
今年最大の世界的なスポーツイベントであり、世界中で関連ビジネスが活発に展開されるが、日本国内でも、日本代表チーム・選手のスポーツウエアやスポーツ用品関連の販売促進、スポンサー企業による五輪関連商品の販売促進、テレビやネット等を通じての関連広告、そして五輪観戦・観光ツアーの募集など、関連ビジネスが本格化し始めている。
4年に1回、そして冬季五輪も含めれば、2年に1回となる五輪の開催時期が迫るにつれて、株式市場では関連銘柄が物色される傾向を強める。関連ビジネスで恩恵を受ける業界・銘柄だけでなく、日本代表チーム・選手が活躍してメダルを獲得すれば、そのチーム・選手の所属企業やスポンサー企業が注目されることもあるようだ。
前回2008年の夏季五輪(中国・北京五輪)の開催前には、ゴールドウイン<8111>(東1)が特に注目された。水泳競技で海外の有力選手が、英スピード社の競泳用水着「レーザー・レーサー」を着用して好記録を出し、メダル獲得が期待された。そしてゴールドウインは「レーザー・レーサー」の日本での製造販売権を持っていたため、収益に寄与するとの思惑が広がった。
今回の英国・ロンドン五輪では、このような事前に注目を集める商品は、現時点では特に見当たらない模様だが、日本代表チーム・選手の中では、特に女子サッカーの「なでしこジャパン」の活躍が期待されている。
2011年に開催された女子ワールドカップ・サッカーでの優勝は日本中を興奮させた。そして国内女子サッカー「なでしこリーグ」の注目度が高まり、代表選手を多数抱える「INAC神戸レオネッサ」のスポンサーで、当時は無名だった「黒糖ドーナツ棒」が話題となり、知名度が一気に高まった。今回の英国・ロンドン五輪でも、スポンサー企業などが注目される可能性があるだろう。
電通総研は、今回の英国・ロンドン五輪に関する経済効果として、日本国内の経済波及効果を8037億円と推計している。そして、直接的な国内消費の押し上げ効果は3687億円と推計している。
前回2008年の中国・北京五輪時に比べて、日本からの距離が遠いことなどを主因として、五輪観戦ツアーの規模が小さくなることや、テレビ中継が深夜になることなどで、経済波及効果は小さいとみられている。
ただし、日本代表チーム・選手の活躍次第では、大いに盛り上がり、経済波及効果が想定以上となる可能性はあるだろう。
【特集:ロンドン五輪関連銘柄】
・(2)用品メーカー、卸売・小売、広告・放送関連
・(3)注目度高い「なでしこジャパン」