電気といえば、8月1日付けのロイターの報道によると、東京ガスの村木茂副社長がインタビューで、経済産業省が発送電分離など電力自由化拡大を打ち出したことについて、「自由化で発電事業を拡大するチャンスがある」と述べたそうだ。東京電力<9501>(東1)の古い火力発電設備の更新プロジェクトへの参加に意欲を示した上で、従来は2020年時点で最大で500万キロワットに増強するとしていた発電能力の拡大計画が上積みされる可能性があると語ったそうだ。東電は同更新投資を他の事業者と共同で行なう計画があり、東京ガスはそのなかのLNG(液化天然ガス)火力発電に「興味を持っている」という。
両社のチャートを見ると、東電は昨年3月の震災以降、急落&底這い、東ガスはこの半年ほどはジリ高トレンドとなっており、対照的な動きとなっている。まずは東ガスを見てみた。
また、本日(8月3日)大引け時の東証1部業種別株価指数を見ると、石油・石炭製品、電気・ガス業、鉱業の3セクターは前日比で上昇している。エネルギー関連セクターは本日のように地合い軟調な時でも強いようだ。そのなかから1銘柄をピックアップしてみた。
★東京ガス〈9531〉(東1)
東京ガス<9531>(東1)の3日終値は5円安の408円。単位1000株。PERは約12倍、PBRは約1.3倍となっている。チャートは昨年11月につけた安値313円を底に、凸凹しながらも下値抵抗線を切り上げてきている。短期では高値圏にあるので、380円フシあたりの押し目を待って拾い、上値追いをしてみる。売り板がやや厚いようだが、信用倍率は約0.2倍の売り長となっており、一時的に売りがあっても買い戻しが入ってきそうだ。
★出光興産〈5019〉(東1)
石油・石炭製品セクターから、出光興産<5019>(東1)を入れる。3日終値は前日と変わらずの6280円。PERは約3.9倍、PBRは約0.4倍となっている。チャートは3月19日につけた年初来高値8790円から反落し、続落トレンドで来ている。7月25日に年初来安値6110円まで売られて以降は反発のきざしが見えている。ひとつのフシであり、26週移動平均線でもある7500円ラインまでの戻りを目指す。
田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。