
『へうげもの』は、戦国時代を舞台に、古田織部を主人公としたマンガだ。山田氏の作品らしく、キャラクターはかなり個性的な造形となっており、ストーリーは史実に沿っているものの、独自の解釈がなされている。(以下、ネタバレ注意)
たとえば、明智光秀が本能寺に滞在中の織田信長を討ったのは、千利休と羽柴秀吉がうまく光秀を焚きつけたから。それでも秀吉は光秀が信長を討てるかどうか不安で、当日は本能寺へ本人が行き、直接手を下して信長を斬っている。
たとえば、徳川家康のブレーンとなった僧・天海は、光秀が山崎の戦で負けて敗走する際に、光秀を比叡山へ落ち延びさせるために付き添っていた延暦寺の僧だということになっている。光秀はその場で亡くなったが、僧は家康に助けられ、以降は家康のブレーンとして仕えた。光秀の首級として運ばれ、晒されたのは、他の者の首級だったという設定になっている。
ところで、主役の古田織部は武将・大名ではあるが、むしろ茶人として、あるいは茶器製作などで名高い人物だ。そこから連想して、ガラス・土石セクターで銘柄を探してみた。
★日本板硝子〈5202〉(東1)
住友系で英ピルキントン社も傘下にある、板ガラス世界トップシェア級の日本板硝子<5202>(東1)を入れる。2010年3月期連結業績予想は、売上高5900億円(前年比20.2%減)、営業損失210億円(前年は19億0800万円の利益計上)、経常損失380億円(同122億5900万円の損失計上)、純損失450億円(同283億9200万円の損失計上)。『会社四季報』には、2011年3月期は増収、営業損益黒字転換、経常・純損失幅縮小との予想値が出ている。
チャートは2月8日につけた年初来安値221円から反発し、以降は上昇トレンドで来ていた。4月30日につけた年初来高値319円から反落し、地合いへのツレ安もあり、5月7日終値は20円安の276円となった。今後の地合いにもよるが、200円台央の押し目を拾い、300円ラインまでの戻りを待ってみる。太陽電池関連として、中期での買い材料もある。
★ノリタケカンパニーリミテド〈5331〉(東1)
ノリタケカンパニーリミテド<5331>(東1)は高級食器メーカーのイメージが強いが、研削砥石、セラミック部品など工業用製品の割合がむしろ多い。2010年3月期連結業績予想は、売上高875億円(前年比22.6%減)、営業損失17億円(前年は8億0700万円の利益計上)、経常損失15億円(同11億7100万円の利益計上)、純損失45億円(同68億6100万円の損失計上)。前年比減収、営業・経常・純損失計上の見込みだが、期中に上方修正し、当初予想値よりも、減収幅、損失幅とも少なくなる予想となった。『会社四季報』には、2011年3月期は増収、営業・経常・純損益は黒字転換との予想値が出ている。
チャートは昨年11月27日につけた直近安値216円を底に、上昇トレンドとなっていた。4月30日につけた年初来高値336円から反落し、地合いにツレて5月6日、同7日とも日足は陰線となっている。7日終値は18円安の298円。今後の地合いにもよるが、280円ラインの押し目を拾い、320円フシまでの戻りを目指してみる。信用倍率は約0.4倍の売り長となっており、買い戻しにも期待したい。リチウムイオン電池関連など、中期での買い材料もある。
田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。