待ち人来たらず』で、期待通りの値段までは下げてくれないのがいまの相場である。

 結局、こうした人の買いが、わーっと盛り上がるまではこの相場は続きそうな雰囲気である。

 輸出比率の高い銘柄に減額が多いことは事実である。円高、欧州・中国経済の不振などの影響が響いている。しかし、足元では円高が円安に振れている。欧州も最悪期は脱したようであり、中国との修復にも明るい兆しがみえる。こうしたことを象徴しているのがキャノン(7751)だろう。2012年12月期は円高等の影響で営業利益は13.4%減益だったが、今期(2013年12月期)は円安効果で一転して26.6%増益見通し。輸出比率の高いグローバル企業の中で、円高から円安に振れる局面において本決算を発表したのはキャノンが最初だろう。しかも、キャノンの株価は小安いていどで引き続き高値圏で堅調である。

 今後、3月期の本決算を跨いで同じような業績と株価の展開が予想される。

 また、国内鉱工業生産は12月の好調につづいて1月、2月も伸びが見込まれている。鉱工業生産が上昇するときのマーケットは過去の相場でも強い。

 一方、今、需給関係において売り手といえば、昨年秋以降に買った株の利益確定売りくらいだろう。空売りも怖くて仕掛け難い状況にある。買い手は機関投資家等の運用が債券から株に向き、外国人投資家も相性のよい自民党政権ということで強力に買っている。残るは個人投資家だろう。ガマン堪らず買いに出たところで、過去のパターンのように、ひとつのヤマ場を迎えるのではないだろうか。

 今は、『押し目待ちに押し目なし』の状況が強い相場を作り出しているといえる。中期的には1万1408円のフシを抜いて1万2500円も見込める展開だろう。むろん、多少の波乱はあるだろうが、上昇相場へ潮目は変わっていることだけは間違いなさそうだ。鉱工業生産上昇で機械関連銘柄が注目だろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:10 | 特集
2013年01月25日

円安の行方を見守る展開へ=犬丸正寛の相場展望

■アベノミクスへ期待強いが、上値には業績悪の懸念も

犬丸正寛の相場展望 来週(28日〜2月1日)は、円安の再来がないかぎり全般相場は高値圏のモミ合いとみられる。相場の下値に対してはアベノミクスへの期待がある一方で上値には材料出尽し感が漂う。

 たとえば、今回の相場の先行銘柄であるトヨタ自動車を今、4300円台で中期投資で考える人なら当然、10〜15%高の5000円ていどの相場を見込むはず。5000円のためには、現在の同社株の予想PER17倍は20倍に評価しなくてはいけない。2014年3月期の見通しが明確でない今の時点で5000円まで買い上がるには抵抗感はあるはず。それでも仮に、今、一気に5000円へ上昇するには1ドル・100円へ再び円安が見込めることが必要だろう。

 全般相場についても同様だろう。アベノミクスが「国策」である以上、基調は強い。しかし、アベノミクスの姿が浮き彫りとなり、今後はアベノミクスの効果を見極める場面に入っている。とくに、これまでのデフレ、欧州不振、中国ショックなどの影響で、日本電産の大幅な業績減額修正にみられるように業績の厳しさが目につく。とくに、アベノミクスの効果が出始めるとみられる6月頃より先に3月期の業績悪が出る心配がある。

 東証1部のPERは約18倍まで上昇している。仮に、PER20倍まで許容するには、なんらかの具体的な新しい材料が欲しい。消去法で考えれば、「円安」しかないのではないか。

 したがって、来週は円安の行方を見極めながらの展開が予想される。物色の中心は昨年11月からの上昇相場の中で出遅れている銘柄に向くものとみられる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:21 | 特集
2013年01月18日

円安を巡る思惑展開へ=犬丸正寛の相場展望

■円安は産業界歓迎でも生活者に圧迫、選挙控え舵取り微妙

犬丸正寛の相場展望 来週(1月21日〜25日)は、『円安に対する功罪相場の展開』が予想される。1ドル・90円台に進んでいる円安。産業界にとっては悪い話ではないものの、生活者には圧迫となる。選挙を控えているだけに、政府としても産業界だけに目を向けているわけにはいかないだろう。

 早くも、ガソリン価格が大きく上昇に転じ、輸入食品にも価格上昇の圧力がかかっている。LNGなどエネルギー源もアップとなり電力料金等を通じ生活者を圧迫する。天候不順も加わって野菜も値上りしている。主婦の間から悲鳴が上がり始めている。長く、デフレに馴染んできただけに急激な物価高は受け入れ難い心理がある。

 本来、インフレ政策を掲げているわけだから、物価上昇は好ましいはず。しかし、問題は生活者への負担が先行することだ。円安で輸出競争力が向上する企業にとっては願ってもないことながら、潤った企業が直ちに雇用を増やし賃金アップを行うわけではない。先行きの見通しにそうとうの確信が持てないと企業は設備を増やしたり雇用を増やしたりはしない。しかし、円安による生活物資の値上りは待ったなしである。この点が急激な円安は好ましくないということとなる。

 今年、選挙がないなら産業界優先先行で1ドル・100円のような円安も歓迎だろう。しかし、それでは産業界の票は獲得できても、消費者物価高のままだと夏の参議院選挙では個人の生活者票は逃げてしまう心配がある。国会が始まれば、当然、野党側の円安批判も予想される。

 このため、政府筋から円安を牽制するような発言が今後も出ることが予想される。当然、それに連れて輸出関連銘柄は高値圏で波乱をみせることとなるだろう。

 雇用を即効性で改善するには、やはり公共投資の増加だろう。とくに、東日本の地域再生に一気にアクセルを踏み込むところだろう。

 日経平均は、仮に、1ドル・100円まで許容するというコンセンサスなら1万2000円近くもあるだろう。逆に、1ドル・90円程度で落ち着かせるということなら現在水準でのモミ合いだろう。ここは、政府筋の発言に注意しておくことが肝要だ。

 移動平均線乖離率などテクニカル面でも相場は高値警戒が必要なところにある。このため、しばらくは、指数よりも個別銘柄での物色が活発となりそうだ。東日本復興関連の公共投資関連銘柄や対中関係に修復の兆しも見れるため中国関連銘柄にも目を向けておきたい。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:28 | 特集
2013年01月11日

幅広い循環買い相場の展開へ=犬丸正寛の相場展望

■新政権の速い実行力で「期待」が徐々に「信頼」へ

犬丸正寛の相場展望 来週(15日〜18日)は、『幅広い循環買い相場の展開』となりそうだ。短期急伸に対する警戒感がある中で、新政権のスピード感のある景気対策に引き続き期待は強く、連日の活発な出来高が示すように相場の基調は非常に強い。

 ただ、日経平均の30日線に対する乖離率は10%を超え、2011年2月につけた1万0891円のフシに接近となっていることなどから指数としては小波乱の可能性を含んでいる。

 その中で、経済対策関連、円安関連銘柄が値ガサから低位まで短期間に入れ替わり物色される「循環物色相場」となりそうだ。

 新政権誕生からわずか2週間での素早い経済対策にマーケットは、「期待」から徐々に「信頼感」に変わりつつある。従来なら20兆円規模の大型緊急経済が表面化した場合は、材料出尽くしとなって下げるところも相場は強い。「実行力が伴っているので次は何が出るか分からないから、売方(空売り)にとっては怖さがある」(中堅証券)。まだ、しばらくは新政権期待相場が続くものとみられる。

 ただ、国内政策に比べ、「外交」はやや遅れている感はある。まだ親書外交の域にあり、具体的成果は見られない。とくに、気になるのは中国で言論問題から国内が騒がしくなっており、これを反らすために尖閣に対し姿勢を強めてくる心配がある。出没する飛行機がプロペラからジェット機に変わったりすると交戦的な気配が強まる。そのためにも、早く、総理の訪米を実現させ日米同盟強化を強く印象づけることが必要だろう。

 3月期業績に対する増額等の具体的効果はまだ先だろう。とくに、期待の非常に強い2014年3月期の数字が具体化する5〜6月までは、「新政権期待」で引っ張らなくてはいけない。仮に、この間、内外政策で期待を揺るがすような言動があったりすると一時的には大きく下げる可能性も秘めている。

 これから、決算発表となるまでは、「期待」と「不安」が入り交じる展開だろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:41 | 特集