
この原発事故と同様に、兜町も、「掉尾の一振状態」のようである。決して「掉尾の一振」ではない。やはりカギカッコ付きである。師走相場も、残り2週間の最終盤で「尾」であるのは間違いないが、「掉尾の三振」と決め付けるのはまだ早いものの、「掉尾の空振り」、「掉尾の見送り」臭い相場ムードが濃くなっているからだ。
相場は、「期待で買って現実で売る」といわれるが、「掉尾の一振」を支えてくれるはずの期待材料が、工程表通りの進展になってくれないのである。日銀短観の大企業製造業の業況判断指数悪化がそうだし、中国・上海総合株価指数の年初来安値更新、米国クリスマス商戦の足踏み、原油・金の資源価格の急落、さらに国内IOP(新規株式公開)市場人気の起爆剤視されたネクソン<3659>(東1)の市場の事前予想を下回る低調な初値形成などと、期待材料が次々と裏目に出ている。
勢い相場は、局地戦、ゲリラ戦にならざるを得ない。期間・値幅限定の短期戦で、これこそ、「掉尾の一振」、「モチツキ相場」と歓迎して腕を撫する投資家も少なくないだろうが、当然、参戦投資家までもが限定される。一般投資家は、野田佳彦首相の宣言を待つことなく、自ら「掉尾の一振」か「掉尾の一振状態」か見極めて、年末年始相場を乗り切る以外にない。
そこで参考になるのが、毎度おなじみのスケジュール投資である。経済・政治の工程表、あるいは決算発表、銘柄異動などを先取りし、期待感が高いうちに1回転、2回転を狙う投資戦術である。時節柄、書店の店頭に並ぶ投資情報誌の新年号やネット情報サイトに掲載の年間スケジュールをチェックして関連株をリサーチすることになる。(続きと詳細は「浅妻昭治のマーケットセンサー:メールマガジン」に掲載。果たして注目銘柄は?)
浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。