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記事一覧 (01/23)【特集】「小売(総合スーパー・大手コンビニ)関連」業績は好調で株価は堅調
記事一覧 (01/23)サンケイビルのTOB価格を大胆に勝って裏読みすると?=浅妻昭治
記事一覧 (01/20)政局展開待ちの中で復興株物色の展開=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (01/20)積雪から連想して、鉄道株を見てみた=田北知見の銘柄ウオッチ
記事一覧 (01/16)デジャブ相場かジャメブ相場か、決算発表で新オピニオンリーダー株に浮上の目も=浅妻昭治
記事一覧 (01/15)【配当取り特集(1月決算)】東証全銘柄ベースの平均配当利回りは2.2%
記事一覧 (01/13)底値脱出をうかがう相場=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (01/13)アイスホッケーチームの試合速報から、スポーツ連想株=田北知見の銘柄ウオッチ
記事一覧 (01/10)クラウド名刺管理サービスを企画・開発・販売する三三株式会社の磯山江梨さんに聞く
記事一覧 (01/10)兜町版『平家物語』シナリオでドラッグストア株に栄枯盛衰の買い材料も浮上=浅妻昭治
記事一覧 (01/06)来週は『きっかけ待ちの相場』展開=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (01/06)海外サイトをつらつら見るに・・・ネット通販連想銘柄=田北知見の銘柄ウオッチ
記事一覧 (01/06)新年相場の風向きを強気投資判断銘柄で占う=浅妻昭治
記事一覧 (01/04)【話題】2011年上昇率トップ銘柄の次の年の年間パフォーマンスは果たして?
記事一覧 (01/03)【特集:2012年を読む】「総合商社」銘柄の動向(2)〜株価に割安感強く上昇余地
記事一覧 (01/03)【特集:2012年を読む】「総合商社」銘柄の動向(1)〜基盤強化で収益拡大基調
記事一覧 (01/02)【特集:2012年を読む】「SNS関連」銘柄の動向〜スマートフォン対応にシフト
記事一覧 (01/02)【カジノ関連株】橋下・大阪新市長が積極的とされ材料性
記事一覧 (12/31)「主要指標でみる2011年相場」と「2012年相場展望」
記事一覧 (12/30)犬丸正寛のキーワードで占う『2012年相場』〜世界は『選択と集中』へ
2012年01月23日

【特集】「小売(総合スーパー・大手コンビニ)関連」業績は好調で株価は堅調

■GMS&大手コンビニエンスストア7社の業績は総じて好調

【特集】「小売(総合スーパー・大手コンビニ)関連」業績は好調で株価は堅調 GMS(総合スーパー)および大手コンビニエンスストア7社の連結業績は、総じて好調に推移している。各社が発表した11年3〜11月期(3Q累計)の連結業績を見ると、資産除去債務会計基準適用や震災関連などで多額の特別損失を計上したため、純利益は減益となったが、各社ともに営業増益、経常増益だった。

 営業利益段階で前年同期比増減を見ると、ローソン(2651)が同8%増の497億円、サークルKサンクス(3337)が同19%増の198億円、セブン&アイ・ホールディングス(3382)が同23%増の2162億円、ファミリーマート(8028)が同9%増の350億円、イオン(8267)が同9%増の1018億円、ユニー(8270)が同28%増の316億円、ミニストップ(9946)が同4%増の67億円と総じて好調だった。コンビニエンスストア事業の好調に加えて、GMS事業の営業損益も大幅に改善している。

 各社ともに、東日本大震災の被災地などでの需要が活発だったうえに、内食・中食化の流れも追い風となり、弁当・総菜・スイーツ類などの販売が好調だった。中食分野を中心としてオリジナル商品や、PB(プライベートブランド)商品の開発・販促を強化していることも収益拡大に寄与している。タバコの値上げによる売上増も寄与した。アジア市場を中心に海外での店舗展開が進展したことも寄与した。またコンビニエンスストアは、移動販売車や宅配などで買い物不便地域への対応なども進めており、地域の社会インフラとしての存在価値が一段と高まっている模様だ。

 グループでGMS事業やコンビニエンスストア事業を展開するセブン&アイ・ホールディングス(3382)イオン(8267)ユニー(8270)では、コンビニエンスストア事業が好調だったうえに、GMS事業の営業損益も大幅に改善した。衣料品などでの損益改善も進んだ模様であり、東日本大震災後の防災・節電関連商品も特需となった。

■中国などアジア市場へのグローバル展開が重要なポイント

 日本フランチャイズチェーン協会(JFA)の「コンビニエンスストア統計調査」によると、調査対象のJFA正会員コンビニエンスストア本部10社合計の既存店売上高(前年比)は、11年3月(東日本大震災で営業停止した店舗を除く)が107.7%、4月が101.6%、5月が105.7%、6月が109.0%、7月が109.5%、8月が107.9%、9月が96.0%、10月が114.1%、11月が107.5%、そして12月が104.1%と好調に推移している。なお前年のタバコ値上げの影響があり、9月は前年の駆け込み需要の反動で減少、10月は前年の買い控えの反動で大幅増加となっている。

 12年2月期通期の連結業績予想については、3Q累計決算発表時では各社ともに従来予想を据え置いた。資産除去債務会計基準適用や震災関連などで特別損失を計上するが、営業利益と経常利益段階では増益の見通しである。

 サークルKサンクス(3337)ユニー(8270)の2社は、足元の販売好調などを要因として、1月19日に12年2月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。

 残りの5社について、通期連結営業利益予想に対する3Q累計連結営業利益の進捗率を見ると、ローソン(2651)が81%、セブン&アイ・ホールディングス(3382)が76%、ファミリーマート(8028)が83%、イオン(8267)が50%〜52%、ミニストップ(9946)が81%となっている。イオンについては上振れ期待は小さいが、足元の好調を考慮すれば残り4社についても上振れの可能性があるだろう。

 13年2月期については、復興関連特需の反動減が懸念されるだけに、中食分野を中心とした商品力が明暗を分ける可能性もあるだろう。また今後は、中国などアジア市場へのグローバル展開が重要なポイントになりそうだ。

■株価は2月末の配当権利取りが支援材料に

 各社の株価も概ね堅調に推移している。好業績に加えて、輸出関連セクターが軟調だったために、内需・ディフェンシブ系として消去法的に買われた面もある。

 足元では、物色が景気敏感関連や輸出関連の買い戻しに向かい、内需・ディフェンシブ系については、やや物色の圏外となる可能性も考えられる。

 ただし、2月末の配当権利取りも支援材料となるだけに、下値では買いが入る可能性がある。また、中国などアジア市場への積極的な展開が評価されれば、中期的な株価上昇につながる可能性もあるだろう。

【総合スーパー・大手コンビニの銘柄診断】
・セブン&アイは中国で順調に店舗展開を進める
・ファミリーマートは海外展開で20年度に4万店舗目指す
・ミニストップはデイリー商品の品揃え強化が寄与
・イオンは1業態1ブランド化や中国・アセアン市場シフトへ
・ユニーは5年間で300店舗の展開を目指す
・サークルKサンクスは業態・店舗網の再構築がポイント
・ローソンは中国での店舗展開の加速がポイント
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:57 | 特集

サンケイビルのTOB価格を大胆に勝って裏読みすると?=浅妻昭治

■またまた「バブル」のカゲがチラチラ?!

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 確か、昨年の大納会までは「復興消費」といっていたように記憶している。東日本大震災の被災地を営業地盤とする食品スーパー株やホームセンター株などが、自粛・低迷していた個人消費の復活をエンジン役に、生活必需品や防災商品、暑さ対策商品などの需要が再燃し、関連商品の販売増が続いて業績を相次いで上方修正し、株価も高値を追ったが、この市場トレンドを総称した相場テーマであった。

 ところが今年の大発会以来、この「復興消費」を「復興バブル」と言い換えている市場関係者が少なくないようである。折からの欧州ソブリンリスクの高まりで、為替相場は、急激な円高・ユーロ安となり、主力株が身動きを取れなくなった反動で、「理屈はあとから貨車でくる」とばかりに復興・内需関連の低値ごろ株を無差別買いして株価が急騰、短期売買のやり過ぎが目立ったから、早くも「バブル」と警戒感を強め、そう言い出したのである。

 さすがにこの「復興バルブ」も、前週末に米国企業の好決算をキッカケに主力株が出直り期待を強めてくると、何だか正念場を迎えるようなムードが漂ってきた。低位株への高値飛び付き買いを敢行した投資家も、急に手仕舞い売りのハシゴの心配をし始めたようである。

 ところが前週末20日に、「復興バブル」に続きまたまた「バブル」の萌芽を示唆するような株価急騰劇があった。日本の資産バブル崩壊、リーマン・ショック以来、グローバル経済は「バブルレス・エコノミー」化したと指摘する識者もいるようだが、どうしてどうして、伝説の大盗っ人・石川五右衛門ではないが、「世にバブルの種は尽きまじ」となるのかもしれない。

 20日に株価が急騰したのは、サンケイビル<8809>(東1・監理)である。親会社が、同社株の株式公開買い付け(TOB)を発表し、TOB価格740円にサヤ寄せし80円高のストップ高で比例配分で値をつけた。この日は、同社株のほかTAIYO<6252>(東2・監理)ジャパンケアサービスグループ<7566>(JQS・監理)もTOBを発表、いずれもストップ高、1日に3銘柄もTOBとなるのは、それ自体、やや「バブル」っぽいが、問題は、サンケイビルのTOB価格の高プレミアムにある。

 TOB発表日の終値に対するTOB価格のプレミアムは、TAIYO、ジャパンケアが49〜85%だったのに対して、サンケイビルは、実に2.49倍にも達しているのである。親会社は、第3者算定機関に株価価値算定を依頼、同機関は、3つの算定手法のうち、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法で、551〜808円と評価、この最も高価格の算定価値を受け入れて高プレミアムでTOB価格を決定した。同TOB価格は、同社のいわゆる解散価値といわれる1株純資産810円を下回るもので、このため、サンケイビルがストップ高となるとともに、PBR1倍割れの不動産株全般に関連思惑買いが波及、株価急騰が相次いだ。

 この不動産株の軒並み高は、かつての地上げが横行した前回の「資産バブル」や不動産投資信託(REIT)設定が引き金になった「REITバブル」を髣髴とさせるものがある。サンケイビルのTOB価格の高プレミアムを大胆・独断推理すると、にわかに「バブル」のカゲがチラチラと見え隠れして、バブル・マインドが抑えきれずに興味津々、リサーチ意欲を刺激してくることになる。(続きと詳細は「浅妻昭治のマーケットセンサー:メールマガジン」に掲載。果たして注目銘柄は?)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:08 | 特集
2012年01月20日

政局展開待ちの中で復興株物色の展開=犬丸正寛の相場展望

★日経平均は久々に9000円奪回も

政局展開待ちの中で復興株物色の展開=犬丸正寛の相場展望 来週(23〜27日)は『政局展開待ちの中で復興関連株物色の相場』が予想される。ヨーロッパの信用不安はやや小康状態。一方、ヨーロッパの沈滞を横目にNYダウは目立たないながらも着実に下値を切り上げている。ヨーロッパとアメリカの違いが徐々に鮮明となりつつあるようだ。

 リーマンショック以降、同じように世界不況に見舞われたアメリカ。しかし、皆で手をつないで式の「仲良会」的なヨーロッパに対し、自由競争のアメリカのほうがやかり回復力は強いということだろう。

 NYダウは1万2625ドルと2011年7月水準に回復している。次は、1万2800ドルのフシ奪回は早いだろう。そして、「強いアメリカ」が再認識されるなら2010年7月の最高値1万4198ドル挑戦も十分期待できるだろう。本来なら、日本のマーケットはNYダウ上昇の効果をもっと受けてよい。その効果はTPP問題、沖縄問題などのメドが立ち、日米関係がもっと修復され強化されてからだろう。

 国内では24日(火)から国会が始まる。しばらくは、所信表明、代表質問等が中心で本格的な論戦はまだ先となる。論戦が始まれば、野党の攻勢、さらには民主党身内からの反対も予想されそうだ。成り行きでは3月解散も否定できない。しばらくは総理と野党代表者の演説に耳を澄ませる時だろう。

 3月期決算会社の第3四半期(4〜12月)決算が発表となる。個々には反応はあっても相場全体としては大きい反応はないだろう。円高、タイ洪水などの材料は、かなり織り込んでいるものとみられる。

 むしろ、このところの相場では、「復興関連銘柄」に手応えが感じられるようになっている。昨年来高値を今年1月に更新している銘柄に復興関連銘柄が目立つようになっている。復興関連銘柄には出来高が膨らんでいることも従来とは異なる。

 産業界の中で、「予算がつき」→「売上増加」の見込める産業は「復興関連」しか他にないということでも投資家の見方は一致しつつある。

 日経平均は昨年10月31日以来、久々に9000円奪回を目指す可能性もありそうだ。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 19:03 | 特集

積雪から連想して、鉄道株を見てみた=田北知見の銘柄ウオッチ

田北知見の銘柄ウオッチ これを書いている今、関東各地では雪が降っている。報道によると、本州の南沿岸を低気圧が通過した影響で、20日に東京都心と横浜で初雪を観測したそうだ。私のいる地域では現在のところ積雪はさほどでもないが、東京23区内でも積もっている地域があると報じられている。

 暖かい室内にいて、窓から雪模様を眺めたり、ネットの画像やテレビの映像で雪景色を見るだけならとてもステキだが、仕事や用事で出かける方々は大変だ。また、関東では積雪はニュースになるほどレアな出来事だが、北日本のように冬の積雪が日常となっている地域では、「雪」に対する認識はまた異なるだろう。

 積雪で思い出すのは、だいぶ以前、ちょうど今のように雪が降っている時に、バス会社に勤めている方とお会いした際に聞いた話だ。その方は事務職で、その日は休日だったのだが、「今日みたいな天気の日は、もし何か手伝えることがあれば会社に行かなければと思う」と言っておられた。雪が降るとバスの運行に支障が出てダイヤが乱れたり、いろいろ不測の事態が起きることもあるため、事務職や休日の人でも動員されることが実際あるそうだ。また、社員の側としてもそれが当然の務めだと考えている、というようなお話だった。

 私の受けた印象では、「仕事だから」という意識と同時に、「バスの運行に支障があると、人々の生活に支障が出るから」という意識、つまり、社会や地域への貢献とか、ちょっと大げさかもしれないが、社会インフラを動かし、支えているのだという意識が、そこにはあるように思えた。バスだけではなく、鉄道、電気、ガス、水道、郵便、銀行、等々・・・。さまざまな分野で、責任感と使命感をもって仕事をしておられる方々のおかげで、私たちは安心して生活できるんだなあ、と、これまた大げさかもしれないが、思ったのだった。

 上記の話から連想して、鉄道株を見てみた。

★西日本旅客鉄道〈9021〉(東1)

 北陸、近畿、中国をおもな営業エリアとしている、西日本旅客鉄道<9021>(東1)(JR西日本)の20日終値は10円高の3150円。単位100株。PERは約15.4倍、PBRは約0.9倍となっている。チャートは1月4日につけた直近高値3385円から反落し、続落トレンドで来ている。3100円フシにあたり、そろそろ反発のタイミングと見る。まずは3400円フシまでの戻りを目指す。

★阪急阪神ホールディングス〈9042〉(東1)

 阪急・阪神の私鉄、不動産、百貨店、ホテルなどを展開している、阪急阪神ホールディングス<9042>(東1)の20日終値は5円高の329円。単位1000株。PERは約15.5倍、PBRは約0.9倍となっている。株価は昨年11月29日につけた直近安値309円から反発。以降は、モミ合いながらもリバウンドトレンドとなっている。まずは340円フシ奪回が目標となりそうだ。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:23 | 特集
2012年01月16日

デジャブ相場かジャメブ相場か、決算発表で新オピニオンリーダー株に浮上の目も=浅妻昭治

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 既視感(デジャブ)相場か未視感(ジャメブ)相場か……マーケットは、重要なフシ目に差し掛かってきた。3月期決算会社の第3四半期(4〜12月期、3Q)業績の発表が、いよいよ本格化するからである。昨年と同様に決算発表でサプライズが起こって、新たなオピニオンリーダー株が登場し、それに続くフォロアー株とともに相場を活性化させ、とこかで見た相場シーンが蘇るのか、それともまったく別の未知との遭遇を迫られ、厳しい銘柄選択を迫られるのか、ポイントの業績動向は予断を許さない。

 株式市場は昨年秋以来、低位株の個別物色で短期急騰株が続出、東証1部売買単価は、昨年春、秋に並ぶ安値水準まで低下した。しかし、この低位株相場に参戦した投資家のなかでは、このまま低位株シフトが永続するとする投資家はむしろ少数派で、多数派は、外部環境が不透明している局面での幕間つなぎと割り切っている。この多数派は当然、決算発表でサプライズが起これば、雪崩を打ってフォロアー株の発掘に邁進することになる。短期筋として節操がないとクレームが強まろうと、低位株から例えばいきなりTOPIXコア(Core)30の景気敏感主力株への宗旨替えすることにも一向に躊躇はしない。まさに「君子、豹変す」である。

 ただ、このところの景気敏感のオピニオンリーダー株は、以前とはやや趣を異にしていることには注意が必要である。かつては、主力株で決算発表日がトップとなる信越化学工業<4063>(東1)が、相場全般の方向付けの役割を担ったが、3Q決算発表の昨年1月、3月本決算の5月、今期第2四半期累計(4〜9月期、2%)決算の10月では、この信越化学は、舞台のやや後方に退き、変わってスポットライトを浴びたのは、信越化学とほぼ同時期に決算発表を行った安川電機<6506>(東1)新神戸電機<6934>(東1)であった。いずれも業績の上方修正を同時に行い高株価の反応となった。

 安川電の場合はさらに極端で、昨年10月は業績を下方修正したものが、悪材料出尽くしとして逆行高を演じたほどで、昨年年末には国内大手証券が投資判断と目標株価をアップさせた。今年も1月21日に決算発表を予定しており、決算動向から目を離せないことになる。
 一方、新神戸電機は、同じように決算発表のたびに上方修正を繰り返してきたが、昨年12月から日立化成工業<4217>(東1)が、同社株に株式公開買い付け(TOB、買い付け価格1710円)を行い、TOB成立後に上場廃止となるなどややイレギュラーである。3Q決算発表は、TOB期間終了後の1月25日に予定しており、昨年10月に上方修正した3月期業績がどう変わるのか、修正されないのかこれも注目ポイントとなる。

 1月後半相場が、昨年と同様のデジャブ相場となるか、ジャメブ相場となるかは、もちろん欧州の政府債務危機情勢と、日本に先立って米国でスタートした米主力企業の決算動向が大きく影響するのはいうまでもない。しかし、こうした外部環境を押す返すほどのサプライズ決算があって、昨年と同様のデジャブ相場が展開されるとしたら、昨年1月に業績を上方修正した銘柄をオピニオンリーダー株、フォロアー株の有力候補としてマークしておくのも一考余地が生ずることになる。(続きと詳細は「浅妻昭治のマーケットセンサー:メールマガジン」に掲載。果たして注目銘柄は?)

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:56 | 特集
2012年01月15日

【配当取り特集(1月決算)】東証全銘柄ベースの平均配当利回りは2.2%

配当取り特集

■業績、チャート、株価の位置との対比で配当取りを検証

 依然、「低金利」が続いている。預貯金をしても、俗に言う「雀の涙ほど」。そうした中で東証全銘柄ベースの平均配当利回りは2.2%と2%を超えている。これは、見逃す手はない。ただ、昨年の東京電力<9501>オリンパス<7733>のような株価暴落に見舞われては配当どころではないことも事実ではある。

 しかし、こうした不幸なことが頻繁に起きるわけではない。毎月、1〜12月の決算期ごとに配当を取っていけば、「年金」を受け取る感覚で生活にプラスとなる。業績、チャートに株価位置などとの対比で配当取りかどうかのワンコメントをお届けする。

今回は、2012年「1月期」銘柄について。業績予想は会社側の見通し。

【配当取り・ワンコメント(1月決算)】

・オーエスは400円以下での買いに徹したい
・ながの東急百貨店は商い薄く指値買いがよい
・シーイーシーは下値水準340円前後での仕込み
・丹青社は底値圏、一段安はなさそう
・きんえい、業績対比では割高感も下値は固まる
・スバル興業は高値後の調整場面は狙える
・東栄住宅は目下、大台を固める動き
・東京楽天地は配当取りは300円まで
・トーホーは下値不安なさそう
・菱洋エレクトロは昨年来高値接近で波乱も
・マックスバリュ中部は900円乗せれば調整も
・JPNホールディングスはPBR割安でもPERに割高感
・光彩工芸は昨年12月中旬から出来高増加傾向
・ピジョンは昨年来高値に急接近
・トリケミカル研究所はトリプル底形成中で仕込める
・不二電機工業は900円割れで仕込めばベター
・OSGコーポレーションは高値波乱の可能性
・タカショーは上値フシ接近で小幅調整の可能性
・サイボウズは大陰線つけ高値波乱の様相
・オーエムツーネットワークは480円台で仕込めれば理想的
・ナイスクラップは下値不安はないが小口買いで
・ジャストプランニングは下値不安なさそう
・ユークスの今期減益は織り込み済み
・ミライアルは2ケタ減益のため上値買いは慎重に
・クロスプラスは下値切り上げチャートで下値安心感も
・丸千代山岡家は利回りは魅力ながら大幅減益は要注意
・一建設は長期下げ相場も一巡
・コーセーアールイーは指標割安感ない
・ストリームは押し目買い
・アマガサは商いのできない日が多く売買困難
・ジーフットは値動き荒く押し目買いに徹する
・ダイドードリンコの上値買いは要注意
・モロゾフはモミ合い継続で下値不安なさそう
・アルトナーの下値水準は買える
・積水ハウスはジリ高相場で下値不安なさそう
・太洋基礎工業は出来高薄く売買困難
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:31 | 特集
2012年01月13日

底値脱出をうかがう相場=犬丸正寛の相場展望

■「対米」、「復興」、「好配当」など個別物色の展開

底値脱出をうかがう相場=犬丸正寛の相場展望 来週(16〜20日)は、『底値圏脱出をうかがう相場』となりそうだ。昨年11月25日に場中安値8135円をつけた日経平均は、約2ヶ月経過した現在もほぼ安値圏のまま。

 一方、NYダウは昨年10月4日に場中安値1万0404ドルをつけ、3ヶ月強が経過した現在、1万2514ドル(1月10日)と20%上昇。日本のマーケットとは対照的に強い展開。今後、このNYダウ上伸の効果が日経平均に波及することが予想される。

 NYダウが強い背景には、明るさの見えないヨーロッパの信用不安に対し、アメリカ経済の堅調なこと及びドルの強さがある。このため、NYダウは次のフシである1万2878ドル前後へ突っかける可能性もある。そうなれば、日経平均に対し波及効果が見込めるはず。

 ただ、その場合でも日本のマーケットは、出来高を伴った上伸ということにはならないだろう。売物が薄くなった中を個別的に物色する展開だろう。とくに、銘柄を選別する傾向は、いっそう強まるものとみられる。ヨーロッパ向け売上の多い銘柄及びヨーロッパとの貿易の多い中国関連銘柄等は敬遠されそうだ。逆に、アメリカ向け輸出の多い銘柄やこのところ動意がみられる復興関連銘柄に物色のホコ先が向くものとみられる。

 また、全体相場に対し下値不安が薄らいでいることから、今後、「1月期決算」、さらに「2〜3月期決算」で、好配当利回り銘柄に「配当取り」の買いが入ることも予想される。

 さらに、ホルムズ海峡が封鎖という事態になれば、原油など資源関連銘柄が買われるだろう。一方で、原油高の影響を受ける自動車や運送、電力などは敬遠されるだろう。自動車でも軽自動車は買われる可能性はあるだろう。

 いずれにしても、個別銘柄物色ながらマーケットには徐々に明るさが見られるようになるだろう。日経平均は9000円奪回を目指した展開とみられる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:49 | 特集

アイスホッケーチームの試合速報から、スポーツ連想株=田北知見の銘柄ウオッチ

田北知見の銘柄ウオッチ 先日、たまたま機会があって、NHL(ナショナル・ホッケー・リーグ=北米プロアイスホッケーリーグ)のチームの公式サイトを見た。驚いたのは、前日の試合結果が掲示されるとともに、ハイライトシーンが動画で数分間、画像が数十枚もアップされていたことだ。さらに、プロのスポーツライターによる解説・・・たとえば「この試合の、3つの勝因とは」等といったような内容の分析記事も掲載されている。

 普段、日本国内のプロ野球やJリーグなどのメジャースポーツさえほとんど見ないので、「今のプロスポーツは、ファンに対するサービスが、こんなに至れり尽くせりなのか・・・」と驚いてしまったのだ。それとも、スポーツファンが多く、またネットサービス先進国のアメリカだからだろうか。テレビのスポーツ専門チャンネルなども、アメリカが最初に作ったのではなかったか。

 以前、プロ野球のテレビ中継を久し振りに見て、「今の解説は昔に比べてとても懇切丁寧だし、画面にいろいろなデータや情報が出てくるので分かりやすくなっているんだな」「ファン層を増やそうと一生懸命なのかもしれないなあ」などと思っていたのだが、もともとスポーツファン層の厚いアメリカでは、さらに先へ進んでいるような印象を受けたのだった。

 スポーツ連想銘柄を見てみた。

★ハブ〈3030〉(JQ)

今年はロンドン五輪開催の年ということから連想して、英国風パブ『HUB』『82』などを約70店、展開するハブ<3030>(JQ)を入れる。13日終値は1万7800円高の20万9800円。前日の12日に2012年2月通期業績予想の上方修正と増配を発表したことが材料となり、一時は年初来高値22万8000円まで買われた。とはいえ、現在の株価でPERは約12.4倍、PBRは約1.5倍と、割高感・過熱感はさほどでもない。また、単位1株の売買しやすさも魅力となっている。チャートはこの3〜4ヵ月ほど、安値圏の12万円ラインから上昇トレンドで来ており、現在は高値圏。18万円ラインあたりの押し目を待って拾うのが無難か。なお今期末配当金は6200円予想。現在の株価でも利回り約2.9%の計算となる。

★日本マクドナルドホールディングス〈2702〉(JQ)

 上記のホッケーチームの動画は、最初は無料サービスでそのまま見られるが、同じ動画を2度以上見ようとするとコマーシャルが入り、それを見なければ先へ進めない設定になっているようだ。私が見たのはたまたまハンバーガーのCMだった。マクドナルドのCMではなかったが、そこから連想して、代表的なハンバーガー銘柄のひとつ、日本マクドナルドホールディングス<2702>(JQ)を入れる。13日終値は3円安の2077円。単位100株。PERは約20.3倍、PBRは約1.8倍となっている。

 株価は12月26日に年初来高値2142円をつけた後、12月決算の権利落ちにともない反落。しかし再びジリ高トレンドで来ており、出直り局面となっている。まずは2100円フシまでの戻りを目指す。または、株主優待を目当てに長期保有もアリかもしれない。100株保有で優待食事券1冊(ハンバーガー類、サイドメニュー、ドリンクの無料引換券6枚)など。なお、今期配当金はまだ出ていないが、前期を含めてここ数期の配当金は30円となっている。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:17 | 特集
2012年01月10日

クラウド名刺管理サービスを企画・開発・販売する三三株式会社の磯山江梨さんに聞く

【三三株式会社の広報担当・磯山江梨さんに聞く】

★「名刺」をクラウドで共有し新たな価値創造、企業の収益向上に貢献

クラウド名刺管理サービスの企画・開発・販売する三三株式会社の磯山江梨さんに聞く 「名刺」に内在する「情報としての価値」、「ソーシャルな価値」を引き出し新たな価値創造をビジネスとする「三三株式会社」(非上場)。既存の価値観に捉われない自由な発想・想像力をいっそう進化させる取り組みとして徳島県の自然豊かな田舎に「神山ラボ」を開設。テレビ等でも紹介され話題となっている。同社の広報担当・磯山江梨さんに聞いた。

★IT企業の「三三株式会社」が徳島の古民家に「神山ラボ」開設

――御社の社名や事業には大いに関心があります。まず、その前にテレビで紹介された徳島県の山村にオフィスを開設されたことについてお願いします。どのようなところですか。

 【磯山さん】 徳島市から車で約40分の神山町という所です。山に囲まれた自然いっぱいのところで、当然ですが空気がおいしいですね。とくに、地元のみなさんがたいへん優しい方ばかりです。お遍路さんの順路ということもあって、よその人を受け入れる優しさが根付いている印象です。

――オフィスを開設されたのは、いつからですか。

 【磯山さん】 2010年10月です。古い民家を利用してサテライトオフィス「神山ラボ」を開設しました。最初はトライアル期間ということで、1回の滞在期間をプロジェクトごとに数週間から数ヶ月として、エンジニアをはじめマーケティング、管理部門等述べ20名以上の社員が滞在してきました。トライアル10ヶ月間での仕事の状況や日常の生活などを検討した上で昨年8月から正式運用を開始しました。

★三井物産出身、シリコンバレー勤務経歴の寺田社長が創業

――なぜ、神山町でしたか。

 【磯山さん】 弊社の企業理念に「顧客の働き方に革新を起こす」というキーワードがあります。それを自ら体現するべく新しい働き方を模索する中で「人をコンテンツとしたクリエイティブな田舎づくり」の活動をされているNPO法人グリーンバレーさんとのご縁があり、「せかいのかみやま」というコンセプトに共感しました。また、弊社の創業者(寺田親弘社長)が三井物産に勤めていた頃にシリコンバレー駐在の経験があり、都会に縛られない働き方をした体験から「新しい働き方」に対する思いもありました。神山町が光ファイバーを各家庭まで敷設して情報整備が進んでいたことで、IT関係のビジネスを手がけている弊社には情報環境の整っていることがオフィスを開設する決め手となりました。

――仕事、日常生活への不便はありませんか。

 【磯山さん】 仕事面では東京のオフィスとまったく変わりません。東京本社ではクラウドを活用し、場所にとらわれず、「いつでもどこでも仕事ができる」次世代型のワークスタイルを取り入れています。神山オフィスでも高速のインターネットで繋がっていますから、本社とのミーティングはSkypeのビデオ通話機能や社内ツィッターを使用、VPN回線で東京オフィスとまったく同じ開発環境を実現しています。現地での生活は、東京に比べると交通などは当然不便です。食事は基本的に自炊です。最初は徒歩と自転車でしたが、今は車を購入しています。近くにある温泉に毎日通って、癒されています。地元の町おこしのイベントなどにも積極的に参加して地元の皆さんとも親交を深めています。

――社名の「三三」(さんさん)には、どのような思いが込められていますか。

 【磯山さん】 Six Degrees of Separationという言葉があります。「6次の隔たり」と訳されます。6人の人を介することで世界中の誰とでも繋がることができるという意味です。近年では、ITなどソーシャルサービスの発達で6次が「3次」に近づいているといわれています。弊社は「名刺」を基本に人との繋がりをベースとしたビジネスを展開していることから、「三」を2つ並べることで人との繋がりを表しています。

――御社の事業はどのようなものですか。会社の沿革と併せてご紹介下さい。

 【磯山さん】 弊社は創業時より、法人企業様向けに、名刺をデータ化してクラウド上で共有・活用し、企業の収益向上につなげるサービス「Link Knowledge(リンクナレッジ)」を展開しています。ユーザー企業様にスキャナとタッチパネル式PCを貸出し、名刺のデータ化と名刺管理、顧客管理、営業管理の為のクラウド型ソフトウェアを提供しています。従業員数は約50名です。設立は2007年6月です。創業者の寺田が商社マン時代に多くの方と出会って受け取った名刺の管理が大変だったという思いと、新規開拓などの場合、社内で「声を掛けてくれれば紹介したのに」というケースがあって、社内の人脈を可視化し共有できないかという思いを持ち続けていたことがサービスの原点です。

――サービスの流れを詳しく教えてください。

 【磯山さん】 ユーザーが名刺をスキャンすると、その画像がインターネットを経由して弊社のサーバーに送られ、専属オペレーターの二重入力により正しくデータ化されます。データベース化された名刺情報はパソコン、スマートフォン、携帯などから利用できます。組織として、名刺を中心とした情報共有、顧客管理、営業管理を実現するほか、即時性が求められる人事異動情報、ニュースの配信まで実装しています。人事異動情報の通知機能では特許も取得しています。社内で情報を共有でき、営業活動において有力な武器となります。

――お得意先はどの程度ありますか。

 【磯山さん】 現在、約600社の企業に導入いただいています。

――「世界に向けて」というお話でした。計画をお持ちですか。

 【磯山さん】 はい、今年はリンクナレッジの英語版を発表し、海外市場への進出を計画しています。アメリカに拠点もつくりたいと思っています。法人向けサービスであるリンクナレッジに加えて、個人向け名刺管理サービスも開発しており、こちらは日本語版・英語版をリリースする予定です。世界では、年間数百億枚の名刺が交換されているそうです。しかし、IT化がこれだけ進む世界にあって名刺は未だに紙です。弊社は紙の名刺に内在する「情報としての価値」、「ソーシャルな価値」を引き出し、ビジネスにおける新たな価値を提供することを目指しています。世界に通ずる新市場を創出し21世紀の日本の未来づくりに貢献することが私たちの願いです。

――ありがとうございました。

 【編集後記】 「三三」という珍しい社名に関心を抱いて訪問した。磯山さんの「6次の隔たり」の説明で納得。筆者も「名刺」交換は多く、管理はけっこうたいへん。いくらITが進んでも今後も「名刺」はなくならないだろう。きわめてアナログ的な「名刺」を、デジタル化して企業の資産として収益に繋げるビジネスに有望性を感じた。田舎にオフィスをつくって付加価値をつけるというやり方もうなずける。磯山さんに通された部屋は中国風の応接室、他に日本風と洋風の部屋があり、世界で事業を展開するという思いが込められているという。

■三三株式会社
 http://bit.ly/wZ16nL

■名刺管理クラウドサービス「Link Knowledge(リンクナレッジ)」
 http://bit.ly/wNdySy
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:06 | 特集

兜町版『平家物語』シナリオでドラッグストア株に栄枯盛衰の買い材料も浮上=浅妻昭治

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 新年早々、NHKの大河ドラマ「平清盛」の放送が始まった。元本の読み人知らずの『平家物語』は、平家一門の栄枯盛衰をいまに語り伝えているが、大河ドラマが、元本通りに「祇園精舎の鐘の音 諸行無常の響きあり」と訴求して、巡り巡って株式市場の投資家の参考となるか注目したいところである。

 株式市場にも数え切れないほどの栄枯盛衰、喜劇、悲劇があった。証券会社では、かつて定年まで無事に勤め上げられ証券マンは、トップセールスでもなく営業成績不振者でもなく、平均的な証券マンといわれてきた。その心は、成績不振者はもちろんノルマが達成できずに肩を叩かれるが、トップセールスも、好成績をキープするために無理に無理を重ねて、ついには証券事故を惹起してしまうからだというのである。投資家サイドでも大勝ちした投資家が、連戦連勝で常勝将軍となるのは至難の業で、大負けした投資家と同様に市場撤退に追い込まれるケースが大半で、トップセールと軌を一にしている。今年も、どのような兜町版の『平家物語』を紡がれるのか、気を引き締めざるを得ない。

 この兜町版『平家物語』で、現在、栄枯盛衰が進行中の2銘柄が、以前から気になっていた。調剤薬局・ドラッグストアを展開しているCFSコーポレーション<8229>(東1)アインファ−マシーズ<9627>(東1)である。両社は、同業界・同業態というだけでなく、接点を持ったことがあるのである。いまを遡る5年3カ月前の2007年10月5日だ。両社は、経営統合の合意を発表したのである。しかし、この経営統合は3カ月半後に失効してしまった。

 CFSコーポの親会社のイオン<8267>(東1)が、経営統合に異議を唱え、株主総会で否決したことによる。その後、イオンは、2010年5月にCFSコーポに株式公開買い付け(買い付け価格600円)を行っている。

 一方、経営統合が失効したアインファーマは、2008年8月にイオンのライバルのセブン&アイ・ホールディングス<3382>(東1)と業務・資本提携、第3者割当増資(発行価格1608円)を行い、2009年3月に東証第2部、2010年3月に東証第1部と昇格の階段を上ってきた。こうした両社の経緯は、両社の社史の沿革や新聞のバックナンバーをひっくり返せば簡単に概観できる。

 株式投資では、「・・・たら」、「・・・れば」に固執することが最もリスクが大きいとされているが、もし、2007年の両社の経営統合が実現していたとすれば、両社の現在の立ち位置はまったく別の展開になっていたのではないかと想像を掻き立ててくれる。少なくとも、CFSコーポの現在の株価が、過去最安値近辺でアインファーマのわずか10分の1、今2月期予想純利益が4億円(前期比65%減)と、今4月期純利益が48億5000万円(同23%増)と連続して過去最高を更新するアインファーマの12分の1となるなど、兜町版『平家物語』の栄枯盛衰を象徴することにはならなかったはずである。(続きと詳細は「浅妻昭治のマーケットセンサー:メールマガジン」に掲載。果たして注目銘柄は?)

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:43 | 特集
2012年01月06日

来週は『きっかけ待ちの相場』展開=犬丸正寛の相場展望

★国会控え国内動けず、NYダウ次第

来週は『きっかけ待ちの相場』展開=犬丸正寛の相場展望 来週(10〜13日)は、『きっかけ待ちの相場』だろう。年が改まったものの、新しい手がかり材料はなく、師走相場で動いた人気銘柄も様子見の展開。結果、東証1部出来高は12〜15億株の超閑散状態が続いている。

 強いて手がかりとなりそうな材料を挙げれば、大手証券の新春講演会開催が予定されていることくらいだろう。しかし、「今の大手証券に多くを期待することは難しい」(中堅証券)という。結局は、外国人投資家の買いが入らないと出来高を伴った盛り上がり相場は期待できないということだろう。国内主導で相場を盛り上げようとすれば、「人気株」しかない。その人気株もやりすぎると当局から目をつけられる心配もある。

 こうした中で、仮に、相場に火がつくとすれば、「NYダウ上伸」による援護高だろう。1万2200ドル前後の壁を抜いたNYダウは、2011年5月頃の水準である1万2840ドルへ突っかける可能性もある。欧州の信用不安、新興国の経済成長鈍化はアメリカにとっても影響はあるものの、一方で世界におけるアメリカの強さと地位復活である。ドルへの期待と信任が高まればNYダウ押し上げとなるはず。当然、日本のマーケットに刺激となる。

 1月の通常国会は23日頃に召集される見通しのようだ。当然、荒れ模様で解散含みとなりそうだ。このため、国内要因では積極的に手がけ難く、NYダウの動き次第とみておくところだろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:55 | 特集

海外サイトをつらつら見るに・・・ネット通販連想銘柄=田北知見の銘柄ウオッチ

田北知見の銘柄ウオッチ 趣味で海外のネットサイトを見ていると、「やはり日本とはちょっと感覚が違うなあ」とか「こういう感覚は、日本と同じなんだ」などと思うことがいろいろあって楽しい。例えば、先日見た、オーストリアの大手著名美術館のサイト。「バロック美術」のページに、なぜか、すご〜く変な顔をしたおじさん達の石像・銅像の画像がいくつも掲載されていた。

変な顔というのは、ギュッと目をつむって口をすぼめた顔とか、眉を大きく上げた、驚いたようなおどけたような顔とか、ムッとして下唇を突き出した顔とかだ。私はドイツ語も英語もサッパリ読めないので、なぜこんな変顔の像がいっぱいあるのか不明なのだが、1700年代にこういうリアルな像がつくられていたのだと思うと面白いし、それをわざわざサイトに掲載している美術館もすごいと思った。

 また、アメリカのアパレルブランドのサイト。ネット通販のページには、いろいろな絵柄や言葉がプリントされているTシャツが並んでいた。その中の1枚に、女性が2人、スニーカーをはいて楽しそうにジョギングしているイラストと「sole sisters」という言葉がプリントされている物があった。「soul sisters」、つまり「親しい友人あるいは姉妹どうし」という言葉からのシャレで、「sole」、つまり「未婚の」女性どうしの友情とか、スニーカーの「靴底」と引っ掛けて、ジョギング仲間といったような意味なのだろう。

 他には、イギリスの写真家さんのサイトにあった「経歴紹介」のページ。箇条書きではなく、文章で丁寧に書かれているのだが、最初に書かれていたのは、「僕の人生はとても平凡なので、普通に書くと2〜3行で終わってしまうが、それではちょっとまずいので、がんばっていろいろ書いてみようと思う」といったような意味のことだった。その言葉に、写真家さんの暖かくて謙虚な人柄がにじみ出ているように思えて、軽いユーモアに笑っただけでなく、何か自然に笑みがこぼれてしまった。ちなみにサイトに掲載された見本作品も、みょうなケレン味のない、美しい自然をとらえた写真ばかりだった。

 上記のサイトとは関係ないが、連想して、ネット通販銘柄を見てみた。

★セブン&アイ・ホールディングス〈3382〉(東1)

 セブン−イレブン、イトーヨーカドーなどを展開し、通販事業も行なっている、セブン&アイ・ホールディングス<3382>(東1)を入れる。6日終値は8円安の2142円。単位100株。PERは約14.7倍、PBRは約1.1倍となっている。チャートを見ると、この1年ほどは、震災前後を除いて、上値2300円ライン、下値2000円ラインのボックス圏を形成している。2100円を切ったあたりで下値拾いをし、上値2300円ラインを待って利益確定を計るのも一手か。

★ザッパラス〈3770〉(東1)

 携帯電話向けコンテンツ配信、モバイルコマース事業を行なっている、ザッパラス<3770>(東1)を入れる。6日終値は400円安の7万7900円。単位は1株なので、売買しやすさも魅力だ。また、PERは約6.8倍と割安水準、PBRは約1.3倍となっている。株価はこの1年ほど、14万円ラインから中期で続落トレンドを形成してきた。しかし昨年11月24日につけた上場来安値6万6000円で底を打った模様だ。以降は反発している。中期で9万円フシまでの戻りを目指す。今期の2012年4月通期末(通期)配当金は4200円予想。現在の株価で利回り約5.4%の計算となる。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:58 | 特集

新年相場の風向きを強気投資判断銘柄で占う=浅妻昭治

■「曲がり屋といわれたころから当たり出す」か!?

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 2012年相場が始まった。年が改まって相場の景色が変わってくれるのか、スタート・ダッシュに期待したいところである。兎に角、昨年は散々であった。日経平均株価は、年間下落率が17%に達して、1982年以来、29年ぶりの安値で大納会となった。

 1982年は、不動産バブルが起こる前で、これではっきり平成不況は、「失われた10年」どころではなく、「失われた30年」か、それ以上の及ぶ可能性があることがほぼ確定した。大納会の東証第1部の売買代金も、14営業日連続の1兆円割れで、11月20日からの前場取引時間の30分間の延長も、徒労に終わった。

 当然、年間の投資パフォーマンスは、投資家個々の自らの投資パフォーマンスも含めて「曲がり屋」のウエートが高かったはずである。この「当たり屋、曲がり屋」の判定で、まっさきに「曲がり屋」のイエローカードを突き付けられそうなのが、日本経済新聞が、新年1月3日付けで掲載する恒例の経営者40人に聞く有望銘柄ランキングである。トップの票数を集めたのがコマツ<6301>(東1)だったが、年間パフォーマンスは、マイナス26%と日経平均株価に対してアンダー・パフォームしてしまったからだ。

 しかも、そのコマツを今年も同有望銘柄ランキングのトップにランクしているのである。東日本大震災の復興需要や新興国のインフラ整備需要を買い材料に経営者の票を集めたようだが、前年実績もあり、掲げたイエローカードを下げていいものどうか迷うことになる。

 兜町では「曲がり屋といわれたころから当たり出す」という相場格言がある。前句には「当たり屋といわれたことから曲がり出す」と断り書があって、株式市場の流動的な栄枯盛衰を表しているが、昨年の「曲がり屋」が「当たり屋」に一変するか、注目されるところである。(続きと詳細は「浅妻昭治のマーケットセンサー:メールマガジン」に掲載。果たして注目銘柄は?)

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:35 | 特集
2012年01月04日

【話題】2011年上昇率トップ銘柄の次の年の年間パフォーマンスは果たして?

【前年上昇率トップのエスバイエルはセオリー通り】

■昨年末のデッドヒートで上昇率1位

株式市場の話題 エス・バイ・エル<1919>(東1)は、3円安の178円と反落して寄り付いたあと、6円高まで上げて切り返し続急伸している。

 同社株は、前年2011年の東証1部値上がり率ランキングのトップを巡り、日成ビルド工業<1916>(東1)とデッドヒートを演じ、大納会を含むラスト2日間のラストスパートで3.62倍の上昇と、日成ビルドの3.5倍と鼻差のトップを確保したが、新年大発会は、前年上昇率第1位銘柄は、次の年は達成感から値下がりするセオリーもあり、利益確定売りが先行し、下値ではすかさず東日本大震災の復興関連株人気の買いが入っている。

■上昇率トップ銘柄の次の年の年間パフォーマンスは?

 上昇率トップ銘柄の次の年の年間パフォーマンスは、この3年間でみると、2008年の古河電池<6937>(東1)が次の年は27%、2009年のTOWA<6315>(大1)が37%、2010年のフージャースコーポレーション<8907>(東1)が24%の各下落率となっている。

 エスバイエルの株価は、大震災の復興需要関連思惑で大化けしたが、もともとの株価急伸のキッカケは、ヤマダ電機<9831>(東1)の同社株への株式公開買い付け(買い付け価格62円)にあった。

 太陽光発電関連のスマートハウス事業への多角展開を評価して年初来高値7080円まで買い進まれたヤマダ電機の高人気も波及したが、ヤマダ電機は、その後、家電販売の変調で一時5000円台割れまで大きく調整した。

 エスバイエルの信用買い残も1633万株となお高水準となっており、新年相場は、上昇率トップ銘柄のセオリーを試す1年になりそうだ。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:10 | 特集
2012年01月03日

【特集:2012年を読む】「総合商社」銘柄の動向(2)〜株価に割安感強く上昇余地

■「総合商社5社」新規投融資の実行が本格化

【特集:2012年を読む】「総合商社」銘柄の動向(2)〜株価に割安感強く上昇余地 欧州債務危機問題などを背景として、欧州や中国などを中心に世界的に景気減速感が強まっているため、その影響は避けられないが、原油価格などは依然として高水準に推移している。さらに、これまで着実に進めてきた成長分野への新規投融資と優良資産への入れ替え、事業ポートフォリオの最適化、バリューチェーンの構築などの成果とも言える、受取配当金や持分法投資損益の増加も寄与するだろう。

 投資有価証券評価損の計上など、一過性の特殊要因の大口損失が新たに発生しなければ、12年3月期通期の連結純利益は、各社ともに上振れの可能性が高いだろう。さらに、各社とも配当性向の引き上げを目指しているだけに、通期純利益が増額されれば、期末配当の増額も期待されるだろう。

 そして総合商社各社ともに、事業の成長性、資本の効率性、財務の健全性などのバランスを取りながら、成長分野への新規投融資や、優良資産への入れ替えを積極化させ、戦略的な事業ポートフォリオの構築を継続的に推進している。

 新規投融資、優良資産への入れ替え、バリューチェーンの構築は、石炭、鉄鉱石、銅、ニッケル、原油、天然ガス、シェールオイル・ガス、レアアースなどの金属資源・エネルギー分野にとどまらない。太陽光、風力、地熱、蓄電池などの新エネルギー・再生可能エネルギー関連、IPP火力発電、水(上下水道)ビジネス、鉄道・空港・港湾、交通・物流ネットワークなどの社会インフラ関連、穀物・飼料、肥料・農薬、養殖、植物工場などの食糧資源・農業関連、そして消費・ライフスタイル関連、生活産業関連、医療・ヘルスケア・介護関連など、非資源分野や新ビジネス領域への投融資も積極化し、戦略的な事業ポートフォリオの構築を目指している。

■11年4〜9月期の新規投融資実績

 11年4〜9月期の新規投融資実績を見ると、伊藤忠商事<8001>はグロス3000億円(資源・エネルギー1300億円、生活消費1000億円、機械400億円、化学品・建設・他300億円)だった。丸紅<8002>はグロス1200億円(資源450億円、インフラ250億円、環境生活その他500億円)だった。三井物産<8031>はグロス3600億円(資源・エネルギー1200億円、物流ネットワーク300億円、生活産業1500億円、インフラ600億円)だった。住友商事<8053>はグロス900億円(資源・エネルギー290億円、新産業・インフラ30億円、メディア・生活関連300億円、その他280億円)だった。そして三菱商事<8058>はグロス2700億円(金属・エネルギー資源1000億円、全社戦略200億円、その他1500億円)だった。優良な候補案件が多いため、各社とも10月以降に、新規投融資の実行が本格化する模様である。

 非資源分野に関しては、一案件当たりの投融資金額が、金属資源・エネルギー分野に比べて小さいため、株式市場では目立たず、手掛かり材料としてのインパクトも小さく感じられるが、投融資の積み上げで着実に収益に貢献しつつある。中期的にも、各社の収益基盤は一段と強化され、収益の拡大基調が期待されるだろう。

■株価の上昇余地は大きい

 5社の足元の株価の動きを見ると、三菱商事<8058>については安値圏でのモミ合い展開だが、伊藤忠商事<8001>丸紅<8002>三井物産<8031>住友商事<8053>については、概ね安値圏からの反発過程と言えるだろう。そして株価水準を指標面で見ると、概ね予想PERが4〜5倍台、予想配当利回りが4%台となっている。

 総合商社の株価については、原油価格や金属資源価格との連動性の高さが意識される傾向が強いだけに、世界的な景気減速で原油価格や金属資源価格が下落するのではないかという警戒感が、株価の戻りを圧迫しているようだ。

 しかし、収益基盤が大幅に強化されていることや、戦略的な事業ポートフォリオの構築を推進していることに対しては、評価不足という印象は強い。また12年3月期通期純利益の上振れ期待、13年3月期以降の収益拡大期待を考慮すれば、指標面での割安感は強いと言えるだろう。

 チャート面で見れば、上値抵抗線となっている26週移動平均線の突破が当面のポイントになるが、上昇余地は大きいだろう。

・【特集:2012年を読む】「総合商社」銘柄の動向(1)〜基盤強化で収益拡大基調

・住友商事は指標面で見れば依然として割安感の強い水準
・三菱商事は信用倍率やや高水準だが上昇余地は大きい
・三井物産は中期的に収益基盤が一段強化で収益は拡大基調
・丸紅は通期では期初計画の3000億円を上回る見込み
・伊藤忠商事は2年合計で1兆円まで増額する可能性も
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:04 | 特集

【特集:2012年を読む】「総合商社」銘柄の動向(1)〜基盤強化で収益拡大基調

■総合商社大手5社は収益基盤を着実に強化

【特集:2012年を読む】「総合商社」銘柄の動向(1)〜割安感が強く評価不足 総合商社大手の伊藤忠商事<8001>、丸紅<8002>、三井物産<8031>、住友商事<8053>三菱商事<8058>の5社は、収益基盤が着実に強化され、中期的にも収益の拡大基調が予想される。足元の株価水準には割安感が強く、評価不足の印象が強い。

 5社は90年代後半以降、リスク・リターン管理の経営手法を導入した。そして、投資基準や撤退ルールの厳格化によるリスクマネジメントの強化、成長分野の優良資産への入れ替えによる事業ポートフォリオの最適化、川上から川下までのバリューチェーン構築、財務体質の強化などを基本方針として、収益基盤の強化を推進してきた。その成果として、売上総利益の増加だけでなく、受取配当金の増加や持分法投資損益の増加が収益拡大に貢献するなど、収益基盤は着実に強化されてきた。

■直近の業績は好調

 直近の業績も好調である。11年4〜9月期の連結純利益は、5社のうち三菱商事<8058>が前年同期に計上した大口の一過性利益の反動で減益となったが、他の4社は大幅増益となった。伊藤忠商事<8001>は上期として過去最高益を更新した。

 12年3月期通期の連結純利益見通しについては、11年4〜9月期業績発表時に住友商事<8053>が上方修正し、他の4社は据え置いた。

 しかし、12年3月期通期純利益の会社公表見通しに対する11年4〜9月期実績の進捗率を見ると、通期見通しを据え置いた伊藤忠商事<8001>は2400億円に対して66%、丸紅<8002>は1700億円に対して61%、三井物産<8031>は4300億円に対して53%、三菱商事<8058>は4500億円に対して55%である。いずれも高水準であり、上振れの期待が高まっている。通期見通しを上方修正した住友商事<8053>は、上方修正後の通期見通し2500億円に対しても61%と高水準であり、再度の増額修正の期待が高まっている。

・【特集:2012年を読む】「総合商社」銘柄の動向(2)〜株価に割安感強く上昇余地

・住友商事は指標面で見れば依然として割安感の強い水準
・三菱商事は信用倍率やや高水準だが上昇余地は大きい
・三井物産は中期的に収益基盤が一段強化で収益は拡大基調
・丸紅は通期では期初計画の3000億円を上回る見込み
・伊藤忠商事は2年合計で1兆円まで増額する可能性も
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:02 | 特集
2012年01月02日

【特集:2012年を読む】「SNS関連」銘柄の動向〜スマートフォン対応にシフト

■SNS関連は収益拡大基調、主要関連銘柄の株価は総じて調整局面だが反発余地

【特集:2012年を読む】「SNS関連」銘柄の動向 交流サイトやソーシャルゲーム・プラットフォームを運営するSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)関連企業は、スマートフォン(高機能携帯電話)の爆発的な普及と、交流サイトの利用者がサイト内で楽しむソーシャルゲームの人気化を背景として、収益が急速に拡大した。登録会員数の増加やソーシャルゲームの利用者数増加に伴って、ソーシャルゲーム関連の有料課金収入の増加が収益拡大に寄与している。

 そして11年夏から秋にかけては、株式市場での人気も急騰し、株価が上場来高値を更新する銘柄もあった。しかし主要関連銘柄の足元の株価は、総じてやや調整局面となっている。グリー<3632>は高値圏でのモミ合い展開、サイバーエージェント<4751>は戻り過程での中段モミ合い展開だが、ミクシィ<2121>ディー・エヌ・エー<2432>は高値からほぼ半値水準の安値圏でのモミ合い展開となっている。各社の株価が総じて調整局面となっている背景には、持続的な利益成長についての懐疑的な見方があるようだ。

 各社の公表資料で11年9月末現在のサイト登録数を見ると、ミクシィ<2121>の「mixi(ミクシィ)」国内登録ユーザー数は約2500万人、ディー・エヌ・エー<2432>の「Mobage(モバゲー)」国内会員数は約3200万人、グリー<3632>の「GREE(グリー)」などグループ世界会員数は約1億5500万人(うち国内は約18%)、そしてサイバーエージェント<4751>の「Ameba(アメーバ)」事業会員数は約1800万人に達している。このため国内市場が飽和状態に近づいているとして、成長余地が乏しいのではないかという警戒感につながっている。

 ディー・エヌ・エー<2432>が10月31日に発表した11年4〜9月期決算で、半期ベースでは増益だったが、四半期ベースでは7〜9月期の営業利益が直前四半期の4〜6月期比で減益となったことや、ミクシィ<2121>が11月2日に12年3月期業績見通しの下方修正を発表して、従来の増益予想から一転して減益予想となったことも、成長力に対する懐疑的な見方に拍車をかけたようだ。

■グローバルな事業展開を一段と加速

 また各社の株価が総じて調整局面となっている背景には、国内株式市場全体の地合い悪化の影響もあるだろう。さらに12月には、韓国系オンラインゲーム大手のネクソン<3659>が東証1部に新規上場したため、資金シフトにつながった可能性もあるだろう。

 しかしSNSやソーシャルゲーム・プラットフォームは、スマートフォンにとっても強力なアプリケーションとされている。そして従来の主力ユーザー層である若年層以外にもすそ野が広がり、国内外で一段と利用者層の拡大が進むと予想されている。さらにネット通販など、電子商取引全般に好影響を及ぼすことも期待されている。

 このため大手各社ともに、事業の中心をスマートフォン対応にシフトする動きを強めている。そして、M&Aの積極活用やスマートフォン関連の技術者の積極採用などで、人気ソーシャルゲームやアプリケーションの調達力や自社開発力を強化するとともに、サイト利用における利便性の向上、そしてグローバルな事業展開を一段と加速させている。

■株価も総じて反発余地が大きい

 ミクシィ<2121>(東マ)は、従来型携帯電話向け広告関連収入に依存したビジネスモデルから、スマートフォン向けソーシャルゲームなどの課金収入中心のビジネスモデルへと、収益構造の本格転換に乗り出した。

・【SNS関連・銘柄診断】ミクシィは収益構造の転換進めば反発余地は大きい

 ディー・エヌ・エー<2432>(東1)は、ゲーム開発会社の買収や提携強化で、12年1〜3月期には有力タイトルのソーシャルゲームが続々と登場する模様である。「横浜ベイスターズDeNA」でのプロ野球新規参入も決定し、知名度向上に寄与することが期待される。

・【SNS関連・銘柄診断】ディー・エヌ・エーは営業利益の動向が当面の焦点

 グリー<3632>(東1)は、世界で10億人が利用できるサービスを目指して、国内の「グリー」と、11年4月に買収した米国の「オープンフェイント」のソーシャルプラットフォームを、12年4〜6月期に統一する。

・【SNS関連・銘柄診断】グリーは短期調整が一巡すれば上値追いの可能性

 サイバーエージェント<4751>(東マ)は「アメーバ」事業が急成長しており、スマートフォン向けのSNSやコミュニティーを一段と強化する。広告代理事業についても、スマートフォン向けを中心とした総合的なサービス開発を強化する方針である。

・【SNS関連・銘柄診断】サイバーエージェントは上値フシ突破あれば一段高へ

 主要各社の収益は、人件費、ゲーム開発費、広告宣伝費などの経費増加を吸収して拡大基調だろう。そして各社の株価も総じて反発余地が大きいだろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:50 | 特集

【カジノ関連株】橋下・大阪新市長が積極的とされ材料性

■夢洲(ゆめしま)人工島に誘致の構想

特集 株式市場で「カジノ関連銘柄」といえば、日本金銭機械<6418>(大1)オーイズミ<6428>(東1)グローリー<6457>(大1)が御三家だ。このうち2銘柄は、株式売買の主市場が大証・大阪証券取引所<8697>(JQS)。奇しくも、大阪市の橋下新市長が大阪湾岸の人工島・夢洲(ゆめしま)地区などにカジノ誘致の構想をもつと伝えられたことがあり、新年の株価テーマとして期待が膨らんでいる。

■昨年末「候補地」に言及

 読売新聞12月16日付けによると、橋下新市長は、市港湾局との意見交換の中で「夢洲にカジノを誘致することは可能か」と発言。橋下新市長が具体的な候補地に言及するのは初めてで、港湾局側は「広大な敷地はある」と応じたという。夢洲は、平松前市長が液化天然ガス発電所の新設計画をもっていたとされる地区で、同紙によると、夢洲は、埋め立てが完了すれば総面積390ヘクタール。コンテナターミナルなどのある先行開発地区(140ヘクタール)と、まだ整地されていない将来開発地区(250ヘクタール)がある。

 国会でも、超党派の、いわゆるカジノ議連が2010年に発足しており、大震災の被災地に誘致する構想など、幾つかの具体的な案が議員立法として提出できる状況になっている模様だ。
2011年は、カジノ関連銘柄でも、大王製紙<3880>(東1)が株安に作用する話題を集めたが、復興関連としても注目を集める場面がありそうだ。

・【カジノ関連銘柄診断】オーイズミの業績は13年3月期にかけて持ち直す見込み
・【カジノ関連銘柄診断】グローリーは下げ止まる動きでジックリ貯め込む投資を
・【カジノ関連銘柄診断】日本金銭機械はモミ合い周期性狙えば手堅く値幅狙いも
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 08:00 | 特集
2011年12月31日

「主要指標でみる2011年相場」と「2012年相場展望」

★「復興本格化」と「公共投資復活」で内需主導相場を予想

■強いドルで輸出株にも反発の芽

 2011年の指標(昨年12月末と今年12月末比較)が、軒並み下落となった中で、いくつかの特徴がみられる。今年の指標の動きから2012年の相場を展望した。

【2011年の指標の特徴】

・「大型株指数」、「TOPIX」など主力大型銘柄の下げが大きい。
・「小型指数」、「ジャスダック平均」など小型銘柄の下落率は比較的小さい。
・株価指数に比べ、「出来高」、「時価総額」などボリューム指標の下落の大きいことが目立つ。
・「1株利益」(日経平均)は、下落率が小さく、企業業績は堅調だった。
・「日経平均」、「上海総合指数」が20%ていど下落となった中で、「NYダウ」は上昇した。
・対ドル、対ユーロで「円高」が進んだ。
・個別代表銘柄では、原子力事故で「東京電力」が10分の1に暴落。粉飾決算で「オリンパス」も株価が半分以下に急落した。
・「トヨタ自動車」、「新日本製鐵」、「三菱商事」、「コマツ」、「野村ホールディングス」など海外組の下げが目立った。
・「ダイハツ」、「アサヒグループホールディングス」は上昇となり、内需関連株の一角に強さがみられた。

【2011年相場の背景】

 2011年の「国内」は、東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所の放射能漏れ、電力節約などで、消費と生産が停滞。「東日本地域」の不振が目立った。西日本地域は九州新幹線の営業開始、JR大阪駅ビルオープンなど、総じて堅調だった。

 一方、「海外」では、ユーロ圏の財政悪化による信用不安が世界経済を圧迫。とくに、中国、ブラジルなど新興国経済の成長にブレキーがかかり、日本の新興国関連銘柄も大きく下げた。こうした中で、経済が回復したアメリカは、NYダウが上昇となっていることが特筆され、2012年への期待を抱かせる。

【2012年相場の展望】

■公共投資も久々に期待

 2012年はどう展開するか。「国内」では、東日本大震災の復興が本格化する効果が見込める。原発の放射能問題も最悪期を過ぎ、自粛傾向の続いた消費にも回復の兆しがみられる。また、「セメントから人へ」政策の見直しで、治水ダム、新幹線など公共投資も久々に期待できそうだ。

 建築土木株、道路橋梁株、セメント株、住宅株などの「復興関連銘柄」、「公共投資株」に対する本格的な見直しが見込めそうだ。消費関連株にも浮上が期待できそうだ。とくに、ロンドンオリンピックで旅行関連、航空株なども注目されるだろう。ただ、東海沖大地震が起きないという条件はつくが。

 「海外」では、ヨーロパの信用不安の行方がいちばんのポイント。仮に、ユーロ不安が続くようなら、新興国関連銘柄や欧州向け輸出の多い国内銘柄は引き続き低迷が続くだろう。反対に、ユーロ不安にめどがつくようだと、中国など新興国経済にとってプラスとなり日本の中国関連株、ヨーロッパ向け輸出の多い輸出関連株も急反発に転じるだろう。

■日経平均は1万円台も

 こうしてみると、2012年前半は海外の不安定材料を引きずるものの、復興、公共投資、消費など内需組に徐々に明るさが加わるものとみられる。とくに、堅調な企業業績に対し、次期(2013年3月期)見通しに期待が出れば相場は5〜6月に一気に上昇となるのではないか。

 また、冷戦終了後、多極化した世界において、再び、アメリカに対し世界のリーダとしての役割を求めるようになればドル高=NYダウとなって、同盟国の日本にとっても浮上が期待される。2012年のマーケットは、かなり強い展開が予想される。日経平均の1万円台は期待できそうだ。

「主要指標でみる2011年相場」と「2012年相場展望」
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 19:08 | 特集
2011年12月30日

犬丸正寛のキーワードで占う『2012年相場』〜世界は『選択と集中』へ

犬丸正寛のキーワードで占う『2012年相場』〜世界は『選択と集中』へ■キーワードで占う『2012年相場』

 2012年にマスコミに登場が予想される言葉は、どのようなものがあるだろうか。ざっと挙げてみると次のような言葉が予想される。その言葉を眺め、組み合わせてみることで、2012年の相場も見えて来るのではなかろうか。『』内が注目される言葉。

【海外】

 海外では先進国、新興国で問題となっている『貧富の格差』によるデモが2012年も続くことが予想される。とくに、アメリカは『大統領選挙』を控えていることから『失業』対策に力点が置かれるものとみられる。一方、『欧州信用不安』は引き続き世界経済にとって波乱要因。ユーロ体制を維持できるかどうか。ヨーロッパの信用不安が続くようだと、中国など『新興国経済の行方』にも影響してくる。

 あるいは、もう一度、アメリカ・イギリス・日本によるドル体制強化になるかどうかが注目される。とくに、『イラン・北朝鮮の核開発問題』から、アメリカへのリーダーシップ期待が強まることも十分に予想される。こうした中で2012年7月に『ロンドンオリンピック』が開催されることは、米英日の存在感を強める象徴のようでもある。

【国内】

 『消費税』、『財政再建』『TPP問題』、『沖縄基地問題』など現政権にとって解決が難しい問題ばかり。年末に『消費税引上案』は党内で了解は取り付けたものの、早速、国会での審議が控えている。2009年の『民主党政権公約』が果たされていないだけに、国民からの『民主党支持率は急低下』しているだけに野党攻勢は厳しいものが予想される。TPP、沖縄問題などに加え、さらに参議院で可決された2大臣の『問責決議』もあることから、『衆議院の解散の可能性』はかなり濃厚となっている。

 しかも、『維新の会など地方政党』の台頭が注目され、国民の間に変化を求める空気が強くなっている。仮に、解散総選挙なら単独で政権を取ることは難しく、『連立政権』ということになるだろう。

 国民生活にとっては、『福島原発放射能問題』、『東日本大震災復興の行方』、『異常気象による台風被害』、『電力不足』、『原子力発電所再稼動問題』など、国民生活に関係の深い問題も続いている。しかも、遠くない時期に発生が予想されている『東海沖大地震』への備えも急がなくてはいけない。『若年層の失業率』は高いままで、しかも、『円高傾向』から、『企業の海外進出』は引き続き活発で、そのことが国内雇用に影響している。ヨーロッパの信用不安が続くようなら『対ユーロで円高』の続くことが心配される。もちろん、強いドルということなら、対ドルでは円安も十分に予想される。

【2012年の株式相場は?】

★世界は「選択と集中」の時代、ドル中心に組み直し

 筆者は、『不景気の株高』の可能性が強いとみている。今、世界は『選択と集中』を迎えようとしているのではないか。1989年11月にベルリンの壁が崩壊して東西冷戦時代が終わり、世界は政治的にも経済的にも多極化し民主化が進んだ。22年経った現在、世界は「我も我も」状態でリーダーが不在。何かのきっかけで、テロや核戦争の起こる懸念を内包している。冷戦終結=平和の配当で豊かになれるはずのユーロ圏も逆に汗することを忘れたのか、借金に苦しんでいる。このため、現在の世界の国は、お互いに「選択と集中」で得意とする分野を磨き直す必要があるところに来ている。

 この点、日本の企業は早く「選択と集中」に取り組んできた。ベルリンの壁が崩壊した同じ年1989年の12月に日経平均は3万8915円の最高値をつけ「バブルが崩壊」した。以来22年、日本企業は、「選択と集中」で多角化経営から得意とする分野へ経営資源を集中してきた。このため、世界で日本企業の競争力が落ちたといわれるものの、必ずしも当てはまらない。決して、勤勉性まで失って、根本的な競争力が無くなったわけではない。その証拠にリーマンショック、欧州金融不安の中でも企業業績は強く、日経平均の予想1株利益は直近で600円近くあり立派な業績である。ただ、企業に比べ日本の政治は、まだ多党化のままで、これから企業と同じように「選択と集中」で日本再生を担う強い政治体制へ再編が予想される。

★行き場のない資金が日本株へ来る、『不景気の株高』

 恐らく、2012年は世界において、こうした日本の企業力の強さを見直す動きが予想される。しかも、政治も変わる可能性があることを考えればなおさらだ。

 世界で行き場のないマネーが日本の株式市場へ来る可能性はあるのではないか。消去法で「円」が注目されたように、次は「日本株」見直しの順番だろう。日本国内においても、行き場のない資金が株式市場に向かい『不景気の株高』になるものとみている。政府の政策が、『セメントも人も大切』という変更や、『東日本の復興本格化』を見込めば、建設株などにスポットライトの当る年になるものとみられる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:30 | 特集