ポジティブな面とネガティブな面の両方が取り上げられており、良い面では、ケータイやネットを活用して活動の場を広げたり、地方に住んでいても良好な待遇で働いている若者の事例等を取り上げている。悪い面では、人とうまく接することを最優先させるために、昔の「ムラ社会」のように、お互いの顔色をうかがったり、場の雰囲気に合わせたり(いわゆる「空気を読む」ということ)など、いろいろ気苦労も増えているらしい。また、ネットのバーチャル体験で何でも分かったような気になってしまい、結果として行動範囲を狭めている若者も多いようだ。
私がこの本を読んで思ったのは、「いつの時代も、便利なツールを活用し、時代の流れに乗って勝ち組になる人と、ツールに使われ、時代に流されて負けてしまう人がいるのだな」ということだった。道具は使うものであり、道具に使われる側にはなりたくないなあ、と思った。
著者の原田氏が博報堂勤務ということから連想して、広告代理店銘柄をウォッチしてみた。
★電通〈4324〉(東1)
国内最大手の電通<4324>(東1)を入れる。28日終値は40円高の2330円。単位100株。PERは約25.5倍、PBRは約1.2倍。チャートは昨年3月につけた上場来安値1282円を底に、この1年ほどは凸凹しながらも上昇トレンドで来ている。今年4月12日につけた年初来高値2728円からは反落しているものの、2200円フシにあたり、反発の様相。今後の地合いにもよるが、まずは25日移動平均線の2480円ラインまでの戻りを待ってみる。信用倍率は約0.15倍の売り長となっており、買い戻しも期待できそうだ。
★アサツー ディ・ケイ〈9747〉(東1)
広告会社の3位企業、アサツー ディ・ケイ<9747>(東1)を入れる。28日終値は1円高の2091円。単位100株。チャートは4月26日につけた年初来高値2633円から反落していたが、ここへ来て反発の様相となっている。地合いにもよるが、まずは2200円フシ上抜けを目指してみる。信用倍率は約0.3倍の売り長となっているので、買い戻しが入ってくることも期待できそうだ。
田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。