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記事一覧 (09/10)トマト味の調味料『トマレピ!』連想銘柄を診断=田北知見の銘柄ウォッチ
記事一覧 (09/06)相次ぐ株価逆転で「01銘柄」の逆転があるのか、返り討ちか秋相場のテーマに浮上も
記事一覧 (09/05)菅さん、小沢さんの戦いは東京対地方の戦い?=妻と夫の株ロマン
記事一覧 (09/03)来週は本格的な「9月相場」〜選挙結果でどうなるか?=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (09/03)中国文明展から連想して、鉱業銘柄=田北知見の銘柄ウォッチ
記事一覧 (08/30)たったそれだけの「経済対策」!密かに発動の「株価対策」?=浅妻昭治
記事一覧 (08/27)『漢方薬相場』か?『劇薬相場』か?民主党代表選を見極める動き=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (08/27)戦国時代のマンガから連想した銘柄=田北知見の銘柄ウォッチ
記事一覧 (08/23)「成長株神話」より「循環株セオリー」で小売株の8月月次売り上げに先取り余地
記事一覧 (08/20)再び、政局の行方見守る展開へ=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (08/20)コスメから連想して、百貨店株=田北知見の銘柄ウォッチ
記事一覧 (08/16)「二日新甫」の8月相場は残り半月!日経225好配当利回り株浮上=浅妻昭治
記事一覧 (08/13)『売方主導のモグラ・タタキ相場』の展開=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (08/13)花火大会から連想して、ビール銘柄=田北知見の銘柄ウォッチ
記事一覧 (08/09)2007年の急騰相場再現は「主役を待ちながら」も大平洋金の1Q決算発表がポイント
記事一覧 (08/06)『サマーセール最終章』の展開、小型好業績銘柄狙い=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (08/06)テレビ『世界 ふしぎ発見!』の連想株――銘柄ウォッチ
記事一覧 (08/02)「ねじれ相場」は輸出主力株、材料株を「丸のみ」の柔軟な逆張り対処で乗り切りが賢明
記事一覧 (08/01)今年後半の材料と相場の展望、今こそ竹田和平式投資を=妻と夫の株ロマン
記事一覧 (07/30)いよいよ8月相場入り!過去のデータから日経平均を占う=犬丸正寛の相場展望
2010年09月10日

トマト味の調味料『トマレピ!』連想銘柄を診断=田北知見の銘柄ウォッチ

田北知見の銘柄ウオッチ 先日、カゴメの『トマレピ!』シリーズを初めて使ってみた。トマレピとは、トマト味をベースとした液状調味料で、肉や野菜を炒めるか煮て混ぜ込むだけで、おいしいおかずが1品できるという便利品だ。味の素の中華調味料『クックドゥ』や、丸美屋の『麻婆豆腐の素』シリーズなどと同様の商品である。

 トマレピのCMイメージキャラクターには、タレントのはるな愛さんを起用している。なかなかスルドイ人選だと思った。親しみやすさや女性的なかわいさがあり、でもトランスジェンダー(性別越境者)の人なので、「料理は女性のもの」という社会的性役割分担への抵抗感を緩和している。(コマーシャルでは女性(主婦)が料理しているようだが)

 商品は、料理がより簡単にできるし、いつも同じような味つけ、メニューになりがちな食卓に、変化を与えてくれる。本格的な料理をするかたから見ると邪道かもしれないが(笑)、手軽に使える便利な物だと思った。

 カゴメと味の素の銘柄診断をしてみた。

★カゴメ〈2811〉(東1)

 トマレピシリーズを出している、カゴメ<2811>(東1)を入れる。10日終値は6円高の1673円。PERは約41.6倍、PBRは約1.9倍。単位100株。チャートは8月2日につけた直近安値1523円を底に、上昇トレンドで来ている。1650円フシを超え、次のフシ1700円ラインにも期待がかかる。信用倍率は約0.2倍の売り長となっており、買い戻しにも期待できそうだが、押し目小すくいが無難か。

★味の素〈2802〉(東1)

 国内の調味料最大手メーカーで、クックドゥシリーズも出している、味の素<2802>(東1)を入れる。10日終値は1円安の827円。PERは約22.3倍、PBRは約1倍。単位1000株。チャートは5月27日につけた年初来安値755円から反発し、以降は凸凹しながらも下値抵抗線を切り上げてきている。まずは850円フシ上抜け、中期で900円ラインが目標となりそうだ。9日付けの東洋経済新報社『四季報先取り』では、業績予想の上ブレ観測も出ている。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:32 | 特集
2010年09月06日

相次ぐ株価逆転で「01銘柄」の逆転があるのか、返り討ちか秋相場のテーマに浮上も

浅妻昭治のマーケット・センサー コード番号下2ケタが「01」となる「01銘柄」といえば、業界の代表銘柄でありトップ企業である。もちろん株価は、業界最高値が定位置で、かつての「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を評価した「国力相場」では、投資家の買いを一身に集め同業他社を圧倒した。

 この高株価は、社員のプライド、忠誠心、士気にも影響し、ひいては企業競争力の強弱、市場シェアの高低にまでつながっていたといっても過言ではなかった。当然、高株価の維持は、主幹事証券の主要な業務の一角を形成し、主幹事争いを制する基準になっていた。主幹事証券は日々、幹事会社の業界位置はもちろん、市場での売り物・買い物、人気・不人気などこまごまとした目配りを怠らない。「株価の格差は、主幹事証券の実力の差」といわれたほどだ。

 グローバル化の急進展、バブル経済の崩壊は、この業界株価序列構造に大地殻変動を引き起こした。「01銘柄」の株価が、「02銘柄」どころか、「03銘柄」、「04銘柄」までに追い抜かれ後塵を拝することが珍しいことではなくなった。上場企業の業界自体が流動化して「勝ち組・負け組」の境目が不透明化したことが最大の要因である。さらに証券業界が、急激な金融ビッグバンにより空中分解し、どの証券会社がどの系列か、民族系か外資系か皆目、見当がつかなくなって、「主幹事証券の実力」が相対的に脆弱化したことも少なからず影響したはずである。

 前置きが長くなった。業界株価序列構造にくどくどと言及したのは、前週末9月3日終値でトヨタ自動車(7203)ホンダ(7267)の間で株価逆転が起こったからである。トヨタといえば「日本が滅んでもトヨタは生き残る」とハヤされたほどの「究極の勝ち組」である。「01銘柄」の日産自動車(7201)の遥か先に位置し、世界の「01銘柄」だった米国GMを経営破たんにまで追い込んだ。そのトヨタの株価が、ホンダの株価に追い抜かれた。株価逆転現象が、ここにまで及んできたのである。しかも、主幹事証券は、両社とも業界トップの野村証券である。

 この株価逆転現象に最も敏感に反応しているのは、意外にも、両社のOBだろう。退職後も、出身母体の状況に細大漏らさず関心を持ち続けているからである。トヨタのOBは歯がゆい思いを強め、ホンダのOBは快哉を叫んでいる光景が目に浮かぶようだ。当然、株価で後塵を拝したトヨタのOBは、後輩の現役世代にクレ−ムをつけ突き上げる。

 突き上げられたトヨタの現役世代は、自らの固有の問題のせいなのか、だとしたらどう落とし前をつけるのか、追い抜いたホンダに自社と異なる勝ち目があるのか、それとも株価逆転は一過性で、再逆転が起こって下げた株ほどよく戻る「リターン・リバーサル」の呼び水になるのかなどと説明責任を求められることになる。

 トヨタとホンダを含めて、株価逆転中の日立製作所(6501)東芝(6502)東京急行電鉄(9005)京浜急行電鉄(9006)日本郵船(9101)商船三井(9104)など、強烈な残暑が一巡したあとの秋相場のテーマとしてリサーチは怠れない。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 10:59 | 特集
2010年09月05日

菅さん、小沢さんの戦いは東京対地方の戦い?=妻と夫の株ロマン


妻 民主党の代表者選挙に小沢さんの出馬は予想外でした。国民の多くが、お金の問題を抱えているから出ないものと見ていたと思うわ。どうしちゃったのかしら。

夫 僕の個人的な印象だけど、政策的なことより、意外と単純な理由に思えて仕方ない。男のメンツというか、オスの闘争本能のようなものを感じている。小沢さんはオトコだな、と思っているよ。

妻 またまた、あなたの動物的な発想ね。くだらない男のメンツですか。何に、こだわっているの。

夫 菅さんが、総理に就任したとき、小沢さんに対し、言葉は丁寧だが、内容は、「おとなしく引っ込んでおれ」ということだった。男としてはケンカを売られたも同然だ。

妻 景気が不透明で失業者の多いときにケンカなんか、しているときではないと思うわ。男って、ほんとうにくだらない。

夫 男と女は小さいときから遊びからして違う。女の子はママゴト遊びや、人形遊びだけど、男の子は城取りなど戦いが中心の遊びの中で育っている。動物のオスと同じように人間のオスも集団を守っていかなくてはいけない宿命がある。ケンカもできないような者に集団を引っ張ることはできない。どんな世界でもオス同士の戦いはつきものだ。今回は、たまたま政治家同士だったということにすぎない。むしろ、厳しい日本の状況だからこそ、逆に、政治空白を作ってでも、ケンカのできる強いリーダを選んだらよいと、僕は、思っているよ。

妻 たしかに、おサルさんの集団でもボスの座をめぐって争っているわね。しかし、今の日本は平和ですから、争うことはないと思うけど。

夫 長い間、戦争がないから安心し切っている。われわれ国民は平和と豊かさは永久に続くものと思い込んでいるフシがある。日本の上空をミサイルが飛んだのは昔の話ではない。お隣の韓国では艦船が撃沈された。ロシアは、わざわざ、第二次世界大戦の終戦記念日まで制定して、北方領土問題は終わったと位置づけようとしている。外から見れば、日本はずいぶんと甘い国だとみられていると思う。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:40 | 特集
2010年09月03日

来週は本格的な「9月相場」〜選挙結果でどうなるか?=犬丸正寛の相場展望

来週は本格的な「9月相場」〜選挙結果でどうなるか?=犬丸正寛の相場展望 来週(6〜10日)は本格的な「9月相場」入りである。もともと、9月中間決算期末ということもあって、3月と同じように動き難い月である。10月以降、下期の不安定な景気を見通せば、うっかり、中間配当取りもできない心配がある。とくに、今年は14日に日本の将来を大きく左右すると言ってよいほどの大イベントの「民主党代表選挙」がある。9月は基本的には選挙結果待ちといえるだろう。

 データの取れる、1992年以降、毎年の9月の日経平均でみれば、成績は良くない。9月末と前月末の日経平均比較では、昨年(09年)までの18回中で、高い回数はわずか4回しかない。安かったのは14回。このデータでみれば、「確率、約8割で、9月は安い」。

 1000円を超える値幅ということでみれば、安い方では、1000円を超える下げは14回中で3回しかない。一方、高い方では4回中で2回も1000円を超える上げとなっている。つまり、9月は下げる確率は高いものの、上げた場合は意外に大きいということだ。

 果たして、今年はどうか。常識的にみれば、足元の景気・企業業績が堅調な中での先行き不透明感ということから、「小幅安」とみるのが妥当なところだろう。仮に、1000円を超す上昇があるとすれば、民主党代表選挙の結果次第ということになるのではないか。新総理のもとで、これまでの、「家計重視」の政策から「企業重視」への揺り戻しがあれば、日経平均は急伸する可能性はあるだろう。

 投票日接近から様子見気分が強まり閑散となれば、相場的には「陰の極」状況となって、好材料を受け付けやすくなる。出来高を横目で睨みながら、出来高が少なくなるようなら好業績銘柄の下値仕込みがよいだろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:01 | 特集

中国文明展から連想して、鉱業銘柄=田北知見の銘柄ウォッチ

田北知見の銘柄ウオッチ 東京・上野の東京国立博物館で5日まで開催の『誕生! 中国文明』展を見に行った。紀元前20世紀ごろの夏(か)王朝時代から、紀元12世紀ごろまでの北宋時代の遺物 約150点が、「王朝の誕生」「技の誕生」「美の誕生」と、3つのテーマごとに、それぞれ時代の流れに沿って展示されていた。

 私は古代青銅器フェチで(笑)、中国の物では、とくに、殷(いん。商(しょう)とも呼ぶ)時代の、複雑でこまかい文様が入っている物が、たまらなく好きなのだ。以前、台湾・台北の故宮博物院や、香港の博物館などへ行った時もジックリ見たし、また、国内の博物館で機会があれば眺めては、「美しいなあ…」とウットリしている。

 全体は細長く、少しふくらみがあり、すらっとした3本の足がついている酒器「爵」とか、3本あるいは4本の足がついた「鼎」など、文様だけでなく、形も美しい。もちろん、青銅器以外にも、玉璧や金細工、やきもの等、すばらしい遺物がそろっており、それらを眺めながら楽しいひとときを過ごしたのだった。

 青銅器などから連想して、「鉱業」銘柄をウォッチしてみた。

★日本海洋掘削〈1606〉(東1)

 海底の石油や天然ガス田の掘削、生産井の掘削を受託している、日本海洋掘削<1606>(東1)を入れる。3日終値は7円高の2523円。単位100株。PERは約10.9倍と割安水準。PBRは約1.2倍となっている。大口株主には、石油資源開発、三菱マテリアル、国際石油帝石、三井造船、三井物産、JFEスチール、丸紅などの優良企業が並んでおり、買い安心感は充分にありそうだ。

 昨年12月の上場時からのチャートを見ると、12月28日につけた「上場来高値」6460円から反落し、以降は続落トレンド。この2ヵ月ほどは、底値2500円ラインを固める展開となっている。底値圏のモミ合い上放れで、まずは次のフシ3000円ライン奪回を目指す。

★国際石油開発帝石〈1605〉(東1)

 油田・ガス田開発、権益保有などを行なっている、国際石油開発帝石<1605>(東1)を入れる。3日終値は1万円高の41万0500円。単位1株。PERは約13.9倍、PBRは約0.7倍となっている。大口株主には経済産業大臣、石油資源開発、三井石油開発、三菱商事、新日本石油、丸紅などが並んでいる。

 チャートは4月5日につけた直近高値72万9000円から反落し、以降は続落トレンド。この2ヵ月ほどは、下値40万円ラインを固める展開で来ている。8月31日につけた年初来安値37万3000円を底に、リバウンド局面への転換といきたい。まずは次のフシであり、13週移動平均線でもある、45万円ラインまでの戻りを目指す。2日付けの東洋経済新報社『四季報先取り』では、業績予想の上ブレ観測も出ている。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:34 | 特集
2010年08月30日

たったそれだけの「経済対策」!密かに発動の「株価対策」?=浅妻昭治

■悪役銘柄を演じた任天堂三羽烏に逆張り余地も

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 「エッ、たったそれだけ?」と心配されるのが、きょう、あす中にも取りまとめられる菅内閣の経済対策である。マスコミは、重点施策として雇用対策を打ち出し、財源には今年度予備費の未使用分9000億円を充当すると早打ちしている。かつては経済対策といえば、10兆円、20兆円と事業規模の大きさを競い合い、実際に財政出動の実弾が伴う「真水」の量まで問われたことに比較すると、額が2ケタも違い隔世の感が強い。「ツーレイト(遅すぎる)」のうえに、「ツーリトル(少なすぎる)」である。GDPギャップが30億円にも達すると推計されるなかで、却って景気失速感を強めないかと懸念される。

 もちろん経済対策の事業規模だけを膨らませれば、景気を浮揚できるわけではない。かつての円高不況時も、湯水のように財政資金をバラ撒き、金利を引き下げたが、結局、デフレ経済が一息ついたのは、元凶の不良債権の処理に公的資金を注入してからである。政治家の器は、政治信条、大義名分などで測られるが、実務をこなすガバナンス(統治)能力は、「真水」の振り分け、使い方の政治勘次第で決まってくる。問題に直接手を突っ込んで「真水」を注入することに躊躇してはならないということだろう。

 円高阻止には、単独介入だろうと協調介入だろうと、ドル買い・円売り介入しかない。内外に適正為替レートを公言して、「真水」を注ぎ込むだけである。投機筋に足元を見透かされて、なお円高が続くようなら、まさしく「断固たる措置」で次の手を捻り出せば済むまでだ。

 この為替介入とともに、ぜひ発動が待たれるのが株価対策である。株高促進策である。株価対策の発動とともに株高が進めば、資産効果から危機意識が後退して、消費を喚起、デフレ経済からの脱却も後押しする。呼び水の「真水」が、何倍、何十倍、何百倍にも回転してコスト・パフォーマンスは抜群となる。

 実際にこの株価対策は、密かに発動されているようである。この8月以来の日経平均の9000円台攻防では、しばしば下値に公的年金の買いがウワサされたからである。そしてこのウワサとともに、買いの入った銘柄の特定が行われ、追随買いを誘発した。市場では、中心はTOPIXコア30の構成銘柄とするのが一般的である。日本を代表する主力株で、そのほとんどがPBR1倍台を割っている現状からすれば、第1弾買いを入れるのにどこからもクレ−ムがつく恐れはない。

 なかでややクレームがつきそうなのが、任天堂(7974)である。今3月期第1四半期決算が、705億円もの為替差損の発生で大幅赤字に転落し、株価も急落したからである。にもかかわらず、株価はこのショック安後は持ち直し、急落分のリカバリーは目前となっている。悪材料織り込み済みとなったのか、需給主導なのか、新たな相場展開も予感させる。そこで浮上するのが、この任天堂関連で同様に業績悪化中のミツミ電機(6767)メガチップス(6875)の任天堂三羽烏の逆張り対処である。早めに調整して悪役銘柄を演じただけに、株価対策が発動されれが、恩恵も大きそうだ。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:46 | 特集
2010年08月27日

『漢方薬相場』か?『劇薬相場』か?民主党代表選を見極める動き=犬丸正寛の相場展望

『漢方薬相場』か?『劇薬相場』か?民主党代表選を見極める動き=犬丸正寛の相場展望 来週(8月30日〜9月3日)は、『民主党代表選挙を控えて様子見相場』の展開だろう。景気・円高対策は予想されるものの、民主党代表=総理が誰になるか決まらないうちは本格的なものは期待できないだろう。ただ、今の相場の主役である売方はこの点には一応、警戒をするものとみられる。

 小沢一郎前幹事長の代表選出馬表明で政局は波乱含みとなってきた。どちらが、勝利するにせよ、党内に亀裂が生じることは避けられないとみられる。カネの問題を抱える小沢氏不利との見方は確かに多い。しかし、ニコニコ顔の菅総理に対し、何か、どこか、物足りなさを感じている国民も多いのではないか。仮に、ソフトタッチの菅氏を「漢方薬」タイプとすれば、強面(こわもて)の小沢氏は「劇薬」タイプといえるだろう。

 今の日本は景気の先行きに警戒信号が点滅。しかも、借金は先進国の中でも断トツに多い。とくに、懸念されるのは外交面に心配な動きがみられることだ。ロシアの大統領は、急に、北方領土について解決済みの姿勢を打ち出そうとしている。中国も、いったん、妥協しかけていた進出企業に対する資産保全協定に待ったをかけてきた。しかも、同盟国のアメリカでさえ、自国の経済の苦しさからドル安・円高を容認している。どれもこれも、日本の政治の不安定さが相手国に突かれている。もしも、こんなときにミサイルでも飛んで来たら何も手を打つことはできないのではないか。

 つまり、言いたいことは、今の日本は非常事態ともいえる時である。患者でいえば即、入院である。このようなときに「漢方薬」でゆっくりと対応している余裕はない。民主党が得意の原因分析、過去精査は大切であるとしても、そこに、いつまでも時間をかけているわけにはいかない。病は進んでしまう。今は、「誰が病の原因を作ったか」を精査することが重要なのではなく、一刻も早く集中治療室に入れて治療することが求められている。

 当然、ここは、副作用も予想される「劇薬」での処置が必要なのではないか。むしろ、劇薬を知っている人こそ思い切った対策も打てるはず。果たして、民主党の党員は漢方薬タイプの菅氏か、劇薬タイプの小沢氏のどちらを選ぶか。

 今の相場は売方主導ではあるものの、しかし、出来高が薄い今の状況では、プロ中のプロである売方は深追いを避けるだろう。戻りの度合いと政局の行方を見守りつつ、再度の売場を探すものとみられる。まだ、しばらくは、買方主導の相場にはならないだろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:03 | 特集

戦国時代のマンガから連想した銘柄=田北知見の銘柄ウォッチ

田北知見の銘柄ウオッチ 大羽快(おおば・かい=漫画家の名前)のマンガ『殿といっしょ』の最新刊5巻を読んだ。戦国時代の武将や大名などを題材に、4コマのギャグにしたマンガだ。あまり史実に即しておらず、かなり現代風にアレンジされているので、私は最初「なんだこれは」とナナメに読んでいたのだが(笑)、巻が進むごとにハマってしまい、今は楽しく読ませていただいている。

 私の中では、この作品と同じような位置づけにあるのが、ほり のぶゆきの江戸時代ギャグマンガ『東京お侍ランド』だ。これも史実を無視した現代風のアレンジなのだが、しかし独特な味わいがあり、なかなかおもしろいのだ。

 最近はNHK大河ドラマなどの影響で、戦国時代や幕末などを舞台にした、歴史もの・時代もののゲームやマンガ等が、若い人の間で流行しているようだ。新しい解釈?の作品がどんどん出ており、若くない私も(笑)面白そうな作品を物色している。

 上記から、2銘柄を連想してみた。

★横浜ゴム〈5101〉(東1)

 「歴史」「時代」から連想し、歴史ある老舗企業で優良銘柄を探してみた。1917(大正6)年に『横浜護謨製造株式会社』として神奈川県横浜市に設立した、横浜ゴム<5101>(東1)を入れる。27日終値は9円高の395円。単位1000株。PERは約13.5倍、PBRは約0.8倍となっている。

 チャートは7月29日につけた年初来高値480円から反落し、以降は続落トレンドとなっていた。本日8月27日は地合いの好転もあり、反発している。今後の地合いにもよるが、まずは450円フシまでの戻りを目指す。ゴールドマン・サックス証券が4日に出したレーティング(対象期間12ヵ月)では、投資判断「ニュートラル」(中立)継続、目標株価530円とされており、同日にUBS証券が出したレーティング(同)では、投資判断「ニュートラル」(中立)継続、目標株価500円とされている。

★四国化成工業〈4099〉(東1)

 上掲書の表紙には、長宗我部元親らのイラストが描かれている。元親は土佐の戦国大名で、一時は四国のほとんどを平定した人物だ。「四国」からの連想で、四国化成工業<4099>(東1)を入れる。27日終値は4円高の472円。単位1000株。PERは約8.7倍、PBRは約0.8倍と、割安水準になっている。

 チャートを見ると、この3ヵ月ほどは上値480円ライン、下値450円ラインのボックス圏を形成している。下値450円ラインで拾い、上値480円ラインで利益確定も一手か。ただ、中期チャートで見ると、500円台乗せも視野に入る。20日付けの『四季報速報』によると、今期・来期ともに業績予想の上ブレ期待もあるようだ。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:57 | 特集
2010年08月23日

「成長株神話」より「循環株セオリー」で小売株の8月月次売り上げに先取り余地

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 相場急落中にややマニヤック的な話で恐縮だが、将棋界には「升田賞」という顕彰制度がある。「新手一生」を将棋哲学とした故升田幸三実力制第4代名人を記念して創設された賞で、その年に最も画期的で創造的な新戦法、新定跡を開発した棋士に贈られる。もちろん開発した棋士は、連戦連勝で高い勝率を上げ、新戦法はまさしく必勝法となる。

 ところが、その新戦法がいまや大変なことになっているらしい。これはテレビ番組で現在、最強の棋士とされている羽生善治名人が語ったことだが、新戦法が通用するのはたった1回だけになっているというのである。新戦法が指された途端に、棋士が寄ってたかって研究して、次の対局では対抗策が準備され、必勝法が必勝法にはならなくなる。研究の量と研究のスピードのなかに埋没して、新戦法が急速に陳腐化してしまうわけだ。

 株式投資にとっても身に詰まされる話である。株価は、ポジティブだろうとネガティブだろうとサプライズで大きく動く。ところが、昨今は、このサプライズの消化スピードが高速化して、サプライズがアッという間に日常化し、シクリカル(循環的)な変化にしか過ぎなくなる。この結果、どのようなことが起こっているか?かつて資産形成の王道とされた「成長株投資」の成立する可能性が、限定的になってしまった。「成長株」を「成長株」とするブランド力もビジネスモデルも技術開発力も、すべてが急激に常態化、コモディティ化するとすれば、循環株と何ら変りはなくなる。かつてソニー(6758)ホンダ(7267)などとともに語られた「成長株神話」は、死滅寸前となっているのかもしれない。

 相場急落中に市場が拠り所とした政策期待も、この視点から精査する必要がある。菅直人首相と白川方明日銀総裁が、会談して経済対策と金融緩和策を決めたとして、これが昨年11月のドバイ・ショック時と同様に円高を阻止し、株高を演出するのか、将棋の「升田賞」と同様に、2回目として通用するのか保証の限りではない。まして、棋士は「盤上没我」で脳細胞を総動員して「新手」を編み出すが、こと菅首相に関しては、9月の民主党代表選挙が目の前にチラつくのか、集中力に欠けているように見受けられるのである。

 「成長株神話」より「循環株セオリー」と割り切れれば、銘柄選びにそう苦労しないはずである。手掛かり材料は、猛暑特需である。すでに7月の猛暑特需で、電力需要量やコンビニ店の売り上げが追い風を享受したことが報告された。これに次いで9月入り早々にも小売り各社の8月月次売り上げが公表される。カギを握るのはファーストリテイリング(9983)だろうが、これに続いてポイント(2685)ユナイテッドアローズ(7606)のアパレル株、エービーシー・マート(2670)ビックカメラ(3048)ヤマダ電機(9831)などの量販店株など、先取り余地はありそうだ。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 12:37 | 特集
2010年08月20日

再び、政局の行方見守る展開へ=犬丸正寛の相場展望

■混迷の民主党代表者選び、解散の可能性も

再び、政局の行方見守る展開へ=犬丸正寛の相場展望 来週(23〜27日)以降の相場は、『再び、政局の行方を見守る展開』となってきた。9月14日に行われる民主党の代表者選挙に、小沢一郎元幹事長の出馬が有力視されてきた。

 すでに、菅首相は早々と代表選出馬と、その後の総理続投を打ち出し、同時にその場合は小沢氏を幹事長等に起用しないことを明らかにしている。菅氏は参議院選挙直前での消費税引き上げ発言、そして、今度の小沢氏排除ともみられる発言など、自信の現れというか、そうとうに強気である。古今東西、勝負事での戦いの前の強気発言というものは、うまく行かないことが多い。小沢氏が立候補した場合、どちららが勝利するにせよ、民主党内部に対立の風が吹くことは避けられないだろう。

 国民にとって気になるのは、今の日本は景気が重要なところにあることだ。海外の景気下押し圧力は日増しに高まっている。国内でも新築住宅の低迷、雇用の不安。しかも、エコカー補助金はまもなく終了する。加えて、「円高」である。景気テコ入れが急いで求められるところなのに、政局が揺れると景気対策は遅れる。

 日経平均は、8月12日に9065円(場中)の年初来安値をつけた。ひとまずは、景気の下ブレ不安は織り込んで、政府の景気対策を見守る動きとなっている。しかし、政局混乱で景気刺激策が見込めないとなれば、相場に大きい戻りは期待できない。これからのマーケットは菅氏と小沢氏では、どちらに、経済対策の手腕があるかを、読もうとする動きになるだろう。その点は自民党出の小沢氏にマーケットは期待しているところもある。となれば、菅氏は数の上では不利だから、国民を頼りにした解散総選挙があるかもしれない。いずれにしても、政局のもたつきは景気に良い影響がないことだけは間違いない。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:00 | 特集

コスメから連想して、百貨店株=田北知見の銘柄ウォッチ

田北知見の銘柄ウオッチ 先日、ある百貨店が実施中の「コスメティック(化粧品)フェスティバル」へ行ってきた。百貨店と化粧品メーカー各社がタイアップして、「サンプル(試供品)プレゼント」や「化粧品を○○円以上お買い上げのお客様に、××をプレゼント」といったキャンペーンを展開し、宣伝と販促を行なうものだ。私はふだん行かないようなメーカーの売り場へ行って、そのメーカーの商品をその場で塗ってもらったり、いろいろ説明などを聞いて、楽しんだ。

 このキャンペーン以外にも、最近、今まであまり知らなかった、いろいろなメーカーの化粧品について、話を聞いたり、試供品をもらって家で試してみる機会がたまたま続いていた。

 それぞれのメーカーは、自社の特徴やブランドイメージをシッカリ出しており、スタッフの商品説明やセールストーク、お客へのメイク施術技能なども、きちんとしている。また、上記のキャンペーンをはじめとして、各社とも、消費者の購買意欲をそそるように、あの手この手を出しておられる。だいぶ以前には、「不況でも美容関係は強い」と言われていたが、その後、「いや、美容業界もきびしいのだ」といったようなデータが報道されたこともあった。今はどうなのだろう。もし今でも「美容業界は強い」のだとすれば、それは企業や社員さんたちの努力によるものなのだろうな、と思ったのだった。

 上記のキャンペーンから連想して、百貨店株で優良銘柄を探してみた。

★三越伊勢丹ホールディングス〈3099〉(東1)

 三越と伊勢丹を展開する、百貨店首位の三越伊勢丹ホールディングス<3099>(東1)を入れる。20日終値は16円安の869円。単位100株。PERは約28.6倍、PBRは約0.8倍となっている。チャートは4月26日につけた年初来高値1117円から反落し、続落トレンドで来ていた。が、この1〜2ヵ月ほどは、下値800円ラインを固める展開となっている。まずは次のフシであり26週移動平均線でもある、900円台央までの戻りを目指す。信用倍率は約0.3倍の売り長となっており、買い戻しが入ってくることも期待できそうだ。

★高島屋〈8233〉(東1)

 国内外に24店舗を展開する、高島屋<8233>(東1)を入れる。20日終値は23円安の649円。単位1000株。PERは約17.9倍、PBRは約0.7倍となっている。チャートは4月26日につけた年初来高値916円から反落し、以降は続落トレンド。しかし、ここへ来て下値650円ラインを固める動きとなっている。モミ合い上放れで、まずは700円台奪回、続いて次のフシであり26週移動平均線でもある、750円ラインへ…と、戻り足で行きたい。信用倍率は約0.5倍の売り長となっており、買い戻しにも期待できそうだ。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:36 | 特集
2010年08月16日

「二日新甫」の8月相場は残り半月!日経225好配当利回り株浮上=浅妻昭治

■安全第一で日経225好配当利回り株が浮上

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 日銀総裁は、こと公定歩合の上げ、下げに関してはウソを言っても構わないといわれた時代があった。公定歩合が、日銀の政策手段の中心的な位置を公開市場操作に譲った1996年以前の昔のことである。「伝家の宝刀」を抜くぞ、抜くぞと構えながら抜かなかったり、いきなり抜いたりして資金需給を調節し、過熱景気を沈静化させたり、不況脱出を後押ししたりした。もちろん兜町は、政策発動に常に「敬意」を表して株価を上げたり、下げたり対応に忙しかった。

 その日銀総裁が、景気判断に関してもウソを言って構わないとは誰からも聞いたこともない。しかし、8月10日の金融政策決定会合後の白川芳明総裁の発言要旨を新聞で読むと、その景気判断には首を捻った。まさか景気判断に関してもウソを言っても構わないという新しいルールが導入されたわけではあるまいと異和感を禁じえなかった。総裁は、円高については大事な点検ポイントとしつつも、国内経済は今も回復基調が続いているとの見解を固持したのである。

 同じ中央銀行トップの米国のバーナンキFRB議長は、早手回しに経済の先行きについて「異例な不確かさ」を指摘して、白川総裁との判断の違いを際立たせた。バーナンキFRB議長が「当たり屋」で、白川総裁が「曲がり屋」か、それともまったく攻守処を変えることになるのかは、そう遠くない段階で結論が出ることになる。とりあえずは景気認識が異なれば金融政策にも差が出るのは当然で、米国は一段の金融緩和策に踏み切ったが、日本は追加的な政策対応を行わなかった。この日米のギャップを突いて、為替投機筋が、ドル売り・円高を仕掛け、円は1995年の史上最高値1ドル=79.75円も指呼の間にすると緊張感が走って、景気の二番底懸念も強まり、株価の急落につながった。

 もっとも、避暑先から菅首相が、仙石官房長官に電話をかけたと伝わっただけで円高が一服した。いわゆる「口先介入」で、9月の民主党代表選挙を前に一部、レームダック化が懸念されている菅首相の発言でも、為替介入への警戒感が強まることになったわけだ。この警戒感が続く間は無難だが、実際に為替介入の「伝家の宝刀」を抜いたら、宝刀がさびついていて全然効かない結果となり、却って投機筋を勢い付かせてドル売り・円買いにカサをかけるようなことにならないのを祈るばかりである。

 いずれにしろ、「二日新甫」の8月相場は残り半月、まだ波乱が予想される。ここは安全第一である。9月の第2四半期末の配当取りを狙う好配当利回り銘柄が、下値買いの有力株である。しかもこれに「当たり屋」、「曲がり屋」、バーナンキ議長、白川総裁の両方の顔を立てつつ、円高・円安が逆転したときに備えて、日経225銘柄に絞り込むことが次のセレクト・ポイントとなる。エーザイ<4523>武田薬品工業<4502>アステラス製薬<4503>第一三共<4568>の薬品株、みずほフィナンシャルグループ<8411>三井住友フィナンシャルグループ<8316>三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>のメガバンクなどが浮上することになる。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:52 | 特集
2010年08月13日

『売方主導のモグラ・タタキ相場』の展開=犬丸正寛の相場展望

■しばらくは、売方主導の『モグラ・タタキ相場』

 来週(16〜20日)以降の相場も、しばらくは、売方主導の『モグラ・タタキ相場』が続くだろう。ここでの、「売方」とは、信用取引を使った、いわゆる「空売」(からうり)である。

 もちろん、売方と買方は明確に区別できるものではない。同じ投資家でも、時には買方となり、そして、次の局面では売方となる。今は、好業績を発表しても上値が限られている。「苦労して上がる銘柄を探すより、戻りが止まった銘柄を空売するのが、よほど簡単」(中堅証券)。上げ基調の相場では、調整を見極めて信用取引を絡ませて買っておけば儲かる。下げ基調の時はこの逆。戻り銘柄を見極めて、動きが止まったところを売ればいい。まさに、「モグラ・タタキ」の相場に似ている。

 とくに、売方は今の政権では思い切った景気対策、円高対策は出る可能性は少ないと読んでいる。政権自体の根っこが揺らいでいる時にマトを得た経済対策は出るはずがないと読まれている。にもかかわらず、アメリカの景気腰折れ懸念は忍び寄り、日本の国の借金は6月末で900兆円を超えた。しかし、消費税引き上げしか対策がないとみられてしまっている、政府の経済オンチぶりを売方はよく知っている。

 売方は自分たちのペースで、戻れば売り、下げれば買い戻す。政策面からの強力な買いが入ることは考えなくていいからだ。売方はまさに自信をもって取り組める。見ているのは日本の政策よりNYダウの動きでだ。NYダウが下げ止まるとみれば買い戻せばいい。売方にとっては難しい相場ではない。

 少なくとも、9月の新しい民主党代表が決まるまでは売方のペースだろう。ただ、注意しておくとすれば、売方が調子に乗り過ぎて、大量売りを仕掛け、それがつかまって回転が利かなくなった時だ。その時は相場反転になるはずだ。しかし、今のところ、売方は慎重に動いている。

 たとえば、トヨタ自動車。3200円前後で仕掛けた売方は3000円割れで、すかさず買い戻しに動いている。普通なら大台のフシを割ったところで、さらに売り攻勢をかけるところを買い戻しを先行させている。まさに、プロの売方ペースの相場である。こうした動きはしばらく続くものとみられる。仮に、中期長期狙いの現物買いが入ってくるとすれば日経平均が9000円を割れた時だろう。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 20:41 | 特集

花火大会から連想して、ビール銘柄=田北知見の銘柄ウォッチ

田北知見の銘柄ウオッチ 過日、東京の隅田川河川敷で行なわれた『隅田川花火大会』を見た……テレビ中継で(笑)。番組を制作・放映したのは、ローカル的なテレビ東京系列とはいえ、花火大会をテレビで番組として放映するとは、私が知らなかっただけだろうが、今まであまり聞いたことがなかったので、物珍しくて、つい見てしまった。

 後日、別の局の別の番組では、同花火大会を見るために、見物客が、お花見の時のように、見物ベストポジションに数日前からビニールシートを敷いて場所取りをしたり、道路上では、交通規制が始まって歩行者天国になる前から、クルマが行き交う車道に出て場所取りのテープを路上に貼っている人たちをレポートしていた。さらに、花火大会の最中に、ごったがえしている橋上の様子や、埼玉県から来た家族連れが渋滞と駐車場探しで何時間も運転している様子もレポートされていた。

 そういった大変さを見ると、「クーラーの効いた室内でビールでも飲みながら、テレビで花火を見るのも、いいかもしれないなあ」と思ったのだった。ちなみに花火大会中継番組のスポンサーはアサヒビールで、番組中に出演者がビールで乾杯するシーンもあった。花火を眺めながらビール…うーむ、おいしそうだ。

 そこからの連想で、ビール銘柄を見てみた。

★アサヒビール〈2502〉(東1)

 ビール類でシェア2位の、アサヒビール<2502>(東1)を入れる。13日終値は6円安の1566円。単位100株。PERは約14.6倍、PBRは約1.3倍となっている。チャートは7月30日につけた年初来安値1427円を底に、リバウンドトレンドを形成しているように見える。信用倍率は約0.4倍の売り長となっており、買い戻しが入ってくることも期待できそうだ。まずは1650円フシ上抜けを目指す。

 先般のシティグループ証券のレーティングでは、投資格付け「1H」(買い・高リスク)、目標株価2000円、ゴールドマン・サックス証券は投資判断「Buy」(買い)、目標株価2200円とされた。

★キリンホールディングス〈2503〉(東1)

 ビール類シェアが国内首位のキリンホールディングス<2503>(東1)を入れる。13日終値は8円高の1174円。単位1000株。PERは約23.7倍、PBRは約1.1倍となっている。チャートは1月8日につけた年初来高値1544円から反落していたが、7月22日につけた年初来安値1090円で底を打ったもよう。以降はジリ高トレンドで来ている。

 ただ、信用買い残が増えており、目先は調整局面のようだ。押し目を拾い、まずは1200円台回復を目指す。先般のモルガン・スタンレー証券のレーティングでは、投資判断「オーバーウェイト」(強気)、目標株価は1400円、シティグループ証券は投資格付け「3M」(売り、中リスク)、目標株価1300円とされた。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 15:56 | 特集
2010年08月09日

2007年の急騰相場再現は「主役を待ちながら」も大平洋金の1Q決算発表がポイント

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 役者が揃いつつあるようだ。鉄鋼周辺株の業績上方修正である。大同特殊鋼(5471)日本電工(5563)東海カーボン(5301)などと並んでUEX(9888・JQ)にまで及んできた。これに8月10日に第1四半期(1Q)の決算発表を予定している大平洋金属(5541)まで加わるようだと、ひょっとするとひょっとするかもしれない。チャートを参照すれば、一目瞭然、2007年の急騰相場の再現である。

 いまどき鉄鋼周辺株ほど、株価が「天国と地獄」を繰り返すのは珍しい。例えば大平洋金属である。2007年5月に上場来高値2685円まで急伸したのが、翌年の2008年10月には291円安値に突っ込んでいる。ステンレス専門商社のUEXだって負けてはいない。2007年6月の4170円高値への急伸が、2009年2月の144円安値への急落につながっている。原始資本主義そのものである。

 この「天国と地獄」を演出したのは、業績の上方修正、下方修正であった。2007年当時は上方修正に次ぐ上方修正だったものが、2008年には一転して下方修正に次ぐ下方修正に急変したからである。今回、この上方修正組に大平洋金属が仲間入りするとなれば、「ひょっとするとひょっと」だが、2007年相場再現の確率は高まることになる。

 もちろん2007年に急騰相場を示現したのは、特殊鋼、合金鉄などの鉄鋼周辺株だけではない。主役は、あくまでも新日本製鐵(5401)に代表される高炉大手であった。新日鉄は、上場来高値に迫る964円まで急伸したが、業績の上方修正をし増配をし、あの超大型株が低PER株として買い対象に浮上するかと度肝を抜かされた。しかも当時は、ミタルの相次ぐ同業他社への企業買収で世界的な業界再編思惑が高まり、高炉大手同士が株式持ち合いを進めるオマケまであった。

 今回、新日鉄は、期初に進めていた自動車、電機などの各需要家との鋼材価格の価格改定交渉や、鉄鋼原料のサプライヤーとの値決め交渉を理由にして、期初に今2011年3月期業績の予想値開示を見送り、公表したのはやっと第1四半期決算を開示したこの7月になってからだ。株価も、年初来安値水準での底ばいにとどまったままだ。主役はまだ登場していないことになる。

 ノーベル賞作家のサミュエル・ベケットの創作した戯曲に『ゴドーを待ちながら』という名作がある。ゴドー(主役)を待ちながら、舞台上で登場人物2人が会話を繰り返す不条理劇だが、結局、主役は最後まで舞台に現れない。不条理劇は、主役不在でも十分に成立した。いや不在だからこそ、名作に名を連れられた面もある。

 しかし、鉄鋼周辺株の急騰劇が主役不在でも再現するのか、いずれ主役が登場するのを示唆しているのか、それとも一過性の株価思惑で終わるのかは、いまのところ判断はつき兼ねて何とも微妙である。ポイントは、やはり8月10日の大平洋金属の決算発表となりそうだ。「主役を待ちながら」ウオッチを怠ってはならないだろう。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 10:37 | 特集
2010年08月06日

『サマーセール最終章』の展開、小型好業績銘柄狙い=犬丸正寛の相場展望

■中古車関連狙いも一法

『サマーセール最終章』の展開、小型好業績銘柄狙い=犬丸正寛の相場展望 来週(9〜13日)からの相場は、『サマーセール最終章』の展開となることが予想される。集中豪雨から猛暑の2010年夏。しかし、朝夕の風には秋の匂いも漂う。甲子園の高校野球、盆の墓参りで、今年の夏はまもなく終わる。主力どころの4〜6月期決算は出揃い、中小型企業の決算が出て発表は一巡する。その小型群には意外に業績好調な銘柄もあり、これから、さながら、小型株を中心に「サマーセール」の最終売り出しのような展開が予想される。

 全体相場は基本的には、上にも下にも、大きな動きはないだろう。もちろん、突発的な材料が出ないという前提つきではあるが。とくに、ヨーロッパの金融財政不安は、この夏はなんとか無事通過しそうな雰囲気だ。国内も9月の民主党代表選挙までは無風状態。内外の政治家の先生方は暑い夏を骨休みだろう。

 その中で注意するとすれば、干ばつによる穀物相場の上昇。資源全体に波及しないとも言えない。それに、日本海での米韓の軍事演習。北朝鮮が反応しないとは言い切れない心配はある。軍事衝突はイライラの嵩じる暑い時に起きるものだ。

 好業績小型銘柄の物色と同時に、秋以降の相場に備えて木陰で書物を読みふけるのもよいだろうし、9月のエコカー補助金終了に備えて、「中古車関連」を研究するのもよいだろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:31 | 特集

テレビ『世界 ふしぎ発見!』の連想株――銘柄ウォッチ

田北知見の銘柄ウオッチ 過日、テレビの『世界 ふしぎ発見!』(TBS系)で、トルコ共和国のことを放映していた。トルコ南部の地中海に面した、カシュ、パタラ(それぞれ、地名)などにある、リュキア文明の遺跡などについての内容だった。リュキアは紀元前1000年以上の昔にさかのぼる歴史があるそうだ。

 不勉強でお恥ずかしいが、リュキアについて、私は初めて知った。テレビで見ていると、位置的に、ギリシャと中東、エジプトに面しているせいか、古代ギリシャ風の彫刻があったり、彫刻の顔の感じが中東風だったり、エジプトのスフィンクスみたいな物があるなど、いろいろ混じった雰囲気がおもしろかった。

 また、番組ではイスタンブールのボスポラス海峡に建設中の、海底トンネルについても紹介していた。工事中に遺跡が出てきたため、発掘調査を行なっており、工事が延期されているそうだ。「歴史のある(ありすぎる?)国は、いろいろ大変だなあ」と思ったのだった。

 上記の番組から連想した2銘柄について、銘柄診断をしてみた。

★日立製作所〈6501〉(東1)

 『世界 ふしぎ発見!』は、日立製作所<6501>(東1)と、グループ会社が提供していることから、ここに入れる。コマーシャルの1本には必ず、「この〜木なんの木 気になる木〜♪」という歌をBGMに、同社とグループ企業の名前がロールで流れるものが入っている。

 日立の6日終値は2円高の373円。PERは約12.5倍、PBRは約1.3倍。単位1000株。チャートは7月22日につけた直近安値323円から反発し、以降はジリ高トレンドだったが、ここ数日はモミ合いとなっている。信用買い残が多く、信用倍率は7倍台の買い長となっており、もうしばらく調整局面か。350円ラインまでの押し目を待って拾い、高値フシ400円ラインを狙ってみる。8月2日付けのゴールドマン・サックス証券のレーティング(投資対象期間12ヵ月)では、投資判断「Buy」(買い)継続、目標株価520円、シティグループ証券のレーティングでは、「2H」(中立・高リスク)、目標株価420円とされている。

★大成建設〈1801〉(東1)

 上記のイスタンブールの工事は大成建設<1801>(東1)が行なっていることから、ここに入れる。6日終値は4円高の182円。PERは約18.6倍、PBRは約0.7倍。単位1000株。チャートはこの3ヵ月ほど、170〜190円の間でボックス圏を形成している。下値170円ラインで拾い、上値190円ラインで利益確定が無難だろう。ただ、中期チャートで見ると、まだ安値圏にある。中期では220円フシ奪回も視野に入りそうだ。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 17:10 | 特集
2010年08月02日

「ねじれ相場」は輸出主力株、材料株を「丸のみ」の柔軟な逆張り対処で乗り切りが賢明

浅妻昭治のマーケット・センサー 株式相場も「ねじれ」に苦しみそうだ。ミクロとマクロのかい離、「ねじれ」である。ミクロの企業業績は、日米とも好調そのものだ。サプライズが続いた米国に続いて、前週末30日に最初のピークを過ぎた日本の第1四半期(4−6月)決算も、第2四半期累計、3月通期業績の業績予想は、期初予想の据え置き銘柄が圧倒的だが、上方修正・下方修正に限れば、上方修正銘柄が、下方修正銘柄よりも5−7倍も多い途中経過となっている。

 ところが、マクロの経済指標が、株価の足を引っ張っている。銀行のストレステスト(資産査定)で欧州の金融不安が一息ついたと思ったら、今度は、米国が息切れ状態となってきた。バーナンキFRB議長が、経済の先行きについて「異例な不確かさ」と議会証言した通りに、発表される経済指標は相次いで景気の減速感を示唆するものばかりだ。今後とも、欧州と米国が、ブーメランのように互いの景気回復を打ち消し合う不安も拭えない。日本もこれに劣らず、前週末発表の6月の鉱工業生産指数が低下、基調判断に「足踏み」と付け加えられるなど悪化指標が頻出している。

 投資家にとっては、ミクロが正しいのかマクロが先行きを示唆しているのか悩ましい。とくにこの8月相場は、「二日新甫」である。「二日新甫」は荒れるとするのが、兜町のジンクスとして定着している。今年もジンクス通りになるとして、上に荒れるようにサポートする好材料はごく少数で、下に荒れる展開を招く悪材料には事欠かない状態である。
 ここはミクロ、マクロのどちらに肩入れするか、「決め打ち」は禁物だろう。「ねじれ国会」と同様にミクロ、マクロを「丸のみ」する柔軟な対処方法が望ましい。相場がミクロ重視で活況になるようなら、ソニー(6758)パナソニック(6752)ホンダ(7267)など、決算発表でサプライズとなった主力輸出株で攻める以外にない。逆に相場が、マクロを懸念して波乱模様となるようなら、セーレン(3569)鬼怒川ゴム工業(5196)富士通ゼネラル(6755)サンリオ(8136)などの材料株への緊急避難が浮上する。

 もちろん、この「丸のみ」対処は、ミクロ、マクロが両立する「大連立」相場に発展するなら輸出主力株、材料株のどちらをセレクトしても正解となるが、めまぐるしく強弱感が入れ替わるようなら、忙しく逆張りをしなくてはならない。逆張りのタイミングが狂い出すと、買い出動するたびに投下資金が目減りして、「猛暑」が「冷夏」に一変しないとも限らない。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 10:18 | 特集
2010年08月01日

今年後半の材料と相場の展望、今こそ竹田和平式投資を=妻と夫の株ロマン


妻 今年も、後半に入って2ヶ月目です。後半の予想される材料を整理してみましょうよ。いろいろ、沢山ありそうですね。

夫 そうだね。相場を、「引き上げる力の材料」と、「引き下げる力の材料」は、どちらが多いかと眺めれば、「引き下げ力」が強そうだ。国外(海外)と国内に分ければ、国外の不透明材料が多いように思われる。

妻 そうね。ヨーロッパ、アメリカ、それにアジアなど、世界が一斉にという感じです。

夫 ただ、救いとしては、すでに言われている材料ばかりということはある。これまでの相場には、かなり織り込んでいる。しかし、100パーセント織り込んだか、と問われれば、それはない。ヨーロッパでは、ギリシャ発の財政問題が完全に終息するか、リーマンショックは乗り越えたアメリカの景気腰折れ懸念はどうなるか。中国、インドなどは景気が良すぎてバブルが弾ける心配はないか。とくに、中国にはストの問題もある。最初の波はおさまっても、賃金引き上げの味をおぼえただけに、これから先、2波、3波は当然、予想される。デモの発生したタイも行方は不透明だ。北朝鮮問題も火種としては残っている。

妻 すべての材料は、ひとまず、収まりつつあるものの、いつまた、火を噴くか分からない、怖さがあるということですか。

夫 そうだね。まず、中国・上海万博が終わる、秋以降は要注意だろう。お祭りのあとには、国民の間に虚脱感が出るし、外交政策上でも制約が取れる。国民に緊張感を持たせるためにも、中国は外交面で攻勢を強めることも予想される。とくに、万博開催中ということで、北朝鮮にブレーキをかけていたとみることもできる中国は制約がなくなる。

妻 国内も不透明ですね。よもや、負けることはないと思われていた民主党が参議院選挙に負けました。今日は政治の話ではないけど、なぜ、あんなに大敗したと思う?

夫 民主党の組合的な匂いと、対立的な政治手法が国民から敬遠されたのではないかと思っているよ。組合的発想は、稼ぐことより、分け前を勝ち取ることが主だからね。商売をされている人、農業、漁業などの個人事業者の皆さんは、月末の資金繰りをどうしようか、従業員の給料をどうしようかと、いつも頭を痛めておられる。月末になれば、給料の入る組合的とは違う。もちろん、賃金は労働の報酬だけど、事業主の皆さんだって組合員以上に働いておられる。商売の経験のある方は、稼ぐことを疎かにして、大判振る舞いに力を入れて、それで、お金がなくなれば消費税を上げる、ということでは、危ない政権だと思っても不思議ではない。

>>全文を読む(今年後半の材料と相場の展望、今こそ竹田和平式投資を:妻と夫の株ロマン)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:25 | 特集
2010年07月30日

いよいよ8月相場入り!過去のデータから日経平均を占う=犬丸正寛の相場展望

■「8月」の日経平均は、過去18回で「10勝8敗」

いよいよ8月相場入り!過去のデータから日経平均を占う=犬丸正寛の相場展望 来週は、いよいよ8月相場入り。まず、頭に入れておくべきことは、8月が『2日新甫』(ふつか・しんぽ)ということだ。不思議と、昔から、取引が2日から始まる月は荒れるといわれる。いくら、コンピューター中心の理論的な社会であっても、人の心理までは100%変えることはできない。多くの投資家が危ないと感じれば、動物が小さな音に驚いて一斉に同じ方向に向かって走り出すように、人だって、不安心理に駆られると売り急ぐことはあり得る。

 データの取れる1992年以降、2009年までの過去18回における、「8月」の日経平均は、高いケースが10回、安いケースが8回。勝敗でみれば10勝8敗と、7月末に比べ高くなっているケースが多い。2000円を超す幅は、高い方では1992年8月の2150円、安い方で1998年8月の2271円と各1回ある。1000〜2000円の幅では、高いケースで2回、安いケースで1回ある。

■基本は好業績材料株の個別買い相場

 こうしてみると、8月の日経平均は値動きが荒い印象だ。しかし、2002年以降は、高い方にも、安い方にも値幅が極端に小さくなっている。1000円を超えるような上げ下げは一度もない。とくに、08年8月は303円安、09年8月は135円高と非常に小さくなっている。

 常識的にみれば、今年(10年8月)も動きの乏しい相場といえるだろう。第1四半期決算の一巡、9月の民主党党首選挙、その後の国会まで、政治も空白に入るからだ。

 ただ、無風相場と決めつけると危険だ。欧州の金融不安、アメリカの景気腰折れ懸念の強まりなど、油断はできない。今度の日本の参議院選挙前に突如、「消費税」問題が飛び出したように、政治が何を仕掛けてくるか分からない。「2日新甫」は取り越し苦労だったと笑ってすめばけっこうなことだ。基本は好業績材料株の個別買い相場だろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:42 | 特集