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記事一覧 (09/04)『台風12号で災害列島見直しへ』求められる災害に強い国土造り=犬丸正寛
記事一覧 (09/03)『アメリカ雇用統計悪化がマーケットに与える影響』は?=犬丸正寛
記事一覧 (09/02)『野田新内閣の船出』を祝う相場展開へ=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (09/02)海外の豪邸を垣間見て…不動産株=田北知見の銘柄ウオッチ
記事一覧 (08/29)【話題】民主党新代表は野田氏!マーケットは期待と不安が半々
記事一覧 (08/29)「政策待ちに政策なし」か?メガソーラー関連株で「ご祝儀相場」の打診=浅妻昭治
記事一覧 (08/27)新内閣に対する期待と不安の入り混じった相場へ=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (08/26)マイカーのタイヤ取り替えから連想して、ゴムセクターを見てみた=田北知見の銘柄ウオッチ
記事一覧 (08/22)波乱相場をちょっとしたサプライズ!コロナとダイニチ工業の株価急騰=浅妻昭治
記事一覧 (08/19)『秋待つ直前の様子見相場』政治、経済とも具体的展開待ち=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (08/19)『空海と密教美術展』から連想した銘柄=田北知見の銘柄ウオッチ
記事一覧 (08/15)米国NY商品取引所の金先物取引の証拠金引き上げ、なぜ取引規制が強化されたのか?=浅妻昭治
記事一覧 (08/14)【金融波乱を検証】プロ運用者の基本はS&P500=杉山哲夫氏にNY相場と為替を聞く
記事一覧 (08/12)『日本株独歩高への助走相場』を予想=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (08/12)『戦争の世紀を超えて』を読んで、連想株を見てみた=田北知見の銘柄ウオッチ
記事一覧 (08/10)【犬丸正寛の銘柄カルテ】JPホールディングスは今期営業利益10億円突破へ
記事一覧 (08/08)株価にチグハグ感が!下期回復と下期減速との両極端の景気見通し=浅妻昭治
記事一覧 (08/05)NYダウ横目に『閑散の中で下値模索』の動き=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (08/05)『ヒロシマ:グラウンド・ゼロ』展から連想して、写真関連株=田北知見の銘柄ウオッチ
記事一覧 (08/01)「任天堂にソニー・ショック」の再来?なぜ小幅安でとどまったか?=浅妻昭治
2011年09月04日

『台風12号で災害列島見直しへ』求められる災害に強い国土造り=犬丸正寛

【今日の出来事&マーケット】

■「コンクリートから人へ」の見直し急務

『台風12号で災害列島見直しへ』求められる災害に強い国土造り=犬丸正寛 台風12号が週末に列島を襲った。最初は関東直撃かと思われていた。方向転換して四国、近畿に集中豪雨をもたらした。NHKの報道では亡くなられた方は11名、行方不明者25名という。大惨事である。

 台風が日本に来るのは今に始まったことではないものの、気になるのは、年々、被害の規模が大きくなっていることだ。とくに、降雨量が半端でない。今回も、わずか数日の間に1800ミリに達したところもあったようだ。テレビ中継でも、水害に見舞われた方が、「経験したことのない雨」と、そろって口にされている。

 これまで、安定した降雨に恵まれ、緑いっぱいの日本は美しき国であった。しかし、これほどの豪雨に見舞われると、もはや、「熱帯」であり、「アマゾン」のようである。

 根本的に災害対策を考える必要がある。人の住める場所を改めて見直す必要があるだろう。筆者は過疎地の出身である。少ない住人のために大々的な治水、災害対策を求めることには無理があるだろう。故郷は誰にとっても大切。しかし、前提条件となる「自然」が変わってしまった。列島地図を精査して安全に近い地域、場所を選び出し、そこには集中して安全対策を講じることが求められるのではないか。

■「建設株」の見直し機運が台頭

 今年は東日本大震災に見舞われた。津波に襲われたところには住むことはできない。津波だけではない。台風による洪水で家が流され、土砂崩れで家屋が押しつぶされた。これからも異常な降雨量が続くことになれば安全な場所に移るより仕方ない。

 政権を取った民主党は、「コンクリートから人へ」を打ち出してきた。しかし、今、これだけの災害に見舞われていることから政策は見直す必要があるのではないか。「人のためにコンクリートは大切」なのだ。

 長らく低迷してきた「建設株」に、今回の東日本大震災と毎年発生する洪水によって、見直し機運が台頭するものとみられる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 20:22 | 特集
2011年09月03日

『アメリカ雇用統計悪化がマーケットに与える影響』は?=犬丸正寛

【今日の出来事&マーケット】

■マーケットは「景気刺激の催促」を強める

犬丸正寛 週末2日に発表された「8月のアメリカ雇用統計」は、非農業部門の就業者数の伸びは前月比横ばいと発表された。これを受けて2日のNYダウは一時282ドル安まであり、終値は253ドル安の1万1240ドル。週明けのマーケットはどう動くか。

 これで、7月まで10ヶ月連続で続いた就業者の増加が止まった。通信大手企業のストの影響が大きかったといわれるものの、それを吸収できなかったところにアメリカ景気の足腰が弱くなっていると受け取られた。

 しかし、これによってNYダウが、これ以上大きく下がることはないだろう。実際、去る8月9日の安値1万604ドルに対しては十分な余裕がある。機関投資家等が見る「S&P500」についても、2日の終値は1173ポイントと、去る8月9日の1101ポイントに対し6.5%上にある。

 今回の雇用者数横ばいは、政府に対し景気対策を催促する働きがある。既に、NYダウは景気対策を催促して、8月9日の安値1万604ドルから9月1日には1万1716ドルまで10.4%値上りしていた。今回の悪い雇用統計によって、見出し的効果は大きく、「催促」はいっそう強まるものとみられる。

 実際、早速、オバマ大統領は8日にも景気対策についての声明を発表するという。さらに、9月20日、21日にはFOMC(米連邦公開市場委員会)で景気対策「QE3」(第3次量的緩和)が検討されるもよう。

■悪いことを放置できないのが政治の役目

 足元の統計数字が悪いからといって、今は弱気は禁物である。悪いことを放置することはできない。「悪いからこそなんとかするのが政治」だからだ。これから、8日の大統領声明、20〜21日のFOMCの景気刺激策の本気度をマーケットは読み込んでいくだろう。

 仮に、8日の大統領声明が期待されるものでなければマーケットは、もう一段下げて催促の動きを強めるものとみられる。

 NYダウが波乱含みながらも催促相場を強めることは日本のマーケットにとっても悪い話ではない。日本でも「野田新内閣」による「経済復興」を買う相場が予想されている。猛暑のあとの今年の秋は、日米とも政治に対する期待が一段と強まっている。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 22:46 | 特集
2011年09月02日

『野田新内閣の船出』を祝う相場展開へ=犬丸正寛の相場展望

『野田新内閣の船出』を祝う相場展開へ=犬丸相場展望 来週(5日〜9日)は、『野田新内閣の船出』を祝う相場展開だろう。実際、マーケットの反応は評価したものとなっている。

 たとえば、民主党の代表選挙で野田氏が代表に選ばれた8月29日(月)の日経平均終値は8851円。衆参で首班指名された30日は8953円、そして組閣が出来上がりスタートした2日(金)は8950円。代表選挙から組閣までの動きでは、「堅調」といえる展開だ。

 この背景には、菅総理が6月2日に退陣表明して以降、ガタついた政局が落ち着いたことがある。菅総理は9月以降も続投かとも思われたが、引け際は、それまでの態度とは一変して、さっぱりしたものだった。さすがである。むしろ、国会会期の終盤では、今にして思えば、敢えて、悪役的に振舞われた感じも受ける。それによって、「野田丸」の船出はずいぶんと荷が軽くなったのではないか。

★「復興」が一大テーマ

 日本には取り組む課題は多いだけに新内閣は思い切ってやれるはず。とくに、優先順位をつけるなら、「復興」と「アメリカとの関係強化」、そして、「TPP(環太平洋経済連携協定)対応」だろう。

 早速、新内閣は対米強化に向け動き出している。これも、行動力が乏しいといわれた前内閣のことがあるはずだ。エネルギー問題もあるが、菅内閣が道筋をつけたことで、内政では「復興」に全力で取り組むことができる。この復興については、与党内からも野党内からも反対はできない。少なくとも年内は「復興」を掲げて進むことで安定した航海が予想されそうだ。

 ただ、具体的な政策段階になってくると温度差は出るだろう。たとえば、復興策についても、話題となっている「カジノ構想」については賛成派と反対派に分かれることが予想される。また、締め切り時間が迫りつつある「TPP」にしても同様で、全員が賛成ということにはならない。ましてや、日米間の懸案の沖縄基地問題は簡単ではない。政権を揺るがす問題となる可能性さえ含んでいる。

★9150円を抜けば1万円へ航海開始も

 一般に「新政権100日」といわれ、穏やかさが予想される。しかし、具体的政策となるほど厄介な問題ばかりだけに、場合によると、「新婚(新内閣)100日のアツアツ期間」を待たず、荒れ始めることも無しとはいえない。

 それでも、当面は全員が異論のない「復興」をテーマにマーケットは「復興相場」を買う展開だろう。日経平均は上値のフシである8月16日の9150円(場中高値)をどの時点で抜くかが見所。早い時期に抜くようなら1万円を目指した航海が予想される。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:23 | 特集

海外の豪邸を垣間見て…不動産株=田北知見の銘柄ウオッチ

田北知見の銘柄ウオッチ 最近、アメリカの不動産サイトを見ることにハマッている。といってももちろん、買えるわけでもないのだが(笑)、見ているだけでもなかなか楽しいのでハマッているのだ。土地と建物あわせて数億円〜数十億円するような豪邸がたくさん紹介されていて、たとえていうと雑誌でセレブの生活を垣間見るような、そんな楽しさである。

 ネットで紹介されている物件のほとんどは中古の転売物件だ。そのためか、サイトの写真を見る限りでは、家具やインテリアが整っている。豪邸の場合、しつらいはインテリアデザイナー等のプロに依頼するのがほとんどであり、家具やインテリアは個人的な持ち物というより、家に付属している物という感覚が強いからだろうか。まるでインテリア雑誌の美しいビジュアルを眺めているようで楽しい。物件によって、まるでミニ・ホワイトハウスみたいな「いかにもアメリカの豪邸」だったり、美術館のようなアバンギャルドな建物&インテリアだったり、木と石を多用したクラシック風、モダン、スペイン・中米風、地中海風…と、いろいろな物が見られる。

 また、高い物件には、ほとんどプールと暖炉とホームシアターがついている。これもアメリカ人(というか、欧米人全般?)の志向や価値観を見るようでおもしろい。そして、やはり思うことは、「同じくらいの金額を出すなら、日本よりもアメリカのほうが、より広くより立派な地所と建物が買えるのだなあ」ということだ。

 上記の文とは関係ないが、連想して、不動産銘柄を見てみた。

★野村不動産ホールディングス〈3231〉(東1)

 マンション開発・分譲、不動産の資産運用事業などを行なっている、野村不動産ホールディングス〈3231〉(東1)を入れる。2日終値は38円安の1162円。単位100株。PERは約15.8倍、PBRは約0.7倍となっている。チャートはこの1ヵ月ほど、1450円ラインから1100円ラインへ続落トレンドとなっていたが、8月24日に直近安値1109円をつけて以降は反発している。底値圏の拾い時と見て、まずは1300円フシ上抜けを目指す。少し古くて恐縮だが、8月1日付けの野村証券のレーティングでは、「Buy」(買い)、目標株価1700円とされた。

★住友不動産販売〈8870〉(東1)

 マンションなどの個人仲介事業を中心に、受託販売事業なども行なっている、住友不動産販売〈8870〉(東1)を入れる。2日終値は35円安の3310円。単位10株。PERは約13倍、PBRは約1.5倍となっている。チャートは8月23日につけた直近安値3060円からの反発局面となっている。が、中期で見ればまだ安値圏。昨日と今日は2日続落で、押し目の拾い時と見る。まずは3500円フシまでの戻りを目指す。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 15:42 | 特集
2011年08月29日

【話題】民主党新代表は野田氏!マーケットは期待と不安が半々

【注目される「外国人投資家」の動き】

■財政悪化食い止めには期待

話題 29日(月)14時40分頃、民主党の新しい代表が決まった。決戦投票の結果、野田佳彦候補が海江田万里候補を破って新代表に就いた。しかし、途中まで前日比129円高と買われていた日経平均は、終値では前日比53円高の8851円と伸び悩んだ。今日の動きは期待と不安が「半々」だったようだ。

 マーケットでは、菅総理が6月2日に退陣表明をして以降、ガタついていた政局が落ち着いたことに対しては一応の評価をしている。また、財政畑の野田氏が財政立て直しに積極的に取り組むものとみられることから外国投資家の見直しが予想されることにも期待が持たれている。

■党内に亀裂の火種も

 しかし一方で、(1)小沢一郎氏の推していた海江田氏が敗れたことで党内にさらなる波乱の火種が残ってしまった、(2)野田氏の打ち出している大連立政権構想の行方が気になる、(3)野田氏は増税論者であり、増税が先行すれば景気に対して悪影響が予想される、(4)外交手腕は未知数、といった懸念も出ている。

 言うまでもなく今の日本は、「震災復旧・復興」、「財政立て直し」、「少子高齢化・人口減少による国力低下」、「年金・医療福祉問題」、「円高圧迫」、「領土など外交問題立て直し」など内外に問題が山積している。しかも、優先順位をつけることができないほど、全てが重要で、しかも急がなくてはいけない。

 ただ、「演説を聞いた中では、一番、お腹から声が出ていたのは野田氏だったように思われる。意志の強さを感じた人は多いのではないか。こういう大変なときは、筋論に強いだけでなく意志の強さが大切である。この点は新総理として期待できるのではないか」(中堅証券)との期待も。

■増税による景気への影響懸念

 株にとって増税は嫌な材料。仮に、増税が先行するなら株価は軟調となることも予想される。しかし、財政悪化を放置しておくとギリシャのことは他人事ではなくなる。悩ましい問題である。最終的には国民がどちらを採るかにかかってくる。もちろん、民主党が2年前に、「ムダを削ることなどで16.8兆円の財源を用意する」といって政権を取ったときの約束には手がついていないことは国民は覚えている。

 こうした難題を野田新代表(新総理)が強いリーダシップで乗り越えることができるかどうか。こういう問題には割り切って判断のできる外国人投資家の動きを見ておくことは大切のように思われる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:27 | 特集

「政策待ちに政策なし」か?メガソーラー関連株で「ご祝儀相場」の打診=浅妻昭治

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 「両論併記」、「玉虫色」、「先送り」――――これは、いずれも政治決断ができない日本の政治家の特徴を表すといわれる慣用語である。前週末8月26日のバーナンキFRB(米連邦準備理事会)議長の講演は、どうもこの慣用語がふさわしかったようである。世界中のマーケット関係者が期待した金融の量的緩和策第3弾(QE3)について、「期待外れ」とも「期待通り」ともどちらにも取れる内容だったからだ。

 その証拠に、NYダウは、講演直後は220ドル安と続急落したものが、大引けでは134ドル高と急速に持ち直した。弱気も強気も、どちらも当たり屋で曲がり屋となり、正解は、9月20〜21日開催の次回FOMC(米連邦公開市場委員会)まで先送りなったわけだが、こんな日計りの高速エレベータ相場に揺さぶられた米国の投資家には同情を禁じ得ない。

 相場格言は、「押し目待ちに押し目なし」と教えているが、同じように「政策待ちに政策なし」とはならないことを願うばかりである。だいたいリーマン・ショック後の米国経済は、住宅不況、雇用不安に債務不安が重なって、バブル崩壊後の「失われた10年」にあえいだ日本経済と同様に「日本化(ジャパナイゼーション)」が懸念され、打ち出される政策も限定されてきた。金融政策のガバナンスも、調整型とする日本化はいたし方のないことなのかもしれない。

 政策不安は、米国ばかりの専売特許ではない。わが日本は、「1000年に一度」の大災害に見舞われ、為替相場で円が、史上最高値を更新しているのに、ただただ「注視する」だけで、対策は後手、後手に回るなどもっと深刻である。きょう29日には、民主党の代表選挙が投開票され、次期内閣総理大臣が誕生するが、政策の遅れを挽回してスピードアップが図られるのか不透明である。代表選の告示からわずか3日で投開票と、立候補者5名の政策論争はほぼ皆無で、政策の違いより「親小沢」か「反小沢」かを争点とする多数派工作で、大勢を決すると観測されている。これでは、次期首相に敬意を表する「ご祝儀相場」も、期待薄とならざるを得ない。(続きと詳細は「浅妻昭治のマーケットセンサー:メールマガジン」に掲載。果たして注目銘柄は?)(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:09 | 特集
2011年08月27日

新内閣に対する期待と不安の入り混じった相場へ=犬丸正寛の相場展望

新内閣に対する期待と不安の入り混じった相場へ=犬丸正寛の相場展望 来週(29〜9月2日)は、『新内閣に対する期待と不安の入り混じった相場』が予想される。期待は、「日本株式会社」に対する再生である。自民党時代の政策が、利権構造的で強い者優先だったとすれば、民主党政権の政策は「コンクリートから人へ」に象徴される庶民に軸足を置いたものだった。

 そのことは、決して、間違いではないものの、分配優先的なバラ撒き政策の色合いが強いものだったことは否定できない。人は、貰うことのクセがつくと、苦労して稼ぐことより貰うことに意識が強まる。当然、そのことは財政を悪化させる。さらに、増税で帳尻を合わせようとすれば企業の国際競争力は削がれる。この点に対する「不安」がある。

 しかも庶民、大衆に視線を置くあまり、国際的な日本の存在感が薄くなってしまった。つまり、外交力低下への「不安」である。とくに、尖閣諸島では他国の戦艦が出没、完全になめられている。北方領土など、領土問題に対する日本の立場は民主党政権になって明らかに悪化した。アメリカとの間の沖縄基地問題も未解決のままだ。「外交力」アップは避けて通れない。

 菅内閣からバトンを受ける内閣はどのような方針を打ち出すか。誰が総理になろうとも、震災からの「復興」は最優先課題である。と同時に、日本国債の格下げなど悪化する財政の再建も待ったなし。

 幸い、日経平均は8月9日の8656円を割り込み、22日には8619円まで下げたものの、そのまま下へ行くことはなかった。NYダウも波乱となりながらも下値を固め反発に転じている。今後もNYダウは、「QE―3」(3次金融緩和政策)を催促する動きとみられる。マーケットは落ち着きを見せている。当然、新内閣への「期待」が込められているとみられる。

 まもなく発足する新内閣。「国内政策」と、「外交政策」の両面に対して強いリーダーシップが求められる。凝縮して言えば、「稼ぐこと」と、「福祉・豊かさ」のバランスの取れた国づくりである。「人もコンクリートも両方大切」なのである。最近の企業のトップ人事異動をみていると、本業に強く、稼ぐことのできる人が就いているケースが目につく。当然、「日本株式会社」の社長である総理も稼ぐことと、社員(国民)の幸せを考えられる人が求められるはず。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:12 | 特集
2011年08月26日

マイカーのタイヤ取り替えから連想して、ゴムセクターを見てみた=田北知見の銘柄ウオッチ

田北知見の銘柄ウオッチ 先日、家人がマイカーのタイヤを取り替えた。私は自分専用の自家用車を長期にわたって保有した経験がないため知らなかったのだが(無知でお恥ずかしい…)、クルマって、ある程度の期間、乗っていると、タイヤが磨り減ってきて安全性や燃費の面で良くないので、新しいタイヤを購入して付け替えるものらしい。その値段が、私から見ると結構な額なので、「えっ?タイヤってこんなに高いの?」と驚いた。もちろん、リーズナブルな商品はあるし、交換の工賃も、チェーン店のようなところに頼めば比較的廉価にできるそうだが…。

 また、家人がニュースで見たという話によると、タイヤメーカーは円高なのに(円高だから?)業績が良いらしい。過日は業績予想の上方修正も発表されていた。そこでネットのニュースを検索してみたところ、ヤフーニュースのサイトで、ロイターの「タイヤ各社に円高・資源高への抵抗力 通期業績は上振れ期待も」という記事を見つけた。これによると、主要原材料である天然ゴム価格が落ち着いたこと、収益源である市販用タイヤはメーカーの価格決定力が強いこと、新興国での今後の伸長期待、などが指摘されている。

 東証1部業種別株価指数のランキングを見たところ、8月26日の大引けはゴム製品セクターが前日比の伸び率トップとなっていた。そういうわけで、ゴム製品セクターの銘柄を取り上げてみる。

★横浜ゴム〈5101〉(東1)

 タイヤの国内3位で、ドイツのコンチネンタル社と提携している、横浜ゴム〈5101〉(東1)を入れる。26日終値は11円高の424円。単位1000株。PERは約13.2倍、PBRは約0.9倍となっている。チャートは7月14日と同21日につけた年初来高値489円から反落し、続落トレンドで来ていたが、下値400円フシにあたり、反発局面となっている。まずは440円フシまでの戻りが目標となりそうだ。ドイツ証券は24日付けのレーティングで、投資判断「Hold」(中立)継続、目標株価500円とした。

★住友ゴム工業〈5110〉(東1)

 タイヤの国内2位企業で、欧米ではグッドイヤーと合弁もしている、住友ゴム工業〈5110〉(東1)を入れる。26日終値は43円高の963円。単位100株。PERは約12.1倍、PBRは約1.3倍となっている。チャートは7月20日と同21日に年初来高値1060円をつけたが、以降は反落。この1ヵ月ほどは900〜950円ラインの間でモミ合っていたが、反発のきざしが出ている。まずは前の高値1060円ライン上抜けを目指す。信用残は売り長で、今後、買い戻しが入ってくることも期待できそうだ。ゴールドマン・サックス証券は26日付けリポートで、投資判断「コンビクション」(買い)、目標株価1350円とした。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:08 | 特集
2011年08月22日

波乱相場をちょっとしたサプライズ!コロナとダイニチ工業の株価急騰=浅妻昭治

■石油ストープの特需思惑で再騰した銘柄

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー NYダウが、急騰・急落する高速エレベーター相場に揺さぶられ、為替相場が、ついに1ドル=75円台に突入する円最高値更新と振り回されると、いかに名うての強気投資家でも、「戦意喪失」、「脱力系」とならざるを得ない。「今年の相場は終わった」、「後半相場は撤退また撤退」との嘆き、弱気の声も、悲鳴に近く聞こえてきそうである。

 しかしである。その波乱相場をもう少し微視的にビビッドにみると、ちょっとしたサプライズ、救いがないこともない。その1つが、コロナ<5909>(東1)ダイニチ工業<5951>(東1)の株価急騰である。

 両社株とも、今冬の厳冬需要享受で動意付き、東日本大震災発生で急落したが、その安値から震災後の被災地での石油ストープの特需思惑で再騰、気がつけば大化けをした。とくにコロナは、震災時につけた上場来安値628円が、年初来高値1247円まで5カ月で98%高とほぼ倍化した。

 この急騰について、日経紙の証券市況欄のコラム『まちかど』では、相場格言の「麦わら帽子は冬に買え」を引き合いに出して、今冬の電力不足を先取りする株価の先行特性を発揮したとコメントした。しかし、半年後の冬場を期待して待ち伏せ買いしたはずなのが、7月以降の直近の猛暑の真っ只中で400円幅の急騰を演じたのだから、少なからずサプライズとなった。

■ローテク製品の稀少なメーカー

 しかも、同社株を買った投資家は、個人的な感覚だが、厳冬・電力不足の経験者だろうと推測されることも、サプライズを上乗せした。実は筆者も、この経験を痛いほど味わった一人である。20数年もの昔の大雪が降った朝、拙宅は、半日間にわたる停電に見舞われたことがあった。雪の重みで架線が切断されたのである。この時は、半日間、家族揃って寒さに震えることになった。暖房機器は、エアコンだろうと石油ファンヒーターだろうとコタツだろうと、肝心の電気が停電となり、まったく役立たずとなったからだ。

 当然、こうした緊急事態に備えて、「一家に一台、石油ストーブ」ということで石油スートブの購入に走ることになった。しかもこの石油ストーブは、電気が通じなければ動かない石油ファンヒ−ターでなく、タンクに灯油を給油さえすれば点火できて直ぐに暖が取れるいわゆる開放型の石油ストーブというローテク製品でなければならなかった。

 家電量販店の販売員の説明によれば、このローテク製品は、国内でコロナとダイニチ工が稀少なメーカーで、大手電機メーカーは、すでに石油ファンヒーターも含めて石油ストーブから撤退して、ハイテク技術の粋を集めたエアコンに特化しているというのである。石油ストーブ自体が、ハイテク製品のニッチ(すき間)のローテク製品であり、にもかかわらず社会的存在意義を失っていなかったことになるわけだ(続きと詳細は「浅妻昭治のマーケットセンサー:メールマガジン」に掲載。果たして注目銘柄は?)

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:24 | 特集
2011年08月19日

『秋待つ直前の様子見相場』政治、経済とも具体的展開待ち=犬丸正寛の相場展望

■信用6ヶ月期日も8月で一巡

『秋待つ直前の様子見相場』政治、経済とも具体的展開待ち=犬丸正寛の相場展望 来週(22日〜26日)は、『秋を待つ直前の様子見相場』が予想される。

 NYダウは18日、419ドル安と、再び、大きく下げた。しかし、9日に下げた時の安値に対しては、まだ余裕がある。9日の安値を下回ることがあるのか、ないのか、様子見だろう。

 民主党代表選挙は野田財務大臣で決まりかと思われていた。しかし、次々と候補者の名が挙がり新政権の姿も描き難くなっている。政局も今しばらく様子見だろう。

 一方、「猛暑」もやっと終わりかけた。しかし、こちらも残暑のブリ返しはないのか。このまま秋がくるのか。もうしばらく様子見だろう。

 さらに、EU問題もドイツ、フランスがどのように動くのか。こちらも、様子見の雰囲気だ。

 かくして、社会、経済、政局とも8月末まではしばらく様子見の空気が強い。しかし、そうした中で早くも石油ファンヒーターのダイニチ工業<5951>が急伸して新高値をつけるなど、「冬関連株」の新しい動きも出始めている。

 日経平均は週末19日に8707円と下げたものの、辛うじて去る9日の安値8656円はキープしている。もちろん、3月の震災時下げでつけた安値8227円に対しては十分余裕がある。目下、2月高値1万891円近辺の6ヶ月期日が到来して圧迫となっている。それも8月いっぱいで一巡する。仮に、9日の安値を切る場面はあったとしても大きく下げることはないだろう。まもなく、実りの秋が到来する。今しばらくの辛抱である。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:22 | 特集

『空海と密教美術展』から連想した銘柄=田北知見の銘柄ウオッチ

田北知見の銘柄ウオッチ 東京・上野の東京国立博物館で9月25日まで開催中の『空海と密教美術展』へ行った。『弘法大師』として知られる、真言宗の開祖である空海(774〜835)にまつわる書や仏像など約100点が展示されている。特筆すべきは、京都の東寺から8体の仏像が出展され、規則的に並べられて密教の宇宙観を示す「曼荼羅」を再現した空間。以前、東寺へ行ったことがあるが、そこでは仏像は正面の壇上に並べられて、手前から参拝するだけだったように記憶している。今回は仏像の間を歩き、四方八方から眺めることができて楽しかった。

 また、空海直筆の書が5点、展示されており、「弘法も筆の誤りというが、誤っている箇所はあまり見られないなあ」などと思って楽しんだ。ほかに印象に残ったのは、空海が留学先の唐から帰国する際に、唐で修めた密教を日本で広めるのにふさわしい場所を求めて投げたところ、遠く飛行して高野山中の松の枝に懸かったという伝承の『飛行三鈷杵』。歴史と伝説を感じることができて感動した。いつか和歌山県へ行き、高野山を見てみたいと思った。

 上記の文とは関係ないが、美術展から連想して、社名に「美」のつく銘柄を見てみた。

★能美防災〈6744〉(東1)

 火災報知器の最大手、能美防災<6744>(東1)を入れる。19日終値は8円高の478円と、地合いが軟調な中で値上がりして引けている。単位1000株。PERは約15.3倍、PBRは約0.6倍となっている。チャートは今月に入ってから、400円台後半でモミ合っている。今後の地合いにもよろうが、460円ラインの押し目を拾い、500円フシまでの戻りを目指す。業績は回復基調にあり、買い安心感もある。今期配当金は9月中間期末と2012年3月通期末それぞれ7円50銭の年間計15円予想。現在の株価で利回り約3.1%の計算となる。

★ミズノ〈8022〉(東1)

 スポーツ用品大手のミズノ〈8022〉(東1)を入れる。19日終値は3円安の351円。単位1000株。PERは約18.7倍、PBRは約0.6倍となっている。チャートは今月9日につけた直近安値321円から反発したものの、以降は350〜360円ラインの間でモミ合っている。モミ合い上ばなれで380円フシを目指す。また、今期配当金は9月中間期末と2012年3月期通期末それぞれ5円の年間計10円予想。現在の株価で利回り約2.8%の計算となる。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:21 | 特集
2011年08月15日

米国NY商品取引所の金先物取引の証拠金引き上げ、なぜ取引規制が強化されたのか?=浅妻昭治

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 何か訝しい。米国ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物取引の証拠金引き上げである。この規制強化で連日、史上最高値を更新し、1トロイオンス=1817.6ドルまで買い進まれた金先物価格は、先週末に1751.5ドルと急落して引けた。最高値更新は、欧州の債務危機、米国国債の格下げ、米景気の二番底懸念、ドル安などを背景に「質への逃避」、「無国籍通貨」として金選好を強めたことが要因で、確かに上昇ピッチの速さはバブル的である。しかし、このバブルは、不動産バブルや商品市況の原油、穀物などのバブルとは趣きを異にしているはずだからである。

 日本の不動産バブルは、地価の急騰が、勤労者の住宅取得を困窮化させ、世論のブーイングに尻を叩かれて、時の自民党政権は、地価沈静化の不動産融資総量規制の発動に追い込まれた。原油価格の高騰も、ガソリン価格が上昇し消費者の購買力を奪い、今回の米景気減速の一要因となり、穀物価格の高騰も、世界の飢餓人口を悪化させる弊害を生むことは記憶に新しいところである。

 しかし、こと金価格に関しては、急騰しようが急落しようが、金兌換はすでに、ちょうど40年も前のきょう8月15日の「ニクソン・ショック」で停止されているから、実体経済への影響は無視できるほどに小さく、すべては市場参加者間、自己責任の範囲内にとどまる。

 にもかかわらず、なぜ取引規制が強化されたのか?察するところ、これは欧州の債務不安、銀行株安、米景気減速の裏返しに違いない。欧州の銀行株安が、金融危機再燃の引き金になるとして、株安阻止の空売り規制が発動され、もう一方では、マネーの逃避先の金価格の急騰に歯止めをかける取引規制の強化につながったと推測されるのである。

 もしこの推測が当たっているとすれば、世界各国の政策当局者は、揃いも揃って財政政策にしろ金融政策にしろ危機脱出策の手詰まりに陥っていて、残された「ラストリゾート(最後の拠り所)」として直接、マーケットに手を突っ込む市場介入策に踏み切ったとも解釈されることになる。株価に関しても、すでに日銀が、ETF、REITを市場購入しているが、今後は、株式市場に直接、「真水(カネ)」を注入する「真水相場」がないとは言い切れないのである。(続きと詳細は「浅妻昭治のマーケットセンサー:メールマガジン」に掲載。果たして注目銘柄は?)(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:45 | 特集
2011年08月14日

【金融波乱を検証】プロ運用者の基本はS&P500=杉山哲夫氏にNY相場と為替を聞く

【HORUS Investmentの杉山哲夫代表に聞く】

【金融波乱を検証】プロ運用者の基本はS&P500=杉山哲夫氏にNY相場と為替を聞く ニューヨークで為替等ディーラーとしての豊富な経験を持つHORUS Investment(海外投資運用専門会社=本社・香港)の杉山哲夫代表にNYダウ、為替等について東京事務所で聞いた。

――ニューヨークで、為替のプロとしてご活躍の経験から、今回のアメリカの金融の波乱はどのようにご覧になっていますか。

 【杉山氏】 正直、アメリカ国債の格付けまで下がることまでは予想していなかった。しかし、為替に携わってきた長い経験から、これまでとは違うという直感が働いて保有していた通貨、株などは7月26日に全て売却しました。

■金融・経済の世界に政治が絡むと経験則は通じない

――どのような直感でしたか、是非、お聞かせ下さい。

 【杉山氏】 長い経験の中で、私が基本としていることのひとつに、『金融、経済の世界に政治が絡んでくると経験則が通じなくなり読めなくなる』ということです。もちろん、EUの財政危機の問題もあります。しかし、それ以上に、今度のアメリカの債務上限枠拡大をめぐっては、オバマ民主党と共和党が、来年の大統領選挙を控え政治的な駆け引き材料に巻き込まれたことが大きいと思います。これまでの量的緩和による資金が設備投資、住宅投資などに向うのではなく雇用の増加に結びつかないまま「商品」に流れ込み、実体経済と商品相場が遊離していたという問題のあったことは否定できませんが。

――アメリカは来年、大統領選挙です。

 【杉山氏】 共和党の候補に誰が出てくるかです。テキサス州のペリー候補が出てくるようだと、来年の大統領選挙ではオバマ大統領は苦しくなるでしょう。

■NYダウより「S&P500」が1100ポイント維持するか注目

――NYダウはいかがですか。

 【杉山氏】 その前に、アメリカでは、われわれのようなプロはNYダウで話をすることはありません。このことを申し上げておきます。プロ運用者の基本は、「S&P500」です。NYダウは言うまでもなく、わずか30銘柄で構成されています。S&P500は銘柄全体の60〜70%カバーしています。それでも、敢えて、S&P500とNYダウの関係を言うなら、S&P500の1ポイントは大体NYダウ9ドルていどの変動です。

――そのS&P500は、どのような状況ですか。

 【杉山氏】 リーマンショックの2009年3月に666ポイントまで下げ2010年4〜5月に1920ポイントまで戻した。しばらく、モミ合い、今年5月の1370ポイントまで上げ調整となっています。週末は1178ポイントですが、今後、1100ポイントを維持できるかどうかが最大の見所です。もし、1100ポイントがキープできないと1000ポイントまで下げる心配があります。そうなると、S&P500とNYダウの関係でいえば、NYダウは900ドル下げることになります。当然、日経平均も9000円割れの心配が強まります。

■米国10年債の金利3.25%で一気に円安へ

――円高はどうでしょうか。

 【杉山氏】 以前から、今年の年末から円安方向とみていました。ただ、アメリカの金融政策当局が2013年半ばまでは低金利政策を続けると表明したことで、円安に向う「時期」については読み難くなりました。しかし、日本の政権交代もあるので、日本にとって特別、悪い材料はありません。1ドル=75円を大きく上回るような円高にはならないとみています。今後、とくに注意しておくべきは米国10年債の金利です。現在の2%が、もしも3.25%程度へ今より1%ていど高くなれば、円安(ドル高)が鮮明となるとみています。個人投資家の方は米国債金利が3%を超えてくるかどうかを注意してみておくべきです。そうなれば、ドル・キャリーから円・キャリーの動きが強まります。

――ありがとうございました。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 20:05 | 特集
2011年08月12日

『日本株独歩高への助走相場』を予想=犬丸正寛の相場展望

★菅総理の置き土産で一気に「復興」のツチ音高まる

『日本株独歩高への助走相場』を予想=犬丸正寛の相場展望 来週(15〜19日)は、『日本株独歩高への助走相場』が予想される。日経平均の週足チャートは、今週、安値8656円まであって、3月の震災時下げでつけた安値8227円へ残り420円余に接近した。年初来高値1万0891円(2月18日)から、日柄でほぼ6ヶ月、下げ率20.5%。とくに、日柄調整的には、いい頃合に来ている。

 下げの背景は、EUの金融不安、イギリスの社会的不穏な動き、アメリカの初めての国債格下げ、中国など新興国の物価抑制策など。世界の金融・経済の天気図に超大型台風並の嵐が現れている。その中で、特別、日本が強いということではないのに「円高」が続いている。

 しかし、その「円高」について腕組みして考えると、分からないではないことがある。日本の「震災からの復興」である。菅総理が退陣される。総理の思いで、赤字国債発行など復興への態勢が整えられた。予想される9月からの新内閣では「復興」が前面に出てくる。しかも、野党も協力ということから「復興」へのツチ音は一気に高まるものとみてよいだろう。

 今、世界を見渡して、思い切った公共投資がやれるのは日本だけである。もちろん、「復興」という看板のもとに。資金手当てのメドもついた。これからは、何を復興の中心とするかである。当然、大震災という災いを転じて福と成すための、大きい発想、仕組みが期待できるだろう。

 当然、株式マーケットには、「復興関連」という一大テーマの登場は願ってもないことである。3月11日の大震災発生から5ヶ月。阪神淡路大震災のときも震災発生から5ヶ月目でTOPIXは底打ちして、その後、1年上昇という大きい相場につながった。今回も震災発生から5ヶ月目の8月は間違いなく転機となるはずだ。もちろん、向こう1年間の上昇相場への期待を込めて。

 こうした見通しを立てることができるマーケットは、世界において日本だけだろう。ここに、『日本株独歩高』となる素地がある。それを、円高が現しているとしたら悪い話ではない。当然、復興に関連した「内需関連株」が主役である。日本株活躍の助走相場が始まるとみてよいのではないか。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:20 | 特集

『戦争の世紀を超えて』を読んで、連想株を見てみた=田北知見の銘柄ウオッチ

田北知見の銘柄ウオッチ 今、『戦争の世紀を超えて〜その場所で語られるべき戦争の記憶がある』を読んでいる。東大教授の政治学者、姜尚中と、ドキュメンタリー映画監督でありノンフィクション作家でもある森達也が、ポーランドのアウシュビッツや、ドイツのベルリンの壁跡、日本の市ヶ谷記念館、朝鮮半島の38度線の国境地域など、戦争の「跡地」へ行き、戦争等についていろいろ語り合った内容を収録した本だ。

 この時期だから読んでいるわけではなく、数ヵ月前から読み始めて、他の本を読む合間に少しずつ読み進んできたのだった。私は普段はそんな読み方はせず、本は一気に読んでしまうタイプなのだが、この本については、なにしろ内容が重たくて、真剣にのめりこむのがこわくて、ある時などは、電車で読んでいて涙がとまらなくなり、かなり恥ずかしい状態になったりしたので(汗)、そういう読み方をすることにしたのだ。

 まだ全部を読んだわけではないが、今まで読んだ限りの印象では、戦争や過去を糾弾するというよりも、「人間は、そういうことをしてしまうものだ」といったん受け止めた上で、「どうしてなのだろうか」「じゃあ、どうすればそういうことが無くなるのか」と考える…というようなトーンであるように思う。ウェットになりすぎず、かといって ひどくかわいた感じでもなく、人としての正しさを求めつつ、でも声高に正論をふりかざすわけでもない…。そんな語り合いであるように思うのだ。

 上記の本や内容とは関係ないが、戦争→広島・長崎と連想して、そこから連想した銘柄をふたつ、見てみた。

★三菱重工業〈7011〉(東1)

 三菱重工業<7011>(東1)の12日終値は7円安の331円。単位1000株。PERは約31.8倍、PBRは約0.9倍となっている。チャートはこの1〜2ヵ月、高値圏の380円台から330円台へ、地合いの軟化等を背景に、続落トレンドで来ている。今後の地合い等にもよるが、そろそろ320円フシにあたり反発か。まずは25日移動平均線の360円ラインまでの戻りを目指す。10日付けのSMBCフレンド調査センターのレーティングでは「強気」、同日付けのみずほインベスターズ証券のレーティングでは「2+」と、いずれも好レーティングが出ている。

★マツダ〈7261〉(東1)

 マツダ〈7261〉(東1)の12日終値は5円安の172円。単位1000株。PERは約122.9倍、PBRは約0.7倍となっている。チャートは7月8日につけた直近高値223円から反落し、以降はモミ合う場面がありながらも、続落トレンドで来た。今後の地合いや為替動向にもよるだろうが、170円フシにあたり、そろそろ反発のタイミングと見たい。まずは13週・26週移動平均線の200円ラインまでの戻りが目標となりそうだ。今月3日付けのSMBCフレンド調査センターのレーティングでは、「強気」とされた。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:33 | 特集
2011年08月10日

【犬丸正寛の銘柄カルテ】JPホールディングスは今期営業利益10億円突破へ

■子育て支援施設148ヵ所運営の最大手

犬丸正寛の銘柄カルテ 【状態】 JPホールディングス<2749>(東2)の株価の状態は、今年5月27日に株式2分割の権利を落とし、目下、新しい相場形成の動き。5月26日の権利付最終値1387円に対し、704円で寄り付き、その後の高値は6月6日の765円、安値は8月9日の690円で、10日(水)は13円高の720円。堅調な推移といえる。

 一方、業績の状態は、とくに、ここに来ての伸び好調が目立っている。営業利益でみれば、2006年3月期の1億円が2011年3月期には8億3900万円、さらに、2012年3月期予想では11億5000万円と10億円を突破、6年間で11.5倍の急成長である。

 今年6月末で保育所102園、学童クラブ39施設、児童館7施設の合計148ヶ所の子育て支援施設を運営する日本最大の子育て支援企業。同社社長は内閣府「子ども子育て新システム幼児一体ワーキングチーム」の委員を務める。

■中期4ケタ相場が有望

 【見通し】 今回のアメリカ国債格付引き下げによる全般相場の下げで690円と権利落後の安値はつけたものの、5月30日の安値691円を僅かに下回った程度で二番底形成の可能性が強い。子育て支援事業における保育所のニーズは依然として高水準で事業環境は明るい。引き続き好調が予想される業績を手がかりに株価は権利落後の高値に進むものとみられる。

 【対応】 去る5日に発表した第1四半期(4〜6月)では、前年同期比34.7%増収、営業利益4.3倍と好調。認可園が中心のため4月1日での施設開園が大半。このため、第1四半期でコストが発生、第2〜第4四半期と後半に行くほど利益が出る。今期に入って保育所19園を開設している。もちろん、国からの助成金が出る。

 2012年3月期は、営業利益は前述の通り10億円台に乗せる。売上は29.8%増の119億円、純益36.4%増の6億8200万円、1株利益40.9円の見通し。配当は年13円の予定。今後も年間で保育所20施設の開設を計画、高成長が続く見通し。中期計画において平成26年3月期に売上179億円、経常利益17億9000万円(今期予想11億9000万円)の見通し。

 PERは17倍台。業績の高い伸びを見込めば上値余地は見込める。中期ならPER24倍強の1000円相場も見込めるだろう。押し目買いでよいだろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:20 | 特集
2011年08月08日

株価にチグハグ感が!下期回復と下期減速との両極端の景気見通し=浅妻昭治

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 「理論家は弱気」とは、兜町の通り相場である。しかし、理論家やその対極に位置する直感派ならずとも、この週明けの株式相場は、弱気に傾かざるを得ない。アゲインストな材料が多過ぎる。なかでもポイントは、為替相場の動向である。円高・ドル安が、はっきり円安・ドル高に反転することが確認できれば、急落相場をリセットし、下げた株ほどよく戻る「リーターン・リバーサル」も可能となるが、どうも期待薄だからだ。

 唯一の頼みは、週末に相次いで伝えられた先進7カ国(G7)の財務省・中央銀行総裁会議の電話協議である。欧州の債務不安や米国の景気減速懸念を払拭する金融安定化策が打ち出されるとされているからだ。しかし、8月2日の米国の連邦債務上限引き上げ法案の可決にしろ、8月4日の日本政府・日銀の円売り単独介入にしろ、後手、後手で、いささか「証文の出し遅れ」の感があった。

 案の定、米国の国債は、法案成立後に「トリプルA」から「ダブルA」に格付けを1段階引き下げられ、為替相場も、一時1ドル=80円台まで円安へ動いて敬意を表したのも束の間、単独介入の足元を見透かされて、また78円台へと揺り戻した。これを押し戻すだけの迫力のあるG7の協調行動があるのかないのか、週明けのG7電話協議や9日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)を待たなくてはならない。

 こうした為替相場や景気動向、株価のチグハグ感は、実は前週末に発表のピ−クを過ぎた3月期決算会社の第1四半期(4〜6月)業績にも表れていた。「神は細部に宿る」のである。トヨタ自動車<7203>(東1)ホンダ<7267>(東1)の自動車大手2社の業績上方修正と、イビデン<4062>(東1)ソニー<6758>(東1)任天堂<7974>(大1)東京エレクトロン<8035>(東1)の電機関連大手の下方修正である。

 自動車大手の上方修正は、東日本大震災のよるサプライチェーン(部品供給網)寸断が復旧して、上期の落ち込んだ自動車販売が下期に持ち直し販売台数が期初予想より上ぶれることを要因としている。これに対して電機関連大手の下方修正は、とくに半導体関連では、頼みの携帯電話・スマートフォンが在庫調整期入りし、この調整が長引くことを要因としている。要するに、下期回復と下期減速との両極端の景気見通しに分かれているのである。(続きと詳細は「浅妻昭治のマーケットセンサー:メールマガジン」に掲載。果たして注目銘柄は?)(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:42 | 特集
2011年08月05日

NYダウ横目に『閑散の中で下値模索』の動き=犬丸正寛の相場展望

★甲子園の盆休みで基本は商い閑散に

NYダウ横目に『閑散の中で下値模索』の動き=犬丸正寛の相場展望 来週(8〜12日)の相場は、『閑散の中で下値模索』の動きとなりそうだ。

 例年、大会期間中は見送り相場になるといわれる「夏の高校野球甲子園大会」が始まった。しかも、週末は「盆休み」に入る。企業の4〜6月決算発表も一巡し、盛り上がりに欠ける相場となるだろう。

 この間、急落したNYダウが、一段安となるか、あるいは、急反発に転じるか。NYダウ次第で日本のマーケットも左右されることは避けられないものの、出来高が大きく膨らむことにはならないだろう。閑散相場の中での下値模索だろう。

 そのNYダウは、アメリカの経済がマーケットの嫌がる「スタグフレーション」に近い状況となっている。昨年11月実施のQE―2といわれる量的緩和策の効果が薄れ景気下ブレリスクが高まる一方で緩和策の副作用で物価高の心配は残ったままである。金融緩和策も引き締め策も採り難い状況にある。

 この手詰まり感を打破するため、株価(NYダウ)が下がることで、次のQE―3策がとりやすくなるという催促的な動きになっているとみることもできる。アメリカは個人の株保有比率が高く、株安による逆資産効果で消費が落ち込み、次なる景気対策が打ち出しやすくなるということだ。

★新政権の動き出れば「秋相場」へ期待膨らむ

 一方、日本では最大の見所である「菅総理の8月退陣」があるかどうか。本来なら3月の大震災発生から5ヶ月目となる8月は復興へのツチ音が高まり、「復興相場」が本格スタートしてよい時期である。かつて、阪神淡路震災の時も5ヶ月目で底入れし本格反発に転じた。しかし、東北をどうするか、日本全体の姿をどう描くか、まったく見えてこない。電力でプレッシャーをかけているだけでは企業の海外転出に拍車がかかるだけである。「道州制」などの導入といった思い切った改革を取り入れることのできる人に政治のカジ取りをやってもらわないと日本沈没となってしまう。

余談ながら、菅総理のことをハーケン総理と呼ぶ人もいる。岩にハーケンを打ち込んで、落ちそうになっても粘り強く岩を登って行くということらしい。むろん、粘り強さは大切だが、国民には、もっと大切な何かが伝わってこない。仮に、新政権への動きがみられるようなら秋相場へ向けての期待が膨らむものとみられる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:21 | 特集

『ヒロシマ:グラウンド・ゼロ』展から連想して、写真関連株=田北知見の銘柄ウオッチ

田北知見の銘柄ウオッチ 海外の観光地や美術館、博物館などのサイトをいろいろ見ていたところ、先日、アメリカのニューヨークで行なわれている写真関係の展覧会を見つけた。『ヒロシマ:グラウンド・ゼロ』と題したもので、英語が解らないながら(汗)、説明文を読んでみると、1945年8月6日に広島へ原爆が落とされた後の、同地の被害の様子を撮影した写真等を展示しているらしい。私の少ない経験・見聞によると、アメリカでは核や放射性物質の本当のおそろしさがあまり知られていないようなイメージがあるので、「こういう写真展を行なうことがあるのか」と驚いた。

 もうひとつ思ったのは、「ニューヨークでグラウンド・ゼロというと、2001年9月11日の同時多発テロによって倒壊した、ワールド・トレード・センターの跡地をさすのではないか」ということだった。なので、「同じように酷い目に遭い、ゼロになったところから、同じようにイチからやり直し、街を築き直してきた(これから築いていくという決意)という共感から、ヒロシマの被爆(被曝)地についての写真展を行なうことにしたのだろうか」と思ったのだった。

しかし、ネットの辞書やウィキペディアで簡単に調べてみたところ、グラウンド・ゼロという英語の、本来の意味は、爆心地とか、爆弾などの発射体の目標というようなニュアンスだということを知った。さらに、ウィキ情報によると、もともと広島と長崎の原爆(1945年8月9日に被爆/被曝)の爆心地をそう呼んでいたのが先であり、ワールド・トレード・センターの跡地が広島の爆心地を連想させるということでグラウンド・ゼロと呼ぶようになったのだそうだ。私は無知なので、今回初めて知ったのだった。

上記の文とは関係なく、写真連想銘柄を見てみた。

★富士フイルムホールディングス〈4901〉(東1)

 写真フィルムから、デジタルカメラ関連、印刷関連、レンズ、記録メディア、最近では化粧品事業でも有名な、富士フイルムホールディングス〈4901〉(東1)を入れる。5日終値は93円安の2152円。単位100株。PERは約13.8倍、PBRは約0.6倍となっている。チャートは7月22日につけた直近高値2498円から反落し、以降は続落トレンド。きょう8月5日には年初来安値2135円をつける場面もあった。地合いが悪いとはいえ、そろそろ反発のタイミングと見たい。まずは25日移動平均線の2400円ラインまでの戻りを目指す。4日付けのゴールドマン・サックス証券のレーティング(投資対象期間12ヵ月)では、投資判断「中立」、目標株価2700円とされた。

★キヤノン〈7751〉(東1)

 一眼レフカメラで有名であり、ビジネスソリューション、ITソリューション、産業機器などの事業も柱となっているキヤノン〈7751〉(東1)を入れる。5日終値は145円安の3580円、単位100株。PERは約16.7倍、PBRは約1.6倍となっている。チャートは7月26日につけた直近高値3920円から反落し、以降は地合いの軟化や円高などを背景に、続落トレンドで来た。今後の地合いや為替動向等にもよるだろうが、3600円フシにあたり、そろそろ反発の頃合いか…、場合によってはさらに下の3500円フシを試す展開もあるかもしれない。まずは3800円フシまでの戻りを目指す。4日付けのゴールドマン・サックス証券のレーティングでは、投資判断「買い」、目標株価4500円とされている。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 17:09 | 特集
2011年08月01日

「任天堂にソニー・ショック」の再来?なぜ小幅安でとどまったか?=浅妻昭治

■一発逆転のある相場?

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 「68円安で助かった!?」・・・・市場参加者全員のうそ偽りのない感想であろう。前週末29日の日経平均株価のことである。市場感覚としては大暴落並みのショックがあったのに、小幅安にとどまったからだ。東証1部上場銘柄の75%が値下がりし、任天堂<7974>(大1)が、21%も急落して年初来安値を下抜け、ソニー<6758>(東1)も、3%超の安値引けで年初来安値目前となった。ハイテク株総崩れである。

 その前日の28日大引け後の決算発表を目にした投資家は、誰もが背筋が寒くなる恐怖感に怯えたはずだ。任天堂、ソニーの業績下方修正にパナソニック<6752>(東1)シャープ<6753>(東1)の赤字転落、TDK<6762>(東1)の大幅減益などと目を覆いたくなるほどの悪業績発表が続いたからだ。確か2月期決算の好業績小売株を買い進めたときは、「木を見て森を見ない」相場として、個別株物色を強めたが、この相次ぐ決算悪の発表は、肝心のその「木」がバタバタと倒木することを示唆していた。しかも、前日の米国市場では、為替相場は、1ドル=77円台の円高(29日は76円台まで円高)となり、NYダウは、債務上限の引き上げ協議の紛糾で、米国国債のデフォルト懸念を強め5営業日続落して帰って来ていた。「任天堂ショック」に「ソニー・ショック」の再来が追い討ちとなることを覚悟せざるを得なかった。

 にもかかわらず、日経平均が小幅安でとどまったのはなぜなのか?相場需給的にも、テクニカル的にも究明される必要があるが、要因のひとつには、投資家が、少なからず現在の相場を「オセロ相場」と認識していたことが関係しているのではないか?「オセロ相場」とは、オセロゲームと同様に一発逆転のある相場である。盤面が黒石一面となっているのに、白石を1つ置くだけで、黒石がすべて白石に裏返って白石の勝利となるように、悪材料が好材料に一変して、暴落相場が暴騰相場に一転、あるいは白石が黒石に裏返って暴騰相場が暴落相場に急変する逆転相場である。(続きと詳細は「浅妻昭治のマーケットセンサー:メールマガジン」に掲載。果たして注目銘柄は?)

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:57 | 特集