
門倉貴史氏の著書『人妻の経済学』を読んだ。門倉氏は、人妻の消費マーケットは約125兆2490億円であると試算。人妻の消費力や投資力、節約の功罪、労働力などについて分析、説明し、さらには、人妻と不倫の経済学、性風俗と人妻の経済学についても言及されている。
ところで、「主婦」ではなく「人妻」としたのは、人妻は、一例として「ベッドタウンに居住しながら都心に立地する大企業に勤める人」などをイメージしており、主婦は、地元のスーパーなどでパートタイマーをし、美容・ファッション関係の消費が少ないという、地元地域密着型の仕事スタイル・消費スタイルの既婚女性のイメージなのだそうだ。
データなどをもとに、今の時代の動きをとらえておられて、楽しく勉強させていただいた。
というわけで、同書から連想した銘柄。
★パナソニック電工〈6991〉(東1) 同書には、人妻の購買力を取り込んだ分野のひとつに、美容関係の製品・サービスを挙げられている。その一例として、
パナソニック<6752>(東1)の『ナイトスチーマー ナノケア』が挙げられていることから連想して、
パナソニック電工<6991>(東1)を入れる。2010年3月期連結業績予想は、売上高1兆4500億円(前年比9.3%減)、営業利益320億円(同0.5%増)、経常利益320億円(同2.3%増)、純利益70億円(前年は138億4500万円の損失計上)。『会社四季報』には、2011年3月期は増収増益との予想値が出ている。
チャートは中期上昇トレンドの高値圏。4月6日に年初来高値1245円をつけて以降は調整局面にある。16日終値は19円安の1186円。9日の三菱UFJ証券のレーティングでは目標株価1190円とされており、達成感が出ているようだ。信用倍率は0.3倍台の売り長。目先はカラ売り銘柄の様相となっている。
★マースエンジニアリング〈6419〉(東1) 同書で、人妻の消費力の取り込みを狙っている産業のひとつとして、パチンコ業界が挙げられていることからの連想で、パチンコ店向け機器の開発・製造・販売を行なっている
マースエンジニアリング<6419>(東1)を入れる。2010年3月期連結業績予想は、売上高318億1900万円(前年比10.1%増)、営業利益78億3800万円(同5.9%増)、経常利益79億5300万円(同4.7%増)、純利益47億0300万円(同8.9%増)と増収増益を見込んでいる。『会社四季報』には、2011年3月期は微増収微増益の予想値が出ている。
チャートは昨年9月の3000円台央から反落し、続落トレンドで来ていたが、2月12日につけた年初来安値1669円で底を打ったようだ。以降はジリ高傾向となっている。が、まだまだ底値圏にあり、買い時と見る。16日終値1883円でPERは約8.7倍、PBRは約0.9倍と割安水準となっている。まずは2100円ラインまでの戻りで、2月1日と2日のマド埋めを目指す。
田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 17:01
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