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記事一覧 (06/02)【特集:ロンドン五輪関連銘柄(1)】関連ビジネスが本格化、経済波及効果に期待
記事一覧 (06/01)『諦め感台頭待ちの展開』、「円高」が企業業績期待を萎ませる=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (06/01)アフリカン・アートから連想して、値上がり幅上位株をピックアップ=田北知見の銘柄ウオッチ
記事一覧 (06/01) 東京ドームは続落も巨人ファン、アンチ巨人が呉越同舟のアノマリーも?!=浅妻昭治
記事一覧 (05/31)ヒマラヤは高寄り後もみ合い、3月のあらたに続き東証1部指定替え銘柄に逆行高素地=浅妻昭治
記事一覧 (05/30)エイチームは分割落ち高値から反落、4−5月のIPO市場に「コンプリガチャ」のカゲ=浅妻昭治
記事一覧 (05/28)「スカイツリー」の次のイベント銘柄は2カ月の長丁場のロンドン五輪関連株=浅妻昭治
記事一覧 (05/28)テレビ朝日が安値から反発、株価対策の最新型は自己株式取得から株式分割へシフト?!=浅妻昭治
記事一覧 (05/26)【不動産大手6社を徹底検証!(3)】株価は再び買いが一巡し軟調な展開
記事一覧 (05/26)【不動産大手6社を徹底検証!(2)】オフィス平均賃料は弱含みの状況
記事一覧 (05/26)【不動産大手6社を徹底検証!(1)】当面の収益はマンション分譲が寄与
記事一覧 (05/25)好業績低PERで『きっかけ待ち』の展開=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (05/25)物を買うだけでなく、気持ちをいただく・・・百貨店株=田北知見の銘柄ウオッチ
記事一覧 (05/25)ドーンは高値水準でもみ合いも5営業日連続ストップ高の不思議=浅妻昭治
記事一覧 (05/24)カカクコムは急続伸、自社株式TOBのディスカウント価格が押し上げ効果=浅妻昭治
記事一覧 (05/23)三協フロンテは3連騰、業界標準は復興需要一巡を自己株式取得でカバー=浅妻昭治
記事一覧 (05/22)ダイコク電機は連日の高値、パチンコ関連株の人気セクター化牽引に名乗り=浅妻昭治
記事一覧 (05/21)「政治生命」と「生活防衛意識」をテンビンにかけると・・・?=浅妻昭治
記事一覧 (05/21)東武は安値から反発、「東京スカイツリー」開業目前でご祝儀相場?!=浅妻昭治
記事一覧 (05/18)『海外を横目に日本の経済・企業業績を見直す』展開=犬丸正寛の展望
2012年06月02日

【特集:ロンドン五輪関連銘柄(1)】関連ビジネスが本格化、経済波及効果に期待

■ロンドン五輪は開会式7月27日〜閉会式8月12日

【特集:ロンドン五輪関連銘柄(1)】関連ビジネスが本格化、経済波及効果に期待 英国のロンドンを中心に開催される第30回オリンピック競技会、2012年夏季五輪(英国・ロンドン五輪)の開幕時期が接近してきた。5月19日には英国内での聖火リレーもスタートしている。開会式は7月27日、そして閉会式は8月12日に行われる。

 今年最大の世界的なスポーツイベントであり、世界中で関連ビジネスが活発に展開されるが、日本国内でも、日本代表チーム・選手のスポーツウエアやスポーツ用品関連の販売促進、スポンサー企業による五輪関連商品の販売促進、テレビやネット等を通じての関連広告、そして五輪観戦・観光ツアーの募集など、関連ビジネスが本格化し始めている。

 4年に1回、そして冬季五輪も含めれば、2年に1回となる五輪の開催時期が迫るにつれて、株式市場では関連銘柄が物色される傾向を強める。関連ビジネスで恩恵を受ける業界・銘柄だけでなく、日本代表チーム・選手が活躍してメダルを獲得すれば、そのチーム・選手の所属企業やスポンサー企業が注目されることもあるようだ。

 前回2008年の夏季五輪(中国・北京五輪)の開催前には、ゴールドウイン<8111>(東1)が特に注目された。水泳競技で海外の有力選手が、英スピード社の競泳用水着「レーザー・レーサー」を着用して好記録を出し、メダル獲得が期待された。そしてゴールドウインは「レーザー・レーサー」の日本での製造販売権を持っていたため、収益に寄与するとの思惑が広がった。

 今回の英国・ロンドン五輪では、このような事前に注目を集める商品は、現時点では特に見当たらない模様だが、日本代表チーム・選手の中では、特に女子サッカーの「なでしこジャパン」の活躍が期待されている。

 2011年に開催された女子ワールドカップ・サッカーでの優勝は日本中を興奮させた。そして国内女子サッカー「なでしこリーグ」の注目度が高まり、代表選手を多数抱える「INAC神戸レオネッサ」のスポンサーで、当時は無名だった「黒糖ドーナツ棒」が話題となり、知名度が一気に高まった。今回の英国・ロンドン五輪でも、スポンサー企業などが注目される可能性があるだろう。

 電通総研は、今回の英国・ロンドン五輪に関する経済効果として、日本国内の経済波及効果を8037億円と推計している。そして、直接的な国内消費の押し上げ効果は3687億円と推計している。

 前回2008年の中国・北京五輪時に比べて、日本からの距離が遠いことなどを主因として、五輪観戦ツアーの規模が小さくなることや、テレビ中継が深夜になることなどで、経済波及効果は小さいとみられている。

 ただし、日本代表チーム・選手の活躍次第では、大いに盛り上がり、経済波及効果が想定以上となる可能性はあるだろう。

【特集:ロンドン五輪関連銘柄】
(2)用品メーカー、卸売・小売、広告・放送関連
(3)注目度高い「なでしこジャパン」
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:57 | 特集
2012年06月01日

『諦め感台頭待ちの展開』、「円高」が企業業績期待を萎ませる=犬丸正寛の相場展望

『諦め感台頭待ちの展開』、「円高」が企業業績期待を萎ませる=犬丸正寛の相場展望 低落相場が続いている。日経平均は、週末6月1日に8422円まで下げた。1月18日以来の8500円を割り、年初来高値1万0255円(3月27日)からの下げは17.8%に達した。

 しかし、マーケットに諦め感が出ているという動きではない。相場が悪いという割には、1日当りの出来高は15〜20億株と比較的に多い。出来高から見る限り、諦めどころか活発な押し目買いが続いている姿だ。

 これは、2013年3月期の企業業績が回復することへの期待がある。とくに、日経平均ベースのPERは遂に11倍を切って10倍台まで下がった。企業業績を投資のベースに置く人にとっては割安が目立つ水準。恐らく、いずれ振り返る時が来れば、「あの時が底だった」となるだろう。

 ただ、足元のマーケット地合いは極めて良くない。欧州信用不安は、収まるどころか、むしろ燃え上がる心配が強い。リーマンショックの時は世界景気を牽引した新興国経済は勢いがない。それどころか、中国経済などには下向き圧力が強まっている。このところ好調だったアメリカ景気にも陰りがみられる。日本も予想外の「円高」で回復見通しの企業業績に楽観できなくなっている。第1四半期(4〜6月)に、今期上方修正という期待は難しくなっている。その中で、大飯原発に再稼動の見通しが出てきたことは夏場の電力不足に少しは明るさがみられる。家庭用電力料金値上げは7月の予定が8月に延びるようだ。その間に日本は景気、企業業績の向上を確実なものとしてもらいたいが無理だろう。政治はそれどころではない。

 ポイントは、欧州問題をどの程度まで相場が織り込んだかだろう。ギリシャのユーロ離脱までか、さらに、ユーロ自体の崩壊か。あるいは、欧州全体の経済低落まで売っているのか。マネーはユーロから逃げ出しているようだが、モノの動きも欧州との間ではストップしてしまうか。世界の大手保険会社はギリシャ相手の貿易に対する保険を受付けないという。見極めにはまだ時間が掛かりそうだ。

 このまま円高が続くようだと、企業業績に対する期待が萎み、「諦めムード」が強まり、出来高の少ない「陰の極」となる可能性がある。しばらくは、『諦め感台頭待ちの相場』だろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:26 | 特集

アフリカン・アートから連想して、値上がり幅上位株をピックアップ=田北知見の銘柄ウオッチ

田北知見の銘柄ウオッチ ネットでアフリカ関係のサイトを見ていたら、「ティンガティンガ派の美術」という言葉に行き会った。興味を感じて調べてみたところ、1960年代にアフリカ・タンザニアの最大都市(旧首都)ダルエスサラームで、エドワード・サイディ・ティンガティンガという人が始めたポップアートのことをいうらしい。ティンガティンガ氏は1972年に亡くなったが、お弟子さんたちが画風を受け継いで作品を生み出し続けており、それらがティンガティンガ派とかティンガティンガアート等と呼ばれているという。

 作品や画家にもよるだろうが、私が見た限りの傾向としては、明るめのハッキリした色彩を使い、素朴なタッチでアフリカの動植物や自然、町や村などを描いている物が多い。そのアフリカらしさが好まれるらしく、ヨーロッパや日本でも評価され、コレクターも結構おられるようだ。日本でも時々、企画展が開かれたり、数年前には大手経済誌の表紙に使われたこともある。

 ティンガティンガアートを扱っているショップのサイトで画家さんたちのインタビューを読んでみると、「○○派」とか「弟子」といっても、日本でイメージする堅苦しい師弟関係ではなく、「頼って来た人は衣食住も含めて面倒を見る」「みんなで助け合って生活する」といったような雰囲気のようだ。そうしたおおらかさも含めて、アフリカン・アートなんだなあと思う。

 アフリカ的な「伸びやかな強さ」から連想して、「地合いが軟調でも強く伸びている株」→本日(6月1日)大引け時の「値上がり幅上位銘柄」の中から銘柄をピックアップしてみた。

★KDDI〈9433〉(東1)

 携帯電話au、固定電話、ブロードバンド、ケーブルテレビなどの事業を行なっているKDDI<9433>(東1)を入れる。1日終値は7000円高の49万1500円。単位1株。PERは約8.8倍、PBRは約0.9倍となっている。チャートは3月14日と同15日につけた年初来高値55万4000円から反落し、続落トレンドとなっていたが、ここ数日は下値48万円フシにあたり、反発のきざしが見えている。まずは51万円フシまでの戻りを目指す。ドイツ証券は5月29日付けのレーティングで、投資判断「Hold」、目標株価57万4000円としている。

★大正製薬ホールディングス〈4581〉(東1)

 ドリンク剤や育毛剤が有名で、市販薬の最大手という大正製薬ホールディングス<4581>(東1)を入れる。1日終値は280円高の6130円。単位100株。PERは約19.4倍、PBRは約0.9倍となっている。チャートは2月23日につけた上場来(年初来)高値7460円から反落し、以降はモミ合いながらも続落トレンドで来ていた。5月31日に年初来安値5780円まで売られてからは反発している。まずは6500円フシまでの戻りを目指す。信用倍率は約0.1倍の売り長となっており、買い戻しによる踏み上げも期待できそうだ。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 15:40 | 特集

東京ドームは続落も巨人ファン、アンチ巨人が呉越同舟のアノマリーも?!=浅妻昭治

【浅妻昭治のマーケット・トーク】

浅妻昭治のマーケット・トーク 東京ドーム<9681>(東1)は1日、2円安の212円と3日続落して始まっている。ただこのところ、同社株には再び売買高が膨らんできており、プロ野球の巨人軍が勝つと、株価が上昇するアノマリー現象(合理的な説明がつかない例外事態)の再現期待も高まりそうだ。

 というのも、前日31日のプロ野球の読売ジャイアンツ−東北楽天ゴールデンイーグルス戦で、巨人軍が連勝し、5月の月間勝率が29年ぶりに8割に上昇、俄然、優勝の下馬評が高まってきたことが、アノマリー通りに株価面でも買いムードを高める可能性があるからである。かつて兜町の証券マンには熱烈な巨人ファンが多く、前夜のナイターで巨人軍が勝つと、次の日は、営業姿勢も活気付き、株価が勢い付くことが多かった。

 いまやプロ野球は、米国のメジャーリーグやサッカーに人気を押されファン離れが懸念されているが、株価面では、巨人ファンもアンチ巨人も、東京ドーム買いとなってくる展開も想定される。

 株価実態面でも東京ドームは、割安放置が目立つ。今1月期業績は、純利益が46億円(前期は3億6200万円の黒字)とV字回復が予想され、配当も3期ぶりに5円の復配予想にある。

 前期は、東日本大震災や電力不足でプロ野球の公式戦の一部や恒例の都市対抗野球の開催が中止されたが、今期はいずれもフル開催となり、この春にはメジャーリーグの開幕戦も開催した。このまま巨人軍の快進撃が続けば、優勝して日本シリーズ開催の興行収入増も期待されることになる。PER9倍台、PBR0.7倍の割安修正をサポートしそうである。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 09:41 | 特集
2012年05月31日

ヒマラヤは高寄り後もみ合い、3月のあらたに続き東証1部指定替え銘柄に逆行高素地=浅妻昭治

【浅妻昭治のマーケット・トーク】

浅妻昭治のマーケット・トーク ヒマラヤ<7514>(東1)は31日、3円高と高寄りしたあと、8円安の731円と4日ぶりに反落し、前日ザラ場につけた東証第1部指定替え後高値745円を前にもみ合いを続けている。

 指定替えに伴い東証株価指数(TOPIX)に算入され、TOPIX連動型のファンドの買い増しが高まることを先取りして需給好転期待の買い物が続き、全般相場の急続落も響き利益確定売りも交錯している。

 東証第2部から第1部への指定替えは、今年3月9日に東証が指定替え基準を緩和したことで急増しており、このほか東証マザーズから市場変更されたKLab<3656>(東1)を含めると、ヒマラヤまで9銘柄が上場された。

 このいずれもが、かつては指定替えとともにかなりの確率で実施した希薄化懸念の新株式発行・株式売出しを伴わなかったことも手伝って人気化、9銘柄の承認日終値からその後の高値までに平均上昇率は、31.70%と相場が波乱展開するなか、異色の逆行高を演じた。

 なかでも3月19日指定替えのあらた<2733>(東1)は、2.04倍と短期大化けを演じた。これに続くのが4月6日指定替えの亀田製菓<2220>(東1)で、ヒマラヤは、これからTOPIX算入が行なわれるだけに、先行2社にどれだけキャッチアップできるか注目されている。

 もっとも指定替え9社のうち、前日30日終値が、指定替え承認日の終値を下回っているのが、3銘柄に達しているだけに、投資スタイルとして「ヒット・アンド・アウェイ」で対処するか、中期投資銘柄として仕込むかは悩ましいところではある。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 10:31 | 特集
2012年05月30日

エイチームは分割落ち高値から反落、4−5月のIPO市場に「コンプリガチャ」のカゲ=浅妻昭治

【浅妻昭治のマーケット・トーク】

浅妻昭治のマーケット・トーク エイチーム<3662>(東マ)は30日、30円安の850円と反落して始まり、前日ザラ場につけた株式分割権利落ち後高値885円を前に売り買いが交錯している。同社株は、今年4月4日に公開価格1080円で新規株式公開(IPO)され、ソーシャル(SN)ゲームのコンテンツ関連株として高人気化、2923円で初値をつけ4700円まで買い上げられる大化けとなったが、「コンプリートガチャ」の規制懸念問題の波及で、2361円まで急落、この「コンプリガチャ」施策中止と株式分割(5月31日割り当て1対3)を発表して2834円までリバウンドしたが、分割権利落ち後はなお方向感を探る展開が変わらない。

 この4ー5月は、同社を含めて前日29日にIPOされた北の達人コーポレーション<2930>(札ア)まで6銘柄がIPOされたが、この平均初値倍率は、30.5%と3月の31.6%からは低下した。初値が公開価格を上回るか下回るかで勝ち、負けを判定する勝敗は、3月と同じ4勝2敗で勝率も66%で並んだが、前日終値段階で株価が、公開価格を下回っている銘柄が2社、初値を下回っている銘柄が2社、残る2銘柄も上場来高値を下回っており、総じて低調である。

 エイチームを除いた5銘柄の平均初値倍率は2.4%にとどまっており、「コンプリガチャ」問題で揺れたエイチームの動向が、IPO市場にカゲを落していることになる。4−5月のIPO投資が好パフォーマンスを上げるかどうかは、今後の各社の株価動向に左右されることになり、6月にIPO予定の4銘柄の選別物色も、より厳正化されそうだ。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 09:54 | 特集
2012年05月28日

「スカイツリー」の次のイベント銘柄は2カ月の長丁場のロンドン五輪関連株=浅妻昭治

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 「23%」と「47%」・・・野田内閣の内閣支持率と2020年夏季オリンピックの東京開催の国内支持率である。いずれも危機的な低水準である。それにもかかわらず、野田内閣では、野田佳彦首相が、政治生命をかけて会期末まで残り1カ月を切った今国会中に消費税の引き上げ法案の成立を目指し、夏季オリンピックも、同じく書類審査の1次選考を通過したマドリード(スペイン)、イスタンブール(トルコ)との競り合いを制して招致を実現しようとしている。

 消費税引き上げは、今週開催予定の野田−小沢会談が、大きなフシ目と政治ジャーナルリズムが伝え、政界再編なども観測されており、乱調が続く株式相場の一段の下ぶれリスク要因になるのではないかと心配されている。オリンピック招致は、前回の2016年五輪で、リオデジャネイロ(ブラジル)に敗れたのも、この国内支持率の低さが影響したと分析されているだけに、開催都市が決定される来年9月のIOC総会までに、国内の盛り上がり、招致機運をどう高めるかがポイントになる。

 素人考えでこの最も手っ取り早い決め手は、今年7月開催のロンドン五輪にあるのではないかと思い至る。日本代表選手が、次々と金メダルを首にかけて表彰台の一番テッペンに立ち、日章旗の掲揚を目にし演奏される「君が代」を耳にすれば、さすがの日本人もいたく民族感情を刺激され、「絆」意識を再確認するはずだからだ。このテレビ画面の下に「2020年五輪を東京で!」のテロップを流したりすれば、国内支持率のアップは間違いない。

 そうなると出番が期待されるのが「なでしこジャパン」である。「なでしこジャパン」は、女子サッカーのワールドカップ(W杯)で優勝してブームを巻き起こした例の日本代表で、7月に開催されるロンドン五輪にも出場、金メダルの最有力候補となっている。この「なでしこジャパン」のオリンピック予選リーグ第1戦の対カナダ戦は、開会式に先立つ7月25日に予定されており、ここで少なくとも引き分け以上の上々の滑り出しをみせれば、ブーム再現でロンドン五輪人気に一気に火がつく。

 しかもこのロンドン五輪は、「なでしこジャパン」だけの独壇場ではない。「さくらジャパン」なども出場する。「さくらジャパン」は、女子ホッケーの日本代表で、過日行なわれた出場国決定の優勝戦では圧勝し、余裕を持って代表に名乗りを上げた。男子の日本代表が、女子が出場を決めた翌日に開催された決定戦で、奮闘空しくあと一歩出場に届かなかったこととは対照的で、中継のテレビ画面からは、ホッケー競技の厳しさと同時に面白さ、楽しささえ伝わってきた。

 ロンドン五輪は、この「なでしこジャパン」、「さくらジャパン」だけでなく、レスリング、柔道などの女子選手の金メダル候補が目白押しである。かつて「雌鳥歌えば家滅ぶ」などとする差別的な格言があったが、まったく逆に雌鳥が金メダルを取れば、ロンドン五輪人気は盛り上がり、五輪招致の国内支持率もアップすることになる。

 このシナリオ通りに「なでしこジャパン」が健闘し、ロンドン五輪人気が盛り上がるとすれば、相場イベントとしても同五輪が株価材料として浮上してくる。全般相場は、どうせギリシャの6月17日投開票予定の再選挙まで大きく動けない。良くて膠着相場、悪くすれば世界同時株安の再現という悲観的観測も強まっている。ここは、ロンドン五輪関連株に矛先を移して、嵐の通り過ぎるのを待つのも一法となりそうだ。つい1週間前は、金環日食、東京スカイツリー開業で盛り上がったものの、イベント通過とともに一気に材料出尽くし感を強めたが、次のイベントのロンドン五輪開幕までは、幸いあと2カ月間の長丁場であり、どんな掘り出し株が飛び出さないとも限らないのである。(続きと詳細は「浅妻昭治のマーケットセンサー:メールマガジン」に掲載。果たして注目銘柄は?)

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:21 | 特集

テレビ朝日が安値から反発、株価対策の最新型は自己株式取得から株式分割へシフト?!=浅妻昭治

【浅妻昭治のマーケット・トーク】

浅妻昭治のマーケット・トーク テレビ朝日<9409>(東1)は、700円高の10万8000円と反発して始まり、前週末25日ザラ場につけた年初来安値10万6800円から底上げしている。25日大引け後に9月30日割り当てで1対100の株式分割を発表、歓迎して株式分割の権利取りの買い物が集まっている。

 同社の株価は、今年4月27日発表の3月期決算で、今期経常利益の減益転換を予想して市場コンセンサスを下回ったことが響いて年初来安値まで1万円超幅の調整となった。いわば株価対策として株式分割が打ち出されたことになるが、どうも最近はこのケースでの株式分割が多いようである。

 このところ株式分割を発表した銘柄は、株価が発表以来、短期2.7倍化したドーン<2303>(JQS)を筆頭に、GMOペイメントゲートウェイ<3769>(東1)イナリサーチ<2176>(JQS)といずれも株式分割が、年初来安値水準で発表された。

 かつて「業績下方修正3点セット」といわれた株価対策が、ファッション化したことがあった。業績下方修正をした企業が、同時に中期経営計画と自己株式取得、役員報酬の減額を発表して株安を未然に防いだ。このうち自己株式取得は、いまだに株価対策として大勢を占めているが、ことによると株式分割にシフトしてくる前触れとなる可能性もある。相場全般が下値リスクを強めるなか、今後の成り行きが要注目となる。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 09:47 | 特集
2012年05月26日

【不動産大手6社を徹底検証!(3)】株価は再び買いが一巡し軟調な展開

■不動産大手各社の株価は、日銀のサプライズ追加金融緩和を好感した買いが一巡し、再び軟調展開

不動産大手6社を徹底検証3 不動産大手各社の株価は概ね、2月14日の日銀によるサプライズ追加緩和を好感して動意付き、3月中旬にかけて大幅上昇した。しかし、その後は高値圏から反落し、足元では再び軟調な展開となっている。金融緩和は不動産業界にとって好材料だが、株価が上昇基調となるにはやや材料不足のようだ。

 また収益のトレンドを見ても、マンション分譲の戸数増加や利益率改善が当面の収益押し上げ要因になったとしても、オフィス空室率やオフィス賃料の改善が見られない現状では、全体としての収益改善基調は期待しづらいだろう。

 市場全体の地合い改善も必要なだけに、再度のサプライズ追加緩和などの支援材料も欲しいところだろう。

 野村不動産ホールディングス<3231>(東1)の株価は、3月19日の年初来高値1527円から反落し、足元では1200円近辺まで下落した。大勢としては1100円近辺〜1500円近辺のボックス展開となっている。指標面では実績PBRに割安感が台頭する水準だけに、ボックスレンジ下限に接近すれば底打ちが意識される可能性が高いだろう。

 三井不動産<8801>(東1)の株価は、3月14日の年初来高値1683円から反落し、足元では1200円近辺まで下落しているが、指標面では割安感が台頭しない。当面は下値固めが必要で、11年秋の安値圏1100円近辺が意識される可能性もあるだろう。

 三菱地所<8802>(東1)の株価は、3月15日の年初来高値1576円から反落し、足元では1200円割れ水準まで下落しているが、予想PERには割高感が否めない。当面は下値固めが必要で、11年の安値圏1100円近辺が意識される可能性もあるだろう。

 東京建物<8804>(東1)の株価は、3月14日の年初来高値356円から反落し、足元では230円台まで下落している。週足ベースで見ると、ほぼ一本調子の下落で26週移動平均線を割り込み、年初来安値を更新して下値模索の展開となっている。実績PBRで見れば割安感も台頭するが、他の大手不動産との収益基盤の差を考慮すれば、リスク回避の動きを強める局面では安心感につながらないだろう。11年秋の安値圏200円近辺が意識される可能性もあり、当面は下値固めが必要だろう。

 東急不動産<8815>(東1)の株価は、3月14日の年初来高値428円から反落し、足元では330円近辺まで下落している。指標面では実績PBRに割安感が台頭する水準だが、下値模索の展開になれば年初来安値285円が意識される可能性があるだろう。ただし、26週移動平均線に対するマイナス乖離率は他の大手不動産株に比べて小さい。年初来安値を割り込まず、早期に26週移動平均線を回復すれば下値を切り上げる形となり、反発機運が高まる可能性もあるだろう。

 住友不動産<8830>(東1)の株価は、3月14日の年初来高値2054円から反落し、足元では1600円近辺まで下落している。指標面での割安感が乏しいだけに、年初来安値の1300円近辺が意識される可能性もあり、当面は下値固めが必要だろう。ただし、26週移動平均線に対するマイナス乖離率は他の大手不動産株に比べて小さいだけに、信用倍率1倍割れも支援材料として早期に26週移動平均線を回復すれば、反発の余地もありそうだ。

 なおヒューリック<3265>(東1)については、7月1日付で昭栄<3003>(東1)と合併予定である。形式上の存続会社は昭栄となり、現ヒューリックは形式上の消滅会社となって6月27日付で上場廃止予定のため、今回の特集からは除外した。

【特集:不動産大手6社を徹底検証!】
(1)当面の収益はマンション分譲が寄与
(2)オフィス平均賃料は弱含みの状況

【不動産大手・銘柄診断】
住友不動産は1ケタの増収増益
三菱地所は都市開発事業の反動減響き減収減益
東急不動産は小幅の増収増益
東京建物は営業利益黒字転換
野村不動産ホールディングスは分譲戸数増加で増収増益
三井不動産は東日本震災の影響が一巡
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:13 | 特集

【不動産大手6社を徹底検証!(2)】オフィス平均賃料は弱含みの状況

■ビル賃貸事業はオフィス空室率が高止まり、オフィス賃貸料も弱含みの状況

不動産大手6社を徹底検証2 オフィスビル・商業施設賃貸事業に関しては、全体としてオフィス空室率が高止まり状況であり、オフィス平均賃料も弱含みの状況が続いている模様だ。

 三鬼商事の調べによる東京・都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)エリアのオフィス空室率(5区平均)の推移を見ると、11年1月が9.04%、2月が9.10%、3月が9.19%、4月が8.92%、5月が8.88%、6月が8.81%、7月が8.76%、8月が8.65%、9月が8.64%、10月が8.78%、11月が8.90%、12月が9.01%、12年1月が9.23%、2月が9.15%、3月が9.04%、4月が9.23%となっている。12年1月と4月の9.23%は過去最高水準である。

 直近では、06年10月から08年3月までが2%台(06年10月2.92%、11月2.90%、12月2.89%、07年1月2.87%、2月2.93%、3月2.72%、4月2.72%、5月2.71%、6月2.87%、7月2.80%、8月2.67%、9月2.59%、10月2.55%、11月2.49%、12月2.65%、08年1月2.55%、2月2.77%、3月2.89%)と低水準で推移していたが、以降はほぼ一貫して上昇傾向となり、足元では過去最高水準に上昇している。

 不動産大手各社については、都心部で好立地の優良物件を数多く保有しているため、市場平均に比べて概ね空室率は低い状況となっている。しかし、保有物件によってバラツキはあるが、全体として見ればオフィス空室率の高止まり状況、オフィス賃料の弱含み状況に大きな変化はないだろう。

 野村不動産ホールディングス<3231>(東1)のビル事業の空室率の推移を見ると、連結ベース(オフィス・商業施設合計)で09年3月期末が2.6%、10年3月期末が4.8%、11年3月期末が4.0%、12年3月期末が2.4%となった。12年3月期はやや持ち直した形である。

 三井不動産<8801>(東1)の賃貸事業の空室率の推移を見ると、単体ベースの首都圏オフィス空室率は、07年3月期末が1.6%、08年3月期末が1.3%、09年3月期末が2.5%、10年3月期末が3.9%、11年3月期末が4.0%、12年3月期末が4.4%となった。市場平均に比べて低水準とはいえ上昇傾向である。連結ベースの全国商業施設空室率は、07年3月期末が0.5%、08年3月期末が0.3%、09年3月期末が0.8%、10年3月期末が1.1%、11年3月期末が1.3%、12年3月期末が0.4%となった。引き続き低水準を維持している。

 三菱地所<8802>(東1)のビル事業の空室率の推移を見ると、単体ベースの全国全用途空室率は、08年3月期末が2.06%、09年3月期末が2.86%、10年3月期末が3.40%、11年3月期末が3.58%、12年3月期末が3.58%となった。丸の内のオフィス空室率は、08年3月期末が0.19%、09年3月期末が1.09%、10年3月期末が2.42%、11年3月期末が2.26%、12年3月期末が2.42%となった。いずれも高止まり状況の模様である。

 東京建物<8804>(東1)のビル等事業の空室率の推移を見ると、単体ベースのビル事業合計は、08年12月期末が5.9%、09年12月期末が13.0%、10年12月期末が8.2%、11年12月期末が11.0%となった。12年12月期末の見通しは6.5%としている。

 東急不動産<8815>(東1)の賃貸事業の空室率の推移を見ると、オフィスビルと商業施設の合計で、連結ベースは09年3月期末が5.1%、10年3月期末が3.9%、11年3月期末が4.1%、12年3月期末が2.3%となった。単体・SPCベースでは09年3月期末が4.6%、10年3月期末が3.0%、11年3月期末が3.7%、12年3月期末が2.0%となった。いずれも改善傾向の模様である。

 住友不動産<8830>(東1)の賃貸事業の空室率の推移を見ると、連結ベースで竣工1年経過のオフィスビル空室率(12年3月期からSPCを連結対象)は、08年3月期末が3.8%、09年3月期末が5.1%、10年3月期末が8.4%、11年3月期末が8.2%、12年3月期末が7.8%となった。やや改善したが、引き続き高止まりの状況だろう。

【特集:不動産大手6社を徹底検証!】
(1)当面の収益はマンション分譲が寄与
(3)株価は再び買いが一巡し軟調な展開

【不動産大手・銘柄診断】
住友不動産は1ケタの増収増益
三菱地所は都市開発事業の反動減響き減収減益
東急不動産は小幅の増収増益
東京建物は営業利益黒字転換
野村不動産ホールディングスは分譲戸数増加で増収増益
三井不動産は東日本震災の影響が一巡
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:08 | 特集

【不動産大手6社を徹底検証!(1)】当面の収益はマンション分譲が寄与

■不動産大手各社の当面の収益はマンション分譲が寄与

不動産大手6社を徹底検証1 不動産大手6社、野村不動産ホールディングス<3231>(東1)三井不動産<8801>(東1)三菱地所<8802>(東1)東京建物<8804>(東1)東急不動産<8815>(東1)住友不動産<8830>(東1)の当面の収益は、マンション分譲戸数の増加と利益率改善が寄与する形になりそうだ。

 不動産経済研究所が5月17日に発表した首都圏マンション市場動向によると、12年4月の首都圏マンション発売戸数は4211戸となり、前年同月比81.7%増加した。前年同月(11年4月)が東日本大震災の影響で大幅に落ち込んだ反動増に加えて、総戸数1000戸超の大型物件も寄与したとしている。発売戸数が4000戸を超えるのは07年4月の4090戸以来で、高水準だった。また発売月に契約した割合を示す初月契約率も81.8%と高水準だった。好不調の分かれ目とされる70%を8カ月連続で上回るとともに、14か月ぶりに80%を上回った。

 こうした状況も背景として、不動産大手各社はマンション分譲戸数の増加と利益率改善を見込んでいる。分譲戸数の増加については、東日本大震災の影響一巡が期待される。さらに利益率についても、08年のリーマンショック後に取得した収益性の高い物件の売上計上が、12年3月期および13年3月期に本格化し、利益率改善につながっている。

 野村不動産ホールディングス<3231>(東1)は、12年3月期の分譲住宅の粗利益率が23.3%となり11年3月期比6.9ポイント改善した。13年3月期の分譲戸数については、前期比1772戸増加の5800戸(うちマンションは同1703戸増加の5100戸)の計画としている。

 三井不動産<8801>(東1)は、12年3月期の個人向け住宅分譲の営業利益率が4.0%となり11年3月期比0.9ポイント改善した。13年3月期については5.0%とさらに改善する計画となっている。分譲戸数については、12年3月期比484戸増加の5800戸(うちマンションは同388戸増加の4900戸)の計画としている。

 三菱地所<8802>(東1)は、12年3月期の分譲マンション粗利益率が17.3%となり11年3月期比1.3ポイント上昇した。13年3月期については、分譲マンション売上戸数が4600戸で12年3月期比882戸減少する計画だが、粗利益率については18.0%とさらに改善する計画となっている。

 東京建物<8804>(東1)は、12年12月期の住宅事業の営業利益率が5.7%の計画である。棚卸資産評価損計上の減少なども寄与して、11年12月期比7.3ポイント改善する見込みとしている。

 東急不動産<8815>(東1)は、12年3月期の分譲事業の営業利益率が5.8%となり11年3月期比6.9ポイント改善した。棚卸資産評価損計上の減少などで改善傾向を強めており、13年3月期は6.4%の計画としている。

 住友不動産<8830>(東1)は、12年3月期の不動産販売事業の営業利益率(連結消去前)が19.1%となり、11年3月期比5.2ポイント上昇した。13年3月期については17.3%とやや低下する計画となっているが、マンション契約戸数については前期比466戸増加の4500戸の計画としている。

 当面はマンション分譲が各社の収益押し上げ要因となりそうだ。ただし、マンション分譲戸数については景気先行き不透明感などで楽観視できず、利益率の上昇も長期間にわたって基調として続くことは予想しづらい。市場が冷え込めば、販売価格下落や完成・仕掛在庫の増加などが、収益圧迫の懸念要因となることには注意が必要だろう。

【特集:不動産大手6社を徹底検証!】
(2)オフィス平均賃料は弱含みの状況
(3)株価は再び買いが一巡し軟調な展開

【不動産大手・銘柄診断】
住友不動産は1ケタの増収増益
三菱地所は都市開発事業の反動減響き減収減益
東急不動産は小幅の増収増益
東京建物は営業利益黒字転換
野村不動産ホールディングスは分譲戸数増加で増収増益
三井不動産は東日本震災の影響が一巡
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:02 | 特集
2012年05月25日

好業績低PERで『きっかけ待ち』の展開=犬丸正寛の相場展望

★注目は野田総理・小沢元代表の会談

好業績低PERで『きっかけ待ち』の展開 来週(28日〜6月1日)は、『きっかけ待ちの展開』とみられる。日米とも相場は軟調ながら、徐々に下値が底堅くなりつつある。

 とくに、NYダウはここ数日、「下ヒゲ足」が目立つようになっている。一般に下ヒゲ足が出始めると相場は下値に届き反発が近いとみられている。一方、日経平均には下ヒゲ足は見られないものの、水準自体は昨年暮れから今年初めにかけてモミ合った8300〜8500円水準に近づいている。スタート時点まで、ほぼ「往って来い」状態である。

 とくに、日経平均のPERは直近で11.02倍まで低下。今年3月後半頃のPER22〜23倍に比べ、かなり低水準となっている。割安感が強まっているため、きっかけがあれば急反発が見込める状況といえる。

 海外、とくにギリシャ問題では、ユーロ諸国はギリシャにユーロへとどまるように言う一方で緊縮政策も維持するように発言する。自力でギリシャ経済が急速に上向くことも期待し難いだけに、結局は6月17日のギリシャ再選挙までは待つより仕方ない。国内で、きっかけになるとすれば野田総理と小沢元代表の直接会談だろう。膠着状態の政局に新たな展開も予想され相場に刺激となる可能性もある。

 ただ、株価水準としてはほぼ下げるところまで下げているものの、出来高面では物足りない。東証1部の出来高は18〜20億株で推移、昨年暮れの出来高9〜10億株と比べると多く、まだ「陰の極」とは言えない状態。この点からは、まだマーケットに諦め気分は出ていない。相場に色気が残っている状態。これは、2013年3月期決算が好調見通しから物色意欲が強いためといえる。

 好業績にもかかわらずPERは低いといういびつな形となっている。これを転換させるのは、やはり政治だろう。野田総理・小沢元代表の会談は注目される。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:17 | 特集

物を買うだけでなく、気持ちをいただく・・・百貨店株=田北知見の銘柄ウオッチ

田北知見の銘柄ウオッチ 若い頃からデパートが好きで、よく行っている。若い人ならファッションビルとかショッピングモールのほうが好きだという方々も多いのだろうが、私は若い頃からデパート派だ。ギャル店員さんや賑やかな家族連れのお客が少ない落ち着いた雰囲気が好きだし、置いてある商品もオシャレだが先鋭的すぎない物が多いので好きなのだ。

 加えて、最近は年齢のせいか、「若い店員さんから、丁寧で感じの良い対応をされて癒される」という楽しみ(?)も出てきた。先日行った或るデパートでは、化粧品を買う際に、丁寧にメイクサービスをしてもらって癒された。この仕事に就いてまだそんなに経っていないと思われる女性ビューティアドバイザーさんだったが、メイクの腕は確かで、「さすが」と思った。

 デパ地下のお惣菜店では、支払いを済ませて商品を受け取る際に、元気の良い男性店員さんから「おいしくお召し上がりください!」と笑顔で言われ、おいしく食べられそうな気がした(ただしこれはマニュアルどおりの言葉らしく、別の百貨店の同じチェーン店でも同じことを言われた)。ケーキを買ったお店では、持って帰る際に崩れないように、若い女性店員さんが丁寧に箱に入れてくださった。

 どれも接客・販売業としては当たり前のことかもしれないが、その当たり前のことができていないお店・スタッフも多い現在、きちんとまじめに働いておられる若い方々を見ると、少し心が明るくなる。よく言われるように、「物を買う」だけでなく、「買い物の際の雰囲気も含めて買っている」のだと思う。

 百貨店銘柄をウオッチしてみた。

★高島屋〈8233〉(東1)

 東京、大阪などに14店舗を展開する高島屋<8233>(東1)を入れる。25日終値は6円高の551円。単位1000株。PERは約14倍、PBRは約0.6倍となっている。チャートは3月30日につけた年初来高値687円から反落し、以降は続落トレンドで来ていた。しかし5月23日に年初来安値539円まで売られて以降は、地合いがやや好転したことも背景として、反発に転じている。まずは次のフシであり26週移動平均線でもある、600円ラインまでの戻りを目指す。

 業績は好調で、今期2013年2月期連結業績予想は前年比増収増益、とくに営業・純利益は2ケタ増益を見込んでいる。ロンドンオリンピックに関連して、英国商品のプロモーションを行なうなどの材料もある。

★セブン&アイ・ホールディングス〈3382〉(東1)

 セブン−イレブンやイトーヨーカ堂のイメージが強いセブン&アイ・ホールディングス<3382>(東1)だが、グループには西武、そごう、ロビンソンの各百貨店もある。セブン&アイの25日終値は55円高の2384円。単位100株。PERは約13.5倍、PBRは約1.2倍となっている。チャートは昨年3月につけた上場来安値1755円を底に、凸凹しながらも下値抵抗線を切り上げてきた。この1ヵ月ほどは高値圏の2400円ライン前後でモミ合っている。

 今後の地合いにもよろうが、2350円ラインの押し目を待って拾い、まずは4月4日につけた年初来高値2485円上抜け、中期で2500円フシ上抜けを目指す。JPモルガン証券は5月7日付けのレーティングで投資判断「オーバーウェイト」、目標株価2900円(2013年4月まで)としている。大和証券は同24日付けのレーティングで投資判断「2」(アウトパフォーム)、目標株価2850円(6ヵ月)とした。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 15:36 | 特集

ドーンは高値水準でもみ合いも5営業日連続ストップ高の不思議=浅妻昭治

【浅妻昭治のマーケット・トーク】

浅妻昭治のマーケット・トーク ドーン<2303>(JQS)は25日、9700円高の7万1700円まで上げて8営業日続伸、連日の年初来高値更新となったあと、5500円安と売られるなど前日の終値を挟みもみ合いを続けている。

 来週週明けの28日に迫った株式分割の権利付き最終日を前に権利取りの動きと利益確定売りが交錯しているものだが、それにしても同社株の急騰振りには市場関係者は、首を捻るばかりである。

 今年5月18日以来、5営業日連続でストップ高を演じ、この間の上昇幅は実に3万6000円、わずか5日間で2.3倍の大化けとなった。分割権利取りだけでこれだけ急騰をすることはまず想定できず、これ以外の買い材料があるかといえば見当たらないからだ。

 確かにPBRは0.4倍と割り負けてはいるが、業績実態面では、今5月期業績は、今年1月、4月と2回下方修正されて、純利益は6200万円の赤字(前期は1200万円の黒字)と水面下に落ち込み、配当は、年間250円(前期実績1000円)と減配幅を悪化させるのである。とても株式分割の権利取り妙味を示唆しているとはいえないのである。まだ表面上に現れていない潜在材料を内包しているのではないかと思惑は増幅させているところではある。

 5月31日割り当て1株を100株に分割するが、残り2日間の権利取りとその後の権利落ちが、文字通りに高値からハシゴを外す展開を加速させるのか、そうではないのか見逃せないことになる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:21 | 特集
2012年05月24日

カカクコムは急続伸、自社株式TOBのディスカウント価格が押し上げ効果=浅妻昭治

【浅妻昭治のマーケット・トーク】

浅妻昭治のマーケット・トーク カカクコム<2371>(東1)は、86円高の2350円と急続伸している。前日23日大引け後に自己株式の公開買い付け(TOB)を発表、TOB価格がディスカウントされたことが押し上げ効果を発揮し、さらに電通<4324>(東1)と資本・業務提携を同時発表したことも好感され買い増勢となっている。

 TOBは、同社株式を20.09%保有するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC、大阪市北区)から保有株の売却意向を伝えられたことに対応し、1株当たり純利益の向上や自己資本純利益率などの資本効率向上に寄与し株主への利益還元につながるとして自己株式の具体的取得方法として取締役決議された。

 TOB価格は、既存株主の利益を尊重し、資本の社外流失を可能な限り抑えるため過去1カ月間の終値平均から8.5%ディスカウントの2150円とすることでCCCと合意、買い付け株式数を145万5000株、買い付け期間を5月24日から6月20日までの20営業日、買い付け代金を31億6575万円として実施する。

 TOBは通常、TOB価格にプレミアムがつきTOBを仕掛けるサイドの株価が下がり、TOBを受けるサイドの株価が上昇するが、今回は、ディスカウントされた分だけカカクコムに有利になるとして株価続伸につながった。

 さらに電通とは、インターネット業界でさらにシナジーを生む出すために業務提携するとともに、電通がCCCの保有株の一部875万4000株(発行済み株式総数の15.06%)を取得して資本提携、第2位の株主となる。なお電通は、21円高の2250円と8営業日ぶりに反発している。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 09:47 | 特集
2012年05月23日

三協フロンテは3連騰、業界標準は復興需要一巡を自己株式取得でカバー=浅妻昭治

【浅妻昭治のマーケット・トーク】

浅妻昭治のマーケット・トーク 三協フロンテア<9639>(JQS)は、19円高の438円と3日続伸して始まり、5月15日につけた年初来安値350円からの底上げを鮮明化している。

 前日22日大引け後に自己株式の取得を発表、東日本大震災の応急仮設住宅などの復興需要一巡などで予想した今3月期の減益転換業績をカバーして下げ過ぎ訂正買いが増勢となっている。

 自己株式取得は、経営環境に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とすることを目的としており、取得株式数の上限を20万株(発行済み株式総数の0.89%)、取得総額を1億円、取得期間を5月23日から9月28日までとして実施する。

 株価は、今年2月に前期業績を震災の復旧・復興需要で2回目の上方修正をし、年初来高値653円をつけたが、今3月期純利益をこの特需一巡で16億円(前期比35%減)と予想したことを嫌って同安値まで300円幅の調整となった。PER6倍台、PBR0.5倍の下げ過ぎ訂正を試そう。

 仮設住宅(ユニットハウス)株は、前々日21日に同業他社でライバルのナガワ<9663>(JQS)も、やはり自己株式取得を発表、復興需要一巡による減益転換業績をカバーして、株価が急反発したばかりである。復興需要から同需要の一巡、業績減益転換、自己株式取得と続く一連のコースが業界標準となってきたようである。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:04 | 特集
2012年05月22日

ダイコク電機は連日の高値、パチンコ関連株の人気セクター化牽引に名乗り=浅妻昭治

【浅妻昭治のマーケット・トーク】

浅妻昭治のマーケット・トーク ダイコク電機<6430>(東1)は22日、81円高の1415円と4営業日続伸して始まり、連日の年初来高値更新となっている。同社株は、5月11日に発表した今3月期業績で、純利益の大幅続伸を予想、市場コンセンサスを大きく上回ることから年初来高値まで短期で30%近い急伸を演じて、同じ関連株で年初来安値水準に低迷しているオーイズミ<6428>(東1)アクセル<6730>(東1)などと対照的にパチンコ関連の勝ち組人気を鮮明化している。

 パチンコ関連株は、同社と同様に業績の続伸を予想しながらも、株価評価にまで至っていない銘柄も少なくなく、ダイコク電を牽引役に内需割安セクターとして浮上する展開も想定される。パチンコ関連株は、パチンコホール業界の競争激化・経営悪化を受けて雌伏期が続いたが、ダイコク電のようにホールコンピューティングシステムやヒット化したパチンコ機・パチスロ機を開発するなど独自商品・製品を保有しているかどうかで、勝ち組・負け組の選別が続いている。

 業績続伸を予想している平和<6412>(東1)SANKYO<6417>(東1)マースエンジニアリング<6419>(東1)ゲンダイエージェンシー<2411>(JQS)藤商事<6257>(JQS)などが、「第2のダイコク電」として見直される展開も想定される。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 10:59 | 特集
2012年05月21日

「政治生命」と「生活防衛意識」をテンビンにかけると・・・?=浅妻昭治

■100円ショップ株に再浮上の目

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー やっぱり「1%」と「99%」の攻防のようである。リーマン・ショックまでは、1%の富裕層が主導権を握り99%の富を独占したが、サブプライムローン・バブルの破綻この方、「1%」の限界生活者の反乱が世界各地で起こった。中東では、「反独裁」で長期軍事政権がドミノ倒しとなる「アラブの春」が吹き募り、ギリシャでは、「反緊縮」、「反格差」で、連立協議が頓挫して再選挙が不可避となり、フランスでは、現職大統領が決戦投票で敗れ、ドイツでは、州議会選挙で連立与党が大敗した。

 この「1%」の反乱の行く着く先は不透明として、ギリシャのユーロ圏離脱も観測されて、ユーロ安、株安が世界中に伝播した。5月18日から始まった主要8カ国(G8)首脳会議では、財政の健全化と経済成長の両立を目指す方針で一致したと伝えられたが、そんな妙案があるものかどうか、またまた今週のマーケットで試されることになるはずで、「トンネルを抜けたらまたトンネル」となる懸念ばかりが強くなる。

 日本も、この政治状況では世界の趨勢と肩を並べているといえる。毎年、首相の顔が変わって、衆議院と参議院の多数派が異なる「ねじれ現象」が解消せず、何も決められない、誰も責任を取らない政治状況が常態化しているからである。野田佳彦首相は、消費税引き上げに「政治生命」をかけると不退転の決意を強調しているが、野党から「財務省のマインドコントロール」と攻撃されるのを目にし耳にすると、「一将功成りて万骨枯る」ならぬ「一省功成りて万骨枯る」ではないかという疑いに現実感が深まる。

 ということは、国会も会期末、野田首相が「政治生命」を強調すればするほど、「1%」の「反緊縮」意識とのギャップが広がることになる。いわば「政治生命」と「生活防衛意識」の攻防の激化である。野田首相が、仮に民主党内の反増税派や与党の自民党の取り込みに成功したりすれば、生活防衛意識は頂点に達することになる。この生活防衛意識の高まりは、株式相場的には関連株の出番につながることは間違いなく、この最右翼株として注目したいのが「100円ショップ」株である。(続きと詳細は「浅妻昭治のマーケットセンサー:メールマガジン」に掲載。果たして注目銘柄は?)

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:49 | 特集

東武は安値から反発、「東京スカイツリー」開業目前でご祝儀相場?!=浅妻昭治

浅妻昭治のマーケット・トーク 東武鉄道<9001>(東1)は、5円高の385円と5営業日ぶりに反発して始まり、前週末18日ザラ場につけた年初来安値378円から底上げしている。明22日に「東京スカーツリー」が、開業するのを前にご祝儀相場的な買い物が再燃しており、同社業績への寄与度アップを期待する先取り思惑も交錯している。

 同社は、今3月期業績について、スカイツリー開業でタワー業での入場券収入、スカイツリータウン業での商業施設「東京ソラマチ」の賃貸収入が寄与するとして、純利益を180億円(前期比12%増)と続伸を予想したが、市場コンセンサスを20億円強下回ることが響き、株価は年初来高値454円から年初来安値まで調整してしまった。

 しかし、スカイツリーへの来場者は、商業施設を含めて年間3000万人と推測されているだけに、寄与はこれだけにとどまらない。例えば本業の鉄道業での乗降客への影響である。鉄道各社には、利用客が著しく減少する「死線」ともいうべき乗車区間がある。同業他社の京成電鉄<9009>(東1)では、京成船橋駅で通勤客がJRに乗り換えて、京成船橋〜京成上野駅間は、乗客がゴッソリと減って、電車は空気を運んでいるようだと形容されたこともある。

 東武の場合も、ターミナル駅の北千住駅で乗客が、JRや地下鉄などへ乗り換え、東武伊勢崎線本線の北千住〜東武浅草駅間は乗客が減少する傾向が強い。ところがこの区間にあった業平橋駅が、東京スカイツリー駅と改名されてリニューアル、最寄駅として機能するのである。

 日光・会津を含めた観光再開発を含む利用客の増加につながり、しかも朝夕のラッシュ時の通勤・通学客でなく昼間の観光客の増加ということから、乗車効率は格段にアップすることになる。ご祝儀相場に乗って、株価面でも東京スカイツリー気分を味わってみるのも一興となりそうである。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:37 | 特集
2012年05月18日

『海外を横目に日本の経済・企業業績を見直す』展開=犬丸正寛の展望

『海外を横目に日本の経済・企業業績を見直す』展開=犬丸正寛の展望 来週(21〜25日)は、『海外の悪材料を睨みながら国内の景気・企業業績を見直す展開』が予想される。NYダウは5月1日の高値から6.7%下げ、日経平均は3月27日の1万0255円から14%超の下げ。NYダウに下げ余地は残るものの、日経平均は底打ちが近いとみられる。

 とくに、日本の場合は経済、企業業績とも海外に比べると悪くない。今年1〜3月のGDPは実質で年率4.1%増と好調。復興需要による押し上げと、節約疲れによる個人消費の少し贅沢品消費の効果が出ている。

 企業業績も2013年3月期は押しなべて利益が回復する。日経平均予想1株利益は17日時点で755円と、4月頃の450円程度から大きく上向いている。

 ただ、日経平均が1万0255円をつけた頃の1株利益の期待値800〜850円に比べると物足りない。しかし、この間、日経平均が14%超も下落しており、企業業績との対比では相場は下げ過ぎている。言うまでもなく、ギリシャ問題などヨーロッパを中心とした海外材料の圧力がかかったためだ。

 ギリシャの再選挙が6月17日(日)に決まった。まだ、1ヶ月も先である。世界のマーケットは、ギリシャのユーロ離脱まで織り込んできつつあるようだ。しかし、選挙が終るまでは結論は出ない。この先、1ヶ月間は様子を見るより仕方のない空白期間になる。海外材料が空白なら、日本のファンダメンタルズ堅調が見直される可能性はあるだろう。

 もちろん、日本の産業も好不調のまだら模様ですべてが良好ではない。復興と消費は堅調でも設備投資、住宅投資は低調気味。自動車好調でエレクトロニクスは低調である。

 日経平均は海外マーケットの動向を見ながら、海外が落ち着けば15日線の位置する9180円前後までは反発する可能性がある。海外に比べ日本の経済、企業業績は良好であることを見直すべきである。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:39 | 特集