日本は「黒船」で揺れ動き、「神風」で揺り戻すお国柄である。株式相場も、この国情を免れず相変わらず米国市場のコピー相場が続き、投資主体も外国人投資家主導型で推移している。日経平均株価は、その外国人投資家の買い越しをテコに1万円大台を回復し、その外国人投資家のなかには、オイルマネーも含まれているとの「神風」観測も根強く、師走相場の「掉尾の一振」への期待を盛り上げているところである。しかし、これを受け入れる国内投資家の動向はどうかといえば、投資主体別動向では個人投資家は売り越しである。外国人投資家の買いに売りをぶつける「逆張り」で、相変わらず先行きへの警戒感を緩めていないようにみえる。
この警戒感はどこから由来するのか?「失われた20年」のトラウマ(心的傷害)か、円高再燃懸念か、欧州のソブリンリスク拡大への危惧か、中国の景気減速不安か、尖閣諸島問題や北朝鮮の砲撃事件に伴う地政学リスクか、それとも国内政局の不透明化か、数え上げ出したら切りがないのである。そのどれもが弱気材料として説得性に富んでいて、外国人投資家のように単純に割り切って買いとは強気になりきれないと推測される。
そのなかで国内政局動向は、来年早々にも菅民主党内閣が、1月の通常国会をスムーズに乗り切れるか正念場を迎える。中国と北朝鮮は、国のリーダーが交代する時期に当たる。そうした権力の継承期には、今年起こった尖閣諸島沖中国漁船衝突事件や北朝鮮の砲撃事件などが頻発しないとも限らない。菅民主党内閣が、今度こそ手際よく処理することを期待したいが、その処理の基本となる日米同盟が万全かといえば、どうも雲行きが怪しい。
例の米国の外交文書をすっぱ抜いた内部告発サイト「ウィキリークス」で、今後、日本関係の公電が公開されるようなら、日本の「非核三原則」や「武器輸出三原則」などの安全保障政策に密約締結などの重大な疑問が生まれる可能性もあるからだ。菅民主党内閣が、それを前自民党内閣の責任に転嫁するようなら、それこそ政局リスクである。
来年は、この国政レベルに加えて統一地方選挙も実施される年になる。ちょっと早手回しだが、来年相場のテーマ株に浮上するはずの選挙関連株をマークしておくのも一法となりそうだ。オールドエコノミーの関連株のイムラ封筒(3955)、TOA(6809)、グローリー(6457)、ムサシ(7521)などのほか、ネット関連のマクロミル(3730)、もしもしホットライン(4708)、インテージ(4326)、ヤフー(4689)、サイバーエージェント(4751)、楽天(4755)などにも網を張りたい。
浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。























先日の夜、何気なくベランダから外を見て驚いた。今まで無かった(気づかなかった)所に忽然と大きなマンションが建ち、煌々と明かりが灯っていたのだ。そういえば、以前の一時期、家の郵便受けに、分譲マンションの宣伝チラシが何度か入っていたことを思い出した。チラリと見ただけの記憶だが、設備が充実した立派なマンションという印象だった。
前週(11月22日〜26日)の日本の株式市場は堅調な展開となり、日経平均株価は終値ベースで1万円の大台を維持して終了した。短期的な過熱感が警戒されたうえに、欧州の財政不安問題の広がり、朝鮮半島情勢の緊迫などが悪材料として上値を抑える要因となったようだが、出遅れ修正への期待が強いうえに、外国為替市場でドル安・円高のトレンドが一服感を強めたことも支援材料となった。
このところ、円は対ドルで円高修正となっている。しかし、「現在の1ドル・83円台では日本のデフレは止まらない。止めるには95〜100円が必要。そのためには、積極財政を採るべきで、とくに、投資減税がもっとも効果的。さらに、財政と金融の一体化政策も採るべき。日銀には手段、方法ということでは独立性はあってよい。しかし、その前に、まず政府が明確な経済政策目標、たとえば名目成長率4%の目標を打ち出すべき。政権の大きい方針に従うのが日銀である。かつて、デフレから脱却させた高橋是清を見習うべき」と。とくに、名目GDPの4%を2年で達成することは難しくないと強調。消費税についても全額地方へ回せばよいとも。来年の地方選挙に向けて、「いい人材がたくさん欲しい」。









