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記事一覧 (05/28)新書から連想して、広告代理店銘柄診断――銘柄ウォッチ
記事一覧 (05/26)『上海万博開催1ヵ月、旅行者の出足は?』H・I・Sの長谷部卓之氏に聞く
記事一覧 (05/24)次のビッグ・イベント、株主総会接近で発行価格と株価のニアミス銘柄に政策株価の思惑も
記事一覧 (05/21)ギャルメイク?から連想して、化粧品銘柄――銘柄ウォッチ
記事一覧 (05/21)日経平均は強弱観対立へ!調整一巡か?本格調整の始まりか?=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (05/17)波乱相場下で「第2のアルプス」探しの有資格銘柄はプラス・スパイラル転換株が最右翼
記事一覧 (05/14)関心は企業業績から景気へ!マーケットの新たな視点とは=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (05/14)ハイボールの流行から連想して「お酒」銘柄診断――銘柄ウォッチ
記事一覧 (05/10)【話題】損得で割り切れるか!基地移転問題で気になる沖縄電力の株価
記事一覧 (05/10)「遠い金融危機」は安全資産の金関連株でリスク回避。期間限定で決算内容に要注目
記事一覧 (05/07)中期的材料で表面化した『3つの不安』を見極めるところ=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (05/07)マンガ『へうげもの』から連想して、ガラス・土石セクター銘柄――銘柄ウォッチ
記事一覧 (05/06)決算発表一巡後は「政治の季節」到来か?選挙関連銘柄に早手回りのアプローチも一考余地
記事一覧 (05/05)普天間問題とマーケットの行方:妻と夫の株ロマン
記事一覧 (04/30)データに裏づけられる「5月相場は高い」理由とは?=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (04/30)花盛りで美しい…「藤」銘柄――銘柄ウォッチング
記事一覧 (04/28)上海万博と中国関連株の行方=妻と夫の株ロマン
記事一覧 (04/26)連休の谷間の新光電、ホンダの勝敗動向が連休明け後の追い風、向かい風の風向きを左右
記事一覧 (04/24)ゴールデンウイーク直前で『個別物色の相場』=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (04/23)テレビの『ケンミン』番組から連想して、山口県銘柄診断――銘柄ウォッチ
2010年05月28日

新書から連想して、広告代理店銘柄診断――銘柄ウォッチ

田北知見の銘柄ウオッチ 原田曜平の新書『近頃の若者はなぜダメなのか〜携帯世代と「新村社会」』を読んだ。原田氏は1977年生まれ。博報堂に勤め、若者のライフスタイルなどを研究しているという。同書では、現在の若者が、携帯電話・携帯電話のメールをどのように使い、それによって昔の若者と、生活習慣やメンタリティがどのように変わっているのか、などを、豊富な実例を挙げて説明している。

 ポジティブな面とネガティブな面の両方が取り上げられており、良い面では、ケータイやネットを活用して活動の場を広げたり、地方に住んでいても良好な待遇で働いている若者の事例等を取り上げている。悪い面では、人とうまく接することを最優先させるために、昔の「ムラ社会」のように、お互いの顔色をうかがったり、場の雰囲気に合わせたり(いわゆる「空気を読む」ということ)など、いろいろ気苦労も増えているらしい。また、ネットのバーチャル体験で何でも分かったような気になってしまい、結果として行動範囲を狭めている若者も多いようだ。

 私がこの本を読んで思ったのは、「いつの時代も、便利なツールを活用し、時代の流れに乗って勝ち組になる人と、ツールに使われ、時代に流されて負けてしまう人がいるのだな」ということだった。道具は使うものであり、道具に使われる側にはなりたくないなあ、と思った。

 著者の原田氏が博報堂勤務ということから連想して、広告代理店銘柄をウォッチしてみた。

★電通〈4324〉(東1)

 国内最大手の電通<4324>(東1)を入れる。28日終値は40円高の2330円。単位100株。PERは約25.5倍、PBRは約1.2倍。チャートは昨年3月につけた上場来安値1282円を底に、この1年ほどは凸凹しながらも上昇トレンドで来ている。今年4月12日につけた年初来高値2728円からは反落しているものの、2200円フシにあたり、反発の様相。今後の地合いにもよるが、まずは25日移動平均線の2480円ラインまでの戻りを待ってみる。信用倍率は約0.15倍の売り長となっており、買い戻しも期待できそうだ。

★アサツー ディ・ケイ〈9747〉(東1)

 広告会社の3位企業、アサツー ディ・ケイ<9747>(東1)を入れる。28日終値は1円高の2091円。単位100株。チャートは4月26日につけた年初来高値2633円から反落していたが、ここへ来て反発の様相となっている。地合いにもよるが、まずは2200円フシ上抜けを目指してみる。信用倍率は約0.3倍の売り長となっているので、買い戻しが入ってくることも期待できそうだ。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 17:01 | 特集
2010年05月26日

『上海万博開催1ヵ月、旅行者の出足は?』H・I・Sの長谷部卓之氏に聞く

■H・I・S旅行事業グループリーダー長谷部卓之氏に聞く

 上海万博が始まってまもなく1ヶ月。日本からの旅行者も着実に増えているようだ。新型インフルエンザのあった昨年とは様変わりしている。海外旅行取扱業大手のエイチ・アイ・エス<9603>(東1)の東日本ツアー事業部・第三旅行事業グループの長谷部卓之グループリーダーに海外旅行の現況を聞いた。

『上海万博開催1ヵ月、旅行者の出足は?』H・I・Sの長谷部卓之氏に聞く

■上海万博は混み合うことも予想、興味のある方は少しでも早く

――上海万博が始まって、まもなく1か月です。順調なスタートでしたか。

 【長谷部氏】 正直、最初は情報不足で大変でした。例えば、入場券は大きく分けて、「個人券」と「団体券」の2種類があります。その種類によって会場へのアクセス方法や駐車場の利用方法が異なるのですが、そのあたりの正確な情報がわかったのは直前でした。また、道路や地下鉄の混雑予測や会場内の情報も乏しく、情報収集に苦労したのを覚えています。

――パンフレット作成などは大変だったでしょうね。

 【長谷部氏】 そうですね。当社のスタッフが会場内を視察することができたのは開幕直前でしたので。利用する駅、ゲート、食事スペース、トイレの数、場所などを直前情報で、急いでパンフレットを作成しなくてはいけませんでした。それに、開幕前ということで当然写真も手に入りません。当初は、満足できるパンフレットではありませんでしたが、現在では少しづつではありますが細かく、詳しい情報がご提供できるようになっています。

――ゴールデンウイークの御社の利用者はいかがでしたか。

 【長谷部氏】 5月1日〜3日までの期間で約500名でした。この期間は情報が不足していたうえに、日付指定の入場という条件だったことを考えれば、まずまずだったと思います。

――連休明け後の状況はいかがでしょうか。

 【長谷部氏】 5月6日以降は非常に良い状況です。他の地域に比べても際立って突出しており、上海を中心とした中国旅行ということでは、昨年の同じ時期に比べて倍以上になっています。やはり、メディア等での報道や露出拡大の効果が大きいと思います。

――期間中、入場券の販売目標はいかがですか。

 【長谷部氏】 公認の販売代理店として、われわれには一定の割当枚数があります。当初は売れ残ったらどうしようという気持でしたが、今は追加したい気持になっているほどです。現地の情報が日本のテレビなどで取り上げられるようになっている効果も大きいと思います。盛り上がってきていると、手応えを感じています。

――お薦めコース、料金について、ご紹介ください。

 【長谷部氏】 上海万博コース4日間がお薦めです。

http://e.his-j.com/trip/ciao/voyage/02A_10/TC-OSB2171-BAN2

 万博1日観光が付いているほか、もう一日万博を見るか、新旧上海巡りを選ぶことができます。新・旧上海巡りでは、上海でいちばん高い展望台、地上400メートルのワールドフィナンシャルセンターから上海市内が一望できます。一方、昔ながらの雰囲気が漂う泰康路(たいこうろ)、田子坊(たこぼう)、やレトロな街並みの多倫路(たりんろ)、18年かけて作り上げられた明代の庭園・豫園(よえん)の散策などをお楽しみいただけます。

――お値段は。

 【長谷部氏】 往復航空券、ホテル、送迎、万博入場券つきで3万9800円からございます。燃油(サーチャージ)代と2日分の万博入場券(1日2,900円)が含まれていますので大変お得感があると思います。

――大阪万博でも会期の終わりが近づいてくると来場者が急増しました。早めがよいでしょうか。

 【長谷部氏】 大阪万博は、私は、まだ生まれていませんでしたので分かりません(笑)。しかし8,9月は日本からの観光客が多くなりますし、10月は国慶節などもあり混み合うことが予想されますので、ご興味のある方は少しでも早いほうが良いと思います。

――ありがとうございました。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:11 | 特集
2010年05月24日

次のビッグ・イベント、株主総会接近で発行価格と株価のニアミス銘柄に政策株価の思惑も

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 決算発表が終了すれば、次のビッグ・イベントは株主総会である。かつて跋扈した「ハゲタカ・ファンド」や「モノ言う株主」が、リーマン・ショックやドバイ・ショック、ギリシャ財政危機のソブリン・リスク懸念などに次々と直撃され、撤退・縮小を余儀なくされ、注目度は低下しているものの、株主総会は、経営者と株主とが直接、顔を合せて最高の意思決定をする年1回の重要な機会であることには変わりはない。株主にすれば業績、株価などが妥当なのか、経営者のガバナンス能力は十分なのかなどを確かめて、問題ありとなれば経営責任追及の声のトーンも上がろうというものである。

 なかでもぜひその経営責任に照準を合せたいと手ぐすねを引いているのは、昨年秋の金融危機時に相次いで新株式発行を強行した企業の個人株主だろう。新株式発行で株主価値は希薄化する、株価は急落する、と踏んだり蹴ったり犠牲を強いられた。もちろん株価急落の犠牲者は、既存株主ばかりではない。新株式を引き受けた新株主も、株価が発行価格を割れば、評価損となってマイナスに働く。新株式を発行した会社の経営者は、6月までのあと1カ月、自社の株価と発行価格の格差是正が最大の株主総会対策になるはずだ。

 株価が、前週末21日終値現在で発行価格割れの危機状況にあるのは、金融ご三家の三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)(発行価格428円)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)(同2808円)、野村ホールディングス(8604)(同568円)が代表である。エルピーダメモリ(6665)(同1152円)、日立製作所(6501)(同230円)の2社の株価が、払い込み近辺が安値でそこから大きくリバウンドしたのとは大きな落差となっている。

 株主総会当日も、世界的な同時株安が続いているとすれば、外部環境の悪化に自社株の株安の責任転嫁は可能となる。しかし、相場全般が立ち直るなかでなお株安が変らないとなれば、当然、株主総会で株主から責任を追及され説明責任を求められるはずだ。株主総会に向けて、何らかの株価材料の出現、株価対策の発動が期待されることとなる。

 金融ご三家のほか、発行価格と株価がニアミスしているネクスト(2120)酉島製作所(6363)アルバック(6728)パイオニア(6773)日本ケミコン(6997)曙ブレーキ工業(7238)マツダ(7261)ヤマハ発動機(7272)静岡銀行(8355)常陽銀行(8333)などの政策株価に思惑が高まろうというものである。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 14:27 | 特集
2010年05月21日

ギャルメイク?から連想して、化粧品銘柄――銘柄ウォッチ

田北知見の銘柄ウオッチ 先日、デパートで外資系化粧品メーカーの商品を買った。フランス系のメーカーで、口紅やアイシャドウ、チークパウダーなど、デザインがかわいいものが多いので、気に入って時々買っているのだ。

 担当してくれたアドバイザー(店員)さんは、「今年入社したのかな?」と思うくらい若い女性だった。小顔で、金髪に近いくらい明るい色の茶髪、お肌ツルツル、ガッツリメイクのギャル風。ボディはバービー人形みたいに細い。日常であまり接さないタイプなので、ちょっと緊張したのだが、彼女のほうがもっと緊張しているように見えた(笑)。

 サービスというか、お試しで、少しメイクをしてもらったのだが、仕上がりは、なんとなくギャル風?のメイクになっていた(笑)。やはりギャル系のかたがメイクを施すと、お客がかなり年嵩の女性でも、ついギャル風に塗ってしまうものなのだなあ、と思い、なんとなく可笑しかった。

 上記の文から連想して、化粧品銘柄。地合いが悪いので、ディフェンシブ銘柄に逃げて(笑)みた。

★資生堂〈4911〉(東1)

 化粧品の国内最大手、資生堂<4911>(東1)を入れる。チャートを見ると、3月18日につけた年初来高値2100円から反落し、地合いの悪化も背景に、続落トレンドとなっている。5月21日終値は63円安の1797円となり、1月4日につけた年初来安値1802円を更新した。現在の1800円ラインはひとつのフシなので、そろそろ反発すると見たいが、地合いがさらに軟化するようなら、1700円ラインの押し目待ちか。

 現在の株価でPERは約23倍、PBRは約2倍となっている。また、今期2011年3月期の配当金は9月中間と3月期末それぞれ25円の、年間計50円予想。現在の株価で利回り約2.8%の計算となる。

★花王〈4452〉(東1)

 トイレタリーでトップ、化粧品で2位のメーカー、花王<4452>(東1)を入れる。チャートは4月6日につけた年初来高値2432円から反落し、地合いの軟化にともない、続落トレンドで来た。5月21日終値は69円安の2032円。前日つけた年初来安値2082円を更新し、連日の安値更新となった。今後の地合いにもよるが、2000円フシでいったん反発すると見たいところ。

 PERは約22倍、PBRは約2倍となっている。また、今期2011年3月期の配当金は9月中間と3月期末それぞれ29円の、年間計58円予想。現在の株価で利回り約2.9%の計算となる。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:52 | 特集

日経平均は強弱観対立へ!調整一巡か?本格調整の始まりか?=犬丸正寛の相場展望

日経平均は強弱観対立へ!調整一巡か?本格調整の始まりか?=犬丸正寛の相場展望 1万円を大きく割り込んだ日経平均に対し、『調整一巡』か、あるいは『本格調整の始まり』か。来週は2つの見方を巡って強弱観が対立するものとみられる。

 日経平均の1万円割れで調整一巡とみる背景には、GDP(国内総生産)と企業業績がそろって好調なことがある。日経平均ベースの予想PERは17倍台にまで低下し割安感が強まっている。しかも、4月15日につけた日経平均の年初来高値1万1408円からの下落率が1ヶ月強で15%に達し下げピッチも速い。特に、今度の相場では個人投資家が慎重だったことで上値でのシコリが少ないこともある。

 一方、日経平均の1万円割れは、本格調整の始まりとみる背景は、金融に対する厳しさがある。2008年のリーマンショック、今回のギリシャショックも、製造業より金融業の行き過ぎが指摘されている。ギリシャショック自体は放漫な財政運営によるものでも、投機的な資金が動きに拍車をかけている、という指摘だ。リーマンショックの震源地アメリカにおいて、また、ギリシャショックの震源地EUにおいて、アメリカとドイツがそろって金融に対する規制を強化する方向にあるのはこのためだ。

 規制によって、短期資金が行き場を失えば、優位な通貨に対し資金移動が起こり、想定以上の為替相場の変動が起きる可能性がある。

 日本は、少子高齢化の人口衰退、勤勉性を失った国民性、技術力の低下、軸の定まらない政治、などなどを考えると、本来、「円高」どころか、「円安」のはず。しかし、現実には、日本よりも悪いEUということで円に資金が流入する。結果、今後もびっくりするような円高の可能性はありうる。

 今、好調な日本のGDP、企業業績は、言うもでもなく、輸出によって支えられている。それが、円高となれば前提が狂ってくる。足元の景気、企業業績は良くても、先行きは下ブレの心配が強い。

 そこへ、朝鮮半島に緊張が高まっている。普天間基地問題で右往左往の今の内閣に軍事的緊張への対応は期待できない。「コンクリートから人へ」の公約も取り下げるようだ。とにかく、今の政府では日本の先行き不安は高まるばかりだ。

 このため、日経平均は民主党政権が誕生した後の安値9076円(09年11月)を下回ることも予想されている。つまり、本格調整の始まりという見方になっているわけだ。もちろん、日本の財政悪化も他人事ではない、というおまけもつく。

 ただ、今の場面で、「調整一巡」か、「本格調整の始まり」のどちらかに決めつけることはできない。もう少し、時間が必要だ。短期的には戻る場面が予想され、その場合、どのていど戻るかが先行きの相場を占ううえで、重要な視点となるだろう。来週は戻りを見極める相場で、一般個人は、もうしばらく、新規買いは様子をみたい。『売りは早かれ、買いは遅かれ』の教えを守るところだろう。

>>犬丸正寛の相場格言(ブログ)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:08 | 特集
2010年05月17日

波乱相場下で「第2のアルプス」探しの有資格銘柄はプラス・スパイラル転換株が最右翼

浅妻昭治のマーケット・センサー 株式投資の現実は厳しい。まさしく諺にいう「板子一枚下は地獄」、「吉凶は糾える縄の如し」通りの日々である。米国株、欧州株、アジア株の乱高下に振り回され、売りか買いか、強気か弱気か見極めがつかない迷走に次ぐ迷走を余儀なくされている。これに拍車をかけたのが、前週末14日にピークを越えた3月期決算の発表である。象徴はアルプス電気(6770)ソニー(6758)の明暗、対照的なパフォーマンスだ。唯一の救い、手掛かり材料の好転する業績動向を素直に受け取って、株高評価して間違いないのか、またまた足がすくむ思いをした投資家も少なくない。

 アルプスもソニーも、同じ赤字転落業績からの生還株である。アルプスは、前2010年3月期に小幅黒字転換したあと、今期は純利益で実に24倍もの増益を予想、市場コンセンサスを100億円を上回るとして、ポジティブ・サプライズとなってストップ高まで買い上げられた。一方、ソニーは、純利益の黒字転換は1期遅れた今期で、その黒字転換幅も市場コンセンサスを850億円も下回るとして逆にネガティブ・サプライズ視され、かつての「ソニー・ショック」を彷彿とさせるような情け容赦のない売られ方をした。

 市場コンセンサスを上回る、下回るというのは、本当はサプライズでも何でもない。単にそのコンセンサスの元になる証券アナリストの業績分析が、揃いも揃って間違ったことを証明しているだけに過ぎないはずだ。しかしその間違いの責任を証券アナリスト自身が取るのではなく、株価に押し付けるのはいかがなものかと割り切れなさだけが残る。

 しかも、投資家がアルプスを買い、ソニーを売っていたならば万々歳の天国である。ところが指運の悪さか魔が差したか、逆にアルプスを売り、ソニーを買いとしてパソコンのキーボードを押してしまったとしたら、まさしく「板子一枚下は地獄」の目も当てられない惨状となる。

 そんなこんなだが、ソニーはさて置いて、少なくともアルプスの好パフォーマンスを前向きに捉えるならば、今後の相場展開の展望にも一筋の道筋がみえてくる。全般の波乱相場下でも市場にまだ買い気が残り、待機資金も十分にあることを表しているとすれば、「木を見て森を見ない」個別銘柄物色が相場の命ということになる。とすれば、「第2のアルプス」探しが、もっとも手っ取り早い相場の勝ち残り方法として浮上する。

 「第2のアルプス」の有資格銘柄は、いうまでもなくアルプスと同様に前々期に下方修正に続き下方修正をしたのが、前期後半から上方修正に転じ、今期のV字回復を予想した銘柄となる。業績も株価材料も株価も、前々期のマイナス・スパイラルが、プラス・スパイラルに転換した銘柄である。

 石炭・コークス価格やマンガン、フェロニッケルの国際市況は、前々期の急落から底打ち、反転し、カーボンブラックの需要も減少から増加に転じており、この関連株は、マイナス・スパイラルからプラス・スパイラルに転換している。三井松島産業(1518)日本コークス工業(3315)東海カーボン(5301)日本カーボン(5302)日本電工(5563)大平洋金属(5541)中央電気工業(5566・東2)などの投資余地が膨らんでくる相場シナリオを期待したいものである。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 13:29 | 特集
2010年05月14日

関心は企業業績から景気へ!マーケットの新たな視点とは=犬丸正寛の相場展望

関心は企業業績から景気へ!マーケットの新たな視点とは=犬丸正寛の相場展望 来週(17〜21日)の相場は、マーケットの関心が、『企業業績から景気へ』、徐々に移って行くものとみられる。日経平均は1万400〜1万800円のモミ合いが予想される。

 3月期決算の大所銘柄の発表が、ほぼ一巡した。11年3月期は好調が予想されている。この11年3月期については、まだ、十分には織り込まれてはいないものの、マーケットには別の視点が芽生えている。

 『リーマンショック前水準に対してどうなのか』、という視点である。たとえば、トヨタ自動車<7203>(東1)の営業利益は09年3月期赤字4610億円→10年3月期1475億円→11年3月期(予)2800億円と急速に上向く。ところが、好調だったリーマンショック前の2008年3月期の営業利益は2兆22703億円。この時に比べると、11年3月期が回復するとはいっても、08年の営業利益より、まだ2兆円も少ない。

 マーケットでは、既に、株価については、「リーマンショック前水準奪回が合言葉」となっている。実際、日経平均はリーマンショック前の1万2000円ていどに対し、4月には1万1406円まで行った。しかし、トヨタ自動車にみられるように、多くの企業においては、利益水準がリーマンショック前には遠くおよばない。明らかに、株価が企業業績に対し先行し過ぎている状態なのだ。

 3月期決算会社が、これから、第1四半期(4〜6月)を公表するまでには、まだ時間が必要。このため、ここからは、景気を見ながらの11年3月期をイメージする場面だろう。もともと、4〜6月期が良くても、多くの企業は、第1四半期において増額修正するケースはほとんどない。増額があるとしても第2四半期時点である。このため、これから夏場にかけて、企業業績より景気の動きに関心が強まるものとみられる。しかも、7月には参議院選挙が控えている。これから夏場に向けて、海外、国内とも「景気」への関心が、ますます高まるものとみられる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:03 | 特集

ハイボールの流行から連想して「お酒」銘柄診断――銘柄ウォッチ

田北知見の銘柄ウオッチ 最近(といってもだいぶ前からだが)ハイボールが流行っているらしい。ウィスキーをソーダ水で割ったものだ。私はウィスキーはロックで飲む派なので、あまり興味がなかったのだが、先日、「スーパーハイボール」という飲み方があると知った。ジョニ黒などのブレンデッド・ウィスキーをふつうにソーダ水で割り、その上から、そのウィスキーの原酒のひとつ(たとえばタリスカーやラガヴリンなど)を垂らすという。

 ラガヴリンはスコットランドのアイラ島のウィスキーで、私は今うちにラフロイグを置いているくらい、アイラ・ウィスキーが好きなのだ。独特の風味がいい。タリスカーは、今回調べてみたところ、同じくスコットランドのスカイ島のもので、私は飲んだことがないのだが、これもかなり個性的な味わいのようだ。スカイ島については、昔、本で読んだことがあり、「いつか行ってみたい、でもムリだろうな」と思っていた場所のひとつだ。旅行に行けないなら、せめてウィスキーで気分だけでも楽しもうか、と思ったのだった。

 上記から連想して、「お酒」銘柄を診断してみた。

★サッポロホールディングス〈2501〉(東1)

 ビール・発泡酒3位のサッポロホールディングス<2501>(東1)を入れる。チャートは1月12日につけた年初来高値555円から反落し、一時持ち直しつつも、続落トレンドとなっていた。ただ、5月7日に年初来安値417円をつけてからは、反発のきざしが出ている。14日終値は18円安の432円。PERは約35.4倍、PBRは約1.4倍となっている。信用倍率は約0.6倍の売り長。買い戻しもバネに、まずは460円台奪回、さらに中期で500円フシまでの戻りを目指す。

★アサヒビール〈2502〉(東1)

 ビール類シェア2位のアサヒビール<2502>(東1)を入れる。チャートは4月12日につけた直近高値1811円から反落していた。しかし5月7日につけた年初来安値1577円以降は戻り足のトレンドとなっている。14日終値は7円安の1631円で、PERは約15.2倍、PBRは約1.3倍。信用倍率は約0.4倍の売り長となっているので、今後は買い戻しも入ってくると見たい。まずは25日・13週・26週移動平均線である1700円ライン奪回を目指す。

 過日のシティグループ証券のレーティングでは、「1H」(買い/高リスク)、目標株価2100円とされた。また、SMBCフレンド調査センターの7日付けレーティングでは、「中立」から「強気」(今後6ヵ月間の目標株価が現在の株価を10%以上、上まわると判断する)へ格上げされている。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:54 | 特集
2010年05月10日

【話題】損得で割り切れるか!基地移転問題で気になる沖縄電力の株価

話題 電力株の中で沖縄電力<9511>(東1)が非常に強い動き。鳩山総理の沖縄訪問が連休期間中の5月4日にあり、これを受けて、連休明けの6日(木)に同社株は5360円の年初来高値をつけた。7日(金)はギリシャショックで、全般相場が急落したことから5000円まで調整。しかし、5000円はキープし10日(月)は140円高の5220円と反発。

 むろん、電力株の中で5月になって年初来高値をつけたのは同社株だけ。ちなみに、電力再大手の東京電力<9501>(東1)が年初来高値をつけたのは1月25日の2504円。日柄で3ヶ月以上も前のこと。同社株の強さが抜きん出ている。

 新高値の背景は、もちろん、沖縄の基地移転問題。鳩山総理が、沖縄訪問で、腹案とも言うべき、辺野古沖に杭打ちで滑走路を建設するという案を披露したこと。腹案に値するかどうかは別として、政府が初めて意思表示をしたことは事実。

 もちろん、地元は、テレビ放映でみられるように大反対の合唱。これに対し総理は、「学べば学ぶほど防衛の重要さが分かった」との弁。それに続く言葉としては、きっと、「みなさんも、学んでみてください。重要さが理解できるはずです」と言いたいのだろう。当然、「今後、予想されるのは、お得意の大判振る舞いだろう」(中堅証券)。「みなさまの、あれだけの、反対の声を耳にすれば、この程度の経済支援では足りないと思います」という総理の声が聞こえて来そうだ。

 基地問題が、どうなるかは、まったく不透明。ただ、指摘されるように沖縄の経済支援策は、今後の交渉の過程で膨らんでくるだろう。沖縄を地盤とする沖縄電力にはプラスとなることは間違いない。とはいえ、損得で割り切る投資家の気持ちにも、なんとなく、しっくりしないものが残ることも事実。「実現すれば同社株の1万円の可能性もある」との声もあり、同社株の動きについていくことになりそうだ。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:39 | 特集

「遠い金融危機」は安全資産の金関連株でリスク回避。期間限定で決算内容に要注目

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 「遠い戦争は買い」とは、欧州を戦場とした第1次世界大戦当時の日本の軍需特需、戦争景気を背景に成立した相場格言である。しかし、同じ欧州を舞台とする今回のギリシャの財政危機問題は、「遠い金融危機は買い」とするわけにはいかなかったようである。果敢にリスクを取りワールドワイドにどこにでも首を突っ込む投資資金は、そのくせリスクにはことのほか敏感で逃げ足も速い。為替、商品、株式が叩き売られ、地理的にも経済背景的にも遠いはずの日本株にも情け容赦がなく急落した。

 このギリシャ問題の根深さを感じさせるのは、ショックが、EU(欧州連合)の金融支援策が本決まりとなり、ギリシャ自身の財政再建法案が成立する過程で起こったことにある。これは、財政危機、「ソブリンリスク」が、ギリシャ一国にとどまらず、ギリシャと同様に巨額の財政赤字を抱えるポルトガル、スペインなどいわゆる「PIIGS」にまで波及し、より深刻化すると懸念されていることが第一だろう。

 次いでテレビニュースで連日放映されているギリシャ国内の暴動も、不安材料となっている。成立した赤字削減法案では、公務員の給与凍結、年金支給額の削減、消費税(付加価値税)の増税などが打ち出され、4年間で財政赤字のGDP比率をEU基準の3%以下まで10%以上も改善させることになっている。こんな窮乏化政策にギリシャの一般市民が、ブーイングの声を上げるのは当然だろう。「悪法もまた法である」として甘んじて毒杯を仰った古代ギリシャの哲人ソクラテスのようにはいかないのである。バブル経済崩壊後の「失われた10年」で数々の辛酸を舐めた日本の一般市民としては、他人事とはとても思えない。

 専門筋によれば、こうした問題の目先の見極めがつくのが、5月19日ということである。この日にギリシャが、1兆円規模の大量の国債償還を迎えるからだという。もちろんこの間に、主要先進国が市場の動揺を抑えるための協調政策を発動することも想定される。昨年11月のドバイショックでは、日銀が臨時政策決定会合を開催して新型オペの導入を決定し、円高が一巡、株価も急反転したが、そうしたケースも起こり得る。

 問題はこの見極めがつくまでの1週間の期間限定の対処方針となる。これはもう当たり前すぎるほど当たり前だが、リスク資産が軒並み投げ売りされるなかで安全資産として逆行高した金価格の関連銘柄でリスク回避するのが常法だろう。5月6日に好決算を発表した三井金属(5706)が好感高したように、決算発表が11日予定の住友金属鉱山(5713)、13日予定のDOWAホールディングス(5714)アサヒホールディングス(5857)、14日の松田産業(7456)などの決算内容が要注目となる。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 10:23 | 特集
2010年05月07日

中期的材料で表面化した『3つの不安』を見極めるところ=犬丸正寛の相場展望

中期的材料で表面化した『3つの不安』を見極めるところ=犬丸正寛の相場展望 来週(10〜14日)の相場は、短期急落に対し戻りが見込める一方で、中期的な材料として表面化した、『3つの不安』を織り込む動きとみられる。

 日経平均は、連休前、4月27日には1万1213円と上伸し連休明けに期待を抱かせる動きだった。ギリシャの財政危機、中国の引き締め策などにより、NYダウなど世界のマーケットが軒並み急落。日経平均は7日(金)には1万0257円まで、わずか4営業日で956円安と1000円近く下げた。短期間にこれだけ下げれば、当然、戻りは見込める。

 その場合、1万1000円台を回復できるか。もう1点は30日線(1万1090円程度)を上抜くことができるか。このあたりが戻りの目安となりそうだ。

 一方、今度の下げで、マーケットには、先行きへの不安が芽生えたことも事実。『世界景気への不安』、『政局への不安』、『企業業績への不安』だろう。2008年のアメリカ発の100年に一度といわれた世界不況。今度はギリシャの財政危機によるヨーロッパ発の世界不況に陥る不安はないか。さらに、世界景気の機関車役・中国にバブル崩壊の懸念が強まっていることもある。仮に、ヨーロッパに加え中国までも調整となれば、今の日本の経済では下支えの力はない。世界景気への不安は強まっている。

 とくに、今度のギリシャ問題は財政の悪化。どの国も財政悪化に喘いでいる。その中で、日本の財政状態は先進国の中で劣化が目立ち、遠くない時期にギリシャ状態に陥る可能性は否定できない。格差是正、優しさ政策は、むろん大切。

 しかし、稼ぐことを疎かにした優しさは真の優しさではない。財政立て直しのために、支出を削ることの難しさはギリシャを見れば分かる。早めに手を打たないと日本も手遅れになりかねない。イギリスの選挙では保守党が巻き返している。日本でも、民主党には、これまでの心地よい風から冷たい風に変ってきている。

 しかし、民主党が保身ばかりに力を注ぐようだと、経済の活力は失われる。7月の参議院選挙に向けて政局不安の雰囲気は強まりそうだ。

 日本を取り巻く外部環境が厳しさを増せば、当然、企業業績への不安も高まってくる。外がだめでも、国内の需要が強いから大丈夫、と言えないのが今の日本である。とくに、仮に、中国がバブル崩壊すれば影響は非常に大きい。

 日経平均1万2000円台への希望が消えたわけではない。むしろ、これら3つの不安が解消されれば、下げに対するリバウンドも加わって一気に1万2000円台へ進む可能性もある。これから、3つの不安がどのように解消されていくか。反対に不安が強まるか。じっくりと見極めるところに来ている。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:50 | 特集

マンガ『へうげもの』から連想して、ガラス・土石セクター銘柄――銘柄ウォッチ

田北知見の銘柄ウオッチ 山田芳裕のマンガ『へうげもの』(HyougeMono)1〜10巻を一気読みした。山田氏のマンガは、1990年代にヤンサン(青年向けの週刊マンガ雑誌『ヤングサンデー』、現在は休刊)に『デカスロン』が連載されていた時から好きだった。ストーリーはもとより、絵のデフォルメが強烈だったり、効果音が変わっていたりするので、おもしろいのだ。

 『へうげもの』は、戦国時代を舞台に、古田織部を主人公としたマンガだ。山田氏の作品らしく、キャラクターはかなり個性的な造形となっており、ストーリーは史実に沿っているものの、独自の解釈がなされている。(以下、ネタバレ注意)

 たとえば、明智光秀が本能寺に滞在中の織田信長を討ったのは、千利休と羽柴秀吉がうまく光秀を焚きつけたから。それでも秀吉は光秀が信長を討てるかどうか不安で、当日は本能寺へ本人が行き、直接手を下して信長を斬っている。

 たとえば、徳川家康のブレーンとなった僧・天海は、光秀が山崎の戦で負けて敗走する際に、光秀を比叡山へ落ち延びさせるために付き添っていた延暦寺の僧だということになっている。光秀はその場で亡くなったが、僧は家康に助けられ、以降は家康のブレーンとして仕えた。光秀の首級として運ばれ、晒されたのは、他の者の首級だったという設定になっている。

 ところで、主役の古田織部は武将・大名ではあるが、むしろ茶人として、あるいは茶器製作などで名高い人物だ。そこから連想して、ガラス・土石セクターで銘柄を探してみた。

★日本板硝子〈5202〉(東1)

 住友系で英ピルキントン社も傘下にある、板ガラス世界トップシェア級の日本板硝子<5202>(東1)を入れる。2010年3月期連結業績予想は、売上高5900億円(前年比20.2%減)、営業損失210億円(前年は19億0800万円の利益計上)、経常損失380億円(同122億5900万円の損失計上)、純損失450億円(同283億9200万円の損失計上)。『会社四季報』には、2011年3月期は増収、営業損益黒字転換、経常・純損失幅縮小との予想値が出ている。

 チャートは2月8日につけた年初来安値221円から反発し、以降は上昇トレンドで来ていた。4月30日につけた年初来高値319円から反落し、地合いへのツレ安もあり、5月7日終値は20円安の276円となった。今後の地合いにもよるが、200円台央の押し目を拾い、300円ラインまでの戻りを待ってみる。太陽電池関連として、中期での買い材料もある。

★ノリタケカンパニーリミテド〈5331〉(東1)

 ノリタケカンパニーリミテド<5331>(東1)は高級食器メーカーのイメージが強いが、研削砥石、セラミック部品など工業用製品の割合がむしろ多い。2010年3月期連結業績予想は、売上高875億円(前年比22.6%減)、営業損失17億円(前年は8億0700万円の利益計上)、経常損失15億円(同11億7100万円の利益計上)、純損失45億円(同68億6100万円の損失計上)。前年比減収、営業・経常・純損失計上の見込みだが、期中に上方修正し、当初予想値よりも、減収幅、損失幅とも少なくなる予想となった。『会社四季報』には、2011年3月期は増収、営業・経常・純損益は黒字転換との予想値が出ている。

 チャートは昨年11月27日につけた直近安値216円を底に、上昇トレンドとなっていた。4月30日につけた年初来高値336円から反落し、地合いにツレて5月6日、同7日とも日足は陰線となっている。7日終値は18円安の298円。今後の地合いにもよるが、280円ラインの押し目を拾い、320円フシまでの戻りを目指してみる。信用倍率は約0.4倍の売り長となっており、買い戻しにも期待したい。リチウムイオン電池関連など、中期での買い材料もある。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:28 | 特集
2010年05月06日

決算発表一巡後は「政治の季節」到来か?選挙関連銘柄に早手回りのアプローチも一考余地

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 3月期決算の発表がピークを越すと、「政治の季節」到来、昨年の政権交代再現かと心配させたのが、5月4日の鳩山由紀夫首相の沖縄県訪問である。沖縄県知事や名護市長との会談で、まず謝罪や認識の間違いを認めた挨拶から入るようでは、自ら期限と区切った5月末までに米軍普天間基地問題が、地元との合意に達するのはまず不可能と思わざるを得ない。早速、マスコミが観測報道したように、連立政権の崩壊、衆参同時選挙などの政局不安が懸念されることになる。上方修正ラッシュとなった決算発表で、材料視されなかった政局動向が、改めて株価波乱材料になる可能性は少なくない。

 この普天間基地移設問題に関連して、鳩山由紀夫首相の「腹案」が観測報道されたときは、突然、およそ20年以上も昔にタイムスリップしたような既視感(デェジャビュ)に捉えられた。移設先の名護市辺野古のキャンプ・シュワブに滑走路を建設する案として、現行計画の埋め立て工法に代わり桟橋工法、浮体工法が検討されているとする記事だったからだ。

 この3工法は、1994年9月に開港した関西国際空港が建設された際も、比較検討が行われた。埋め立て工法は建設業界、桟橋工法は鉄鋼業界、浮体工法は造船業界がそれぞれ提案し、技術評価を経て結局、埋め立て工法が採用されて1987年の空港島の護岸築造工事からスタートした。この工法決定に際して、敗れた造船業界の担当者が「建設業界の政治力には敵わなかった」ともらした述懐をいまでもまざまざと思い出す。

 こうした政治力は、国が進めた数々のビッグ・プロジェクトでも遺憾なく発揮されてきた。1997年に開通した東京湾横断道路(アクアライン)でも、川崎市側はトンネル、木更津市側はブリッジとして建設されたが、これも当時はトンネルを主張する建設業界とブリッジを主張する鉄鋼業界の言い分を足して2で割る折衷案とする観測が専らであった。

 いずれも公共工事が、最大の景気対策・内需振興策だった時代の話である。常に政治力を発揮して勝ち組となった建設業界も、その後の財政再建、公共投資の抑制、「コンクリートから人」への転換で、いまや凋落の一途である。栄枯盛衰は産業界に付き物だが、雇用吸収力の大きなこうした業界の役割が後退したあとに、どのような工法が日本復活を支えるのか、これについても鳩山首相に期限付きで青写真を示してもらいたいものである。

 5月末から7月の参議院選挙まで、「政治の季節」となるとすれば、選挙関連株を早手回しにアプローチすることも有効となりそうだ。定番銘柄のもしもしホットライン(4708)電通(4324)博報堂DYホールディングス(2433)TOA(6809)ムサシ(7521・JQ)に加えて、昨今は関連サイトを運営しているヤフー(4689)楽天(4755・JQ)なども評価を高めており、バラエティーに富んでいるのである。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 10:22 | 特集
2010年05月05日

普天間問題とマーケットの行方:妻と夫の株ロマン


妻 総理が遂にと言うか、やっとと言うか、沖縄を訪問されました。テレビで観ていて、県民のみなさん、すごい反対の声でした。公約違反ですから当然ですね。

夫 そうだね。総理は、「最低でも県外」と言い続けてこられた。しかも、「5月末に決着をつける」、「私に腹案がある」とも言い切ってこられた。さらに、オバマ大統領へは、「私を信じてください」とまで表現された。しかし、挙句の果て、この場におよんで、「沖縄県民のみなさん、ごめんなさい」、という泣き落としのようだ。僕が、若い頃、仕えた上司の人に言われた言葉を思い出す。自分の目的・目標を達成するには、「怒ってみせろ」、「おだててみよ」、そして、最後は、「泣き落とせ」だった。なんとなく、似ている気持ちがする。一国の主の総理としては、ずいぶん言葉が軽いと思う。

妻 世のなかには、言ったことは守る、「有限実行」が基本だと思うの。言った以上は守る、できないと思えば言わないことです。たしかに、厳密にチエックすれば、「マニフェストには書いてありません」、と言われるならその通りです。しかし、国民に錯覚を与えるようなきれい言葉を並べて、国民が勝手に期待するほうがおかしい、という態度ではないですか。総理の性格の問題ですか。

夫 違うだろうね。当然だけど、総理ひとりの判断ではない。描かれたシナリオ通りに動かれていると思う。周辺には法律関係の出身者が多い。最後は契約書(公約)に書いてあるかどうかで勝負すればよいと踏んでいるはず。契約書にない言葉なら、「あの時はそう思った」で、あとで、いくらでも言い訳できる。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:04 | 特集
2010年04月30日

データに裏づけられる「5月相場は高い」理由とは?=犬丸正寛の相場展望

■過去18年間の日経平均とTOPIX

データに裏づけられる「5月相場は高い」理由とは?=犬丸正寛の相場展望 連休明けから5月相場が始まる。昨年までの過去18年間の日経平均とTOPIXについて、「5月末」と「前月末4月」を比較したところ、日経平均、TOPIXとも高い回数が10回、安い回数8回。10勝8敗と勝ち越し。「連休明けから5月相場は高い」と言われてきたことは、データでは裏づけられている。

■5月相場の日経平均データとTOPIXデータ
(年、日経平均前月末比、TOPIX前月末比)
・1992年=○957、 ○58
・1993年=●366、 ○15
・1994年=○1248、 ○79
・1995年=●1369、 ●77
・1996年=●85、 ●31
・1997年=○917、 ○45
・1998年=○29、 ●1
・1999年=●589、 ●39
・2000年=●1641、 ●126
・2001年=●672、 ●55
・2002年=○271、 ○38
・2003年=○593、 ○41
・2004年=●525、 ●46
・2005年=○267、 ○14
・2006年=●1438、 ●136
・2007年=○475、 ○54
・2008年=○488、 ○49
・2009年=○694、 ○60
・2010年=?

○=10:平均594円、 ○=10:平均45
●=8:平均835円、 ●=8:平均63

 ただし、気になるのは「8敗」の内容。平均の下げ幅が日経平均、TOPIXとも大きい。平均の上昇幅に対し、平均の下げ幅が、両指数とも4割ていど上回っている。さらに、気になるのは1000円を超える日経平均の上昇は1回だけ。これに対し、下げ幅が1000円以上は3回もある。このことから、何かの材料で、相場が下げた場合は下げ幅が大きくなることを意味している。

 何かとは。95年、2000年、2006年などのケースでは、いずれも景気の先行きに対する警戒、不安感だろう。企業の決算発表が集中する5月。先行きの景気に不安感があれば、経営者の業績見通しは慎重となる。これが、株価の頭を押さえる。

 現在はリーマンショック後の景気回復過程にある。しかし、内需不振を抱えた状態で景気がさらに上向くか。バブル懸念の中国に金融引き締めや通貨切り上げの懸念はないか。ギリシャ、ポーランド問題を抱えたヨーロッパ発の経済波乱はないか。こうした問題を経営者がどのように見通して業績予想を出してくるか。今年の5月相場は、「2011年3月期の企業業績見通し」にかかっているといえるだろう。

 しかも、過去18年間中において、4年連続高と4年連続安はなかった。いずれも、3年連続まで。今年は、昨年までの3年連続高の後を受けての年である。4年連続高となるかどうか。カギは、やはり、景気と企業業績が握っている。とくに、企業業績から目が離せない。利の乗っている銘柄は深追いしないで利益を確定させることに心がけたい。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 20:55 | 特集

花盛りで美しい…「藤」銘柄――銘柄ウォッチング

田北知見の銘柄ウオッチ 私がいま住んでいる街は、藤の花が有名らしい。花が紫色で、ぶどうの房のように垂れ下がる、蔓(つる)性の植物である、藤だ。駅前からまっすぐ伸びる通りの両側に沿って、藤棚が遠くのほうまで並んで設置され、紫色や白色など、シーズンには、たくさんの花が垂れ下がっている。今はちょうど盛りの時期なので、そこはかとなく良い香りも漂っている。私は今まで、そんなにたくさんの藤がいっせいに咲いたところを見たことがなかったので、見た目の美しさに圧倒されるとともに、藤の花が芳香を放つことも、初めて知った。

 藤は昔から観賞用の花として親しまれ、また、蔓の部分がカゴなどの日用品づくりに使われてきたせいか、「藤」の文字は、地名や人名にも多く使われている。近辺に藤が多かったことから命名されたのかもしれないし、あるいは、藤原氏にゆかりがあるのだろう。上場企業の社名を見ても、工藤、藤田、佐藤、安藤、伊藤、藤倉など、「藤」のつく銘柄は多い。優良銘柄を探してみた。

★伊藤園〈2593〉(東1)

 茶葉製品・緑茶飲料の最大手メーカー、伊藤園<2593>(東1)を入れる。2010年4月期連結業績予想は、売上高3355億円(前年比0.8%増)、営業利益120億円(同13.1%増)、経常利益110億円(同6.0%増)、純利益52億円(同9.1%増)と増収増益を見込んでいる。『会社四季報』には、2011年4月期も増収増益との予想値が出ている。

 チャートは3〜4月にかけてジリ高トレンドで来ていたが、権利落ち日あたりから小反落している。が、4月30日終値は13円高の1457円。PERは約25.6倍、PBRは約1.8倍となっている。信用倍率は0.3倍台の売り長となっており、買い戻しも期待できそうだ。また、5月6〜25日に予定している自社株買いも材料となるか。押し目小すくいの場面と見る。

★伊藤忠エネクス〈8133〉(東1)

 伊藤忠商事<8001>(東1)系の燃料商社で、石油やLPガスなどを扱っている、伊藤忠エネクス<8133>(東1)を入れる。筆頭株主は伊藤忠商事で、その他の大口株主には信託口や生保、損保、信託銀行、自社従業員持株会のほか、シナネン<8132>(東1)やジャパンエナジー(新日鉱ホールディングス<5016>(東1)傘下)などの優良企業が並んでいる。

 4月30日の後場中に発表した伊藤忠エネクスの2010年3月期連結決算は、売上高1兆0837億6000万円(前年比7.0%減)、営業利益60億9500万円(同38.3%減)、経常利益70億0500万円(同31.5%減)、純利益43億6000万円(同19.5%減)だった。2011年3月期連結業績予想は、売上高1兆1200億円(前年比3.3%増)、営業利益98億円(同60.8%増)、経常利益102億円(同45.6%増)、純利益38億円(同12.8%減)を見込んでいる。

 チャートは昨年12月15日につけた直近安値366円から反発し、以降は上昇トレンドで来ている。この1〜2ヶ月ほどは400円台後半でモミ合ってきた。4月30日終値は5円安の465円。PERは約16倍、PBRは約0.6倍と、とくに割高・過熱感は見当たらない。信用倍率は0.7倍の売り長となっており、買い戻しにも期待してみる。まずは500円フシが目標となりそうだ。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:04 | 特集
2010年04月28日

上海万博と中国関連株の行方=妻と夫の株ロマン


妻 いよいよ、5月1日から上海万博です。このところの中国はすごいわね。オリンピックが終わったと思ったら「万博」です。

夫 かつての、日本の歩みをみているようだ。経済が発展するということは、こういうことを言うのだろうね。大きいイベントをやるには、お金がかかるけど、今の中国なら余裕十分だろう。

妻 日本でも、東京オリンピックが昭和39年(1964年)10月でした。そのあと、大阪の万博が昭和45年(1970年)です。中国も2008年の北京オリンピックのあと、今年、上海万博です。日本に40年余り遅れてはいますが、オリンピックに続いて万博というビッグイベントの開催は、かつての日本とそっくりです。

夫 そうだね。日本もあのオリンピックで戦後が終わって、先進国の仲間に入ることができたと実感したものだった。嬉しかったね。中国も同じ気持ちだと思うよ。テレビを通して見る中国の人の表情に活気がある。

妻 そうね。若い女性たちがさっそうとしています。オリンピックと万博は、どちらも、国家的な大きいイベントですが、しかし、振り返ってみると、庶民の受け取り方に違いがあったように思うわ。とくに、女性の生活スタイルが大阪万博で大きく変わったと思うの。たとえば、家族そろって出かけるようになり、外で食事もするようになりました。それまでは、外で食事することは、贅沢というか、もったいない、という気持ちがありました。女性のパンストがヒットし始めたのも万博がきっかけだったと思うわ。オリンピックは男性的、万博は女性的なイベントだと思うの。

夫 そうだね。田舎の村祭りで夜店へ繰り出すのとはちがって、おしゃれして、親戚もいっしょに万博広場に出かけたね。別世界に出かけた気分だった。たしかに、万博をきっかけに個人の消費が変わったと思う。

妻 日本の万博の後は車、カラーテレビ、クーラーの3Cブーム。それに、住宅ブームもあったと思うわ。新幹線もできたし。

夫 万博の2年後、1972年(昭和47年)に田中角栄内閣が誕生して、「日本列島改造」政策も始まった。こうしてみると、中国もこれから内陸部の開発が急ピッチで進むだろう。「中国版列島改造」だろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:40 | 特集
2010年04月26日

連休の谷間の新光電、ホンダの勝敗動向が連休明け後の追い風、向かい風の風向きを左右

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 「利食い千人力」で「見切り千両」であることは、江戸時代の米相場以来、血や涙、汗で購われてきた艱難辛苦の末に到達した冷厳な相場哲学である。この相場格言に従えば、市場が長期休場する前はリスク回避のためにも手仕舞い売りを優先させることは、賢明な投資行動の初歩中の初歩ということになる。

 ところが昨今は、この初歩中の初歩の常識の風向きが変ってきている。年末年始の正月休みの前にも、「株券を枕に越年」など強気相場の例外中の例外とされているにもかかわらず、しこたま株券を仕込んで越年する投資家が少なくない。また、5月のゴールデンウイークを前にしても、株価材料として最大の変動要因の3月期決算発表が本格スタートして、決算内容が株価に対してポジティブかネガティブか不確かであるにもかかわらず買いを優先する傾向を強めている。あのバブル相場時と同様にリスク感覚が欠如したかのようである。しかし、実際の相場そのものは、例え悪材料が飛び出してもたちまちのうちに織り込み済みとなり、長期休場明け後は「夜放れ」とはいわないまでも、目論見通りにソコソコのパフォーマンスを上げてきた。

 この変化にはいろいろ要因がありそうだが、その第1はネット投資家の存在だろう。年末年始相場では、世の中一般が12月28日に「御用納め」となったあとの立会日の29日、30日に休暇入りのネット投資家が、パソコン画面と睨めっこをして売った、買ったの日計り商いに精を出す。また5月のゴールデンウイーク中も、連休の谷間の立会日に値幅取り、サヤ抜きのチャンスに事欠かない。それに日本市場は休場でも、海外市場は開いており、この動向次第では、強気投資家の強気をさらに加速する展開にもつながる。

 さて今年も、5月のゴールデンウイーク目前である。今週から決算発表が、本格スタートするのは例年通りだが、日並びの良さのせいで連休の谷間は、昨年の2日間から今年は4月30日のたった1日に減少する。この連休の谷間近辺に発表される決算内容と、それを市場がポジティブ・ネガティブいずれのサプライズとして反応するかが、連休明け後の株価動向を示唆することは間違いない。

 とくに昨年末からの投資主体別の売買動向は、外国人投資家は大幅な買い越しを続ける一方、個人投資家は大きく売り越しとなっており、待機資金は十分なはずである。連休中にこの待機資金が強気に転じるようなら、連休明け後もそのまま雪崩を打って市場流入が続くことも期待される。

 東証では、連休入り前の28日に137社、谷間の30日に109社が決算を発表予定で、このほかジャスダック証券取引所、大阪証券取引所の各上場会社、さらに12月決算会社の第1四半期決算の発表なども加わる。このうち連休の谷間の30日に株価評価対象になるのは、28日発表会社で、スケジュールから検索すれば、目玉は新光電気工業(6967)ホンダ(7267)の2社だろう。

 一部決算発表が材料出尽くし感を強めた米国市場と異なって、2社の30日の株価が上昇(勝ち)となるか下落(負け)となるか、2戦2勝、1勝1分け、2戦2敗となるかによって、30日に決算発表予定の富士フイルムホールディングス(4901)牧野フライス製作所(6135)TDK(6762)村田製作所(6981)ユニ・チャーム(8113)などへも追い風、向かい風となるか風向きが決まることになる。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 11:59 | 特集
2010年04月24日

ゴールデンウイーク直前で『個別物色の相場』=犬丸正寛の相場展望

■主力銘柄はGW明けに期待

ゴールデンウイーク直前で『個別物色の相場』=犬丸正寛の相場展望 ゴールデンウイーク前の来週(26〜30日)は、『個別物色の相場』だろう。主力銘柄はゴールデンウイーク明けに期待となるだろう。
 日経平均は4月5日に1万1408円の年初来高値をつけ調整中。連休が明ければ、高値からの日柄が1ヶ月経過となり、買い疲れに対する休養は一応、一巡する。日経平均の安値も16日以降は1万800円台で底堅くなっている。
 もちろん、休み中に海外で悪材料が出ないということが前提。テロのような大きい材料は別としても、ギリシャ問題、中国のさらなる金融引き締め、大幅な円高などが出ないことだ。もしも、嫌な材料が出ると、25日線を割り込んでいるため下ブレする可能性がある。
 もっとも、今の段階で連休後をあれこれ言っても仕方ない。来週は27日、28日に3月期決算を発表する企業もある。決算発表で11年3月期見通しの良い銘柄が個別的に買われる相場とみられる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:03 | 特集
2010年04月23日

テレビの『ケンミン』番組から連想して、山口県銘柄診断――銘柄ウォッチ

田北知見の銘柄ウオッチ 日本テレビ系列の番組『秘密のケンミンSHOW』が好きで、たまに見ている。各都道府県のお国言葉や、地元限定の伝統や習慣や流行などを紹介するものだが、バラエティなので、あまり深刻にならず、楽しく見ることができる。しかし、4月15日と22日の放映では、私の出身地の山口県が取り上げられたので、かなり真剣に(笑)見てしまった。

 番組にはいくつかのコーナーがあるのだが、そのひとつに、「全国のあちこちに転勤する」というドラマ仕立てで、各都道府県の食べ物や地元のお店・企業などを紹介するコーナーがあり、そこで取り上げられたのだ。企業では、シマヤ(非上場、本社・山口県周南市)などが登場した。私としては、「山口県を代表する企業といえば、瀬戸内工業地帯に多く立地する化学系企業だろう」と思っていたのだが、この番組では、視聴者から身近に感じてもらうためか、おもに食べ物関係の企業が登場するようだ。

 シマヤは、だしの素やめんつゆなどが有名だが、番組で紹介された『金子みすゞの子守唄で寝かせた味噌』が、私としてはちょっと食べてみたいなと思った。山口県長門市出身の詩人・金子みすゞの詩をメロディーに乗せた同社オリジナルの子守唄を、熟成中の味噌に聴かせたものだそうだ。以前、「クラシック音楽を聴かせてつくった焼酎」を飲んだことがあるが、この味噌も、なんだか、まろやかでおいしそうな気がする。

 上記から連想して、山口県銘柄を診断してみた。

★宇部興産〈4208〉(東1)

 山口県宇部市に本社がある、宇部興産<4208>(東1)を入れる。2010年3月期連結業績予想は、売上高5520億円(前年比19.4%減)、営業利益250億円(同19.8%減)、経常利益145億円(同28.9%減)、純利益70億円(同40.0%減)と減収減益を見込んでいるが、『会社四季報』には、2011年3月期は増収増益との予想値が出ている。会社側の決算発表は5月11日を予定しているという。

 チャートは昨年11月20日につけた直近安値201円から反発し、以降は下値抵抗線を切り上げてきている。4月23日終値は1円安の242円。まずは1月8日につけた年初来高値268円ラインの上抜けを目指す。19日付けのゴールドマン・サックス証券のレーティングでは、投資判断「Buy」(買い)継続、目標株価は310円とされている。

★トクヤマ〈4043〉(東1)

 山口県周南市に本社がある、トクヤマ<4043>(東1)を入れる。2010年3月期連結業績予想は、売上高2700億円(前年比10.3%減)、営業利益150億円(同34.0%減)、経常利益125億円(同38.6%減)、純利益70億円(前年は55億9700万円の損失計上)。『会社四季報』には、2011年3月期は増収増益との予想値が出ている。会社側の決算発表は5月12日を予定しているという。

 チャートは2月16日につけた年初来安値457円で底を打ったようだ。以降はジリ高トレンドとなっている。4月23日終値は6円高の533円。まずは1月14日につけた571円ライン上抜けを目指す。少し古くて恐縮だが、4月6日付けのクレディ・スイス証券のレーティングでは、投資判断「オーバーウェイト」(強気)継続、目標株価は600円とされている。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:29 | 特集