東京証券取引所は21日(火)、『マザーズの信頼性向上及び活性化に向けた上場制度の整備等について』発表した。平成11年(1999年)に、新興系企業を対象として開設された「マザーズ」。母のような存在の意味も込められてのスタートから10年。しかし、このところの新規上場は低迷。しかも、新規上場前から継続して財務諸表虚偽記載を行った企業が発覚するなど、このところのマザーズの人気は芳しくない。
このため、新興市場本来の機能を果たす観点からマザーズの活性化に向けた上場制度の改革を行う。
(1)財務諸表の信頼性向上のための対応、
(2)上場審査の実効性向上のための市場関係者との連携の強化
(3)マザーズ廃止基準の見直し
(4)市場コンセプトへの適合性確認プロセスの新設
(5)市場コンセプトに即した上場審査手法の導入
(6)上場審査プロセス効率化のため、「推薦書」の提出時期見直しと標準上場審査期間の設定など。
とくに、注目を集めているのがマザーズ上場廃止基準。「成長段階の企業を対象とすることを踏まえ、本則市場(1・2部市場のこと)との比較で緩和しているマザーズの上場廃止基準(株主数、流通株式数、流通株式時価総額及び時価総額の各基準)について、上場後10年を経過した会社を対象に本則市場の上場基準と同水準の基準を適用する」というもの。
つまり、上場後10年を経過したマザーズの上場会社は、(1)マザーズでの上場を継続するか、(2)市場第二部に上場市場を変更することのいずれかを選択しなくてはいけない。
マザーズへ残る場合は、幹事証券の作成した「高い成長可能性に係る確認書」添付が必要となる。幹事証券の責任が重くなるわけだ。ただし、時価総額が40億円以上場合は確認書は不要。
施行日は2011年3月末の予定。施行日におけるマザーズの上場会社については、施行日の3年後から適用される。
ヘラクレスと合体した大阪市場のジャスッダクの動向も注目される。ただ、ジャスダックは昭和38年頃から上場しているところもあり、マザーズと同じ「上場10年」は難しそうだ。
2000年にマザーズに上場した企業は次のとおり。今後、マザーズに残るか、第二部に移るか注目される。
【参考:マザーズ上場10年銘柄一覧】
・メッツ<4744>
・e−まちタウン<4747>
・サイバーエージェント<4751>
・ピーエイ<4766>
・図研エルミック<4770>
・デザインエクスチェンジ<4794>
・メディアシーク<4824>
・リアルビジョン<6786>
・ぷらっとホーム<6836>
・ブイ・テクノロジー<7717>
・スカイマーク<9204>
・フォーバルテレコム<9445>
●[特集]の記事一覧
(ブログ内の記事検索は右サイドバーの検索窓から)
(12/22)【話題】東証マザーズの人気復活なるか?上場制度の改革を実施!
(12/20)「株券を枕に越年」は正解か?シンボル株は「節句働き」2セクター株より株式分割7銘柄
(12/17)カナダの不動産投資『ランドバンキング』=犬丸正寛の見聞記
(12/17)2010年の相場を主な指数を通して振り返る=犬丸正寛の相場展望
(12/17)年の瀬に…サービス業セクターで銘柄探し=田北知見の銘柄ウォッチ
(12/13)【特集】全上場企業3682社のホームページ充実度ランキング=日興アイ・アールに聞く
(12/13)「掉尾の一振」限定の「出口戦略」銘柄ならココを狙え!=浅妻昭治
(12/10)『休むも相場』政局波乱に備えてじっくり来年の作戦練る=犬丸正寛の相場展望
(12/10)来年のスケジュール帳…『適当手帳』にあやかって探した銘柄=田北知見の銘柄ウォッチ
(12/10)【話題】ポーラ・オルビスHDは1月第一生命保険以来の直接上場!売り買いは交錯
(12/06)「黒船」と「神風」の狭間で揺れる来年相場のテーマ株に選挙関連株が早手回しの浮上
(12/04)神戸製鋼所の北米での自動車用ハイテンの展開=犬丸正寛の見聞記
(12/03)『テーマなき個別買い相場』中心の展開へ=犬丸正寛の相場展望
(12/03)良質な分譲マンション…から連想して、不動産銘柄=田北知見の銘柄ウォッチ
(11/30)【カギ握る円相場】日経平均の終値1万円割れに思う=犬丸正寛
(11/29)「山より大きいイノシシが出る」のではないかと不安が高まるばかり?=浅妻昭治
(11/27)【株式市場フューチャー】米雇用統計やクリスマス商戦の動向が注目点
(11/27)2年で名目成長率4%は可能、みんなの党代表・議員と語る会=犬丸正寛の見聞記
(11/26)【米韓合同軍事演習に注目】朝鮮半島情勢見守る動きに=犬丸正寛の相場展望
(11/26)「歴史マイブーム」からの連想銘柄=田北知見の銘柄ウォッチ
(ブログ内の記事検索は右サイドバーの検索窓から)
(12/22)【話題】東証マザーズの人気復活なるか?上場制度の改革を実施!
(12/20)「株券を枕に越年」は正解か?シンボル株は「節句働き」2セクター株より株式分割7銘柄
(12/17)カナダの不動産投資『ランドバンキング』=犬丸正寛の見聞記
(12/17)2010年の相場を主な指数を通して振り返る=犬丸正寛の相場展望
(12/17)年の瀬に…サービス業セクターで銘柄探し=田北知見の銘柄ウォッチ
(12/13)【特集】全上場企業3682社のホームページ充実度ランキング=日興アイ・アールに聞く
(12/13)「掉尾の一振」限定の「出口戦略」銘柄ならココを狙え!=浅妻昭治
(12/10)『休むも相場』政局波乱に備えてじっくり来年の作戦練る=犬丸正寛の相場展望
(12/10)来年のスケジュール帳…『適当手帳』にあやかって探した銘柄=田北知見の銘柄ウォッチ
(12/10)【話題】ポーラ・オルビスHDは1月第一生命保険以来の直接上場!売り買いは交錯
(12/06)「黒船」と「神風」の狭間で揺れる来年相場のテーマ株に選挙関連株が早手回しの浮上
(12/04)神戸製鋼所の北米での自動車用ハイテンの展開=犬丸正寛の見聞記
(12/03)『テーマなき個別買い相場』中心の展開へ=犬丸正寛の相場展望
(12/03)良質な分譲マンション…から連想して、不動産銘柄=田北知見の銘柄ウォッチ
(11/30)【カギ握る円相場】日経平均の終値1万円割れに思う=犬丸正寛
(11/29)「山より大きいイノシシが出る」のではないかと不安が高まるばかり?=浅妻昭治
(11/27)【株式市場フューチャー】米雇用統計やクリスマス商戦の動向が注目点
(11/27)2年で名目成長率4%は可能、みんなの党代表・議員と語る会=犬丸正寛の見聞記
(11/26)【米韓合同軍事演習に注目】朝鮮半島情勢見守る動きに=犬丸正寛の相場展望
(11/26)「歴史マイブーム」からの連想銘柄=田北知見の銘柄ウォッチ
2010年12月22日
【話題】東証マザーズの人気復活なるか?上場制度の改革を実施!
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:40
| 特集
2010年12月20日
「株券を枕に越年」は正解か?シンボル株は「節句働き」2セクター株より株式分割7銘柄
浅妻昭治のマーケット・センサー
「怠け者の節句働き」といえば、もちろん悪口である。勤労意欲の乏しい人物が、皆が休む時分になって、急に忙しそうに立ち振る舞いする様子を腐している。臨時国会中はモゴモゴと口ごもることの多かった菅直人首相が、この「節句働き」よろしく突然、リーダーシップを発揮し始めた。諫早湾干拓事業の堤防開門や法人税率の引き下げなどをトップダウンで相次いで打ち出した。次いで今週は、小沢一郎元民主党代表と会談予定と報道されている。この会談で衆院政治倫理審査会への出席を小沢元代表に説得するなど「政治とカネ」問題に幕引きができるか、それとも野党のいう「アリバイ作り」に終わるのか注目を集めている。
それでなくても来年は、新年早々に通常国会開会を控え、ねじれ国会のなか来年度予算を成立させられるか正念場を迎える。菅・小沢会談が、民主党解党のキッカケになるのか、それとも民主・自民の大連立政権樹立につながるのか、それともいずれもかなわずかまたまた看板の掛け替え、首相交代に終わるのか、まさに「節句働き」は、来年の政局の「政界の一寸先は闇」を予兆させるものがある。
株式相場の方も、年末押し詰まって「節句働き」をしているセクターがある。メガバンク株と新興市場株である。とにかく今年2010年相場も混迷の1年であった。欧州の財政不安に円高進行が重なってデフレ経済を悪化させ、日経平均株価は、またまた1万円の大台を割った。メガバンク株も新興市場株ともこの1年、いいところなく存在感を消失していた。なかでもメガバンク株は、大量ファイナンスによる希薄化懸念で1株純資産を下回って上場来安値まで売り込まれ、相場の足を引っ張り続けた。
それが、ここにきてメガバンク株は出遅れ内需株として底上げし、新興市場株も、ネット・モバイル関連株を中心に高人気化している。両セクターの動意は、相場手詰まり感の裏返しに過ぎないのか、それとも来年相場の方向性を示唆するものかは、判断が分かれるところだろう。来年相場の先取りなら素直に順張りし「株券を枕に越年」の結論で間違いないが、政局動向と同様に「一寸先は闇」の「節句働き」に終わるなら、人気化場面はむしろ戻り売りがベストとなる。年内立会日数は残りたった8日間、迷いに迷う8日間になりそうである。
株式投資では、迷った時は「休め」が要諦である。ただし単に「休め」、市場撤退では賢い投資家とはいいにくい。相場の方向性をリサーチできるシンボル株を自ら選定してウオッチを怠らず、弱気・強気にも機動的に対処可能な目配り、細心さが不可欠となる。このシンボル株の一角に浮上しそうなのが、この12月27日に権利付き最終日を迎える株式分割7銘柄である。
クックパッド(2193)、アークランドサービス(3085)、ボルテージ(3639)、マクロミル(3730)、セラーテムテクノロジー(4330)、アグロ カネショウ(4955)、オプテックス・エフエー(6661)が、権利取りであとどのくらい上値を伸ばすのか織り込み済みとなるのか、権利落ち後に妥当値を上回るのか下回るのかを見極めれば、来年の相場シナリオのグランド・デザインを描くサポートはしてくれそうだ。
「怠け者の節句働き」といえば、もちろん悪口である。勤労意欲の乏しい人物が、皆が休む時分になって、急に忙しそうに立ち振る舞いする様子を腐している。臨時国会中はモゴモゴと口ごもることの多かった菅直人首相が、この「節句働き」よろしく突然、リーダーシップを発揮し始めた。諫早湾干拓事業の堤防開門や法人税率の引き下げなどをトップダウンで相次いで打ち出した。次いで今週は、小沢一郎元民主党代表と会談予定と報道されている。この会談で衆院政治倫理審査会への出席を小沢元代表に説得するなど「政治とカネ」問題に幕引きができるか、それとも野党のいう「アリバイ作り」に終わるのか注目を集めている。
それでなくても来年は、新年早々に通常国会開会を控え、ねじれ国会のなか来年度予算を成立させられるか正念場を迎える。菅・小沢会談が、民主党解党のキッカケになるのか、それとも民主・自民の大連立政権樹立につながるのか、それともいずれもかなわずかまたまた看板の掛け替え、首相交代に終わるのか、まさに「節句働き」は、来年の政局の「政界の一寸先は闇」を予兆させるものがある。
株式相場の方も、年末押し詰まって「節句働き」をしているセクターがある。メガバンク株と新興市場株である。とにかく今年2010年相場も混迷の1年であった。欧州の財政不安に円高進行が重なってデフレ経済を悪化させ、日経平均株価は、またまた1万円の大台を割った。メガバンク株も新興市場株ともこの1年、いいところなく存在感を消失していた。なかでもメガバンク株は、大量ファイナンスによる希薄化懸念で1株純資産を下回って上場来安値まで売り込まれ、相場の足を引っ張り続けた。
それが、ここにきてメガバンク株は出遅れ内需株として底上げし、新興市場株も、ネット・モバイル関連株を中心に高人気化している。両セクターの動意は、相場手詰まり感の裏返しに過ぎないのか、それとも来年相場の方向性を示唆するものかは、判断が分かれるところだろう。来年相場の先取りなら素直に順張りし「株券を枕に越年」の結論で間違いないが、政局動向と同様に「一寸先は闇」の「節句働き」に終わるなら、人気化場面はむしろ戻り売りがベストとなる。年内立会日数は残りたった8日間、迷いに迷う8日間になりそうである。
株式投資では、迷った時は「休め」が要諦である。ただし単に「休め」、市場撤退では賢い投資家とはいいにくい。相場の方向性をリサーチできるシンボル株を自ら選定してウオッチを怠らず、弱気・強気にも機動的に対処可能な目配り、細心さが不可欠となる。このシンボル株の一角に浮上しそうなのが、この12月27日に権利付き最終日を迎える株式分割7銘柄である。
クックパッド(2193)、アークランドサービス(3085)、ボルテージ(3639)、マクロミル(3730)、セラーテムテクノロジー(4330)、アグロ カネショウ(4955)、オプテックス・エフエー(6661)が、権利取りであとどのくらい上値を伸ばすのか織り込み済みとなるのか、権利落ち後に妥当値を上回るのか下回るのかを見極めれば、来年の相場シナリオのグランド・デザインを描くサポートはしてくれそうだ。
浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 15:34
| 特集
2010年12月17日
カナダの不動産投資『ランドバンキング』=犬丸正寛の見聞記
■TSIインターナショナル・グループのセミナー
このほど、都内で開催された『ランドバンキング』のセミナーに出席した。夕方6時半、東京国際フォーラムのセミナールームは定員いっぱいの50人。開催したのは、カナダ・トロントに本社を置く、TSIグループ・オブ・カンパニーの日本法人「TSIインターナショナル・グループ」(スティーブン・ハギンズ社長)。ハギンズ社長はフットボールのMVPに輝いた実績を持ち、在日のカナダ人の中でも存在感を増している。日本に来て11年、香港勤務も入れるとアジアでの生活は17年という。ハギンズ社長は、「今年は当社にとって成長した良い年でした。資本金はまもなく1億円弱(現在5000万円)にします。年明け1月にはオフィスも移します。2011年は、さらによい飛躍の年にします」と、よく通る声で挨拶。カナダ、アジア、そして日本中を飛び回る忙しさで、挨拶が終わると次のミーティングへ。『ランドバンキング』の説明は藤本直孝バイスプレジデントにバトンタッチした。
『ランドバンキング』は、耳慣れない言葉。しかし、仕組みはいたって簡単。未開発の田畑、山林などの大規模な土地を手当てして、開発認可を得たうえで住宅地として売却し値上がり益を得る。かつて、日本でも電鉄会社が土地を手当てし、住宅地として開発したのと似ている。しかし、土地さえあればよいということではない。人里遠く離れた開発の目処のないところでは意味がない。あくまで、住宅地等の開発が見込める場所でなくてはいけない。残念ながら、既に、日本では開発され尽くされた感がある。
日本に比べ、国土が広く、経済成長の目覚しいカナダ、とくにトロント周辺では住宅地等都市開発が活発という。このトロント周辺を地盤に同社の『ランドバンキグ』が注目を浴びているということだ。
バイスプレジデント藤本直孝氏のあらまし説明に耳を傾けてみよう。「カナダは天然資源に恵まれています。原油確認埋蔵量は1800億バレルと、サウジに次いで世界2位。オイルサンドが中心です。LNGの生産量は3位で輸出量は2位、ウランは世界でトップクラスです。金、ニッケル、アルミも多く、最近注目されているレアアースも開発されています。カナダの人口3300万人に対し、資源量は国内で消化し切れないため資源の輸出余力が高いのが特徴です。10年前は対米ドルに対しカナダドルは30〜40%低い水準でした。最近は資源高にも支えられ対米ドルでほぼ1対1の水準です」。
つまり、われわれには、カナダと聞けば観光としてのイメージが先に来る。しかし、観光だけでなく、経済力面から有力な投資先対象ということだ。
さらに、藤本氏は強調する。「金融面での健全性は国家財政、民間金融機関とも世界でもトップクラスです。ただ、カナダでも出生率は低く、同時に高齢化も進んでいます。このため、アジアを中心に毎年20〜30万人の移民を受け入れています。もちろん、誰でも受け入れるのではなく、若く、あるていど経済力があり、起業家、投資家、エンジニアなどカナダ経済に貢献が期待できる方々が中心です。こうした条件をクリアした移民の方々が移民して10年以内に住宅を購入する傾向が見られます。ここにも、当社グループのランドバンキグビジネスのチャンスが生まれているのです」。
100〜200エーカー程度の規模で土地を手当てして、その後、デベロッパー(不動産開発会社)に売却する。手当てした土地は細分化して投資家に販売する。投資家はカナダ政府に土地所有者として登記される。手当てしてから販売まで同社の場合、ほぼ5年が目安。2〜3倍の値上がりを見込む。同社自身が造成したり、住宅を建てたりといったデベロッパーの業務は手がけない。あくまで、未開発土地を手当てして、デベロッパーへ売却することが目的。
ならば、デベロッパー自体がランドバンキングをやればよさそうなもの。実はそれが難しいところに同社の強みがある。地域住民、地元自治体に精通していないと難しい。反対の地主があっては開発に遅れが生じる。あるいは、開発の目処のない場所を買っても意味がない。
見込み通り、開発認可が下り、2、3倍に値上がりしたら投資家に売却の賛否を取る。51%の賛成があれば、その時点でデベロッパーへ売却し、持分に応じて投資家に売却金が分配される。
もちろん、リスクは絶対にないとは言えない。売却まで5年程度と期間が長いため、リーマンショックのような経済変動が起きないともいえない。ただ、同社が土地を担保に銀行等から借り入れを発生させて土地購入をやっていないことによる強さはある。あくまで、投資家の直接金融を中心としている安心感はある。そのかわり、投資家は途中での売却はできない。
セミナーを聞きながら、日本での、かつての土地神話を思い出した。とくに、昭和40年代初めころは、土地投資がもっとも有利だった。その後、土地バブル崩壊に見舞われた。こうした流れに照らし合わせてみると、今のカナダは、日本の昭和40年代当時と似て、登り坂ではないかと思った。
このほど、都内で開催された『ランドバンキング』のセミナーに出席した。夕方6時半、東京国際フォーラムのセミナールームは定員いっぱいの50人。開催したのは、カナダ・トロントに本社を置く、TSIグループ・オブ・カンパニーの日本法人「TSIインターナショナル・グループ」(スティーブン・ハギンズ社長)。ハギンズ社長はフットボールのMVPに輝いた実績を持ち、在日のカナダ人の中でも存在感を増している。日本に来て11年、香港勤務も入れるとアジアでの生活は17年という。ハギンズ社長は、「今年は当社にとって成長した良い年でした。資本金はまもなく1億円弱(現在5000万円)にします。年明け1月にはオフィスも移します。2011年は、さらによい飛躍の年にします」と、よく通る声で挨拶。カナダ、アジア、そして日本中を飛び回る忙しさで、挨拶が終わると次のミーティングへ。『ランドバンキング』の説明は藤本直孝バイスプレジデントにバトンタッチした。
『ランドバンキング』は、耳慣れない言葉。しかし、仕組みはいたって簡単。未開発の田畑、山林などの大規模な土地を手当てして、開発認可を得たうえで住宅地として売却し値上がり益を得る。かつて、日本でも電鉄会社が土地を手当てし、住宅地として開発したのと似ている。しかし、土地さえあればよいということではない。人里遠く離れた開発の目処のないところでは意味がない。あくまで、住宅地等の開発が見込める場所でなくてはいけない。残念ながら、既に、日本では開発され尽くされた感がある。
日本に比べ、国土が広く、経済成長の目覚しいカナダ、とくにトロント周辺では住宅地等都市開発が活発という。このトロント周辺を地盤に同社の『ランドバンキグ』が注目を浴びているということだ。
バイスプレジデント藤本直孝氏のあらまし説明に耳を傾けてみよう。「カナダは天然資源に恵まれています。原油確認埋蔵量は1800億バレルと、サウジに次いで世界2位。オイルサンドが中心です。LNGの生産量は3位で輸出量は2位、ウランは世界でトップクラスです。金、ニッケル、アルミも多く、最近注目されているレアアースも開発されています。カナダの人口3300万人に対し、資源量は国内で消化し切れないため資源の輸出余力が高いのが特徴です。10年前は対米ドルに対しカナダドルは30〜40%低い水準でした。最近は資源高にも支えられ対米ドルでほぼ1対1の水準です」。
つまり、われわれには、カナダと聞けば観光としてのイメージが先に来る。しかし、観光だけでなく、経済力面から有力な投資先対象ということだ。
さらに、藤本氏は強調する。「金融面での健全性は国家財政、民間金融機関とも世界でもトップクラスです。ただ、カナダでも出生率は低く、同時に高齢化も進んでいます。このため、アジアを中心に毎年20〜30万人の移民を受け入れています。もちろん、誰でも受け入れるのではなく、若く、あるていど経済力があり、起業家、投資家、エンジニアなどカナダ経済に貢献が期待できる方々が中心です。こうした条件をクリアした移民の方々が移民して10年以内に住宅を購入する傾向が見られます。ここにも、当社グループのランドバンキグビジネスのチャンスが生まれているのです」。
100〜200エーカー程度の規模で土地を手当てして、その後、デベロッパー(不動産開発会社)に売却する。手当てした土地は細分化して投資家に販売する。投資家はカナダ政府に土地所有者として登記される。手当てしてから販売まで同社の場合、ほぼ5年が目安。2〜3倍の値上がりを見込む。同社自身が造成したり、住宅を建てたりといったデベロッパーの業務は手がけない。あくまで、未開発土地を手当てして、デベロッパーへ売却することが目的。
ならば、デベロッパー自体がランドバンキングをやればよさそうなもの。実はそれが難しいところに同社の強みがある。地域住民、地元自治体に精通していないと難しい。反対の地主があっては開発に遅れが生じる。あるいは、開発の目処のない場所を買っても意味がない。
見込み通り、開発認可が下り、2、3倍に値上がりしたら投資家に売却の賛否を取る。51%の賛成があれば、その時点でデベロッパーへ売却し、持分に応じて投資家に売却金が分配される。
もちろん、リスクは絶対にないとは言えない。売却まで5年程度と期間が長いため、リーマンショックのような経済変動が起きないともいえない。ただ、同社が土地を担保に銀行等から借り入れを発生させて土地購入をやっていないことによる強さはある。あくまで、投資家の直接金融を中心としている安心感はある。そのかわり、投資家は途中での売却はできない。
セミナーを聞きながら、日本での、かつての土地神話を思い出した。とくに、昭和40年代初めころは、土地投資がもっとも有利だった。その後、土地バブル崩壊に見舞われた。こうした流れに照らし合わせてみると、今のカナダは、日本の昭和40年代当時と似て、登り坂ではないかと思った。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 19:02
| 特集
2010年の相場を主な指数を通して振り返る=犬丸正寛の相場展望
まもなく、2010年の相場が引けようとしている。主な指数を通して1年を振り返ってみた。
まず、日経平均は09年12月30日の大納会1万0546円に対し、今日、2010年12月17日(金)は1万0303円。昨年末に比べ243円、率で2.3%の下落。同様の比較でTOPIX0.4%下げ、大型指数0.9%下げ、小型指数は3.0%の上昇だった。
指数は大きな動きはなかったものの、東証1・2部中で値上率上位にはフルキャストホールディングス<4848>の295.8%、自動車部品工業<7233>=277.7%、富士機工<7260>=214.0%上昇など活躍した銘柄が目立った。とくに、自動車関連銘柄に活躍銘柄が多かったという印象だ。
一方、日経平均を「年足チャート」に置き換えてみると、「始値1万0609円」、「高値1万1408円」(4月)、「安値8796円」(9月)、「終値」を現在の1万0303円とすれば、小幅陰線で、やや上ヒゲと下ヒゲの長い「トンボ足」となる。形からは、強弱感の分かれた気迷い相場の2010年だったといえる。
さらに、過去にさかのぼって、日経平均の「年初と年末」の開きをチエックすると、1995年に144円がある。今年の幅243円は、15年ぶりの小さいものということになる。気になるのは、1995年に小幅の動きとなった後の1996年、97年、98年と大きく下げていることだ。
2010年も小幅な動き、つまり、動きが煮詰っているだけに。2011年相場は気になる。もちろん、上に放れる可能性もあるわけだが。ただ、民主党政権の行方、尖閣諸島・竹島・北方4島などの領土問題の行方、沖縄普天間基地の行方、若年層の失業問題の行方、少子高齢化に伴う内需不足の問題の行方、膨れ上がる国の借金の行方。
目を外に転じてもヨーロッパの財政不安の行方、支持率低下のオバマ政権政策の行方、中国の景気の行方、朝鮮半島問題の行方など、大きい問題ばかりだ。東西冷戦後の世界が豊かになった反面、統治の難しさが表面化して、歴史の転換点にきていることがあるようだ。
こうしてみると、2011年の相場は「薄い氷」の上を歩くに近い状況と思われる。「マクロ」の懸念材料を頭においたうえでの個別銘柄投資が大切な年となりそうだ。
まず、日経平均は09年12月30日の大納会1万0546円に対し、今日、2010年12月17日(金)は1万0303円。昨年末に比べ243円、率で2.3%の下落。同様の比較でTOPIX0.4%下げ、大型指数0.9%下げ、小型指数は3.0%の上昇だった。
指数は大きな動きはなかったものの、東証1・2部中で値上率上位にはフルキャストホールディングス<4848>の295.8%、自動車部品工業<7233>=277.7%、富士機工<7260>=214.0%上昇など活躍した銘柄が目立った。とくに、自動車関連銘柄に活躍銘柄が多かったという印象だ。
一方、日経平均を「年足チャート」に置き換えてみると、「始値1万0609円」、「高値1万1408円」(4月)、「安値8796円」(9月)、「終値」を現在の1万0303円とすれば、小幅陰線で、やや上ヒゲと下ヒゲの長い「トンボ足」となる。形からは、強弱感の分かれた気迷い相場の2010年だったといえる。
さらに、過去にさかのぼって、日経平均の「年初と年末」の開きをチエックすると、1995年に144円がある。今年の幅243円は、15年ぶりの小さいものということになる。気になるのは、1995年に小幅の動きとなった後の1996年、97年、98年と大きく下げていることだ。
2010年も小幅な動き、つまり、動きが煮詰っているだけに。2011年相場は気になる。もちろん、上に放れる可能性もあるわけだが。ただ、民主党政権の行方、尖閣諸島・竹島・北方4島などの領土問題の行方、沖縄普天間基地の行方、若年層の失業問題の行方、少子高齢化に伴う内需不足の問題の行方、膨れ上がる国の借金の行方。
目を外に転じてもヨーロッパの財政不安の行方、支持率低下のオバマ政権政策の行方、中国の景気の行方、朝鮮半島問題の行方など、大きい問題ばかりだ。東西冷戦後の世界が豊かになった反面、統治の難しさが表面化して、歴史の転換点にきていることがあるようだ。
こうしてみると、2011年の相場は「薄い氷」の上を歩くに近い状況と思われる。「マクロ」の懸念材料を頭においたうえでの個別銘柄投資が大切な年となりそうだ。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:03
| 特集
年の瀬に…サービス業セクターで銘柄探し=田北知見の銘柄ウォッチ
先日、街を歩いていたら、若い女性がフリーマガジンを配っているところに行き会った。遠目に見た感じでは、若い女性向けの物のようなので「私には関係ないな…」と通り過ぎようとしたのだが、その女性は私を見定めてツカツカと歩み寄って来て、「どうぞ!」と、半ば押し付けるように渡して来たのだった。「せっかくだから…」と受け取り、後でよく見て驚いた。風俗店を中心とした、女性向けの無料求人誌だったのだ。
私は「通行者が少なかったので、とにかく早く配り終えたくて、私のような対象年齢外の女性にも渡していたのだろうな」と思いながら、中のページをパラパラめくったところでもう一度驚いた。なんと「アラサー&アラフォー特集」と出ているではないか。キャッチコピーには「主婦の高収入を応援! 30代、40代も積極採用」とある。
エコノミストの門倉貴史氏の著書『人妻の経済学』『貧困ビジネス』などを読んで、既婚女性やシングルマザーが、生活のために、風俗や水商売などで働くケースが増えているということは知っていたものの、やはり現実に目の当たりにすると驚いてしまう。そして、好んでその仕事をしている方々はともかく、他に選択肢がなくてそうした仕事をしている女性も多くいるかもしれないと思うと、年の瀬に、やり切れないような気持ちになってしまうのだった。
上記の文とは関係ないが、連想して、サービス業セクターで銘柄を探してみた。
★ベネッセホールディングス〈9783〉(主市場 大1)
『進研ゼミ』をはじめとした通信教育、出版、高齢者、英会話教室などの事業を行なっている、ベネッセホールディングス〈9783〉(主市場 大1)を入れる。17日終値は45円安の3685円。単位100株。PERは約17.3倍、PBRは約1.9倍となっている。チャートは12月2日につけた直近高値3910円から反落し、以降は続落トレンドで来ている。3700円フシにあたり、そろそろ反発のタイミングと見たい。3900円フシまでの戻りが目標となりそうだ。
★一休〈2450〉(東1)
高級ホテルを中心とした宿泊予約サイトを運営している一休〈2450〉(東1)を入れる。17日終値は1000円安の4万1950円。単位1株。PERは約37.8倍、PBRは約2.6倍となっている。チャートは11月1日につけた年初来安値2万9910円の深押しから反発し、以降はジリ高トレンドで来ている。このままトレンド維持で、まずは次のフシであり26週移動平均線でもある、4万5000円ライン上抜けを目指す。
私は「通行者が少なかったので、とにかく早く配り終えたくて、私のような対象年齢外の女性にも渡していたのだろうな」と思いながら、中のページをパラパラめくったところでもう一度驚いた。なんと「アラサー&アラフォー特集」と出ているではないか。キャッチコピーには「主婦の高収入を応援! 30代、40代も積極採用」とある。
エコノミストの門倉貴史氏の著書『人妻の経済学』『貧困ビジネス』などを読んで、既婚女性やシングルマザーが、生活のために、風俗や水商売などで働くケースが増えているということは知っていたものの、やはり現実に目の当たりにすると驚いてしまう。そして、好んでその仕事をしている方々はともかく、他に選択肢がなくてそうした仕事をしている女性も多くいるかもしれないと思うと、年の瀬に、やり切れないような気持ちになってしまうのだった。
上記の文とは関係ないが、連想して、サービス業セクターで銘柄を探してみた。
★ベネッセホールディングス〈9783〉(主市場 大1)
『進研ゼミ』をはじめとした通信教育、出版、高齢者、英会話教室などの事業を行なっている、ベネッセホールディングス〈9783〉(主市場 大1)を入れる。17日終値は45円安の3685円。単位100株。PERは約17.3倍、PBRは約1.9倍となっている。チャートは12月2日につけた直近高値3910円から反落し、以降は続落トレンドで来ている。3700円フシにあたり、そろそろ反発のタイミングと見たい。3900円フシまでの戻りが目標となりそうだ。
★一休〈2450〉(東1)
高級ホテルを中心とした宿泊予約サイトを運営している一休〈2450〉(東1)を入れる。17日終値は1000円安の4万1950円。単位1株。PERは約37.8倍、PBRは約2.6倍となっている。チャートは11月1日につけた年初来安値2万9910円の深押しから反発し、以降はジリ高トレンドで来ている。このままトレンド維持で、まずは次のフシであり26週移動平均線でもある、4万5000円ライン上抜けを目指す。
田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:01
| 特集
2010年12月13日
【特集】全上場企業3682社のホームページ充実度ランキング=日興アイ・アールに聞く
【2010年度の総合1位は東芝、新興市場1位はフィールズ】
■日興アイ・アールが2003年度から調査発表
日興アイ・アールは、2010年度の全上場企業3682社のホームページ充実度ランキングを発表した。「分かりやすさ」、「使いやすさ」、「情報量の多さ」の3つの視点から。135項目の評価点数によってランクづけした。2003年から実施している。今年の総合ランク1位は「東芝」で3年連続首位。新興企業の1位はフィールズ。総合ランキング上位には「情報通信」、「電気機器」が目立った。日興アイ・アールのコンサルティング営業部長・チーフコンサルタントの河井隆氏と、コンサルタントの門池佑之氏に聞いた。
――2010年度の「全上場企業ホームページ充実度ランキング」を発表されました。調査について概要をお願いします。
【河井部長】 全上場企業3682社のホームページについて、「分かりやすさ」、「使いやすさ」、「情報の多さ」の3つの視点で設定した135の評価項目に基づき充実度ランキングを実施し発表しました。
――どのような目的ですか。
【河井部長】 上場企業ホームページにおける情報開示の充実度調査と、企業の情報開示に対する意識醸成の促進を目的としています。2003年度に開始して以来、今回で8回目です。
――それでは、注目の今年のランキングをお願いします。
【門池氏】 総合ランキグの1位は東芝です。しかも、3年連続の1位です。新興市場ランキングではフィールズ<2767>(JQS)が初めて1位となりました。総合ランキグ「上位20」は次の通りです。
(1)東芝<6502>(東1)=92.1 (2)NTTドコモ<9437>(東1)=90.4 (3)カプコン<9697>(東1)=89.7 (4)KDDI<9433>(東1)=88.6 (5)富士フイルムホールディングス<4901>(東1)=88.2 (6)東京ガス<9501>(東1)=87.6 (7)ベネッセホールディングス<9783>(大1)=84.0 (8)TDK<6762>(東1)=83.3 (9)ミネベア<6479>(東1)=82.7 (10)NEC<日本電気・6701>(東1)=82.5 (11)ソフトバンク<9984>(東1)=82.3 (12)中外製薬<4519>(東1)=81.7 (13)ルネサスエレクトロニクス<6723>(東1)=81.6 (14)富士電機ホールディングス<6504>(東1)=81.5 (15)セガサミーホールディングス<6460>(東1)=81.4 、三井住友フィナンシャルグループ<8316>(東1)=81.4 (17)日本ユニシス<8056>(東1)=81.1 (18)NTT都市開発<8933>(東1)=81.0 (19)コカ・コーラウエスト<2579>(東1)=80.9、オムロン<6645>(大1)=80.9です。(単位ポイント)。
――新興市場の上位はいかがですか。
【門池氏】 上位5社で申し上げると、(1)フィールズ<2767>(JQS)=79.4 (2)朝日工業<5456>(JQS)=75.6 (3)ビューティ花壇<3041>(東マ)=74.8 (4)エムティーアイ<9438>(JQS)=74.7 (5)アルトナー<2163>(JQS)=74.2です。
――特徴ということではいかがでしょうか。
【門池氏】 総合ランキングの上位企業、トップ10には、情報通信業及び電気機器の企業が多く入っているのが特徴です。
――ランキングを開始された2003年当時と比べていかがですか。
【河井部長】 2003年当時は、「IR」は、機関投資家やアナリストなどプロを対象としたものが主でした。現在では個人投資家向けIRが充実しています。個人投資家の方々のネット取引が増え、一方で持ち合い解消等もあって個人投資家の皆さんへの「IR」は重要となっています。とくに、ホームページがIRとして積極的に使われていることが2003年頃とは格段に違っています。本年度の調査では、CSR・環境対応専用ページ・コンテンツを掲載する企業は全上場企業のうち約51%、ガバナンス専用ページを設けている企業は約26%、個人投資家向け専用ページ・コンテンツを設けている企業は約12%です。ホームページの充実が高まっています。
――東証での情報開示とホームページでの情報開示の違いについてはいかがでしょうか。
【河井部長】 東証での情報開示は制度に則った、決まったフォーマットが義務づけられています。企業のホームページでは、「自由度」の高いことがいちばんの特徴です。当然、自由度が高いため、企業の個性が強く現れます。
――企業に対しては、どのようなことをお話しされ、あるいは希望されていますか。
【河井部長】 自由度の高いことを大いに活用して、オリジナリティを出してくださいと申し上げています。業績等の数字だけでなく、事業内容、企業の社会貢献など数字に表れない会社の姿を分かりやすく、その会社らしい表現で伝えていただくことが投資家など皆さんに理解され、親しみを持っていただけます。。企業の持っているDNA(遺伝子)、つまり、企業のカルチャーを理解してもらうことが大切です。とくに、経営トップのメッセージは非常に大切です。社会貢献など今後の戦略を伝えていただきたい。株主、投資家だけでなく消費者、あるいは就職を希望される方に強いメッセージとなります。
――今後も、お続けになりますか。
【河井部長】 もちろん続けます。当社は企業と投資家の間の潤滑油としての役割を今後も果たしていきます。とくに、企業とホルダーが夢を共有し共感できるサポーターづくりのお手伝いを積極的に手がけたいと思っています。当社ではホームページ関連サービスとして、『ホームページ比較診断レポート』を上場企業向けに有償で提供しています。ご活用ください。
――ホームページの充実度ランキング上位企業は株価も高い評価ではないかと思っています。できれば、そのあたりの分析も次回、やっていただければ個人投資家のみなさんの参考になると思います。今日はありがとうございました。(聞き手=犬丸正寛)
■日興アイ・アールが2003年度から調査発表
日興アイ・アールは、2010年度の全上場企業3682社のホームページ充実度ランキングを発表した。「分かりやすさ」、「使いやすさ」、「情報量の多さ」の3つの視点から。135項目の評価点数によってランクづけした。2003年から実施している。今年の総合ランク1位は「東芝」で3年連続首位。新興企業の1位はフィールズ。総合ランキング上位には「情報通信」、「電気機器」が目立った。日興アイ・アールのコンサルティング営業部長・チーフコンサルタントの河井隆氏と、コンサルタントの門池佑之氏に聞いた。
――2010年度の「全上場企業ホームページ充実度ランキング」を発表されました。調査について概要をお願いします。
【河井部長】 全上場企業3682社のホームページについて、「分かりやすさ」、「使いやすさ」、「情報の多さ」の3つの視点で設定した135の評価項目に基づき充実度ランキングを実施し発表しました。
――どのような目的ですか。
【河井部長】 上場企業ホームページにおける情報開示の充実度調査と、企業の情報開示に対する意識醸成の促進を目的としています。2003年度に開始して以来、今回で8回目です。
――それでは、注目の今年のランキングをお願いします。
【門池氏】 総合ランキグの1位は東芝です。しかも、3年連続の1位です。新興市場ランキングではフィールズ<2767>(JQS)が初めて1位となりました。総合ランキグ「上位20」は次の通りです。
(1)東芝<6502>(東1)=92.1 (2)NTTドコモ<9437>(東1)=90.4 (3)カプコン<9697>(東1)=89.7 (4)KDDI<9433>(東1)=88.6 (5)富士フイルムホールディングス<4901>(東1)=88.2 (6)東京ガス<9501>(東1)=87.6 (7)ベネッセホールディングス<9783>(大1)=84.0 (8)TDK<6762>(東1)=83.3 (9)ミネベア<6479>(東1)=82.7 (10)NEC<日本電気・6701>(東1)=82.5 (11)ソフトバンク<9984>(東1)=82.3 (12)中外製薬<4519>(東1)=81.7 (13)ルネサスエレクトロニクス<6723>(東1)=81.6 (14)富士電機ホールディングス<6504>(東1)=81.5 (15)セガサミーホールディングス<6460>(東1)=81.4 、三井住友フィナンシャルグループ<8316>(東1)=81.4 (17)日本ユニシス<8056>(東1)=81.1 (18)NTT都市開発<8933>(東1)=81.0 (19)コカ・コーラウエスト<2579>(東1)=80.9、オムロン<6645>(大1)=80.9です。(単位ポイント)。
――新興市場の上位はいかがですか。
【門池氏】 上位5社で申し上げると、(1)フィールズ<2767>(JQS)=79.4 (2)朝日工業<5456>(JQS)=75.6 (3)ビューティ花壇<3041>(東マ)=74.8 (4)エムティーアイ<9438>(JQS)=74.7 (5)アルトナー<2163>(JQS)=74.2です。
――特徴ということではいかがでしょうか。
【門池氏】 総合ランキングの上位企業、トップ10には、情報通信業及び電気機器の企業が多く入っているのが特徴です。
――ランキングを開始された2003年当時と比べていかがですか。
【河井部長】 2003年当時は、「IR」は、機関投資家やアナリストなどプロを対象としたものが主でした。現在では個人投資家向けIRが充実しています。個人投資家の方々のネット取引が増え、一方で持ち合い解消等もあって個人投資家の皆さんへの「IR」は重要となっています。とくに、ホームページがIRとして積極的に使われていることが2003年頃とは格段に違っています。本年度の調査では、CSR・環境対応専用ページ・コンテンツを掲載する企業は全上場企業のうち約51%、ガバナンス専用ページを設けている企業は約26%、個人投資家向け専用ページ・コンテンツを設けている企業は約12%です。ホームページの充実が高まっています。
――東証での情報開示とホームページでの情報開示の違いについてはいかがでしょうか。
【河井部長】 東証での情報開示は制度に則った、決まったフォーマットが義務づけられています。企業のホームページでは、「自由度」の高いことがいちばんの特徴です。当然、自由度が高いため、企業の個性が強く現れます。
――企業に対しては、どのようなことをお話しされ、あるいは希望されていますか。
【河井部長】 自由度の高いことを大いに活用して、オリジナリティを出してくださいと申し上げています。業績等の数字だけでなく、事業内容、企業の社会貢献など数字に表れない会社の姿を分かりやすく、その会社らしい表現で伝えていただくことが投資家など皆さんに理解され、親しみを持っていただけます。。企業の持っているDNA(遺伝子)、つまり、企業のカルチャーを理解してもらうことが大切です。とくに、経営トップのメッセージは非常に大切です。社会貢献など今後の戦略を伝えていただきたい。株主、投資家だけでなく消費者、あるいは就職を希望される方に強いメッセージとなります。
――今後も、お続けになりますか。
【河井部長】 もちろん続けます。当社は企業と投資家の間の潤滑油としての役割を今後も果たしていきます。とくに、企業とホルダーが夢を共有し共感できるサポーターづくりのお手伝いを積極的に手がけたいと思っています。当社ではホームページ関連サービスとして、『ホームページ比較診断レポート』を上場企業向けに有償で提供しています。ご活用ください。
――ホームページの充実度ランキング上位企業は株価も高い評価ではないかと思っています。できれば、そのあたりの分析も次回、やっていただければ個人投資家のみなさんの参考になると思います。今日はありがとうございました。(聞き手=犬丸正寛)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:19
| 特集
「掉尾の一振」限定の「出口戦略」銘柄ならココを狙え!=浅妻昭治
■7月安値の日経225採用銘柄に狙い目
浅妻昭治のマーケット・センサー
師走も押し詰まり、流行語大賞やら今年1年を象徴する漢字一文字やらが選定された。いろいろ候補が上がったようだが、その下馬評にも上がらずとんと聞かなくなった言葉に「出口戦略」がある。リーマン・ショック以来の金融危機対応で各国政府が相次いで超金融緩和政策と財政政策を発動したが、この非常事態の収束を待って緊急時対応政策を正常化させる政策転換を表現するキーワードである。
今年念頭には、今年1年の相場テーマの一つに数えられ、少なくとも夏前までは新聞の見出しにもよくこの活字が躍り、この動向を巡って株価も乱高下した。ところがギリシャを震源地とする欧州のソブリンリスク懸念が高まると、見えていたばずの「出口」の方向感が不透明化した。途端の誰も「出口戦略」など口にしなくなった。豪州、ブラジルの資源国は、相次いで金利を引き上げ、ここにきて中国も、約2年ぶりに金融緩和策からの転換を打ち出したが、日・米・欧はいまだに二番底懸念から抜け出せていないからである。
「出口戦略」が迷走しているのは、経済ファンダメンタルばかりではない。国内政治状況も、「政権交代」、「脱小沢」の「出口戦略」が、またも首相の顔が変ったにもかかわらず民主党連立内閣は後退に後退を重ねているようで、「政治とカネ」、「基地」、「解散」の新たな3Kの重圧に押しつぶされそうな雲行きである。来年相場も、経済も国内政治も「出口戦略」の動向が、相場テーマとして影響する展開が予想される。
株式投資でも、「出口戦略」は最重要課題である。持ち株を引き取ってくれる買い手を見つけ出して利益を確定する必要があるからだ。ましてニューマネーの流入が限定的な市場では、買いは易しく売りは難しい。かつては自ら買い手を作り出す腕力相場があった。いわゆる仕手株相場である。仕手本尊がいて、売り手の売りを誘い、締め上げて踏み上げさせて、それに乗って利益を確定した数々の仕手株相場を演出した。いまや証券裏面史・事件簿に名を残すばかりで、仕手本尊などカゲもカタチも残っていない。
「掉尾の一振」限定なら、この「出口戦略」を模倣するのも有効かもしれない。狙いは、日経225採用で7月に安値をつけ、株不足で逆日歩のついている銘柄である。この12月に絶対安値期日を迎え、売り方の買い戻しが想定されるからだ。候補株は、ブリヂストン(5108)、コマツ(6301)、日立建機(6305)、京セラ(6971)、ホンダ(7267)、キヤノン(7751)などである。あくまで年内一回転の逆張り、ヒット・アンド・ウエー堅守である。ゆめゆめ「投資家とは失敗した投機家」にならない覚悟が不可欠である。
浅妻昭治のマーケット・センサー
師走も押し詰まり、流行語大賞やら今年1年を象徴する漢字一文字やらが選定された。いろいろ候補が上がったようだが、その下馬評にも上がらずとんと聞かなくなった言葉に「出口戦略」がある。リーマン・ショック以来の金融危機対応で各国政府が相次いで超金融緩和政策と財政政策を発動したが、この非常事態の収束を待って緊急時対応政策を正常化させる政策転換を表現するキーワードである。
今年念頭には、今年1年の相場テーマの一つに数えられ、少なくとも夏前までは新聞の見出しにもよくこの活字が躍り、この動向を巡って株価も乱高下した。ところがギリシャを震源地とする欧州のソブリンリスク懸念が高まると、見えていたばずの「出口」の方向感が不透明化した。途端の誰も「出口戦略」など口にしなくなった。豪州、ブラジルの資源国は、相次いで金利を引き上げ、ここにきて中国も、約2年ぶりに金融緩和策からの転換を打ち出したが、日・米・欧はいまだに二番底懸念から抜け出せていないからである。
「出口戦略」が迷走しているのは、経済ファンダメンタルばかりではない。国内政治状況も、「政権交代」、「脱小沢」の「出口戦略」が、またも首相の顔が変ったにもかかわらず民主党連立内閣は後退に後退を重ねているようで、「政治とカネ」、「基地」、「解散」の新たな3Kの重圧に押しつぶされそうな雲行きである。来年相場も、経済も国内政治も「出口戦略」の動向が、相場テーマとして影響する展開が予想される。
株式投資でも、「出口戦略」は最重要課題である。持ち株を引き取ってくれる買い手を見つけ出して利益を確定する必要があるからだ。ましてニューマネーの流入が限定的な市場では、買いは易しく売りは難しい。かつては自ら買い手を作り出す腕力相場があった。いわゆる仕手株相場である。仕手本尊がいて、売り手の売りを誘い、締め上げて踏み上げさせて、それに乗って利益を確定した数々の仕手株相場を演出した。いまや証券裏面史・事件簿に名を残すばかりで、仕手本尊などカゲもカタチも残っていない。
「掉尾の一振」限定なら、この「出口戦略」を模倣するのも有効かもしれない。狙いは、日経225採用で7月に安値をつけ、株不足で逆日歩のついている銘柄である。この12月に絶対安値期日を迎え、売り方の買い戻しが想定されるからだ。候補株は、ブリヂストン(5108)、コマツ(6301)、日立建機(6305)、京セラ(6971)、ホンダ(7267)、キヤノン(7751)などである。あくまで年内一回転の逆張り、ヒット・アンド・ウエー堅守である。ゆめゆめ「投資家とは失敗した投機家」にならない覚悟が不可欠である。
浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:32
| 特集
2010年12月10日
『休むも相場』政局波乱に備えてじっくり来年の作戦練る=犬丸正寛の相場展望
年内相場は営業日であと13日間となった。来週(13〜17日)は、全般小動きの中で、『後片付け相場』だろう。
外交問題、為替問題などは一応の落ち着きとなっている。しかし、今度は国内の政局が波乱含みだ。稼ぐための「産業政策」より、「使うことを優先」の今の民主党政権政策に国民は先行き不安を抱いている。とくに、今回、外交・軍事問題が重なったことにより、その危惧は強いものとなっている。支持率のいっそうの低下は避けられないだろう。菅総理は支持率1%になっても政権を守るという。そういう極論がかえって不人気に輪をかけることになってしまう。ほんとうに1%となっても「有言実効」が可能なのかどうか。
民主党内に隙間風が吹き始めていることはわれわれ政治の素人にだって感じられる。「内紛会社の株は買えない」のと同じように、「日本株式会社の取締役会」がごたついていては日本の明日に期待は持てない。若い人の雇用状況はいっこうに改善されない。昔なら学生運動が巻き起こっているところではないか。
野党、自民党には政権奪還のまたとないチャンスだろう。ここで、攻めきれないようなら政権返り咲きは永久に来ないかもしれない。かくして、年明けには政局波乱が待ち構えている可能性が非常に強い。このため、「株を枕に越年」ということにはならないだろう。
来週は出遅れ銘柄の個別物色の一方で、持株の整理をする、「後片付け」の動きだろう。出来高は恐らく閑散が予想される。年末ギリギリまで頑張り過ぎることはない。いまこそ、『休むも相場』の教えで、ゆっくりと来年の作戦を練りたい。
外交問題、為替問題などは一応の落ち着きとなっている。しかし、今度は国内の政局が波乱含みだ。稼ぐための「産業政策」より、「使うことを優先」の今の民主党政権政策に国民は先行き不安を抱いている。とくに、今回、外交・軍事問題が重なったことにより、その危惧は強いものとなっている。支持率のいっそうの低下は避けられないだろう。菅総理は支持率1%になっても政権を守るという。そういう極論がかえって不人気に輪をかけることになってしまう。ほんとうに1%となっても「有言実効」が可能なのかどうか。
民主党内に隙間風が吹き始めていることはわれわれ政治の素人にだって感じられる。「内紛会社の株は買えない」のと同じように、「日本株式会社の取締役会」がごたついていては日本の明日に期待は持てない。若い人の雇用状況はいっこうに改善されない。昔なら学生運動が巻き起こっているところではないか。
野党、自民党には政権奪還のまたとないチャンスだろう。ここで、攻めきれないようなら政権返り咲きは永久に来ないかもしれない。かくして、年明けには政局波乱が待ち構えている可能性が非常に強い。このため、「株を枕に越年」ということにはならないだろう。
来週は出遅れ銘柄の個別物色の一方で、持株の整理をする、「後片付け」の動きだろう。出来高は恐らく閑散が予想される。年末ギリギリまで頑張り過ぎることはない。いまこそ、『休むも相場』の教えで、ゆっくりと来年の作戦を練りたい。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:46
| 特集
来年のスケジュール帳…『適当手帳』にあやかって探した銘柄=田北知見の銘柄ウォッチ
今年も残すところ約3週間となり、書店や文房具店には、来年のスケジュール帳がたくさん並んでいる。私は毎年、決まった物を購入・使用しているので、他の商品(手帳)を見ることはあまりなかったのだが、先日、ちょっとおもしろいものを見かけた。ダイヤモンド社の『適当手帳 For Business 2011』だ。
お笑いタレントであり俳優の高田純次が監修しているもので、各ページに、高田氏の「本気で適当な言葉」が入っていたり、アフター5の欄を充実(?)させるなど、楽しい工夫がなされている。帯(書籍等に巻きつけている紙)には、ポーズをとった高田氏の写真と「社会人なら手帳って必要だよね」「オレ?持ってないよ」というキャッチコピーが入っていて、笑ってしまった。ちなみにこの手帳は、他にもシリーズがあるようだ。
最近は、若者もビジネスパーソンも、ケータイ(携帯電話)でスケジュール管理をする人が増えており、手帳を買わない・使わない人が多くなっているのではないだろうか。そうした中で、上記のような企画物をつくり、需要の掘り起こしを図っているのだろうと思った。
高田氏の「適当」にあやかり(?)、本日(12月10日)大引け時の「東証1部 値下がり幅上位株」の中から、良さそうな銘柄を探してみた。「値下がりが大きければ、その後の反発に期待できるのではないか」という理由からだ。
★トリドール〈3397〉(東1)
セルフ式うどん店『丸亀製麺』を展開するトリドール<3397>(東1)を入れる。同ランキング6位だった。10日終値は2100円安の10万9400円。単位1株。PERは約9.3倍、PBRは約2.5倍となっている。チャートは4月26日につけた年初来高値18万9700円から反落し、続落トレンドで来ていた。しかし11月4日につけた上場来安値9万9900円で底打ち。本日は値下がりで引けたとはいえ、リバウンドトレンドにあるようだ。まずは次のフシであり13週移動平均線でもある、12万円ライン奪回を目指す。単位1株の売買しやすさも魅力だ。
★NTT都市開発〈8933〉(東1)
不動産賃貸・分譲事業を行なっているNTT都市開発<8933>(東1)を入れる。同ランキング9位だった。10日終値は1400円安の7万0800円。単位1株。PERは約25.9倍、PBRは約1.5倍となっている。チャートはこの2ヵ月ほど、上値7万8000円ライン、下値7万2000円ラインの間でボックス圏を形成。まずは上値7万8000円ラインまでの戻りを目指す。単位1株の売買しやすさも魅力となっている。
お笑いタレントであり俳優の高田純次が監修しているもので、各ページに、高田氏の「本気で適当な言葉」が入っていたり、アフター5の欄を充実(?)させるなど、楽しい工夫がなされている。帯(書籍等に巻きつけている紙)には、ポーズをとった高田氏の写真と「社会人なら手帳って必要だよね」「オレ?持ってないよ」というキャッチコピーが入っていて、笑ってしまった。ちなみにこの手帳は、他にもシリーズがあるようだ。
最近は、若者もビジネスパーソンも、ケータイ(携帯電話)でスケジュール管理をする人が増えており、手帳を買わない・使わない人が多くなっているのではないだろうか。そうした中で、上記のような企画物をつくり、需要の掘り起こしを図っているのだろうと思った。
高田氏の「適当」にあやかり(?)、本日(12月10日)大引け時の「東証1部 値下がり幅上位株」の中から、良さそうな銘柄を探してみた。「値下がりが大きければ、その後の反発に期待できるのではないか」という理由からだ。
★トリドール〈3397〉(東1)
セルフ式うどん店『丸亀製麺』を展開するトリドール<3397>(東1)を入れる。同ランキング6位だった。10日終値は2100円安の10万9400円。単位1株。PERは約9.3倍、PBRは約2.5倍となっている。チャートは4月26日につけた年初来高値18万9700円から反落し、続落トレンドで来ていた。しかし11月4日につけた上場来安値9万9900円で底打ち。本日は値下がりで引けたとはいえ、リバウンドトレンドにあるようだ。まずは次のフシであり13週移動平均線でもある、12万円ライン奪回を目指す。単位1株の売買しやすさも魅力だ。
★NTT都市開発〈8933〉(東1)
不動産賃貸・分譲事業を行なっているNTT都市開発<8933>(東1)を入れる。同ランキング9位だった。10日終値は1400円安の7万0800円。単位1株。PERは約25.9倍、PBRは約1.5倍となっている。チャートはこの2ヵ月ほど、上値7万8000円ライン、下値7万2000円ラインの間でボックス圏を形成。まずは上値7万8000円ラインまでの戻りを目指す。単位1株の売買しやすさも魅力となっている。
田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 15:51
| 特集
【話題】ポーラ・オルビスHDは1月第一生命保険以来の直接上場!売り買いは交錯
■東1上場のポーラオルHDは公開価格を107円下回る1693円で初値
ポーラ・オルビスホールディングス<4927>(東1)が、きょう10日に東証1部に直接上場された。今年1月の第一生命保険<8750>(東1)以来の直接上場で、公開価格は1800円、公開株式数は2020万株となっている。
寄り付き売り物から始まり9時15分に公開価格を107円下回る1693円で初値をつけ、その後は1744円まで買い直されるなど売り買いが交錯している。
国内で資生堂<4911>(東1)、花王<4452>(東1)、コーセー<4922>(東1)に次ぐ化粧品大手として知名度が高く、公開価格のPERが17倍台と割安だが、資金吸収額が363億円超とやや過大で、来週15日に控えている大塚ホールディングス<4578>(東1)の大型上場の影響などから不調な初値形成につながった。
同社は、傘下に連結子会社27社を擁する純粋持株会社で、中核会社のポーラは、全国4486拠点の営業所、12万2061人のポーラレディによるカウンセリング販売を展開する訪問販売を主力事業としている。
またオルビスでは、低価格帯化粧品を中心に通信販売と店舗販売を手掛けており、店舗数は今年9月末現在で109店舗に達している。
今12月期業績は、売り上げ1656億4900万円(前期比2%増)、経常利益116億2500万円(同12%増)、純利益53億9600万円(同32%増)、1株利益104.5円と予想している。
ポーラ・オルビスホールディングス<4927>(東1)が、きょう10日に東証1部に直接上場された。今年1月の第一生命保険<8750>(東1)以来の直接上場で、公開価格は1800円、公開株式数は2020万株となっている。
寄り付き売り物から始まり9時15分に公開価格を107円下回る1693円で初値をつけ、その後は1744円まで買い直されるなど売り買いが交錯している。
国内で資生堂<4911>(東1)、花王<4452>(東1)、コーセー<4922>(東1)に次ぐ化粧品大手として知名度が高く、公開価格のPERが17倍台と割安だが、資金吸収額が363億円超とやや過大で、来週15日に控えている大塚ホールディングス<4578>(東1)の大型上場の影響などから不調な初値形成につながった。
同社は、傘下に連結子会社27社を擁する純粋持株会社で、中核会社のポーラは、全国4486拠点の営業所、12万2061人のポーラレディによるカウンセリング販売を展開する訪問販売を主力事業としている。
またオルビスでは、低価格帯化粧品を中心に通信販売と店舗販売を手掛けており、店舗数は今年9月末現在で109店舗に達している。
今12月期業績は、売り上げ1656億4900万円(前期比2%増)、経常利益116億2500万円(同12%増)、純利益53億9600万円(同32%増)、1株利益104.5円と予想している。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:20
| 特集
2010年12月06日
「黒船」と「神風」の狭間で揺れる来年相場のテーマ株に選挙関連株が早手回しの浮上
日本は「黒船」で揺れ動き、「神風」で揺り戻すお国柄である。株式相場も、この国情を免れず相変わらず米国市場のコピー相場が続き、投資主体も外国人投資家主導型で推移している。日経平均株価は、その外国人投資家の買い越しをテコに1万円大台を回復し、その外国人投資家のなかには、オイルマネーも含まれているとの「神風」観測も根強く、師走相場の「掉尾の一振」への期待を盛り上げているところである。
しかし、これを受け入れる国内投資家の動向はどうかといえば、投資主体別動向では個人投資家は売り越しである。外国人投資家の買いに売りをぶつける「逆張り」で、相変わらず先行きへの警戒感を緩めていないようにみえる。
この警戒感はどこから由来するのか?「失われた20年」のトラウマ(心的傷害)か、円高再燃懸念か、欧州のソブリンリスク拡大への危惧か、中国の景気減速不安か、尖閣諸島問題や北朝鮮の砲撃事件に伴う地政学リスクか、それとも国内政局の不透明化か、数え上げ出したら切りがないのである。そのどれもが弱気材料として説得性に富んでいて、外国人投資家のように単純に割り切って買いとは強気になりきれないと推測される。
そのなかで国内政局動向は、来年早々にも菅民主党内閣が、1月の通常国会をスムーズに乗り切れるか正念場を迎える。中国と北朝鮮は、国のリーダーが交代する時期に当たる。そうした権力の継承期には、今年起こった尖閣諸島沖中国漁船衝突事件や北朝鮮の砲撃事件などが頻発しないとも限らない。菅民主党内閣が、今度こそ手際よく処理することを期待したいが、その処理の基本となる日米同盟が万全かといえば、どうも雲行きが怪しい。
例の米国の外交文書をすっぱ抜いた内部告発サイト「ウィキリークス」で、今後、日本関係の公電が公開されるようなら、日本の「非核三原則」や「武器輸出三原則」などの安全保障政策に密約締結などの重大な疑問が生まれる可能性もあるからだ。菅民主党内閣が、それを前自民党内閣の責任に転嫁するようなら、それこそ政局リスクである。
来年は、この国政レベルに加えて統一地方選挙も実施される年になる。ちょっと早手回しだが、来年相場のテーマ株に浮上するはずの選挙関連株をマークしておくのも一法となりそうだ。オールドエコノミーの関連株のイムラ封筒(3955)、TOA(6809)、グローリー(6457)、ムサシ(7521)などのほか、ネット関連のマクロミル(3730)、もしもしホットライン(4708)、インテージ(4326)、ヤフー(4689)、サイバーエージェント(4751)、楽天(4755)などにも網を張りたい。
しかし、これを受け入れる国内投資家の動向はどうかといえば、投資主体別動向では個人投資家は売り越しである。外国人投資家の買いに売りをぶつける「逆張り」で、相変わらず先行きへの警戒感を緩めていないようにみえる。
この警戒感はどこから由来するのか?「失われた20年」のトラウマ(心的傷害)か、円高再燃懸念か、欧州のソブリンリスク拡大への危惧か、中国の景気減速不安か、尖閣諸島問題や北朝鮮の砲撃事件に伴う地政学リスクか、それとも国内政局の不透明化か、数え上げ出したら切りがないのである。そのどれもが弱気材料として説得性に富んでいて、外国人投資家のように単純に割り切って買いとは強気になりきれないと推測される。
そのなかで国内政局動向は、来年早々にも菅民主党内閣が、1月の通常国会をスムーズに乗り切れるか正念場を迎える。中国と北朝鮮は、国のリーダーが交代する時期に当たる。そうした権力の継承期には、今年起こった尖閣諸島沖中国漁船衝突事件や北朝鮮の砲撃事件などが頻発しないとも限らない。菅民主党内閣が、今度こそ手際よく処理することを期待したいが、その処理の基本となる日米同盟が万全かといえば、どうも雲行きが怪しい。
例の米国の外交文書をすっぱ抜いた内部告発サイト「ウィキリークス」で、今後、日本関係の公電が公開されるようなら、日本の「非核三原則」や「武器輸出三原則」などの安全保障政策に密約締結などの重大な疑問が生まれる可能性もあるからだ。菅民主党内閣が、それを前自民党内閣の責任に転嫁するようなら、それこそ政局リスクである。
来年は、この国政レベルに加えて統一地方選挙も実施される年になる。ちょっと早手回しだが、来年相場のテーマ株に浮上するはずの選挙関連株をマークしておくのも一法となりそうだ。オールドエコノミーの関連株のイムラ封筒(3955)、TOA(6809)、グローリー(6457)、ムサシ(7521)などのほか、ネット関連のマクロミル(3730)、もしもしホットライン(4708)、インテージ(4326)、ヤフー(4689)、サイバーエージェント(4751)、楽天(4755)などにも網を張りたい。
浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:09
| 特集
2010年12月04日
神戸製鋼所の北米での自動車用ハイテンの展開=犬丸正寛の見聞記
■軽くて強い自動車用鋼板。米自動車メーカー採用の効果絶大
GM(ゼネラル・モーターズ)の再上場で元気の出てきたアメリカの自動車産業。絶好ともいえるタイミングで神戸製鋼所<5406>(東1)が、自動車用の高級鋼板を引っさげて、北米事業をさらに強化する。2日、東京の鉄鋼会館で開かれた、「北米における自動車用鋼板事業の新プロジェクト」発表の会見に出てきた。
山口育廣副社長の概要説明は次のとおりだ。「北米における自動車用冷延ハイテンの需要増に対応するため、米国USS社との合弁拠点プロテックコーテーティング社に、自動車用冷延ハイテンの連続焼鈍設備を約4億米ドルを投じて2011年初頭に建設着工する。2013年初頭に稼動の予定。年間約50万ショートトンの能力」という。
難しい専門用語が続く。「ショートトン」は、重さの単位トン(t)。日本の1tに対し、アメリカでは0.9tと、やや、小さい(ショート)。「ハイテン」とは、高張力鋼板のことで、1ミリ平方メートルの鋼板を引っ張った場合、どれだけの力に耐えることができるか。通常、使われている鋼板は、「引っ張る力が20〜30キログラムで切れる。これに対し、ハイテンは60キロと通常の2倍から3倍の強さがある。さらに、引っ張り強度150キロのハイテンも開発済み」(広報室)ということだ。
価格については、未公表ながら、当然、普通鋼板に比べれば高いはず。強度比較並みの2、3倍ですかと聞くと、「そこまでは。でも、高いことは間違い」とのことだ。
なぜ、自動車用に普通の鋼板に代わろうとしているのか。アメリカの自動車には、「CO2削減」と、「安全対策面」の2つのニーズが求められている。車を軽くすれば、CO2削減には貢献する。しかし、強度を増すために鉄の板を厚くすれば、車重が増えて、CO2削減に逆行する。悩ましい、2つのニーズを解決できるのが、「軽くて強いハイテン」というわけだ。この、ハイテン技術では神戸製鋼が世界的で、USSも認めて今回の締結となった。
ただ、ハイテンの鋼板はUSSが、合弁会社のプロテック社(オハイオ州)へ供給する。材料供給面での神戸製鋼のメリットはない。プロテック社は1990年の設立で、溶融メッキ鋼板を中心に生産し、利益も出ているという。今後、アメリカの自動車メーカー向けにハイテンの売上が増えれば、合弁会社からの配当金が見込まれる。
さらに、もっと大きい効果として、会見の中で感じたことがある。自動車の本場アメリカで冷延ハイテンがビッグ3などに採用されることで、ヨーロッパ、アジア、とくに日本の自動車メーカーで、「それならば」と、採用が見込まれるという狙いが込められている思われることだ。
GM(ゼネラル・モーターズ)の再上場で元気の出てきたアメリカの自動車産業。絶好ともいえるタイミングで神戸製鋼所<5406>(東1)が、自動車用の高級鋼板を引っさげて、北米事業をさらに強化する。2日、東京の鉄鋼会館で開かれた、「北米における自動車用鋼板事業の新プロジェクト」発表の会見に出てきた。
山口育廣副社長の概要説明は次のとおりだ。「北米における自動車用冷延ハイテンの需要増に対応するため、米国USS社との合弁拠点プロテックコーテーティング社に、自動車用冷延ハイテンの連続焼鈍設備を約4億米ドルを投じて2011年初頭に建設着工する。2013年初頭に稼動の予定。年間約50万ショートトンの能力」という。
難しい専門用語が続く。「ショートトン」は、重さの単位トン(t)。日本の1tに対し、アメリカでは0.9tと、やや、小さい(ショート)。「ハイテン」とは、高張力鋼板のことで、1ミリ平方メートルの鋼板を引っ張った場合、どれだけの力に耐えることができるか。通常、使われている鋼板は、「引っ張る力が20〜30キログラムで切れる。これに対し、ハイテンは60キロと通常の2倍から3倍の強さがある。さらに、引っ張り強度150キロのハイテンも開発済み」(広報室)ということだ。
価格については、未公表ながら、当然、普通鋼板に比べれば高いはず。強度比較並みの2、3倍ですかと聞くと、「そこまでは。でも、高いことは間違い」とのことだ。
なぜ、自動車用に普通の鋼板に代わろうとしているのか。アメリカの自動車には、「CO2削減」と、「安全対策面」の2つのニーズが求められている。車を軽くすれば、CO2削減には貢献する。しかし、強度を増すために鉄の板を厚くすれば、車重が増えて、CO2削減に逆行する。悩ましい、2つのニーズを解決できるのが、「軽くて強いハイテン」というわけだ。この、ハイテン技術では神戸製鋼が世界的で、USSも認めて今回の締結となった。
ただ、ハイテンの鋼板はUSSが、合弁会社のプロテック社(オハイオ州)へ供給する。材料供給面での神戸製鋼のメリットはない。プロテック社は1990年の設立で、溶融メッキ鋼板を中心に生産し、利益も出ているという。今後、アメリカの自動車メーカー向けにハイテンの売上が増えれば、合弁会社からの配当金が見込まれる。
さらに、もっと大きい効果として、会見の中で感じたことがある。自動車の本場アメリカで冷延ハイテンがビッグ3などに採用されることで、ヨーロッパ、アジア、とくに日本の自動車メーカーで、「それならば」と、採用が見込まれるという狙いが込められている思われることだ。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:02
| 特集
2010年12月03日
『テーマなき個別買い相場』中心の展開へ=犬丸正寛の相場展望
■テーマ性なく「好業績と好チャート」が前面に
来週(6〜10日)の相場は、『テーマなき個別買い相場』中心の展開が続くだろう。
師走相場ということでは、例年とおりの回転の速い相場展開。しかし、08年暮れ→09年1月、09年暮れ→10年1月と根本的に違うのは「テーマ性」がないことだ。08年はGSユアサ、シャープなど環境エネルギー関連、09年はスマートグリッド関連が活気のある動きをみせていた。
今年は、「これといったテーマ銘柄は浮上していない。テーマは政権政策との関連が非常に深い。今は、年明けの政局がどうなるか分からない不安定さがある。ダム建設ひとつ見ても、やる、やらないとくるくる変わっている。とても、テーマを発掘できる雰囲気ではない」(中堅証券)ということだ。
幸い、NY株の強い動きに支えられている。しかも、日米関係信頼回復を契機に、アメリカ等の外国人投資家の日本株買いも戻っている。需給面ではしばらく強い動きが予想される。
日経平均の動きは、昨年11月安値9076円から、今年1月14日の1万909円まで上昇した形と似ている。今年も11月2日の9123円が直近の安値。前回と同じ上昇率20.1%を当てはめると、来年1月上中旬に1万956円の目標となる。そのていどを目安にしておけば、大きな差はないだろう。
これから、いよいよ、ペッタン、ペッタンと年末特有のモチつき相場が佳境を迎える。テーマ性がない分、「好業績と好チャート」が前面に出た物色と予想される。
【関連記事】
・2010年12月03日:押し目買いに押し目なし=犬丸正寛の相場格言
・2010年11月30日:【カギ握る円相場】日経平均の終値1万円割れに思う=犬丸正寛
・2010年11月27日:2年で名目成長率4%は可能、みんなの党代表・議員と語る会=犬丸正寛の見聞記
・2010年11月25日:ケイ線は値幅見ず日柄を見よ=犬丸正寛の相場格言
・2010年11月26日:【米韓合同軍事演習に注目】朝鮮半島情勢見守る動きに=犬丸正寛の相場展望
・2010年11月19日:「好業績の出遅れ銘柄」で泳ぐ相場がしばらく続く=犬丸正寛の相場展望
来週(6〜10日)の相場は、『テーマなき個別買い相場』中心の展開が続くだろう。
師走相場ということでは、例年とおりの回転の速い相場展開。しかし、08年暮れ→09年1月、09年暮れ→10年1月と根本的に違うのは「テーマ性」がないことだ。08年はGSユアサ、シャープなど環境エネルギー関連、09年はスマートグリッド関連が活気のある動きをみせていた。
今年は、「これといったテーマ銘柄は浮上していない。テーマは政権政策との関連が非常に深い。今は、年明けの政局がどうなるか分からない不安定さがある。ダム建設ひとつ見ても、やる、やらないとくるくる変わっている。とても、テーマを発掘できる雰囲気ではない」(中堅証券)ということだ。
幸い、NY株の強い動きに支えられている。しかも、日米関係信頼回復を契機に、アメリカ等の外国人投資家の日本株買いも戻っている。需給面ではしばらく強い動きが予想される。
日経平均の動きは、昨年11月安値9076円から、今年1月14日の1万909円まで上昇した形と似ている。今年も11月2日の9123円が直近の安値。前回と同じ上昇率20.1%を当てはめると、来年1月上中旬に1万956円の目標となる。そのていどを目安にしておけば、大きな差はないだろう。
これから、いよいよ、ペッタン、ペッタンと年末特有のモチつき相場が佳境を迎える。テーマ性がない分、「好業績と好チャート」が前面に出た物色と予想される。
【関連記事】
・2010年12月03日:押し目買いに押し目なし=犬丸正寛の相場格言
・2010年11月30日:【カギ握る円相場】日経平均の終値1万円割れに思う=犬丸正寛
・2010年11月27日:2年で名目成長率4%は可能、みんなの党代表・議員と語る会=犬丸正寛の見聞記
・2010年11月25日:ケイ線は値幅見ず日柄を見よ=犬丸正寛の相場格言
・2010年11月26日:【米韓合同軍事演習に注目】朝鮮半島情勢見守る動きに=犬丸正寛の相場展望
・2010年11月19日:「好業績の出遅れ銘柄」で泳ぐ相場がしばらく続く=犬丸正寛の相場展望
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:09
| 特集
良質な分譲マンション…から連想して、不動産銘柄=田北知見の銘柄ウォッチ
先日の夜、何気なくベランダから外を見て驚いた。今まで無かった(気づかなかった)所に忽然と大きなマンションが建ち、煌々と明かりが灯っていたのだ。そういえば、以前の一時期、家の郵便受けに、分譲マンションの宣伝チラシが何度か入っていたことを思い出した。チラリと見ただけの記憶だが、設備が充実した立派なマンションという印象だった。
その後、入ってきたチラシを見ると「第×期分譲、完売」「第△期分譲、受付中」といったようなことが書かれていた。今のような時期に、比較的早期に完売するとは、すごいと思った。分譲主は地元に本社のある中堅企業だ。住宅建設会社からスタートし、「リーズナブルな価格で、そのわりには良質な住宅をつくる」といわれて成長。現在はマンション分譲や賃貸関連事業なども行なっている。
今回の分譲マンションも、そうした企業姿勢でつくられたのだろう。「今の時代でも、良いものをリーズナブルに提供すれば売れるのだなあ」と、当たり前のことを実感したのだった。
上記から連想して、不動産業セクターで銘柄を探してみた。
★東急不動産〈8815〉(東1)
マンション、戸建て、オフィス、商業施設などの不動産総合ディベロッパー、東急不動産<8815>(東1)を入れる。3日終値は5円高の386円。単位1000株。PERは約17.8倍、PBRは約1.0倍となっている。チャートは7月1日と同20日につけた年初来安値300円でダブル底を形成後、リバウンドトレンドとなっている。360円ラインの押し目を拾い、400円フシを目指してみる。11月24日付けのドイツ証券のレーティング(投資対象期間12ヵ月)では、投資判断「Buy」(買い)、目標株価460円とされた。同15日付けの三菱UFJモルガン・スタンレー証券のレーティング(投資対象期間12ヵ月以内)では、投資判断「アウトパフォーム」(強気)、目標株価480円とされている。
★住友不動産販売〈8870〉(東1)
不動産の売買・賃貸の仲介、受託販売事業などを行なっている住友不動産販売<8870>(東1)を入れる。3日終値は55円高の3730円。単位10株。PERは約16.4倍、PBRは約1.7倍となっている。チャートは11月15日につけた直近安値3425円から反発したものの、その後は3700円ライン前後でモミ合っている。3600円台の押し目を拾い、4000円フシを目指す。バークレイズ・キャピタル証券の2日付けのレーティングでは、投資判断「オーバーウェイト」、目標株価5300円としている。SMBCフレンド調査センターは11月17日付けのレーティング(投資対象期間12〜18ヵ月)で投資判断「オーバーウェイト」(強気)、目標株価4410円とした。
その後、入ってきたチラシを見ると「第×期分譲、完売」「第△期分譲、受付中」といったようなことが書かれていた。今のような時期に、比較的早期に完売するとは、すごいと思った。分譲主は地元に本社のある中堅企業だ。住宅建設会社からスタートし、「リーズナブルな価格で、そのわりには良質な住宅をつくる」といわれて成長。現在はマンション分譲や賃貸関連事業なども行なっている。
今回の分譲マンションも、そうした企業姿勢でつくられたのだろう。「今の時代でも、良いものをリーズナブルに提供すれば売れるのだなあ」と、当たり前のことを実感したのだった。
上記から連想して、不動産業セクターで銘柄を探してみた。
★東急不動産〈8815〉(東1)
マンション、戸建て、オフィス、商業施設などの不動産総合ディベロッパー、東急不動産<8815>(東1)を入れる。3日終値は5円高の386円。単位1000株。PERは約17.8倍、PBRは約1.0倍となっている。チャートは7月1日と同20日につけた年初来安値300円でダブル底を形成後、リバウンドトレンドとなっている。360円ラインの押し目を拾い、400円フシを目指してみる。11月24日付けのドイツ証券のレーティング(投資対象期間12ヵ月)では、投資判断「Buy」(買い)、目標株価460円とされた。同15日付けの三菱UFJモルガン・スタンレー証券のレーティング(投資対象期間12ヵ月以内)では、投資判断「アウトパフォーム」(強気)、目標株価480円とされている。
★住友不動産販売〈8870〉(東1)
不動産の売買・賃貸の仲介、受託販売事業などを行なっている住友不動産販売<8870>(東1)を入れる。3日終値は55円高の3730円。単位10株。PERは約16.4倍、PBRは約1.7倍となっている。チャートは11月15日につけた直近安値3425円から反発したものの、その後は3700円ライン前後でモミ合っている。3600円台の押し目を拾い、4000円フシを目指す。バークレイズ・キャピタル証券の2日付けのレーティングでは、投資判断「オーバーウェイト」、目標株価5300円としている。SMBCフレンド調査センターは11月17日付けのレーティング(投資対象期間12〜18ヵ月)で投資判断「オーバーウェイト」(強気)、目標株価4410円とした。
田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:37
| 特集
2010年11月30日
【カギ握る円相場】日経平均の終値1万円割れに思う=犬丸正寛
■1万円割れに思う3つの事
日経平均が30日(火)、終値で11月17日以来、8営業日ぶりに1万円台を割った。しかも、188円安の9937円と安値引け。3つばかりの事が考えられる。
(1)円安がさらに続くかどうか様子をみたい
(2)出遅れ株買いが、ほぼ一巡した
(3)日経平均が1万100円台で上値が重くなっている
11月1日に80円45銭まで進んだ「円高」は現在84円台まで円高修正型の円安となっている。心理的なフシであり、5円刻みのフシでもある1ドル・85円台で円安は止まるのか。あるいは、さらに、一段の円安に進むのか。様子を見るところに来ている。一方、主力・指標銘柄のトヨタ自動車は、既に、11月26日の3340円を戻り高値に調整入りの気配が濃い。代わって、このところ、地方銘柄など出遅れ銘柄が物色されていた。それも、ほぼ物色一巡感がある。
再度、円安が進み、トヨタなど輸出株が切り返すのかどうかがポイントだろう。幸いに、日経平均、トヨタ株とも30日線には、まだ余裕がある。仮に、明日以降、下げたとしても相場が崩れたということにはならないだろう。しばらくは、トヨタで3100〜3300円、日経平均で9700〜1万円の小さなレンジでのモミ合いに移る可能性がある。モミ合いを続けながら円相場の行方を見守る動きだろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:55
| 特集
2010年11月29日
「山より大きいイノシシが出る」のではないかと不安が高まるばかり?=浅妻昭治
■決め打ち厳禁の師走相場は、まず好需給外食株から
浅妻昭治のマーケット・センサー
「山より大きいイノシシは出ない」−−−過度の警戒感を戒める兜町の仲間内の合言葉である。目の前にみえるリスク以上の損失拡大に怯える必要はないとばかりに、互いにこの合言葉でエールを交換しながら、自らの弱気に封印し強気に与しようと鼓舞し合う。いよいよ12月、師走相場のスタートを前にさぞかしこの合言葉が飛び交っていると想像はできる。
しかし、昨今の政治・経済情勢は、「山より大きいイノシシが出る」のではないかと不安が高まるばかりである。北朝鮮の韓国・延坪島への砲撃事件も、いつ何時、不測の事態にエスカレートするか保証の限りではない。欧州のソブリンリスクの再燃も、世界の金融情勢が、なお「100年に1度の津波」の渦中にあるのか、関係各国の協調によりコントロールされているのか、またまた不透明化が危惧されている。
国内でも支持率急落に見舞われている菅内閣が、相次ぐ閣僚の失言や問責決議案可決を受けて来年1月の通常国会を乗り切れるのか、解散・総選挙観測も高まり、政局がますます混迷化する道筋が浮かんでくる。「イノシシ」の心配をし出したらキリがないのである。
1年納めの師走相場、損失の最小化を図るのか、「掉尾の一振」を先取りしてもう1回転を狙うのか、どういう相場スタンスが正解かは難しい。ただ共通しているのは、強気にしろ弱気にしろ決め打ちはリスクが大きすぎるということだろう。「モグラ叩き相場」よろしく個別材料が出るたびに、関連株を厳選、対応する投資スタイルのみが有効となるはずだ。このまま円高がさらに後退するようなら主力輸出株、朝鮮半島が緊迫化するなら「有事の金」関連株や石川製作所(6208)などの防衛関連株、12月再開のIPO(新規株式公開)が、順調にスタートするようなら新興市場株などといった具合だ。
そうした相場循環の一角で浮上を期待したいのが、好需給外食産業株である。この夏は猛暑特需で客足が伸びたが、12月は忘年会、クリスマスパーティーなどの書き入れ時でもある。ぐるなび(2440)、一休(2450)、カッパ・クリエイト(7421)、ハイデイ日高(7611)、壱番屋(7630)、リンガーハット(8200)、元気寿司(9828)などをマークしてみたい。
浅妻昭治のマーケット・センサー
「山より大きいイノシシは出ない」−−−過度の警戒感を戒める兜町の仲間内の合言葉である。目の前にみえるリスク以上の損失拡大に怯える必要はないとばかりに、互いにこの合言葉でエールを交換しながら、自らの弱気に封印し強気に与しようと鼓舞し合う。いよいよ12月、師走相場のスタートを前にさぞかしこの合言葉が飛び交っていると想像はできる。
しかし、昨今の政治・経済情勢は、「山より大きいイノシシが出る」のではないかと不安が高まるばかりである。北朝鮮の韓国・延坪島への砲撃事件も、いつ何時、不測の事態にエスカレートするか保証の限りではない。欧州のソブリンリスクの再燃も、世界の金融情勢が、なお「100年に1度の津波」の渦中にあるのか、関係各国の協調によりコントロールされているのか、またまた不透明化が危惧されている。
国内でも支持率急落に見舞われている菅内閣が、相次ぐ閣僚の失言や問責決議案可決を受けて来年1月の通常国会を乗り切れるのか、解散・総選挙観測も高まり、政局がますます混迷化する道筋が浮かんでくる。「イノシシ」の心配をし出したらキリがないのである。
1年納めの師走相場、損失の最小化を図るのか、「掉尾の一振」を先取りしてもう1回転を狙うのか、どういう相場スタンスが正解かは難しい。ただ共通しているのは、強気にしろ弱気にしろ決め打ちはリスクが大きすぎるということだろう。「モグラ叩き相場」よろしく個別材料が出るたびに、関連株を厳選、対応する投資スタイルのみが有効となるはずだ。このまま円高がさらに後退するようなら主力輸出株、朝鮮半島が緊迫化するなら「有事の金」関連株や石川製作所(6208)などの防衛関連株、12月再開のIPO(新規株式公開)が、順調にスタートするようなら新興市場株などといった具合だ。
そうした相場循環の一角で浮上を期待したいのが、好需給外食産業株である。この夏は猛暑特需で客足が伸びたが、12月は忘年会、クリスマスパーティーなどの書き入れ時でもある。ぐるなび(2440)、一休(2450)、カッパ・クリエイト(7421)、ハイデイ日高(7611)、壱番屋(7630)、リンガーハット(8200)、元気寿司(9828)などをマークしてみたい。
浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:41
| 特集
2010年11月27日
【株式市場フューチャー】米雇用統計やクリスマス商戦の動向が注目点
【来週の相場展望(11月29日〜12月3日)】
■引き続き出遅れ修正期待が高い
前週(11月22日〜26日)の日本の株式市場は堅調な展開となり、日経平均株価は終値ベースで1万円の大台を維持して終了した。短期的な過熱感が警戒されたうえに、欧州の財政不安問題の広がり、朝鮮半島情勢の緊迫などが悪材料として上値を抑える要因となったようだが、出遅れ修正への期待が強いうえに、外国為替市場でドル安・円高のトレンドが一服感を強めたことも支援材料となった。
来週(11月29日〜12月3日)の日本の株式市場では、引き続き出遅れ修正への期待が高いだろう。依然として短期的な過熱感が残っているため、スピード調整が必要との指摘も多いようだが、地合いが改善して下値不安は後退している。日経平均株価が終値ベースで1万円の大台を維持していることで、投資マインドが改善し、リスク許容度が増しているだろう。外国為替市場でドル安・円高のトレンドが一服感を強めていることや、需給面で信用買い残高の整理が進んでいることも支援材料だろう。
ただし一方では、国内景気の減速懸念が強く、米国の景気指標や株式市場の動向、外国為替市場の動向、欧州の財政不安問題の広がり、朝鮮半島情勢の緊迫の動向、中国の金融引き締め懸念や株式市場の動向などに対する警戒感も、引き続き意識されるだろう。
上値の重さや出来高の減少などから、ヘッジファンドなどが日本株を買い戻す動きは、ほぼ一巡したとの指摘も出始めている。さらに週末の12月3日には、注目度の高い11月米雇用統計の発表を控えているため、常識的に考えれば、来週の日本の株式市場は様子見ムードが強くなる可能性が高い。また、米国で報じられた大規模なインサイダー取引疑惑の問題も、波乱要因として注意が必要だろう。
来週のスケジュールとしては、12月3日発表予定の11月米雇用統計の他に、国内では30日発表予定の10月鉱工業生産速報など、海外では30日発表予定の米11月消費者信頼感指数、9月ケース・シラー米住宅価格指数、そして12月1日発表予定の米ISM製造業景気指数などが注目されるだろう。また前週末26日には、米ブラック・フライデーでクリスマス商戦が本格スタートしている。序盤戦の好不調が米国の景気動向を探る上でもカギとなるだろう。
日本の株式市場は地合いが改善しているため、大きく崩れる可能性は小さいと考えられるが、単なる出遅れ修正だけでは上値を追うことも難しい。したがって好材料が必要となる。米国の景気回復期待が高まり、外国為替市場で一段とドル高・円安方向に進めば、日本の株式市場にとって追い風となり、日経平均株価は1万500円台も視野に入るだろう。それだけに、米クリスマス商戦の序盤戦の動向次第では、週末の11月米雇用統計を待たずして、大きく動く可能性も考えられる。
■引き続き出遅れ修正期待が高い
前週(11月22日〜26日)の日本の株式市場は堅調な展開となり、日経平均株価は終値ベースで1万円の大台を維持して終了した。短期的な過熱感が警戒されたうえに、欧州の財政不安問題の広がり、朝鮮半島情勢の緊迫などが悪材料として上値を抑える要因となったようだが、出遅れ修正への期待が強いうえに、外国為替市場でドル安・円高のトレンドが一服感を強めたことも支援材料となった。
来週(11月29日〜12月3日)の日本の株式市場では、引き続き出遅れ修正への期待が高いだろう。依然として短期的な過熱感が残っているため、スピード調整が必要との指摘も多いようだが、地合いが改善して下値不安は後退している。日経平均株価が終値ベースで1万円の大台を維持していることで、投資マインドが改善し、リスク許容度が増しているだろう。外国為替市場でドル安・円高のトレンドが一服感を強めていることや、需給面で信用買い残高の整理が進んでいることも支援材料だろう。
ただし一方では、国内景気の減速懸念が強く、米国の景気指標や株式市場の動向、外国為替市場の動向、欧州の財政不安問題の広がり、朝鮮半島情勢の緊迫の動向、中国の金融引き締め懸念や株式市場の動向などに対する警戒感も、引き続き意識されるだろう。
上値の重さや出来高の減少などから、ヘッジファンドなどが日本株を買い戻す動きは、ほぼ一巡したとの指摘も出始めている。さらに週末の12月3日には、注目度の高い11月米雇用統計の発表を控えているため、常識的に考えれば、来週の日本の株式市場は様子見ムードが強くなる可能性が高い。また、米国で報じられた大規模なインサイダー取引疑惑の問題も、波乱要因として注意が必要だろう。
来週のスケジュールとしては、12月3日発表予定の11月米雇用統計の他に、国内では30日発表予定の10月鉱工業生産速報など、海外では30日発表予定の米11月消費者信頼感指数、9月ケース・シラー米住宅価格指数、そして12月1日発表予定の米ISM製造業景気指数などが注目されるだろう。また前週末26日には、米ブラック・フライデーでクリスマス商戦が本格スタートしている。序盤戦の好不調が米国の景気動向を探る上でもカギとなるだろう。
日本の株式市場は地合いが改善しているため、大きく崩れる可能性は小さいと考えられるが、単なる出遅れ修正だけでは上値を追うことも難しい。したがって好材料が必要となる。米国の景気回復期待が高まり、外国為替市場で一段とドル高・円安方向に進めば、日本の株式市場にとって追い風となり、日経平均株価は1万500円台も視野に入るだろう。それだけに、米クリスマス商戦の序盤戦の動向次第では、週末の11月米雇用統計を待たずして、大きく動く可能性も考えられる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:49
| 特集
2年で名目成長率4%は可能、みんなの党代表・議員と語る会=犬丸正寛の見聞記
【渡辺喜美代表、ますます父親に似て迫力増す】
仙石由人官房長官の問責決議を参議院に提出し可決させるなど、存在感を高めている「みんなの党」。25日夕方、都内で開催された、「渡辺喜美代表・所属議員と語る会」に出てきた。昨年8月の発足時は渡辺喜美代表のほか、候補者は中西健治氏だけだった。1年経った今や参議院では11名。単独で議案を出せる力を持った。
現在、今回の問責決議のほか、議員歳費削減、財政金融一体などの政策、関連法案を打ち出す。民間が生活に苦しんでいるときだけに、公務員も給与を引き下げ痛みを分かち合うべきとの代表の言葉には参加した300余名から拍手がわいた。総理がもらっている給与の話もあったが、ここでは、そこまでは触れない。経済、株式マーケットに関係の深い、「渡辺流デフレ脱却論」について紹介する。
このところ、円は対ドルで円高修正となっている。しかし、「現在の1ドル・83円台では日本のデフレは止まらない。止めるには95〜100円が必要。そのためには、積極財政を採るべきで、とくに、投資減税がもっとも効果的。さらに、財政と金融の一体化政策も採るべき。日銀には手段、方法ということでは独立性はあってよい。しかし、その前に、まず政府が明確な経済政策目標、たとえば名目成長率4%の目標を打ち出すべき。政権の大きい方針に従うのが日銀である。かつて、デフレから脱却させた高橋是清を見習うべき」と。とくに、名目GDPの4%を2年で達成することは難しくないと強調。消費税についても全額地方へ回せばよいとも。来年の地方選挙に向けて、「いい人材がたくさん欲しい」。
筆者から、代表、お忙しいですが、睡眠は取っていますかと向けると、「大丈夫、よく寝ていますよ。明日は沖縄に行きます。父、(渡辺美智雄氏)は病気でも沖縄をよく訪問していました」。筆者が若い記者生活のころ、渡辺美智雄通産大臣当時、沖縄を知らないと政治家にあらずといった言葉を聴いたような記憶もある。喜美代表は父親のようなダミ声ではないが、表情はだんだんと父親に似て迫力が増してきた印象だ。
【関連記事】
・2010年11月26日:【米韓合同軍事演習に注目】朝鮮半島情勢見守る動きに=犬丸正寛の相場展望
・2010年11月25日:ケイ線は値幅見ず日柄を見よ=犬丸正寛の相場格言
・2010年11月19日:「好業績の出遅れ銘柄」で泳ぐ相場がしばらく続く=犬丸正寛の相場展望
・2010年11月17日:底値圏の大陽線買い、高値圏の大陰線売り=犬丸正寛の相場格言
仙石由人官房長官の問責決議を参議院に提出し可決させるなど、存在感を高めている「みんなの党」。25日夕方、都内で開催された、「渡辺喜美代表・所属議員と語る会」に出てきた。昨年8月の発足時は渡辺喜美代表のほか、候補者は中西健治氏だけだった。1年経った今や参議院では11名。単独で議案を出せる力を持った。
現在、今回の問責決議のほか、議員歳費削減、財政金融一体などの政策、関連法案を打ち出す。民間が生活に苦しんでいるときだけに、公務員も給与を引き下げ痛みを分かち合うべきとの代表の言葉には参加した300余名から拍手がわいた。総理がもらっている給与の話もあったが、ここでは、そこまでは触れない。経済、株式マーケットに関係の深い、「渡辺流デフレ脱却論」について紹介する。
このところ、円は対ドルで円高修正となっている。しかし、「現在の1ドル・83円台では日本のデフレは止まらない。止めるには95〜100円が必要。そのためには、積極財政を採るべきで、とくに、投資減税がもっとも効果的。さらに、財政と金融の一体化政策も採るべき。日銀には手段、方法ということでは独立性はあってよい。しかし、その前に、まず政府が明確な経済政策目標、たとえば名目成長率4%の目標を打ち出すべき。政権の大きい方針に従うのが日銀である。かつて、デフレから脱却させた高橋是清を見習うべき」と。とくに、名目GDPの4%を2年で達成することは難しくないと強調。消費税についても全額地方へ回せばよいとも。来年の地方選挙に向けて、「いい人材がたくさん欲しい」。
筆者から、代表、お忙しいですが、睡眠は取っていますかと向けると、「大丈夫、よく寝ていますよ。明日は沖縄に行きます。父、(渡辺美智雄氏)は病気でも沖縄をよく訪問していました」。筆者が若い記者生活のころ、渡辺美智雄通産大臣当時、沖縄を知らないと政治家にあらずといった言葉を聴いたような記憶もある。喜美代表は父親のようなダミ声ではないが、表情はだんだんと父親に似て迫力が増してきた印象だ。
【関連記事】
・2010年11月26日:【米韓合同軍事演習に注目】朝鮮半島情勢見守る動きに=犬丸正寛の相場展望
・2010年11月25日:ケイ線は値幅見ず日柄を見よ=犬丸正寛の相場格言
・2010年11月19日:「好業績の出遅れ銘柄」で泳ぐ相場がしばらく続く=犬丸正寛の相場展望
・2010年11月17日:底値圏の大陽線買い、高値圏の大陰線売り=犬丸正寛の相場格言
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:48
| 特集
2010年11月26日
【米韓合同軍事演習に注目】朝鮮半島情勢見守る動きに=犬丸正寛の相場展望
■近くの戦争は売り
来週(11月29〜12月3日)は、『朝鮮半島情勢を見守る動き』に尽きるだろう。11月28日(日)から12月1日(水)まで、米韓合同軍事演習が朝鮮半島海域で行われる。
アメリカを交渉のテーブルに引き出すことが狙いといわれる、北朝鮮の韓国砲撃。民間人の犠牲者が出るにいたってアメリカは黙っているわけにはいかない。空母を交えた大規模な軍事演習で北への圧力をかける。会話に引っ張り出すつもりの北朝鮮は「軍事」でアメリカを引っ張り出してしまった。
北朝鮮が大規模演習に恐れをなしておとなしくなるか。それとも、さらに、鼻息を荒く軍事攻勢を仕掛けてくるか。それによって、相場への影響は変わってくる。まったく、予想はつかない。何をするか分からない国である。もちろん、砲火が拡大すれば、昔から言われているように、『近くの戦争は売り』である。
とくに、その場合、心配なのは、演習に参加する米空母の母港が日本ということだ。当然、北のミサイルの照準は日本にも向けられる心配がある。既に、日本の上空を飛び越えての実験や、日本海へのミサイル実験は行われている。果たして、ミサイル防衛体制が日本に備わっているかどうか。心配しても、どうにもならないことだが。
さらに、心配なのは政府の対応。今度の北朝鮮の砲撃が午後2時半だったのに、日本政府が緊急に集まったのは5時頃と聞く。対応の遅さが心配だ。もたもたしていると日本は火の海となってしまう。日本の民間にはシェルターはない。とにかく、来週、なにも起こらないことを祈るだけだ。
来週(11月29〜12月3日)は、『朝鮮半島情勢を見守る動き』に尽きるだろう。11月28日(日)から12月1日(水)まで、米韓合同軍事演習が朝鮮半島海域で行われる。
アメリカを交渉のテーブルに引き出すことが狙いといわれる、北朝鮮の韓国砲撃。民間人の犠牲者が出るにいたってアメリカは黙っているわけにはいかない。空母を交えた大規模な軍事演習で北への圧力をかける。会話に引っ張り出すつもりの北朝鮮は「軍事」でアメリカを引っ張り出してしまった。
北朝鮮が大規模演習に恐れをなしておとなしくなるか。それとも、さらに、鼻息を荒く軍事攻勢を仕掛けてくるか。それによって、相場への影響は変わってくる。まったく、予想はつかない。何をするか分からない国である。もちろん、砲火が拡大すれば、昔から言われているように、『近くの戦争は売り』である。
とくに、その場合、心配なのは、演習に参加する米空母の母港が日本ということだ。当然、北のミサイルの照準は日本にも向けられる心配がある。既に、日本の上空を飛び越えての実験や、日本海へのミサイル実験は行われている。果たして、ミサイル防衛体制が日本に備わっているかどうか。心配しても、どうにもならないことだが。
さらに、心配なのは政府の対応。今度の北朝鮮の砲撃が午後2時半だったのに、日本政府が緊急に集まったのは5時頃と聞く。対応の遅さが心配だ。もたもたしていると日本は火の海となってしまう。日本の民間にはシェルターはない。とにかく、来週、なにも起こらないことを祈るだけだ。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:54
| 特集
「歴史マイブーム」からの連想銘柄=田北知見の銘柄ウォッチ
佐高 信 著『西郷隆盛伝説』を読了した。評論家・ノンフィクション作家の佐高氏が、自身の出身地である荘内藩(庄内藩とも。現在の山形県酒田市と同鶴岡市を中心とした地域)とのカラミを中心に、史料を基に西郷隆盛の人となりをえがき、さらにそれを通じて幕末と明治後の日本のありようをえがいたノンフィクションである。
この本は2006年に夕刊紙で連載され、2007年に単行本として上梓、今年に入ってから文庫本として発売されたものだが、今年はNHK大河ドラマ『龍馬伝』が幕末を舞台していたこと等で、幕末関連本が多く出たのではないだろうか。私もこの本のほかに、司馬遼太郎の幕末を舞台にした歴史小説を何冊か、久しぶりに再読するなど、「幕末マイブーム」(笑)も盛り上がっていた。『龍馬伝』は11月28日が最終回となった。
来年2011年の大河ドラマは、浅井長政と市(織田信長の妹)の娘であり、淀殿(豊臣秀吉の側室)の妹である、江(ごう)を主役にした『江 〜姫たちの戦国』の放映が予定されている。再び戦国ブームが盛り上がるのだろうか。
西郷と龍馬から連想した銘柄をウォッチしてみた。
★九州電力〈9508〉(東1)
西郷隆盛といえば鹿児島、鹿児島といえば九州ということから連想して、九州電力<9508>(東1)を入れる。26日終値は6円高の1871円。単位100株。PERは約37.0倍、PBRは約0.8倍となっている。チャートは11月10日につけた直近高値1939円から反落し、以降は続落トレンドで来ている。が、1850円フシ手前で、そろそろ反発のタイミングと見たい。まずは1900円ラインまでの戻りが目標となりそうだ。
★四国化成工業〈4099〉(東1)
坂本龍馬といえば高知、高知といえば四国ということから連想して、化学品や建材を中心としたメーカー、四国化成工業<4099>(東1)を入れる。26日終値は2円高の454円。単位1000株。PERは約9.9倍、PBRは約0.8倍と割安水準にある。チャートは11月2日につけた年初来安値406円から反発し、以降はジリ高トレンドで来ている。このままトレンド維持で、まずは13週・26週移動平均線の468円ラインまでの戻りを目指す。
この本は2006年に夕刊紙で連載され、2007年に単行本として上梓、今年に入ってから文庫本として発売されたものだが、今年はNHK大河ドラマ『龍馬伝』が幕末を舞台していたこと等で、幕末関連本が多く出たのではないだろうか。私もこの本のほかに、司馬遼太郎の幕末を舞台にした歴史小説を何冊か、久しぶりに再読するなど、「幕末マイブーム」(笑)も盛り上がっていた。『龍馬伝』は11月28日が最終回となった。
来年2011年の大河ドラマは、浅井長政と市(織田信長の妹)の娘であり、淀殿(豊臣秀吉の側室)の妹である、江(ごう)を主役にした『江 〜姫たちの戦国』の放映が予定されている。再び戦国ブームが盛り上がるのだろうか。
西郷と龍馬から連想した銘柄をウォッチしてみた。
★九州電力〈9508〉(東1)
西郷隆盛といえば鹿児島、鹿児島といえば九州ということから連想して、九州電力<9508>(東1)を入れる。26日終値は6円高の1871円。単位100株。PERは約37.0倍、PBRは約0.8倍となっている。チャートは11月10日につけた直近高値1939円から反落し、以降は続落トレンドで来ている。が、1850円フシ手前で、そろそろ反発のタイミングと見たい。まずは1900円ラインまでの戻りが目標となりそうだ。
★四国化成工業〈4099〉(東1)
坂本龍馬といえば高知、高知といえば四国ということから連想して、化学品や建材を中心としたメーカー、四国化成工業<4099>(東1)を入れる。26日終値は2円高の454円。単位1000株。PERは約9.9倍、PBRは約0.8倍と割安水準にある。チャートは11月2日につけた年初来安値406円から反発し、以降はジリ高トレンドで来ている。このままトレンド維持で、まずは13週・26週移動平均線の468円ラインまでの戻りを目指す。
田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:28
| 特集